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番外編
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「っふ、ぅッ……ん、ンぁッ、ァ……っ」
「っ、あさひ……」
深く舌を絡め取られ、嬉しそうに唾液を啜られる。
一瞬の微かな隙間から嬉しそうに呼ばれれば、どうしようもなく膝が揺れた。
崩れそうになる体をどうにか堪える。下になっている晃の口端から、果汁混じりの唾液が零れていった。
歯を当て食んでくる男の舌から逃れ、僅かに痺れる舌で甘ったるい味の唇を拭う。
柔らかな感触を拭うたび、注がれる眼差しの強さが増していった。
「――旭陽」
白い頬を紅潮させた男が、口を開いてキスを強請ってくる。
唇を寄せ、すぐには塞がずに柔らかな唇に淡く歯を食い込ませた。
何度か繰り返せば、開いたままの唇から舌が伸びてきた。
おれの唇をなぞってくる動きの性急さに笑って、今度は深く口を塞いでやる。
「んっ……は、ぁ……」
「っふ……ぅ、あっ……」
互いに乱れる息は気分が良い。
口蓋に舌を這わせていれば、順当に接近しつつあった足音がぴたりと止んだ。
息を飲む微かな音と、狼狽する気配。
扉を挟んでいようが、意識がふらついてる時でもねえ限りは部屋の周辺で誰が何をしてるか程度は感じ取れる。
室内の状況を察して慌てているのが、晃に果実を渡した奴だってくらい最初から分かっていた。
「ぁっ……き、ら、」
「んー……?」
何度も舌先に吸い付かれながら、扉に視線だけ向ける。
甘く間延びした声で応えた男が、おれが余所へ目を向けていることに眉を寄せた。
ふはっ。不満そうなかお。
「そ、と……ッんぅ!」
促してやったことで、ようやく晃も通路で狼狽えている魔族の存在に気付く。
何も言わず、背中を抱いて深く舌を絡め取られた。ぐっと腕に力がこもり、晃に跨っていた体に横向きの力が加わる。
抵抗せずにいると、そのままソファに押し倒された。
ああ、やっぱそうくるよな。
おまえに押し倒されてやるために、横たわってた晃に起きるよう指示したってことは理解してねえだろうけど。
どさりという音に、外の気配が飛び上がる。
扉の脇に持っていたものを置き、音が出ないよう急いで走り去っていった。
おれと晃が居る部屋からこんな音が聞こえてくりゃ、城に仕える連中なら誰だって中で何が行なわれようとしてるのか即座に察せねえほうが可笑しいんだから当然の反応だ。
「っぁ、ン、んっぅう……っ!」
晃も気付いたはずだが、ちらりとも目を向けようとはしない。
口腔を強い力で舐りながら、乱暴に下肢を弄られる。
「はッァあう! んぁっン、アッ」
「……余裕だな。部屋の外のことに気配れる余裕あるのか」
「ッァ、ふっぅ! ひっ、ぁき、らぁっ!」
舌が抜けそうなほど吸い上げられて、がくんと腰が揺れた。
服の上から荒く下を揉みしだかれ、背筋が大きく仰け反る。
一気に浮き上がった涙に吸い付き、晃が不満たっぷりに唇を尖らせた。
「っぁ、んンぁっ……ッは、ァッ、ふ、っふく、かよ……っ?」
何度も吐精感が全身を追い上げてくる。
どんどん乱れていく息の下で、強い性感でも紛れない可笑しさに喉が鳴った。
晃が追い上げてくる手を幾らか緩め、眦を吊り上げる。
「不服に決まってるだろ。俺といるのに……」
「そ、ッれだけ、か、」
「……それだけって?」
嘲笑ってやれば、拗ねていた男がぱちりと瞬く。
相変わらず鈍いやつだなァ。
ソファに押し倒したおれだけを見つめてくる瞳に手を伸ばし、目元にそっと指を滑らせた。
「目のまえ、に、……いる時しか、おまえのこと――考えなくていいわけ?」
「……――っ!」
かっ、と頭上の顔が赤く染まった。
見るからに熱そうな色に手を伸ばし、頬を掌で包み込んでやる。
「なあ、あきら」
「……だめ」
一瞬泳ぎそうになった瞳がぐっと堪え、ぎらぎらとした色でおれを貫く。
倒れ込むように覆い被さってきて、両腕で強く抱き竦められた。
「いつも、いつでも、俺のこと考えてくれないと嫌だ」
僅かも躊躇わず、断言的な口調で押し付けられる。
晃が独善的な意識を抱くのは、おれに関してだけだ。――悪くねえ。
幾らか残っていた胸の不愉快が解けていく。
気分が良くなって喉を鳴らすと、丁子染が微かにしなった。
「……旭陽」
「あ?」
おれの機嫌が回復したと悟った男が、額に唇を押し付けてきた。
視線を上げれば目尻に、身じろげば頬に、次々と柔らかな唇が振ってくる。
「ん……ん……っ」
「次は、旭陽のこと探してから受け取る」
甘い触れ方に腰が震える。
何度も吐息を零すおれを嬉しそうな顔で見て、抱き締める腕に力を込めながら晃がそっと囁いた。
相手を待たせて、か?
ははっ。おれに関することなら、おれ以外に対しても傲慢になれるようになってきたなァ。
それでいい、晃。おれ以外に配慮なんざしてんじゃねえよ。
おまえの全部はおれの為にあるんだって、もっと自覚しとけ。
おれをくれてやってんだからよ。
満足して喉を鳴らすおれの唇を塞ぎ、嬉しそうな男が身を重ねてきた。
「っ、あさひ……」
深く舌を絡め取られ、嬉しそうに唾液を啜られる。
一瞬の微かな隙間から嬉しそうに呼ばれれば、どうしようもなく膝が揺れた。
崩れそうになる体をどうにか堪える。下になっている晃の口端から、果汁混じりの唾液が零れていった。
歯を当て食んでくる男の舌から逃れ、僅かに痺れる舌で甘ったるい味の唇を拭う。
柔らかな感触を拭うたび、注がれる眼差しの強さが増していった。
「――旭陽」
白い頬を紅潮させた男が、口を開いてキスを強請ってくる。
唇を寄せ、すぐには塞がずに柔らかな唇に淡く歯を食い込ませた。
何度か繰り返せば、開いたままの唇から舌が伸びてきた。
おれの唇をなぞってくる動きの性急さに笑って、今度は深く口を塞いでやる。
「んっ……は、ぁ……」
「っふ……ぅ、あっ……」
互いに乱れる息は気分が良い。
口蓋に舌を這わせていれば、順当に接近しつつあった足音がぴたりと止んだ。
息を飲む微かな音と、狼狽する気配。
扉を挟んでいようが、意識がふらついてる時でもねえ限りは部屋の周辺で誰が何をしてるか程度は感じ取れる。
室内の状況を察して慌てているのが、晃に果実を渡した奴だってくらい最初から分かっていた。
「ぁっ……き、ら、」
「んー……?」
何度も舌先に吸い付かれながら、扉に視線だけ向ける。
甘く間延びした声で応えた男が、おれが余所へ目を向けていることに眉を寄せた。
ふはっ。不満そうなかお。
「そ、と……ッんぅ!」
促してやったことで、ようやく晃も通路で狼狽えている魔族の存在に気付く。
何も言わず、背中を抱いて深く舌を絡め取られた。ぐっと腕に力がこもり、晃に跨っていた体に横向きの力が加わる。
抵抗せずにいると、そのままソファに押し倒された。
ああ、やっぱそうくるよな。
おまえに押し倒されてやるために、横たわってた晃に起きるよう指示したってことは理解してねえだろうけど。
どさりという音に、外の気配が飛び上がる。
扉の脇に持っていたものを置き、音が出ないよう急いで走り去っていった。
おれと晃が居る部屋からこんな音が聞こえてくりゃ、城に仕える連中なら誰だって中で何が行なわれようとしてるのか即座に察せねえほうが可笑しいんだから当然の反応だ。
「っぁ、ン、んっぅう……っ!」
晃も気付いたはずだが、ちらりとも目を向けようとはしない。
口腔を強い力で舐りながら、乱暴に下肢を弄られる。
「はッァあう! んぁっン、アッ」
「……余裕だな。部屋の外のことに気配れる余裕あるのか」
「ッァ、ふっぅ! ひっ、ぁき、らぁっ!」
舌が抜けそうなほど吸い上げられて、がくんと腰が揺れた。
服の上から荒く下を揉みしだかれ、背筋が大きく仰け反る。
一気に浮き上がった涙に吸い付き、晃が不満たっぷりに唇を尖らせた。
「っぁ、んンぁっ……ッは、ァッ、ふ、っふく、かよ……っ?」
何度も吐精感が全身を追い上げてくる。
どんどん乱れていく息の下で、強い性感でも紛れない可笑しさに喉が鳴った。
晃が追い上げてくる手を幾らか緩め、眦を吊り上げる。
「不服に決まってるだろ。俺といるのに……」
「そ、ッれだけ、か、」
「……それだけって?」
嘲笑ってやれば、拗ねていた男がぱちりと瞬く。
相変わらず鈍いやつだなァ。
ソファに押し倒したおれだけを見つめてくる瞳に手を伸ばし、目元にそっと指を滑らせた。
「目のまえ、に、……いる時しか、おまえのこと――考えなくていいわけ?」
「……――っ!」
かっ、と頭上の顔が赤く染まった。
見るからに熱そうな色に手を伸ばし、頬を掌で包み込んでやる。
「なあ、あきら」
「……だめ」
一瞬泳ぎそうになった瞳がぐっと堪え、ぎらぎらとした色でおれを貫く。
倒れ込むように覆い被さってきて、両腕で強く抱き竦められた。
「いつも、いつでも、俺のこと考えてくれないと嫌だ」
僅かも躊躇わず、断言的な口調で押し付けられる。
晃が独善的な意識を抱くのは、おれに関してだけだ。――悪くねえ。
幾らか残っていた胸の不愉快が解けていく。
気分が良くなって喉を鳴らすと、丁子染が微かにしなった。
「……旭陽」
「あ?」
おれの機嫌が回復したと悟った男が、額に唇を押し付けてきた。
視線を上げれば目尻に、身じろげば頬に、次々と柔らかな唇が振ってくる。
「ん……ん……っ」
「次は、旭陽のこと探してから受け取る」
甘い触れ方に腰が震える。
何度も吐息を零すおれを嬉しそうな顔で見て、抱き締める腕に力を込めながら晃がそっと囁いた。
相手を待たせて、か?
ははっ。おれに関することなら、おれ以外に対しても傲慢になれるようになってきたなァ。
それでいい、晃。おれ以外に配慮なんざしてんじゃねえよ。
おまえの全部はおれの為にあるんだって、もっと自覚しとけ。
おれをくれてやってんだからよ。
満足して喉を鳴らすおれの唇を塞ぎ、嬉しそうな男が身を重ねてきた。
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