10 / 58
【第一章】
第九話 クレイン洞窟巡回討伐
しおりを挟む
俺達は今日は、街の郊外へと出てきている。
チロルとリュカを連れて、パーティーとして初めての実戦に挑むのだ。
受けたクエストは、少し時間がかかる大きめのもの。
【D:クレイン洞窟にて魔物巡回討伐 報酬:2金貨】
今回は小洞窟内の、定期的な魔物の討伐だ。
人の足があまり入らない場所には、魔力の溜まりが出来る事があり、それが魔物の発生源になると言われている。そうして現れた魔物達が、あちこちに散って行き人に害を為したりするので、定期的に駆除することが必要になる。
出現する魔物の種類は大体場所によって決まっており、ここで以前確認されたのはコボルトだけだ。ゴブリンと同程度の魔物なので、さして戦闘に問題は無いだろう。
物陰からの襲撃には注意しつつ、松明をつけながら慎重に内部を進んでゆく。
すると、早速数体がこちらに向かってくる足音がした。
「あ、あにき……どうする?」
「落ち着いていこう。予定通り、リュカは前に出て牽制《けんせい》。チロルはこないだ練習した《ファイアアロー》を中心に、隙があったら魔法を打ち込んで行け。俺はチロルを守りながら、様子を見て攻撃するから危なくなったらこっちに避難して来い」
「おっけー」「わかったのです」
さくさくと、鳴っていた足音の感覚が狭まってきた。灯りでこちらの存在に気づいたのだろう。
通路の影から姿が見えた瞬間、リュカが飛び出す。
「一匹目っ!」
「ギョワァッ!」
肉を切り裂く鈍い音。
獣のような素早さで、先手必勝とばかりに閃かせた短刀が喉の当たりを切り裂き、犬の頭を持った魔物は悲鳴を上げて倒れた。
「わっとと……」
だが、後続が三体程短い棍棒を手に押し寄せ、慌ててリュカは後ろに下がる。
「《ファイアアロー》!」
「ギャン!」
そこに響いたのはチロルの詠唱だ。炎の細い矢が鋭い軌道を描き、一匹のコボルトの胴体に突き刺さって燃え上がった。
《ファイアボール》は威力が高いが魔力の消費量も多く、小爆発を起こす為狭い場所だと仲間に危険を及ぼす……なので場所を見極めて使うように教えた。アローの方なら命中面積が少なく、安全だ。
今現在チロルが《スキル》により覚えている技能は以下の三つ。
《魔法技術:火炎系統スキル・獲得技能》
(1 )ファイアアロー
(5 )杖装備時魔力補正
(10)ファイアボール
杖装備時魔力補正については……例えそこら辺の木の棒でも装備しておけば確かに魔力は上がるのだが、魔力を調節する感覚を身につけてからでも遅くはないだろうと思い、まだ使わないように勧めている。いずれ長く使い続けられるものを探してあげたい。
ターゲットに照準をつける感覚の方は元々悪くはない。着実に魔力コントロールの訓練の成果は出ているし、この分ならリュカと良いコンビになりそうだ。
「よっ……と」
俺もただ突っ立っていたわけではない。
二体でリュカに襲い掛かろうとしてきた内の一体の方に、俺が投げた小石が命中する。その間に、リュカがもう一体の棍棒をかわし、背中に刃を埋める。
当てた小石で蹲《うずくま》っていたもう一体も、チロルの《ファイアアロー》が命中し……四体のコボルトはあっという間に灰になった。
俺は二人に親指を上げて笑う。
「二人ともよくやった……初戦闘にしてはいい感じだったぞ」
「……ふぅ、やったよあにき、チロル! いぇーいっ!」
「でも油断はするなよ。倒したと思った時が一番危ないんだからな」
ピースサインを突き出すリュカを小突いて小言をいいながら、俺達は灰の中のアイテムを拾ってゆく。すると彼女が倒した最初の一体の灰の山に、光るものがあった。
「おっ、《コボルト・アイ》じゃん。幸先いいな……良かったな、リュカ」
「なんなのそれ?」
「レアドロップってやつだな。たまにコボルトが落とす、黒いクラックが入った瑪瑙《めのう》のことだ。相場で言えば、金貨十枚位はいくかな」
「そんなに! でも、これはパーティーのだから、おいらが貰うわけにはいかないよ」
三人で話し合って報酬は等分する様に決めているが、他二人の同意があればその限りではない。
「チロル、どうする? ちょっともったいないけど、売っちまって等分するか?」
「……う~んと、わたしはリュカちゃんがもっていて構わないのですが……あっ」
彼女は何かに気づいたように自分の左腕を掲げた。
「テイルさんさえ良かったら、その……わたしに作ってくれたみたいにリュカちゃんにも何か作ってあげて欲しいのです!」
それを聞いて、俺はニヤリと笑った。
「いいかもな。俺に任せてくれれば、なんか役立ちそうなアイテムに変えてやるけど、どうだリュカ」
「本当!? やたっ、すごくうれしい! ぜひお願いする!」
するとリュカは飛び跳ねながら俺に抱きついて来た。
随分喜んでいるので悪い気はしないし、俺もこれが本業だから腕が鳴る。
「よし、帰ったらなんか作ってやろうな! そんじゃ引き続き討伐頑張ろうぜ!」
「「お~!」」
こうして俺達は更にコボルトを探して、洞窟の奥に潜って行った。
◆
いくつかの分岐点を慎重に見回り、地図と照らし合わせながら洞窟を周り、大体二時間くらいで俺達は最奥にたどり着いた。だが……。
「やっちゃう?」
「っと……待った。あいつ……」
物陰から出ようとしたリュカの肩ををつかみ、こちらに戻す。
「コボルトじゃないの?」
「ただのコボルトじゃないな……。コボルトシャーマンか」
手前三体の奥にいる、背の高くほっそりとした一体は、頭に毛編みの帽子をかぶり、節くれだった杖を持っている。
コボルトシャーマン――Cランク。
ここに出るという情報は無かったが、こういったイレギュラーな事は依頼にはつきものだ。低ランクの冒険者だと苦戦していただろうから、俺達で丁度よかった。
「あいつは土属性の魔法を使うんだ……どうするかな」
俺だけが単独で突破するなら何も問題ないが、ここは二人にもなるべく経験を積んでもらいたい。どういう方法で戦うか、俺が少し考え込んでいた時だった。
後ろで、枯れ木が転がったような乾いた音がしてリュカが振り返る。
「なんだろ、おいら見てくる」
それを確認しようとリュカが後ろに走っていく。
……嫌な予感がした。
「待てっ、リュカ!」
「……きゃぁぁぁぁっ!」
小さく叫ぶが間に合わない。
湿った土がせり上がる、くぐもった音と共に俺達と彼女との間をいきなり分厚い土の壁が塞ぐ。そして――。
「お、おまえら、なんで……むぐっ!」
「大人しくしやがれ!」
「――!?」
その奥から響く声に俺達は驚く。
「がはははははっ! 残念だったな元A級冒険者……そのまま洞窟の奥で飢え死にしやがれ! このチビは奴隷商にでも売り飛ばしてやる!」
閉じ切る前の土壁の奥から聞こえてきたその笑い声は、先日叩きのめした――ジェンドだかなんだかのものに違いなかった。
間の悪い事に、コボルトシャーマン達もそれに気づき、手下を引きつれこちらへと駆け寄って来る。
「ワウ、ワワワ!」「ギャワォ!」
「テイルさん、どうすれば!」
「すぐに片付けてあいつらを追う! チロルは手下を相手しろ!」
まずは、奇妙な言語で詠唱を開始しているシャーマンから片付ける――そう判断した俺は足元の砂利を蹴って、コボルト達の集団の中へ飛び込んで行った。
チロルとリュカを連れて、パーティーとして初めての実戦に挑むのだ。
受けたクエストは、少し時間がかかる大きめのもの。
【D:クレイン洞窟にて魔物巡回討伐 報酬:2金貨】
今回は小洞窟内の、定期的な魔物の討伐だ。
人の足があまり入らない場所には、魔力の溜まりが出来る事があり、それが魔物の発生源になると言われている。そうして現れた魔物達が、あちこちに散って行き人に害を為したりするので、定期的に駆除することが必要になる。
出現する魔物の種類は大体場所によって決まっており、ここで以前確認されたのはコボルトだけだ。ゴブリンと同程度の魔物なので、さして戦闘に問題は無いだろう。
物陰からの襲撃には注意しつつ、松明をつけながら慎重に内部を進んでゆく。
すると、早速数体がこちらに向かってくる足音がした。
「あ、あにき……どうする?」
「落ち着いていこう。予定通り、リュカは前に出て牽制《けんせい》。チロルはこないだ練習した《ファイアアロー》を中心に、隙があったら魔法を打ち込んで行け。俺はチロルを守りながら、様子を見て攻撃するから危なくなったらこっちに避難して来い」
「おっけー」「わかったのです」
さくさくと、鳴っていた足音の感覚が狭まってきた。灯りでこちらの存在に気づいたのだろう。
通路の影から姿が見えた瞬間、リュカが飛び出す。
「一匹目っ!」
「ギョワァッ!」
肉を切り裂く鈍い音。
獣のような素早さで、先手必勝とばかりに閃かせた短刀が喉の当たりを切り裂き、犬の頭を持った魔物は悲鳴を上げて倒れた。
「わっとと……」
だが、後続が三体程短い棍棒を手に押し寄せ、慌ててリュカは後ろに下がる。
「《ファイアアロー》!」
「ギャン!」
そこに響いたのはチロルの詠唱だ。炎の細い矢が鋭い軌道を描き、一匹のコボルトの胴体に突き刺さって燃え上がった。
《ファイアボール》は威力が高いが魔力の消費量も多く、小爆発を起こす為狭い場所だと仲間に危険を及ぼす……なので場所を見極めて使うように教えた。アローの方なら命中面積が少なく、安全だ。
今現在チロルが《スキル》により覚えている技能は以下の三つ。
《魔法技術:火炎系統スキル・獲得技能》
(1 )ファイアアロー
(5 )杖装備時魔力補正
(10)ファイアボール
杖装備時魔力補正については……例えそこら辺の木の棒でも装備しておけば確かに魔力は上がるのだが、魔力を調節する感覚を身につけてからでも遅くはないだろうと思い、まだ使わないように勧めている。いずれ長く使い続けられるものを探してあげたい。
ターゲットに照準をつける感覚の方は元々悪くはない。着実に魔力コントロールの訓練の成果は出ているし、この分ならリュカと良いコンビになりそうだ。
「よっ……と」
俺もただ突っ立っていたわけではない。
二体でリュカに襲い掛かろうとしてきた内の一体の方に、俺が投げた小石が命中する。その間に、リュカがもう一体の棍棒をかわし、背中に刃を埋める。
当てた小石で蹲《うずくま》っていたもう一体も、チロルの《ファイアアロー》が命中し……四体のコボルトはあっという間に灰になった。
俺は二人に親指を上げて笑う。
「二人ともよくやった……初戦闘にしてはいい感じだったぞ」
「……ふぅ、やったよあにき、チロル! いぇーいっ!」
「でも油断はするなよ。倒したと思った時が一番危ないんだからな」
ピースサインを突き出すリュカを小突いて小言をいいながら、俺達は灰の中のアイテムを拾ってゆく。すると彼女が倒した最初の一体の灰の山に、光るものがあった。
「おっ、《コボルト・アイ》じゃん。幸先いいな……良かったな、リュカ」
「なんなのそれ?」
「レアドロップってやつだな。たまにコボルトが落とす、黒いクラックが入った瑪瑙《めのう》のことだ。相場で言えば、金貨十枚位はいくかな」
「そんなに! でも、これはパーティーのだから、おいらが貰うわけにはいかないよ」
三人で話し合って報酬は等分する様に決めているが、他二人の同意があればその限りではない。
「チロル、どうする? ちょっともったいないけど、売っちまって等分するか?」
「……う~んと、わたしはリュカちゃんがもっていて構わないのですが……あっ」
彼女は何かに気づいたように自分の左腕を掲げた。
「テイルさんさえ良かったら、その……わたしに作ってくれたみたいにリュカちゃんにも何か作ってあげて欲しいのです!」
それを聞いて、俺はニヤリと笑った。
「いいかもな。俺に任せてくれれば、なんか役立ちそうなアイテムに変えてやるけど、どうだリュカ」
「本当!? やたっ、すごくうれしい! ぜひお願いする!」
するとリュカは飛び跳ねながら俺に抱きついて来た。
随分喜んでいるので悪い気はしないし、俺もこれが本業だから腕が鳴る。
「よし、帰ったらなんか作ってやろうな! そんじゃ引き続き討伐頑張ろうぜ!」
「「お~!」」
こうして俺達は更にコボルトを探して、洞窟の奥に潜って行った。
◆
いくつかの分岐点を慎重に見回り、地図と照らし合わせながら洞窟を周り、大体二時間くらいで俺達は最奥にたどり着いた。だが……。
「やっちゃう?」
「っと……待った。あいつ……」
物陰から出ようとしたリュカの肩ををつかみ、こちらに戻す。
「コボルトじゃないの?」
「ただのコボルトじゃないな……。コボルトシャーマンか」
手前三体の奥にいる、背の高くほっそりとした一体は、頭に毛編みの帽子をかぶり、節くれだった杖を持っている。
コボルトシャーマン――Cランク。
ここに出るという情報は無かったが、こういったイレギュラーな事は依頼にはつきものだ。低ランクの冒険者だと苦戦していただろうから、俺達で丁度よかった。
「あいつは土属性の魔法を使うんだ……どうするかな」
俺だけが単独で突破するなら何も問題ないが、ここは二人にもなるべく経験を積んでもらいたい。どういう方法で戦うか、俺が少し考え込んでいた時だった。
後ろで、枯れ木が転がったような乾いた音がしてリュカが振り返る。
「なんだろ、おいら見てくる」
それを確認しようとリュカが後ろに走っていく。
……嫌な予感がした。
「待てっ、リュカ!」
「……きゃぁぁぁぁっ!」
小さく叫ぶが間に合わない。
湿った土がせり上がる、くぐもった音と共に俺達と彼女との間をいきなり分厚い土の壁が塞ぐ。そして――。
「お、おまえら、なんで……むぐっ!」
「大人しくしやがれ!」
「――!?」
その奥から響く声に俺達は驚く。
「がはははははっ! 残念だったな元A級冒険者……そのまま洞窟の奥で飢え死にしやがれ! このチビは奴隷商にでも売り飛ばしてやる!」
閉じ切る前の土壁の奥から聞こえてきたその笑い声は、先日叩きのめした――ジェンドだかなんだかのものに違いなかった。
間の悪い事に、コボルトシャーマン達もそれに気づき、手下を引きつれこちらへと駆け寄って来る。
「ワウ、ワワワ!」「ギャワォ!」
「テイルさん、どうすれば!」
「すぐに片付けてあいつらを追う! チロルは手下を相手しろ!」
まずは、奇妙な言語で詠唱を開始しているシャーマンから片付ける――そう判断した俺は足元の砂利を蹴って、コボルト達の集団の中へ飛び込んで行った。
0
あなたにおすすめの小説
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。
お小遣い月3万
ファンタジー
異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。
夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。
妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。
勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。
ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。
夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。
夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。
その子を大切に育てる。
女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。
2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。
だけど子どもはどんどんと強くなって行く。
大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる