28 / 58
【第二章 第一部】
第一話 丘の上の街
しおりを挟む
中央都市ハルトリア――エルスフェリア国の概ね真ん中に位置する大都市である。
それぞれの目的を果たすため、大きな街に移ることにした俺たち――テイル・フェインとチロル、リュカ、ライラの冒険者一行は今、丘の中心に向かって山のように盛り上がってゆく、その特徴的な街並みを見上げていた。一番高い中央には七大公爵家のひとつ、ジェレッド家の城がそびえ立っている。
ウサビトという種族であるチロルがそれを指差し、驚いたように声を上げた。
「見て下さい! あのお城、全体が真っ赤で血塗れみたいな……ホ、ホラーなのです!」
「また言ってる。んなこと言ったらお前の頭巾も目ん玉もそうだろうが……」
俺が隣でそう指摘してやると、チロルはそれを今認識したように飛び上がる。
「はうっ……そ、そうなのでした。私全身ホラーだらけの人にはなりたくないのです!」
「おいらはチロルの赤頭巾は好きだぞ。遠くからでもわっかりやすいからな~!」
そんな彼女の後ろから、覆いかぶさるように抱きついたのはイヌビトのリュカ。
このふたりは本当に、兄妹のように仲がいい。
「きゃうん! は、放して下さいぃ~」
「ほらほら、いちゃいちゃしてないで進むわよ。……確か、レティシアさんだっけ? シエンさんの知り合いに話を聞いて今日中に家を見せてもらわないといけないんだから。え~と、地図がこうで……あの辺りなのかしら……」
リュカの拘束から抜け出そうとバタバタともがくチロルに、最後に降りて来た魔族のライラが眉を顰め、風になびく銀髪を押さえながら丘の中腹に当たる部分を指さす。
「だな、中層街……だっけか」
ハルトリアでは、主に街が三区画に別れているようだ。
三つの円が重なっているのを上から見たところを想像して欲しい。
一番内側の、あの赤い城を中心として存在しているのが上層街。
その外側の壁から、さらにもうひとつ円を描くように大きく広がるのが中層街。
そしてさらに外側、丘のふもとから放射状にあちこちに伸びているのが、下層街だ。
本来は、今下層街となっている部分――丘のすそ以降に街は広がっていなかったようなのだが、今や人口の増加に応じて、中層街に住めなくなったような人々が追いやられる形でそこに住み始めたのだという。
はしゃぐチロルとリュカに心配そうな顔でライラが注意する。
「あまり治安が良くないらしいから、下層街にはふたりとも近づかないようにね?」
「「は~い!」」
元気な返事をふたりはしたが、少し心配だ。
前いたミルキアという街はそれほど大きくなく、それゆえかどこかのどかで、治安が悪い場所でもせいぜい素行の悪そうな若いごろつきがたむろしているくらいだった。
だが、さすがにここまで街の規模が大きくなれば、組織的に窃盗や恐喝を行って利益を上げているグループのひとつやふたつあってもおかしくない。
俺からも個人行動はなるべく慎むことをふたりに念押しし、街へと吸い込まれてゆく人波に紛れ、早速中層街に向かい始める。
「んじゃ行くか。もう向こうに荷物も届いてるとは思うし、さっさと荷ほどき始めちまおう」
「おいらは、ご飯が食べたいなぁ……移動ばっかで、もう保存食飽きた」
リュカはいつでもブレずに食欲優先だ。
とはいえ俺も、数年前にちょっとだけ滞在した位だから、今どうなっているのかが楽しみではある。
「シエンさんの知り合いにうまい店があるか聞いてみようぜ。それまで我慢な」
「うぃ~……」
うなだれるリュカのお腹から、くぅ~と情けない音が悲しく響くが……。
「ほら、これでちょっとはしのげるだろ」
「うんまぁ~……!」
仕方なく俺が好物のクルルの実を取り出して口に放り込んでやると、彼女はご機嫌な顔でほっぺたを赤くした。
◆
門内に入り、なだらかな坂を上がってゆくと、目的の建物はすぐに見つけることができた。
ここだ……明るいパステルカラーで彩られた、こじんまりとした建物……看板に《シーラル生花店》とある。
「ほわぁ……お花が沢山。綺麗なのです~」
「ええ……いい香り」
外側の植え込みに見える多種多様な花に目を引かれ、しゃがみこんだチロルとライラを置いておき、早くご飯と催促するリュカにせっつかれた俺はその扉を開ける。
「すいませ~ん……俺たちシエンさんからの紹介で来たんですが……レティシアって方はいらっしゃいますか?」
「ん!? おおっ、そっかそっかあんたたちが……ちょっと待っててよ、手を洗って来るからさ」
すると、中腰で鉢植えに土を詰めていた作業服の女性が立ち上がって奥に走っていき、すぐに戻って来てこちらを見回すと大きく笑った。
「へへ……あたしがレティシア・シーラルだよ。よろしく」
「テイル・フェインです。こちらこそ」
レンガ色の長い髪を波打たせた彼女は、俺よりも背が高くがっしりとした体付きの花屋というイメージとは少し離れた女性だった。握手をすると手の平もしっかり分厚い。
「そんで、そっちのお嬢ちゃんたちもあんたの連れなのかい? あんた若いのにすごいねぇ、女の子三人も連れて。皆恋人――」
「――仲間です。俺たち冒険者なんで」
彼女にいらないことをを言われる前に、俺ははっきりと被せ気味に告げる。
礼を欠いた発言だったことは分かっていたようで、レティシアさんは頭を掻いて謝罪をしてくれた。
「や、ごめんごめん。性分でさ……こういうことは最初にはっきりしておかないと気持ち悪いんだよね……。そっちのお嬢ちゃんたちも悪かった、よろしくね! ……さて、これからなんだけど」
それぞれと自己紹介を終わらせると、レティシアさんは少し困った顔をした。
なにか事情があるのか、彼女は大きな背を縮めるようにして頭を下げ、両手を合わせる。
「え~と、ごめん! シエンのおっちゃんにいつ頃来るか詳しく知らされてなかったからさ、まだ終わってない仕事があんのよ。急ぎのやつだけパパっと片付けちゃうから、ご飯でも食べて来てくれない? ……おいしいとこあるよ?」
「本当!? おいら、おにくがいい!」
真上にぴんと手を伸ばし、輝く瞳で真っ先に反応したのはリュカだ。
それを見てレティシアさんは表情を笑顔にパッと切り替えた。
「リュカだっけ? 元気いいね! 肉か……よ~し、冒険者だったら、通りに出て右手に真っ直ぐ行ったところに店屋があるからそこがお勧め! 良かったら行ってみな!」
(冒険者だったら……?)
やや引っ掛かりつつも、俺たちはその言葉に従うことに決め、ぞろぞろと店を出てゆく。
「それじゃまた後で来ますんで、その時は案内よろしくお願いしま~す!」
「あいよ! 後でな~!」
なんとなくの第一印象は、朗らかで面白そうな人だった。
だが挨拶だけでライラは一言も話さずにいた……表情が硬く、今も少し機嫌が悪そうだ。
「どうした?」
「……ちょっと失礼なことを言う人だなって思っただけ。何でもないわよ」
「おいらは楽しそうな姉ちゃんだと思ったけどなー」
「ああ。あけっぴろげで、悪い人じゃなさそうだったけど」
「別にそうは言ってない。でもちょっと苦手かも……」
関係を勘ぐられたのが気にくわなかったのかも知れない。
とはいえまだ初日だ……そこまで気にすることでも無いだろう。
リュカやチロルは懐きそうな気がするし。
「あっ、いい匂いして来たよ~、きっとあっちだ! あにき行こ、行こ!」
すんすんと鼻を鳴らしていたリュカが、俺の腕を引っ張り通りの奥を指さす。
「っと、リュカ待てって! 皆も肉料理でいいのか? 今なら別の選択肢もあるぞ?」
「私は構わないけど……チロルは?」
「リュカちゃんがあれだけ楽しみにしていたら、それ以外の選択肢は無いと思うのです~……あはは」
ライラが肩に手を置くと、チロルは苦笑いした。
菜食主義者という程ではないのだが、彼女はあまり肉類が好きではない。
(ま、食えそうなものが無かったら、後で他のとこに連れてくか……)
そんなことを想いながら俺たちはリュカに先導され、活気のある街並みを移動していく。道行く人は移動するにつれて多くなり、そしてやがて色々な店舗が立ち並ぶ通りに差し掛かる。
「ここだ……!」
リュカが、ふんと自慢げに鼻を鳴らし、腰に手を当ててひとつの店舗を見上げる。
しかし……その看板を見てリュカ以外は皆顔をしかめてしまう。
「ちょっと待て……これは」
「ええ……」
「はわわ……」
なにしろ、その看板には大きくこう書いてあったのだ。
《魔物料理店 マジロ》と……。
それぞれの目的を果たすため、大きな街に移ることにした俺たち――テイル・フェインとチロル、リュカ、ライラの冒険者一行は今、丘の中心に向かって山のように盛り上がってゆく、その特徴的な街並みを見上げていた。一番高い中央には七大公爵家のひとつ、ジェレッド家の城がそびえ立っている。
ウサビトという種族であるチロルがそれを指差し、驚いたように声を上げた。
「見て下さい! あのお城、全体が真っ赤で血塗れみたいな……ホ、ホラーなのです!」
「また言ってる。んなこと言ったらお前の頭巾も目ん玉もそうだろうが……」
俺が隣でそう指摘してやると、チロルはそれを今認識したように飛び上がる。
「はうっ……そ、そうなのでした。私全身ホラーだらけの人にはなりたくないのです!」
「おいらはチロルの赤頭巾は好きだぞ。遠くからでもわっかりやすいからな~!」
そんな彼女の後ろから、覆いかぶさるように抱きついたのはイヌビトのリュカ。
このふたりは本当に、兄妹のように仲がいい。
「きゃうん! は、放して下さいぃ~」
「ほらほら、いちゃいちゃしてないで進むわよ。……確か、レティシアさんだっけ? シエンさんの知り合いに話を聞いて今日中に家を見せてもらわないといけないんだから。え~と、地図がこうで……あの辺りなのかしら……」
リュカの拘束から抜け出そうとバタバタともがくチロルに、最後に降りて来た魔族のライラが眉を顰め、風になびく銀髪を押さえながら丘の中腹に当たる部分を指さす。
「だな、中層街……だっけか」
ハルトリアでは、主に街が三区画に別れているようだ。
三つの円が重なっているのを上から見たところを想像して欲しい。
一番内側の、あの赤い城を中心として存在しているのが上層街。
その外側の壁から、さらにもうひとつ円を描くように大きく広がるのが中層街。
そしてさらに外側、丘のふもとから放射状にあちこちに伸びているのが、下層街だ。
本来は、今下層街となっている部分――丘のすそ以降に街は広がっていなかったようなのだが、今や人口の増加に応じて、中層街に住めなくなったような人々が追いやられる形でそこに住み始めたのだという。
はしゃぐチロルとリュカに心配そうな顔でライラが注意する。
「あまり治安が良くないらしいから、下層街にはふたりとも近づかないようにね?」
「「は~い!」」
元気な返事をふたりはしたが、少し心配だ。
前いたミルキアという街はそれほど大きくなく、それゆえかどこかのどかで、治安が悪い場所でもせいぜい素行の悪そうな若いごろつきがたむろしているくらいだった。
だが、さすがにここまで街の規模が大きくなれば、組織的に窃盗や恐喝を行って利益を上げているグループのひとつやふたつあってもおかしくない。
俺からも個人行動はなるべく慎むことをふたりに念押しし、街へと吸い込まれてゆく人波に紛れ、早速中層街に向かい始める。
「んじゃ行くか。もう向こうに荷物も届いてるとは思うし、さっさと荷ほどき始めちまおう」
「おいらは、ご飯が食べたいなぁ……移動ばっかで、もう保存食飽きた」
リュカはいつでもブレずに食欲優先だ。
とはいえ俺も、数年前にちょっとだけ滞在した位だから、今どうなっているのかが楽しみではある。
「シエンさんの知り合いにうまい店があるか聞いてみようぜ。それまで我慢な」
「うぃ~……」
うなだれるリュカのお腹から、くぅ~と情けない音が悲しく響くが……。
「ほら、これでちょっとはしのげるだろ」
「うんまぁ~……!」
仕方なく俺が好物のクルルの実を取り出して口に放り込んでやると、彼女はご機嫌な顔でほっぺたを赤くした。
◆
門内に入り、なだらかな坂を上がってゆくと、目的の建物はすぐに見つけることができた。
ここだ……明るいパステルカラーで彩られた、こじんまりとした建物……看板に《シーラル生花店》とある。
「ほわぁ……お花が沢山。綺麗なのです~」
「ええ……いい香り」
外側の植え込みに見える多種多様な花に目を引かれ、しゃがみこんだチロルとライラを置いておき、早くご飯と催促するリュカにせっつかれた俺はその扉を開ける。
「すいませ~ん……俺たちシエンさんからの紹介で来たんですが……レティシアって方はいらっしゃいますか?」
「ん!? おおっ、そっかそっかあんたたちが……ちょっと待っててよ、手を洗って来るからさ」
すると、中腰で鉢植えに土を詰めていた作業服の女性が立ち上がって奥に走っていき、すぐに戻って来てこちらを見回すと大きく笑った。
「へへ……あたしがレティシア・シーラルだよ。よろしく」
「テイル・フェインです。こちらこそ」
レンガ色の長い髪を波打たせた彼女は、俺よりも背が高くがっしりとした体付きの花屋というイメージとは少し離れた女性だった。握手をすると手の平もしっかり分厚い。
「そんで、そっちのお嬢ちゃんたちもあんたの連れなのかい? あんた若いのにすごいねぇ、女の子三人も連れて。皆恋人――」
「――仲間です。俺たち冒険者なんで」
彼女にいらないことをを言われる前に、俺ははっきりと被せ気味に告げる。
礼を欠いた発言だったことは分かっていたようで、レティシアさんは頭を掻いて謝罪をしてくれた。
「や、ごめんごめん。性分でさ……こういうことは最初にはっきりしておかないと気持ち悪いんだよね……。そっちのお嬢ちゃんたちも悪かった、よろしくね! ……さて、これからなんだけど」
それぞれと自己紹介を終わらせると、レティシアさんは少し困った顔をした。
なにか事情があるのか、彼女は大きな背を縮めるようにして頭を下げ、両手を合わせる。
「え~と、ごめん! シエンのおっちゃんにいつ頃来るか詳しく知らされてなかったからさ、まだ終わってない仕事があんのよ。急ぎのやつだけパパっと片付けちゃうから、ご飯でも食べて来てくれない? ……おいしいとこあるよ?」
「本当!? おいら、おにくがいい!」
真上にぴんと手を伸ばし、輝く瞳で真っ先に反応したのはリュカだ。
それを見てレティシアさんは表情を笑顔にパッと切り替えた。
「リュカだっけ? 元気いいね! 肉か……よ~し、冒険者だったら、通りに出て右手に真っ直ぐ行ったところに店屋があるからそこがお勧め! 良かったら行ってみな!」
(冒険者だったら……?)
やや引っ掛かりつつも、俺たちはその言葉に従うことに決め、ぞろぞろと店を出てゆく。
「それじゃまた後で来ますんで、その時は案内よろしくお願いしま~す!」
「あいよ! 後でな~!」
なんとなくの第一印象は、朗らかで面白そうな人だった。
だが挨拶だけでライラは一言も話さずにいた……表情が硬く、今も少し機嫌が悪そうだ。
「どうした?」
「……ちょっと失礼なことを言う人だなって思っただけ。何でもないわよ」
「おいらは楽しそうな姉ちゃんだと思ったけどなー」
「ああ。あけっぴろげで、悪い人じゃなさそうだったけど」
「別にそうは言ってない。でもちょっと苦手かも……」
関係を勘ぐられたのが気にくわなかったのかも知れない。
とはいえまだ初日だ……そこまで気にすることでも無いだろう。
リュカやチロルは懐きそうな気がするし。
「あっ、いい匂いして来たよ~、きっとあっちだ! あにき行こ、行こ!」
すんすんと鼻を鳴らしていたリュカが、俺の腕を引っ張り通りの奥を指さす。
「っと、リュカ待てって! 皆も肉料理でいいのか? 今なら別の選択肢もあるぞ?」
「私は構わないけど……チロルは?」
「リュカちゃんがあれだけ楽しみにしていたら、それ以外の選択肢は無いと思うのです~……あはは」
ライラが肩に手を置くと、チロルは苦笑いした。
菜食主義者という程ではないのだが、彼女はあまり肉類が好きではない。
(ま、食えそうなものが無かったら、後で他のとこに連れてくか……)
そんなことを想いながら俺たちはリュカに先導され、活気のある街並みを移動していく。道行く人は移動するにつれて多くなり、そしてやがて色々な店舗が立ち並ぶ通りに差し掛かる。
「ここだ……!」
リュカが、ふんと自慢げに鼻を鳴らし、腰に手を当ててひとつの店舗を見上げる。
しかし……その看板を見てリュカ以外は皆顔をしかめてしまう。
「ちょっと待て……これは」
「ええ……」
「はわわ……」
なにしろ、その看板には大きくこう書いてあったのだ。
《魔物料理店 マジロ》と……。
0
あなたにおすすめの小説
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。
お小遣い月3万
ファンタジー
異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。
夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。
妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。
勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。
ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。
夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。
夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。
その子を大切に育てる。
女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。
2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。
だけど子どもはどんどんと強くなって行く。
大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる