15 / 39
Find our color
Find our color③
しおりを挟む
次の日、高校最初の授業は数学からだった。明音と登校している時から憂鬱ではあった。受験の時から数学は苦手で、明音に教えてもらっていたのだ。そんな憂鬱な気持ちの隣には、早く部活に行きたいというワクワクがあり、入学式の日よりも足取りは軽やかだった。そして、数学の授業は初っ端からテストだった。そんなテンションの下がる朝を乗り越え、昼食後の眠気に襲われながらも放課後を迎えた。
「1年生、集合―。」
それぞれのパートに分かれて練習をしているとき、麻衣先輩が声掛けをした。
「「「はーい。」」」
軽音部の緩い雰囲気が早くも馴染み始めていた私たちは、そこそこの返事をした。
「これから皆にはある曲の動画を見てもらうよ。よく見ててね。」
麻衣先輩はバッグからタブレット端末を取り出し、私たちの前に置いた。
「始まるよ。」
麻衣先輩が動画の再生ボタンを押した。
真っ暗な画面にスポットライトで照らされたステージが現れた。そこには3人組の制服を着たバンドの姿があった。私たちと同じ制服だったが、顔は知らない。
「1,2,3,4」
ドラムの掛け声に合わせて演奏が始まる。
先輩たちがデモンストレーションの時に演奏していた曲に似ている。というか、歌詞は一緒のようだ。
しかし、彼女たちの演奏が作る絵はあの時とは全く別物だった。先輩たちの演奏は、紅葉先輩の真っ赤な歌声を中心に、他のパートがそれを支える色をだす演奏だった。動画の演奏は、それぞれのパートが自分の個性を前面に押し出していた。しかし、それがぶつかることなく纏まっている色彩豊かな演奏だった。その色彩は、サビに入った瞬間にあたり一面を色づける。スポットライトは当たっていないはずなのに、明るくなる。紅葉先輩たちとは違った明るさだ。そして、余韻を残すように曲が終わる。
「いつ見てもすごいね。」
紅葉先輩が少し悔しそうに言った。
「ホント、上手いよねー。」
渚先輩もそれに乗っかる。
「まぁ、私たちには私たちの演奏があるから...。」
麻衣先輩が悔しそうに負け惜しみのようなことを言った。
「まだ、追いつけないね。いつかは...。」
紅葉先輩は悔しそうだ。
「さぁ1年生諸君。君たちにもこの曲を演奏してもらいます。」
渚先輩が場の雰囲気を変えるように、明るく宣言した。
「え...?」
私は驚きのあまり言葉を失った。
「1年生、集合―。」
それぞれのパートに分かれて練習をしているとき、麻衣先輩が声掛けをした。
「「「はーい。」」」
軽音部の緩い雰囲気が早くも馴染み始めていた私たちは、そこそこの返事をした。
「これから皆にはある曲の動画を見てもらうよ。よく見ててね。」
麻衣先輩はバッグからタブレット端末を取り出し、私たちの前に置いた。
「始まるよ。」
麻衣先輩が動画の再生ボタンを押した。
真っ暗な画面にスポットライトで照らされたステージが現れた。そこには3人組の制服を着たバンドの姿があった。私たちと同じ制服だったが、顔は知らない。
「1,2,3,4」
ドラムの掛け声に合わせて演奏が始まる。
先輩たちがデモンストレーションの時に演奏していた曲に似ている。というか、歌詞は一緒のようだ。
しかし、彼女たちの演奏が作る絵はあの時とは全く別物だった。先輩たちの演奏は、紅葉先輩の真っ赤な歌声を中心に、他のパートがそれを支える色をだす演奏だった。動画の演奏は、それぞれのパートが自分の個性を前面に押し出していた。しかし、それがぶつかることなく纏まっている色彩豊かな演奏だった。その色彩は、サビに入った瞬間にあたり一面を色づける。スポットライトは当たっていないはずなのに、明るくなる。紅葉先輩たちとは違った明るさだ。そして、余韻を残すように曲が終わる。
「いつ見てもすごいね。」
紅葉先輩が少し悔しそうに言った。
「ホント、上手いよねー。」
渚先輩もそれに乗っかる。
「まぁ、私たちには私たちの演奏があるから...。」
麻衣先輩が悔しそうに負け惜しみのようなことを言った。
「まだ、追いつけないね。いつかは...。」
紅葉先輩は悔しそうだ。
「さぁ1年生諸君。君たちにもこの曲を演奏してもらいます。」
渚先輩が場の雰囲気を変えるように、明るく宣言した。
「え...?」
私は驚きのあまり言葉を失った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【短編集】こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
神木さんちのお兄ちゃん!
雪桜
キャラ文芸
✨ キャラ文芸ランキング週間・月間1位&累計250万pt突破、ありがとうございます!
神木家の双子の妹弟・華と蓮には"絶世の美男子"と言われるほどの金髪碧眼な『兄』がいる。
美人でカッコよくて、その上優しいお兄ちゃんは、常にみんなの人気者!
だけど、そんな兄には、何故か彼女がいなかった。
幼い頃に母を亡くし、いつも母親代わりだったお兄ちゃん。もしかして、お兄ちゃんが彼女が作らないのは自分達のせい?!
そう思った華と蓮は、兄のためにも自立することを決意する。
だけど、このお兄ちゃん。実は、家族しか愛せない超拗らせた兄だった!
これは、モテまくってるくせに家族しか愛せない美人すぎるお兄ちゃんと、兄離れしたいけど、なかなか出来ない双子の妹弟が繰り広げる、甘くて優しくて、ちょっぴり切ない愛と絆のハートフルラブ(家族愛)コメディ。
果たして、家族しか愛せないお兄ちゃんに、恋人ができる日はくるのか?
これは、美人すぎるお兄ちゃんがいる神木一家の、波乱万丈な日々を綴った物語である。
***
イラストは、全て自作です。
カクヨムにて、先行連載中。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる