闇の獣人 女神の加護で強く生き抜きます(18禁)

feriameres

文字の大きさ
167 / 386

第162話 闇の獣人、おいしい果物はどれか調べてみる

しおりを挟む
 貧民街の東と西のボス達から打ち明けられた悩み。それは子供や老人でもできる仕事がほしいということだった。

 そういう場合は露店やお店の仕事を手伝う、清掃の仕事などの手伝いなどが挙げられるが、貧民街で生きているというだけで、犯罪者と繋がっているという偏見をもたれて、なかなかそういう仕事は回ってこないらしい。

 しかもそういう仕事は身元がはっきりしている一般市民の子供達や老人達にとられてしまっており、貧民街の住民を雇うと店の売れ行きが悪くなる=縁起が悪いという偏見をもつ商人も多いようだった。

 最初、その話を聞いた時にそういう偏見をもつ連中をまとめてダンジョンに放り込んでから、リビング・ホイールの死体で店ごと叩き潰してやりたくなった。

 今は世界が邪神の眷属による召喚魔法で、次々と異世界から召喚された魔物が次々と転移してきている。

 それなのにこの世界の住民同士でくだらない差別や偏見を抱いているのは何事だろうか。実際に退治しているのはこの俺だ。俺以上に異世界から召喚されたバケモノを退治している奴ならともかく、各、村や街に俺が張った結界の中で生きている住人が同じ住人を差別したり偏見をもつのは許せなかった。

 そんな奴など直径50メートルの巨大な輪の人工魔法生物の巨体で叩き潰されて滅んでしまえばいいじゃないか。

 と、思ったが…。やはり彼等も不安なのだろう。実際、邪神の眷属の本拠地がわかっていないんだしな。

 帝国に邪神がいるが、どうも神々によると…俺との戦いは望んでいないので今は召喚している元凶を探すのが先なんだが、これがうまくいかない。

 他の邪神が封じられている場所も調べようと思えば、調べられるんだが…。うかつに深入りすると封印が解けてしまう可能性もあるので、調査は難航している。

 そんなわけで今の所は平和なので、王都ジェルロンドの貧民街の子供達や老人でもできる仕事とか用意できないかと考えている。

 そこでヒョドリンにおいしい果物って実らせられるか? と聞いたら…いろんな果物を何十個も即座に実らせてくれましたよ…。

 常に俺の分身達がヒョドリンの根元に射精し続けているので、いろんな果物を実らせることができたようだった。

 で、今はいろんな果物を食べて、どれがいいのかを思案中だ。

 果物の皮とかは側にいるエペランが全部取り込んでくれるので問題ない。一緒に食べないかと誘ったが、ドラフォールさんやミリーヤに遠慮したのか、ゴミだけでいいと辞退してテーブルの下で皮やリンゴの芯などを取り込むゴミ処理係になっている。

 桃、りんご、梨、サクランボやメロン、スイカ、ざくろにいちご…。

 さすがに俺一人じゃ食べきれないので、サキュバス・エンプレスのミリーヤとドラフォールさんにも食べてもらっている。

 アナントスは果物には興味ないらしくて、食べるのを拒否している。俺の精液の方が100倍美味しいとかいって口にしない。

 みかんの皮を剥いて食べていたサキュバス・エンプレスのミリーヤが、動きを止めてメロンを食べている俺をじっと見つめている。

 「どうした? 何か言いたいことがあるんならはっきり言ってくれ」

 俺がメロンを食べ終わると、ミリーヤは皮をエペランの真上にそっと落としてから、意を決したように口を開いて言った。

 「あの、ご主人様…。その、貧民街の主な住人を占める子供や老人の為にいい仕事がないかを思案しているのでしたよね?」

 「ああ。いい果物とかあれば、それを貧民街に植えれば育ってくれるだろうし。ただおいしくないと育てる気が起きないからな。その為にいろいろ試食してもらっているんだが…。何か問題でもあるか?」

 いろんな果物がカットされて、数多くの皿が並べられているテーブルの上をじっと見ていたミリーヤだったが、また俺の目を見ながら続ける。

 「あの、ご主人様。私、ご主人様がご執心の貧民街をエペランさんに頼んで見せてもらったんですが…。とても植物、それも果樹を植える所なんて見当たりませんでした。

 ですが地下の方にはもともと闇商人がいたので、今なら十分な広さがあると思います。それにご主人様は気づいておられないでしょうが…。今、ヒョドリンさんが実らせた果物を私達で食べていますが、これらの植物は太陽の光がないと実らないものばかりです。ですから地下ではこれらの果物を育てるのは難しいのではないかと…」

 「あっ…そうか。それじゃこれらの果物って全部地下だと育てられないのか…」

 せっかくヒョドリンに実らせてもらったのに、その果物がどれも太陽の光がないと育たないとわかって、落胆する俺に目玉に触手が多く生えた化け物、いや俺の熱狂的信者の一人であるセレソロインが椅子に座っている俺のすぐ側に転移してきた。

 「いいえご主人様! 光の大精霊達に命じれば地下でも十分にヒョドリンの実らせた果物を育てることが可能ですよ?」

 「だがそれはラフィアス殿がいなければ、光はすぐに消えてしまうだろう。やるなら永遠に消えることのない光、それも太陽の光と同じように万物繁茂の効果をもたらす光でないとな。それはいくら大精霊でも難しいのではないかな?」

 今まで無言でリンゴを食べていたドラフォールさんが口を挟んできた。やっぱり一流の剣士だけあって、リンゴの皮を剥くのが上手だった。

 「そうですわね。地下も数十年経てば劣化して畑や果樹園を移動させる必要がありますものね。先の事を考えると永続する光を移動させる手段がないと、地下で果物を育てる案はあまりいいとは言えないと思いますわ」

 「ならばキノコならどうですか? もちろん毒なしのキノコです。これなら地下でも育てられるでしょうし、植え替えもそれほど難しくないと思いますよ?」

 一瞬、ミリーヤの言葉にムッと来たセレソロインだったが、やはり時空の大精霊だけあって次の案を提示してきたのはさすがだった。

 「それも難しいですわね。キノコといってもいろんな味や効果のあるものが存在しますわ。魔界にもおいしいけれど、強力な解毒の魔法か薬でも用意しないと、一日中踊り続ける作用をもったキノコが存在します。幻覚作用や体力を消耗する代わりに魔力が回復するものなど、さまざまですわね。ご主人様はキノコを栽培するとしたら、どういう効果をもつキノコを採用しますの?」

 踊り出す効果のあるキノコと聞いて俺の脳内に浮かんだ効果をもつキノコはただ一つだけだった。

 「もちそん下級ポーションの原材料になるものだな。それも他の材料なしでそのキノコを沢山使えばいいというものだ。これなら需要があるから貧民街の住人もやる気がおきるだろう。問題はそういうキノコがあったとして探して採取するのに時間がかかるということだが…」

 俺の言葉に、ドラフォールさんもミリーヤもポカン、とした顔をしている。何言ってるの? と言いたげな感じだけど、あれ? 俺、また何かヘマをしたかな?

 首を傾げる俺にドラフォールさんがふう、とため息をついた。

 「探すも何も、ラフィアス殿にはアミリルス様から授かった水晶玉があるではないか。あれを使って召喚するなり創造するなりすればいいのではないか?」

 「創造か。あの水晶玉って便利だけど、俺ごときが使ってもいいのかな? 何か畏れ多いんだけど」

 「いまさら何を言っているのやら。あなたは植物の大女神アミリルス様が認めた御方だぞ? さらには魔皇神さえも愛人にして、今でも蛇の神にして誓約の神があなたの腕に巻き付いているではないか。それはつまり神々の代理人ということで、今のあなたはこの世界の人類を代表する大聖人にして神の使徒といってもいい存在なのだから、遠慮なくその水晶玉を使えばいいのだ」

 腕を組んで俺に解説するドラフォールさんに、同じく腕を組んでウンウンと頷いているミリーヤ。ついでに触手を交差させてやはり同じように目玉を上下に動かしているセレソロイン。

 しかし…聖人扱いされているのは知っていたが、俺ってそういうポジションだったのか…!

 まさか神々の代理人とか、神の使徒とか…。うん、頭ではうすうす気づいていたけど、本当にそういう立場だとは思わなかったよ。いや、気づきたくなくて目を逸らしていたと言った方がいいのかな?

 とりあえずこの水晶玉を植物の大女神アミリルス様が一時の気まぐれでくれたわけじゃないとわかった。

 しかしここで新たに問題が起きた。この薔薇の入った小さな水晶玉を使って、オリジナルの植物を作るのに、どういう風に設定すればいいのか、という事で俺は新たに悩むことになった。



 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』

チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。 その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。 「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」 そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!? のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします

ランド犬
ファンタジー
 異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは ――〈ホームセンター〉 壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。 気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。 拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
コミカライズ企画進行中です!! 2巻2月9日電子版解禁です!! 紙は9日に配送開始、12日発売! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&2巻出版!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、コミカライズ決定いたしました!現在企画進行中!!そしてオリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 12日には、楽天koboにおいてファンタジー5位となりました!皆様のおかげです! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 オリコンランキングライトノベル 週間BOOKランキング 18位(2025年9月29日付)

処理中です...