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Knock my Heart
Knock my Heart⑨
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先輩たちの出番が終わるまで、私たちはステージの下にいることにした。すると、ふと、ステージが凪ぐ。周りの音がシーンと、静かになっていく。私たちの時間よりも少し進んで、夕焼け空は青みを増してきている。静寂を撫でるように、香音先輩のギターソロから、曲が始まる。香音先輩の、腰まで届くような長いストラップのギターは、その尖った存在感からは、想像できない優しいソロを奏でる。わずか数秒のギターソロは、その時間を永遠に感じさせるほど、優しく滲む黄色だ。
曲も中盤に来て、ふと気づく。渚先輩のベースの音の力強さだ。いつもの先輩からは考えられない、丁寧だが力強いベースだ。紅葉先輩の真っ赤な歌を、夕闇が邪魔しないように、渚先輩の水色のベースはその境界線を曖昧にしている。
そして、2人を支えているのが、麻衣先輩の紫色のドラムだ。麻衣先輩のドラムは、黄色と水色の景色をしっかりと支えるようにアクセントをつける。そして、紅葉先輩の太陽のような存在感が、燦燦と煌めく。それを見て、私は気づく。前見たときは、先輩たちのバンドは、紅葉先輩が引っ張っているんだと思ってた。でも、渚先輩と麻衣先輩と香音先輩の3人に支えられて、紅葉先輩は輝いているんだ。紅葉先輩の圧倒的な存在感は、アイドルのような儚さを感じた。
先輩たちがステージから降りて来る。
「みんな、大丈夫そうだね。」
麻衣先輩が声を掛けてくれる。よく見ると、皆さん汗だくだ。疲れているはずなのに、私たちを気遣ってくれる。本当に優しい先輩たちだ。本当に軽音部に入ってよかった。
「大丈夫です。ありがとうございました。」
しっかりとした声で明音が先導してくれる。それに合わせて、私と千代は頷きながら声を合わせてお礼を言う。
「そっか。良かった良かった。さぁそろそろ帰ろうか。」
紅葉先輩は、私たちを見て頷きながら言う。
「あのさぁ。」
みんなでの帰り道で、千代が私と明音に声を掛ける。
「どした?」
明音がフッと振り返りながら言う。
「今日、2人がライブ終わってから、悔しそうにしてくれて嬉しかった。」
千代が言う。
「なにそれ?ドS発言?」
明音がからかうように、そして、不思議そうに言う。
「だってさぁ。ライブがあんな出来で。それでヘラヘラしているようなら、私、抜けるつもりだったから。思い出づくりってだけでなく、バンドで行けるとこまで行きたいから。だから、2人が同じ気持ちでいてくれて、良かった。それなら、私たちは絶対、上に行けると思うから。」
千代の言葉に、私たちはハッとする。千代が、ここまで思ってくれていたなんて、思わなかった。私よりも、ずっと長くギターやってて、そんな千代が初心者の私たちを認めてくれた気がした。そして、千代が私と明音とバンドしたいって思ってくれて、嬉しいと思った。
「そっか。私も、千代が真剣にバンドのこと考えてくれて、嬉しい。まだまだ下手っぴだけど、練習して2人を支えられるようになるから。これからもよろしくね。」
明音が真剣な表情で言う。
「私も。絶対、上手くなる。それに、千代と明音とバンドしたい。だから、私もずっとよろしくね。」
私も真剣に言う。
「もちろん。これからもよろしくね。」
千代は、今まで見たことが無い、きれいな笑顔で言ってくれた。
「そこで、バンド名考えてたんだけど、『マジック・アワー』ってのどう?」
千代が続けて言う。
「どんな意味?」
明音が聞く。
「夕焼け時って意味だよ。私は、ここでリベンジするために、この夕焼けを忘れたくないから。」
千代が答える。『マジック・アワー』か。カッコいいし、それに私たちのバンドにあってると思う。
「いいね。」「私もいいと思う。」
明音と私が答える。
「マジック・アワーの戦いはこれからだ!エイエイオー!」
明音が、陽気にこぶしを上げる。
「「オー!」」
私と千代が後に続く。こうして、ほろ苦い記憶を合わせながら、私たちは家へと帰ったのだった。
曲も中盤に来て、ふと気づく。渚先輩のベースの音の力強さだ。いつもの先輩からは考えられない、丁寧だが力強いベースだ。紅葉先輩の真っ赤な歌を、夕闇が邪魔しないように、渚先輩の水色のベースはその境界線を曖昧にしている。
そして、2人を支えているのが、麻衣先輩の紫色のドラムだ。麻衣先輩のドラムは、黄色と水色の景色をしっかりと支えるようにアクセントをつける。そして、紅葉先輩の太陽のような存在感が、燦燦と煌めく。それを見て、私は気づく。前見たときは、先輩たちのバンドは、紅葉先輩が引っ張っているんだと思ってた。でも、渚先輩と麻衣先輩と香音先輩の3人に支えられて、紅葉先輩は輝いているんだ。紅葉先輩の圧倒的な存在感は、アイドルのような儚さを感じた。
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「みんな、大丈夫そうだね。」
麻衣先輩が声を掛けてくれる。よく見ると、皆さん汗だくだ。疲れているはずなのに、私たちを気遣ってくれる。本当に優しい先輩たちだ。本当に軽音部に入ってよかった。
「大丈夫です。ありがとうございました。」
しっかりとした声で明音が先導してくれる。それに合わせて、私と千代は頷きながら声を合わせてお礼を言う。
「そっか。良かった良かった。さぁそろそろ帰ろうか。」
紅葉先輩は、私たちを見て頷きながら言う。
「あのさぁ。」
みんなでの帰り道で、千代が私と明音に声を掛ける。
「どした?」
明音がフッと振り返りながら言う。
「今日、2人がライブ終わってから、悔しそうにしてくれて嬉しかった。」
千代が言う。
「なにそれ?ドS発言?」
明音がからかうように、そして、不思議そうに言う。
「だってさぁ。ライブがあんな出来で。それでヘラヘラしているようなら、私、抜けるつもりだったから。思い出づくりってだけでなく、バンドで行けるとこまで行きたいから。だから、2人が同じ気持ちでいてくれて、良かった。それなら、私たちは絶対、上に行けると思うから。」
千代の言葉に、私たちはハッとする。千代が、ここまで思ってくれていたなんて、思わなかった。私よりも、ずっと長くギターやってて、そんな千代が初心者の私たちを認めてくれた気がした。そして、千代が私と明音とバンドしたいって思ってくれて、嬉しいと思った。
「そっか。私も、千代が真剣にバンドのこと考えてくれて、嬉しい。まだまだ下手っぴだけど、練習して2人を支えられるようになるから。これからもよろしくね。」
明音が真剣な表情で言う。
「私も。絶対、上手くなる。それに、千代と明音とバンドしたい。だから、私もずっとよろしくね。」
私も真剣に言う。
「もちろん。これからもよろしくね。」
千代は、今まで見たことが無い、きれいな笑顔で言ってくれた。
「そこで、バンド名考えてたんだけど、『マジック・アワー』ってのどう?」
千代が続けて言う。
「どんな意味?」
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「夕焼け時って意味だよ。私は、ここでリベンジするために、この夕焼けを忘れたくないから。」
千代が答える。『マジック・アワー』か。カッコいいし、それに私たちのバンドにあってると思う。
「いいね。」「私もいいと思う。」
明音と私が答える。
「マジック・アワーの戦いはこれからだ!エイエイオー!」
明音が、陽気にこぶしを上げる。
「「オー!」」
私と千代が後に続く。こうして、ほろ苦い記憶を合わせながら、私たちは家へと帰ったのだった。
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