61 / 107
外伝
5
しおりを挟む
……確かに、了承はしたのだが。
「ッヒグ、ゥウウー……ッ! ッぁ゛、ャめッ、エ、っルマぁッ、動くな……!」
「ッむ、りっ! ご主人のナカッ、きもちよすぎ……っ!」
「ッヒっァアあ゛! ァぐッひィイッ! ぃアアアーッ!!」
二人の人間に挟まれて、まさかの泣き喚く事態に陥っていた。
背後から固く抱き締められて、腹のナカを無茶苦茶に穿たれている。
挿入された直後は確かに激しく感じたはずの異物感も、痛みも、ペニスを扱かれて何度も射精している内にすっかり快感で紛らわされてしまった。
一本は、私の精を纏わり付かせたエルマの手に。
もう一本は――
「ッひ、ぃ゛イっ! ッァ、ぁああ゛! っも、すこし、ゆっく、りぃッ……! っぁ゛、ぁううっ」
仰向けでベッドに横たわり、私の下で泣きながら身悶えているウルススの襞に。
最初はエルマに誘導されて、私が発情してしまったウルススを押し倒した。
こうだよと導かれて挿入した場所は、思わず押し入るなり射精してしまうほど熱かった。
あまりの熱さと快感に、挿入直後から私は動けなくなる。また暴発してしまいそうだったからだ。
私だけではなく、ウルススも挿入されるなりどろりと白濁を吐き出していた。同じく、激しく乱れた呼吸を整えようと深呼吸を試みていた。
少し落ち着こうとしていた私とウルススを他所に、背後で見ていたエルマが尻を撫でてくる。
何をしているのかと尋ねたくとも碌に口を動かせない。
そんな私の腰を掴み、熱いものを押し付けてきて――
気付いた時には、太い性器に貫かれていた。
そのまま、男に挿れた状態で別の男に穿たれ出したというわけだ。
「ッぅ゛、ァッアあっ、やめっ、む、りッ、ムリだっ、もう……!」
「ッゃあ゛ああアっ! は゛いらなっ、もっ、はいらないぃィ゛……っ!」
呻く私の声に合わせて、一緒に揺さぶられているウルススが泣き叫んだ。
私が突き上げられて体が揺れる度、ウルススも私に深く腹の奥を穿たれている。
人間よりも長い性器が腹の深い場所を抉じ開けたのは、そこまで時間が経っていない頃だった。
悲痛なまでの悲鳴を上げて意識を飛ばした男は、止まらないエルマの抽挿でまたすぐに飛び起きることになっていたのだが。
びしゃびしゃと精液がひっきりなしに撒き散らされ、男自身の割れた腹筋や私の体を濡らしている。
私も、二本のペニスと……意識したことはなかったアナルの両方を他者の熱に食われ穿たれて、何度も意識が遠くなった。
目の前が白くなる前に、三箇所から襲ってくる絶頂に叩き起こされてしまうのだが。
眼前の男に、不本意ながら縋るように掴まってただ必死に前後の快感に耐えるだけになってしまっている。
数え切れないほど吐き出した白濁は、全て組み敷かれて泣きじゃくる男の腹の中に注ぎ込み続けている。
まるで孕んだように膨らんだ腹が痛々しい。
だが、泣き腫らして真っ赤に染まった目尻は奇妙な欲を煽ってきた。
もっと泣かせてやりたい気がして、初めての欲に戸惑う。
だがそんな思考力は、いつまでも精力が尽きない男の律動に呑まれて何が何やら分からなくなっていく。
「っは、ははっ! ウルススも、ご主人もッ、すごくかわいい……ッね、もっと、啼いてッ!」
私が感じている言葉を口にして、エルマが顎を掴んでくる。
振り向かされて、また舌先を咥え込まれた。
ぐちゃぐちゃになった頭では何も気が配れずに、とにかく噛んでしまわないよう大きく口を開く。
男が笑う振動が、舌から全身に伝わってきた。
舌も腹の奥の熱い部分も、同時に吸って穿たれるのがとんでもなく気持ちいい……
ああ、もっとやってくれないか。
すっかりネジの外れた頭で考えて、自分から小さな舌に絡めていった。
「…………ゥ、ぐ」
ふと、いつの間にか途切れていた意識が戻る。
私は、何を…………なんという、夢を……。
起き上がろうとして、両腕に何かの重みを感じた。
「っぅ……」
「んん……」
同時に二つ、自分以外の声が両脇から上がる。
「…………」
ダメだ。現実逃避してはならない。
事実を、確認しなければ。
思い切って、右側に顔を向けた。
小麦色の肌と銀髪に白濁を飛び散らせた、背の高い男が仄かに頬を紅潮させて眠っている。
「………………」
左側を見る。
白い肌と金髪を持つ人間としては一般的な背丈の男が、随分とすっきりした顔で心地よさげに眠っていた。
「ゆ…………」
夢では、なかった……!
思いっきり頭を抱えたい気持ちを堪えて低く唸る。
その声を聞き付けたのか、ぼんやりと二人の男が目を覚ました。
エルマの青い目は、私を見るなりぱっと明るさを増す。
ウルススは首まで赤くなって視線を反らしたが、紫の目がちらちらと私を見ていた。
「ご主人、おはよう! 昨日は沢山気持ち良くなってくれて、嬉しかったよ」
「お……はよ、うございます……そ、その、途中で気絶してしまって申し訳ありません……」
大丈夫だ。私も自分がいつ意識を飛ばしたのか、覚えていない。
律儀なウルススの謝罪に、思わず遠い目になりそうだ。
呆然としている私の手を、つるりとした二つの手が取った。
「暫くは、先に意識を飛ばしてしまうこともあると思うが……絶対に、いつか俺だけの力で主を気持ちよくしてみせる」
「あんまり可愛かったからがっついちゃってごめんね、ご主人。次はちゃんと、ご主人の快感だけを追求してみせるから!」
一人はにこにこと笑いながら、一人は大真面目に。
だが双方が真剣だと伝えたがってきている眼差しで、力強く宣告してきた。
「…………勘弁、してくれ…………」
どうにか一言だけ呟いて、不覚にもまた意識を飛ばしてしまった。
「主!?」
「ご主人!!」
驚く声を聞きながら、今度こそ夢から覚めたいと願う。
まあその願いは、四半刻後に見事打ち砕かれることになるのだが。
本当に勘弁してくれ。これ以上悦くされるなど、死んでしまう。
そんな間抜けな死に方は、あまりにも魔王様に申し訳が立たない。
心の底からそう思うのに、青と紫の瞳が熱に溺れている様は悪くなかったと思ってしまうのだから――結局、次の機会もそう遠くはないのだろう。
「ッヒグ、ゥウウー……ッ! ッぁ゛、ャめッ、エ、っルマぁッ、動くな……!」
「ッむ、りっ! ご主人のナカッ、きもちよすぎ……っ!」
「ッヒっァアあ゛! ァぐッひィイッ! ぃアアアーッ!!」
二人の人間に挟まれて、まさかの泣き喚く事態に陥っていた。
背後から固く抱き締められて、腹のナカを無茶苦茶に穿たれている。
挿入された直後は確かに激しく感じたはずの異物感も、痛みも、ペニスを扱かれて何度も射精している内にすっかり快感で紛らわされてしまった。
一本は、私の精を纏わり付かせたエルマの手に。
もう一本は――
「ッひ、ぃ゛イっ! ッァ、ぁああ゛! っも、すこし、ゆっく、りぃッ……! っぁ゛、ぁううっ」
仰向けでベッドに横たわり、私の下で泣きながら身悶えているウルススの襞に。
最初はエルマに誘導されて、私が発情してしまったウルススを押し倒した。
こうだよと導かれて挿入した場所は、思わず押し入るなり射精してしまうほど熱かった。
あまりの熱さと快感に、挿入直後から私は動けなくなる。また暴発してしまいそうだったからだ。
私だけではなく、ウルススも挿入されるなりどろりと白濁を吐き出していた。同じく、激しく乱れた呼吸を整えようと深呼吸を試みていた。
少し落ち着こうとしていた私とウルススを他所に、背後で見ていたエルマが尻を撫でてくる。
何をしているのかと尋ねたくとも碌に口を動かせない。
そんな私の腰を掴み、熱いものを押し付けてきて――
気付いた時には、太い性器に貫かれていた。
そのまま、男に挿れた状態で別の男に穿たれ出したというわけだ。
「ッぅ゛、ァッアあっ、やめっ、む、りッ、ムリだっ、もう……!」
「ッゃあ゛ああアっ! は゛いらなっ、もっ、はいらないぃィ゛……っ!」
呻く私の声に合わせて、一緒に揺さぶられているウルススが泣き叫んだ。
私が突き上げられて体が揺れる度、ウルススも私に深く腹の奥を穿たれている。
人間よりも長い性器が腹の深い場所を抉じ開けたのは、そこまで時間が経っていない頃だった。
悲痛なまでの悲鳴を上げて意識を飛ばした男は、止まらないエルマの抽挿でまたすぐに飛び起きることになっていたのだが。
びしゃびしゃと精液がひっきりなしに撒き散らされ、男自身の割れた腹筋や私の体を濡らしている。
私も、二本のペニスと……意識したことはなかったアナルの両方を他者の熱に食われ穿たれて、何度も意識が遠くなった。
目の前が白くなる前に、三箇所から襲ってくる絶頂に叩き起こされてしまうのだが。
眼前の男に、不本意ながら縋るように掴まってただ必死に前後の快感に耐えるだけになってしまっている。
数え切れないほど吐き出した白濁は、全て組み敷かれて泣きじゃくる男の腹の中に注ぎ込み続けている。
まるで孕んだように膨らんだ腹が痛々しい。
だが、泣き腫らして真っ赤に染まった目尻は奇妙な欲を煽ってきた。
もっと泣かせてやりたい気がして、初めての欲に戸惑う。
だがそんな思考力は、いつまでも精力が尽きない男の律動に呑まれて何が何やら分からなくなっていく。
「っは、ははっ! ウルススも、ご主人もッ、すごくかわいい……ッね、もっと、啼いてッ!」
私が感じている言葉を口にして、エルマが顎を掴んでくる。
振り向かされて、また舌先を咥え込まれた。
ぐちゃぐちゃになった頭では何も気が配れずに、とにかく噛んでしまわないよう大きく口を開く。
男が笑う振動が、舌から全身に伝わってきた。
舌も腹の奥の熱い部分も、同時に吸って穿たれるのがとんでもなく気持ちいい……
ああ、もっとやってくれないか。
すっかりネジの外れた頭で考えて、自分から小さな舌に絡めていった。
「…………ゥ、ぐ」
ふと、いつの間にか途切れていた意識が戻る。
私は、何を…………なんという、夢を……。
起き上がろうとして、両腕に何かの重みを感じた。
「っぅ……」
「んん……」
同時に二つ、自分以外の声が両脇から上がる。
「…………」
ダメだ。現実逃避してはならない。
事実を、確認しなければ。
思い切って、右側に顔を向けた。
小麦色の肌と銀髪に白濁を飛び散らせた、背の高い男が仄かに頬を紅潮させて眠っている。
「………………」
左側を見る。
白い肌と金髪を持つ人間としては一般的な背丈の男が、随分とすっきりした顔で心地よさげに眠っていた。
「ゆ…………」
夢では、なかった……!
思いっきり頭を抱えたい気持ちを堪えて低く唸る。
その声を聞き付けたのか、ぼんやりと二人の男が目を覚ました。
エルマの青い目は、私を見るなりぱっと明るさを増す。
ウルススは首まで赤くなって視線を反らしたが、紫の目がちらちらと私を見ていた。
「ご主人、おはよう! 昨日は沢山気持ち良くなってくれて、嬉しかったよ」
「お……はよ、うございます……そ、その、途中で気絶してしまって申し訳ありません……」
大丈夫だ。私も自分がいつ意識を飛ばしたのか、覚えていない。
律儀なウルススの謝罪に、思わず遠い目になりそうだ。
呆然としている私の手を、つるりとした二つの手が取った。
「暫くは、先に意識を飛ばしてしまうこともあると思うが……絶対に、いつか俺だけの力で主を気持ちよくしてみせる」
「あんまり可愛かったからがっついちゃってごめんね、ご主人。次はちゃんと、ご主人の快感だけを追求してみせるから!」
一人はにこにこと笑いながら、一人は大真面目に。
だが双方が真剣だと伝えたがってきている眼差しで、力強く宣告してきた。
「…………勘弁、してくれ…………」
どうにか一言だけ呟いて、不覚にもまた意識を飛ばしてしまった。
「主!?」
「ご主人!!」
驚く声を聞きながら、今度こそ夢から覚めたいと願う。
まあその願いは、四半刻後に見事打ち砕かれることになるのだが。
本当に勘弁してくれ。これ以上悦くされるなど、死んでしまう。
そんな間抜けな死に方は、あまりにも魔王様に申し訳が立たない。
心の底からそう思うのに、青と紫の瞳が熱に溺れている様は悪くなかったと思ってしまうのだから――結局、次の機会もそう遠くはないのだろう。
0
あなたにおすすめの小説
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
弟勇者と保護した魔王に狙われているので家出します。
あじ/Jio
BL
父親に殴られた時、俺は前世を思い出した。
だが、前世を思い出したところで、俺が腹違いの弟を嫌うことに変わりはない。
よくある漫画や小説のように、断罪されるのを回避するために、弟と仲良くする気は毛頭なかった。
弟は600年の眠りから醒めた魔王を退治する英雄だ。
そして俺は、そんな弟に嫉妬して何かと邪魔をしようとするモブ悪役。
どうせ互いに相容れない存在だと、大嫌いな弟から離れて辺境の地で過ごしていた幼少期。
俺は眠りから醒めたばかりの魔王を見つけた。
そして時が過ぎた今、なぜか弟と魔王に執着されてケツ穴を狙われている。
◎1話完結型になります
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
お兄ちゃんができた!!
くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。
お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。
「悠くんはえらい子だね。」
「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」
「ふふ、かわいいね。」
律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡
「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」
ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
【完結】白豚王子に転生したら、前世の恋人が敵国の皇帝となって病んでました
志麻友紀
BL
「聖女アンジェラよ。お前との婚約は破棄だ!」
そう叫んだとたん、白豚王子ことリシェリード・オ・ルラ・ラルランドの前世の記憶とそして聖女の仮面を被った“魔女”によって破滅する未来が視えた。
その三ヶ月後、民の怒声のなか、リシェリードは処刑台に引き出されていた。
罪人をあらわす顔を覆うずた袋が取り払われたとき、人々は大きくどよめいた。
無様に太っていた白豚王子は、ほっそりとした白鳥のような美少年になっていたのだ。
そして、リシェリードは宣言する。
「この死刑執行は中止だ!」
その瞬間、空に雷鳴がとどろき、処刑台は粉々となった。
白豚王子様が前世の記憶を思い出した上に、白鳥王子へと転身して無双するお話です。ざまぁエンドはなしよwハッピーエンドです。
ムーンライトノベルズさんにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる