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第九話:黒い感情
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帝都憲兵本部 第十三隊尋問室。
「ッ……!!」
「おや、我慢できるんですね。流石、歴代最小天笠家当主さん」
二季は痛みに耐える天唯を楽しそうに眺め、手にしている器具の力加減を調整していく。天唯の小さな手が押さえつけられてなおも、震えて跳ね上がる。その指先から爪が一枚ゆっくり剥がされる。自身の爪が剥がされるのを見せつけられてなおも、気丈に振る舞う少女は鼻で笑う。まるで取るに足らない相手へ嘲るように、強い意志を感じさせる瞳で藤壺二季を見据える。
「ふふ――二季様、私が幼いからと言って。手加減していますか? 私は二季様に酷い扱いを受ける事は慣れていますから」
きょとんとした表情は彼の残虐性を一切感じさせないほどに、無垢な形が現れていた。
自身より一回り、二回りも歳の離れた四神家の中で一番幼い少女が、恐怖を与え己を苦しめる人間へにっこりと優しく微笑む天唯に底知れぬ恐ろしさを感じて、二季は自身の体が強張っていくのを感じる。兄である天笠弥咲の身の潔白を信じているだけで、声をまともに上げず痛みに堪える目の前の肉の形が薄い女に――今まで出会ったことのない人種だと。桐も奴の逮捕を遅らせる為にお仕置きだって自ら進んで行った。
「ほぅ……ならばもっと酷くしても良いのだ?」
天笠天唯の目の前にいる藤壺二季という存在は、女をモノとしか見ていない人間である。女は男よりも劣り、自身の劣情を満たすだけのモノだと。それを自覚していて、それこそが正しいことだと思っている。だが、天笠天唯は違う。彼女は女の尊厳を踏み躙られる苦痛を理解しながらも、自身が最も大切とする者のことを思い、その苦痛を受け入れようとしている。非常に気味が悪い。悍ましさを感じると共に下腹部に熱が集まる。
「女は痛みに強いと言いますね。ねぇ、天唯さんは月のモノは出ましたか?」
爪の間に裁縫針を躊躇せずに差し入れると、左へ、右へと肉を神経を掻き分けるように針を動かす――彼女の瞳に宿るのは絶望ではなく、希望だ。彼女には勝算があるのか。あるのだろうな。
「…………嫌ですね、女の身体を聞くなんて、藤壺家の者ともあろうものが」
裁縫針を更に奥へ、爪ではなく指先の真ん中を刺す。
「お恥ずかしい。手元が狂ってしまいました」
藤壺二季の表情は先程までとは打って変わって冷たいものだった。眉間にシワを寄せて嫌悪感を示す顔つきは、彼が今この瞬間にも天笠兄妹を殺そうと思っていることが伺える。彼にとって自身の目的を阻害するものは排除すべき存在なのだ。しかし約束をした以上、自身を大いに楽しませてくれるモノが死んでもらっては困る。困るが殺してみたい。
大の大人ですら失禁する拷問に恐怖せず、あまつさえ笑みを浮かべて耐える少女に興味を抱きつつも、自身の感情を押し殺しながら手を止めない。少女が必死に堪える様子を眺めて、彼は自分が今どんな顔をしているのか分からなかった。
「では、改めて聞きましょうか。天笠天唯さん。月のモノは? 女の身体になりましたか?」
下卑た言葉を受けて、僅かに彼女の身体が震えたのを見て藤壺二季はほくそ笑んだ。同時に剥がれた爪の先を撫でる。
「!?なっ……。……ぐっ……まだです」
「ふふ。そうですかそうですか。まだ無垢でこれ程の痛みに耐えれるとは素晴らしい! ああ、そういえば。私、先日友人が出来まして」
突然の話題転換に戸惑う天唯。構わず話を進める藤壺二季は、どこか目が虚ろで目の前の拷問すらどこか色褪せた世界として見ている。どこまでも深く沼のような瞳をする二季に恐怖を覚える天唯。
これから行われるであろう行為が容易に想像できたからこその恐れだった。まだ幼い自身は他の人達とは違い四神家としての教育をほとんど受けてこなかった。四神家が行う特異な拷問――それは未知の領域。知識としては知っていても体験したことはない。だから、彼女は初めて知るのだ。人の皮を被った鬼に慈悲などないのだと。
「それでね。その友人の趣味が拷問なんですよ。私の事を気に入ってくれているらしくて、よく遊びに来てくれるんですけど……彼の趣味はどうやら痛めつけることらしい。そこで一つ提案がありまして、天唯さんにはその友人をご紹介しようと思うのですが…………如何でしょうか?」
「…………ふっ。ふははははっ!」
突如笑い出した天唯に少しだけ首を傾げる。手にしていた薬品は二季の心の機微のようで、瓶を傾ける際に中身が零れ落ちる。それを気にした風もなく目の前の悍ましい笑顔で笑う無邪気な少女の反応を待った。
「可笑しい! 大変可笑しくて思わず笑ってしまいました二季様! 貴方様ともあろう者が他人に人を譲るなどと」
心底愉快だと言わんばかりに口角を吊り上げる天唯の態度が二季の苛立ちを募らせる。だが、それでも表面上は穏やかだ。自身と対面する少女がどのような感情を抱いているのか、彼は全て理解した上で行動していた。 二季は己が酷く醜い生き物であることを自覚していた。他人の苦痛が見たくて堪らない。それが自身と同じような人間なら尚更。母と同じ性を持つ女なら更に。何故なら自分と同じ苦しみを知っているのは自分だけだから。
黒く悍ましい感情が湧き上がる。
影から虫が這い上がり、脳内を食い散らかす。
そして思考の全てが真っ黒に染まる直前に、視界の端で誰かが動いたような気がして二季は視線を向けた。そこには一人の男が立っていた。男の外見はとても奇妙だった。何より目立つのはその瞳だ。片方だけが蒼くもう片方は闇のような漆黒に染められている。
「待ったッ!!」
腹の底を浮かせるような嫌な音と共に、瓦解した天井。炎を纏った少女が青年を抱いて落ちてきた。少女の手足の鎖が床に触れると空気を澄ませた音を奏でる。
「――天笠弥咲、何故天井から……」
名を呼ばれた弥咲は二季に見向きもせずに、大切な存在である天唯を凝視している。彼の頭の中では最悪の――硝子細工の世界で見た事態を連想させていた。それを少しでも回避すべく彼は一秒でも早く助け出すべく駆け出していく。
「……お兄様!」
二人の兄妹の様子は、二季にとって不快以外の何ものでもない。目の前の男は自分が用意した舞台を壊しただけではなく、お気に入りの少女まで奪おうとしている。痛みよりも先に指先から悍ましい感情が流れ込む。まだ視界の端には奇妙な男が立っていた。幻覚を見ていた二季は一瞬、ほんの一瞬だけ反応が遅れる。それは常人であるならば許容範囲内。しかし二季にとっては致命的とも言える程の時間だった。少女の艶やかな髪に惑わされると弥咲の握りしめた右手が二季の頬に振るわれる。
瞬間、空間が揺れ――バチンと小気味良い音が鳴って二季の身体が揺らぐ。遅れてやってきた衝撃に二季は己が一番嫌いな相手に自身が触れている事を理解する。即座に左手で弥咲の手首を掴んで、そのまま捻り上げようとするが少女の足蹴によってそれは阻止される。
「…………やけに馬鹿力だな、クソ女」
「二季…………貴様は!貴様だけは許さない!」
弥咲の怒りの籠った声色。普段は昼行灯な彼が、初めて見せる激情に妹である二季は何かを言いかけて言葉を失う。
忌々しげに睨むと体勢を直し、二季は距離を取るように後方へ跳ぶ。
穴が開いた天井から風が流れ込む。目の前の異端を観察――唐紅の髪を靡かせる謎の少女は身なりからして異国の奴隷。彼女の瞳に映るのは怒りと悲しみだ。大切なものが傷つけられるのを心底理解している瞳。まるで、あの日の僕のように――。
二季はため息を吐いて思考を切り変える。今は眼前の敵をどう処理するかを考える。天笠弥咲。彼の存在は本当に邪魔。邪魔以外の何者でもない。今すぐにでも始末したいところだが…………。
「――この、華やかな帝都で起きた悍ましい連続不審死事件をご存知ですか? その犯人は貴方だと私は思っていたのですが妹の桐、天唯さんがどうにも庇う」
天唯はさっと両手を後ろに回し、爪を見られないようにする。
そして二季を視界に捉えながら両者を取り持つように中央へ割り込む。先程までの態度と異なる様子が気に食わないのか、二季は目を細めて不快感を露にする。
「お兄様、私の話を落ち着いて聞いて欲しい。二季様に取引を持ち掛けたのは私です。天唯はお兄様が犯人だとは思っていません」
二季は静かに目を閉じると小さく鼻で笑う。――やはり女は甘い。甘すぎる。優し過ぎる。二季が求めているのはそんな綺麗な感情ではない。もっと黒く淀んだ汚泥のような感情。他人が苦しみ悶える姿だ。それを彼は見たくて見たくて堪らない。故に二季は目の前の人物達を殺すだろう。しかし、そうする事が出来ない理由がある。
瞼を開けると、真っ直ぐに三人を見つめた。異国の少女は感情表現が豊かで会話をしている。天唯は持ち前の頭脳明晰さでそんな少女や兄に分かりやすく情報を言う。天唯は兄の無実を確信していた。だから彼女は二季に対して爪を剥いでも良いという変な取引をしたのだ。思考が切り替わる。それは最早、彼の思考を狂わせる原因となる黒い感情の流入は起こらない。
「ッ……!!」
「おや、我慢できるんですね。流石、歴代最小天笠家当主さん」
二季は痛みに耐える天唯を楽しそうに眺め、手にしている器具の力加減を調整していく。天唯の小さな手が押さえつけられてなおも、震えて跳ね上がる。その指先から爪が一枚ゆっくり剥がされる。自身の爪が剥がされるのを見せつけられてなおも、気丈に振る舞う少女は鼻で笑う。まるで取るに足らない相手へ嘲るように、強い意志を感じさせる瞳で藤壺二季を見据える。
「ふふ――二季様、私が幼いからと言って。手加減していますか? 私は二季様に酷い扱いを受ける事は慣れていますから」
きょとんとした表情は彼の残虐性を一切感じさせないほどに、無垢な形が現れていた。
自身より一回り、二回りも歳の離れた四神家の中で一番幼い少女が、恐怖を与え己を苦しめる人間へにっこりと優しく微笑む天唯に底知れぬ恐ろしさを感じて、二季は自身の体が強張っていくのを感じる。兄である天笠弥咲の身の潔白を信じているだけで、声をまともに上げず痛みに堪える目の前の肉の形が薄い女に――今まで出会ったことのない人種だと。桐も奴の逮捕を遅らせる為にお仕置きだって自ら進んで行った。
「ほぅ……ならばもっと酷くしても良いのだ?」
天笠天唯の目の前にいる藤壺二季という存在は、女をモノとしか見ていない人間である。女は男よりも劣り、自身の劣情を満たすだけのモノだと。それを自覚していて、それこそが正しいことだと思っている。だが、天笠天唯は違う。彼女は女の尊厳を踏み躙られる苦痛を理解しながらも、自身が最も大切とする者のことを思い、その苦痛を受け入れようとしている。非常に気味が悪い。悍ましさを感じると共に下腹部に熱が集まる。
「女は痛みに強いと言いますね。ねぇ、天唯さんは月のモノは出ましたか?」
爪の間に裁縫針を躊躇せずに差し入れると、左へ、右へと肉を神経を掻き分けるように針を動かす――彼女の瞳に宿るのは絶望ではなく、希望だ。彼女には勝算があるのか。あるのだろうな。
「…………嫌ですね、女の身体を聞くなんて、藤壺家の者ともあろうものが」
裁縫針を更に奥へ、爪ではなく指先の真ん中を刺す。
「お恥ずかしい。手元が狂ってしまいました」
藤壺二季の表情は先程までとは打って変わって冷たいものだった。眉間にシワを寄せて嫌悪感を示す顔つきは、彼が今この瞬間にも天笠兄妹を殺そうと思っていることが伺える。彼にとって自身の目的を阻害するものは排除すべき存在なのだ。しかし約束をした以上、自身を大いに楽しませてくれるモノが死んでもらっては困る。困るが殺してみたい。
大の大人ですら失禁する拷問に恐怖せず、あまつさえ笑みを浮かべて耐える少女に興味を抱きつつも、自身の感情を押し殺しながら手を止めない。少女が必死に堪える様子を眺めて、彼は自分が今どんな顔をしているのか分からなかった。
「では、改めて聞きましょうか。天笠天唯さん。月のモノは? 女の身体になりましたか?」
下卑た言葉を受けて、僅かに彼女の身体が震えたのを見て藤壺二季はほくそ笑んだ。同時に剥がれた爪の先を撫でる。
「!?なっ……。……ぐっ……まだです」
「ふふ。そうですかそうですか。まだ無垢でこれ程の痛みに耐えれるとは素晴らしい! ああ、そういえば。私、先日友人が出来まして」
突然の話題転換に戸惑う天唯。構わず話を進める藤壺二季は、どこか目が虚ろで目の前の拷問すらどこか色褪せた世界として見ている。どこまでも深く沼のような瞳をする二季に恐怖を覚える天唯。
これから行われるであろう行為が容易に想像できたからこその恐れだった。まだ幼い自身は他の人達とは違い四神家としての教育をほとんど受けてこなかった。四神家が行う特異な拷問――それは未知の領域。知識としては知っていても体験したことはない。だから、彼女は初めて知るのだ。人の皮を被った鬼に慈悲などないのだと。
「それでね。その友人の趣味が拷問なんですよ。私の事を気に入ってくれているらしくて、よく遊びに来てくれるんですけど……彼の趣味はどうやら痛めつけることらしい。そこで一つ提案がありまして、天唯さんにはその友人をご紹介しようと思うのですが…………如何でしょうか?」
「…………ふっ。ふははははっ!」
突如笑い出した天唯に少しだけ首を傾げる。手にしていた薬品は二季の心の機微のようで、瓶を傾ける際に中身が零れ落ちる。それを気にした風もなく目の前の悍ましい笑顔で笑う無邪気な少女の反応を待った。
「可笑しい! 大変可笑しくて思わず笑ってしまいました二季様! 貴方様ともあろう者が他人に人を譲るなどと」
心底愉快だと言わんばかりに口角を吊り上げる天唯の態度が二季の苛立ちを募らせる。だが、それでも表面上は穏やかだ。自身と対面する少女がどのような感情を抱いているのか、彼は全て理解した上で行動していた。 二季は己が酷く醜い生き物であることを自覚していた。他人の苦痛が見たくて堪らない。それが自身と同じような人間なら尚更。母と同じ性を持つ女なら更に。何故なら自分と同じ苦しみを知っているのは自分だけだから。
黒く悍ましい感情が湧き上がる。
影から虫が這い上がり、脳内を食い散らかす。
そして思考の全てが真っ黒に染まる直前に、視界の端で誰かが動いたような気がして二季は視線を向けた。そこには一人の男が立っていた。男の外見はとても奇妙だった。何より目立つのはその瞳だ。片方だけが蒼くもう片方は闇のような漆黒に染められている。
「待ったッ!!」
腹の底を浮かせるような嫌な音と共に、瓦解した天井。炎を纏った少女が青年を抱いて落ちてきた。少女の手足の鎖が床に触れると空気を澄ませた音を奏でる。
「――天笠弥咲、何故天井から……」
名を呼ばれた弥咲は二季に見向きもせずに、大切な存在である天唯を凝視している。彼の頭の中では最悪の――硝子細工の世界で見た事態を連想させていた。それを少しでも回避すべく彼は一秒でも早く助け出すべく駆け出していく。
「……お兄様!」
二人の兄妹の様子は、二季にとって不快以外の何ものでもない。目の前の男は自分が用意した舞台を壊しただけではなく、お気に入りの少女まで奪おうとしている。痛みよりも先に指先から悍ましい感情が流れ込む。まだ視界の端には奇妙な男が立っていた。幻覚を見ていた二季は一瞬、ほんの一瞬だけ反応が遅れる。それは常人であるならば許容範囲内。しかし二季にとっては致命的とも言える程の時間だった。少女の艶やかな髪に惑わされると弥咲の握りしめた右手が二季の頬に振るわれる。
瞬間、空間が揺れ――バチンと小気味良い音が鳴って二季の身体が揺らぐ。遅れてやってきた衝撃に二季は己が一番嫌いな相手に自身が触れている事を理解する。即座に左手で弥咲の手首を掴んで、そのまま捻り上げようとするが少女の足蹴によってそれは阻止される。
「…………やけに馬鹿力だな、クソ女」
「二季…………貴様は!貴様だけは許さない!」
弥咲の怒りの籠った声色。普段は昼行灯な彼が、初めて見せる激情に妹である二季は何かを言いかけて言葉を失う。
忌々しげに睨むと体勢を直し、二季は距離を取るように後方へ跳ぶ。
穴が開いた天井から風が流れ込む。目の前の異端を観察――唐紅の髪を靡かせる謎の少女は身なりからして異国の奴隷。彼女の瞳に映るのは怒りと悲しみだ。大切なものが傷つけられるのを心底理解している瞳。まるで、あの日の僕のように――。
二季はため息を吐いて思考を切り変える。今は眼前の敵をどう処理するかを考える。天笠弥咲。彼の存在は本当に邪魔。邪魔以外の何者でもない。今すぐにでも始末したいところだが…………。
「――この、華やかな帝都で起きた悍ましい連続不審死事件をご存知ですか? その犯人は貴方だと私は思っていたのですが妹の桐、天唯さんがどうにも庇う」
天唯はさっと両手を後ろに回し、爪を見られないようにする。
そして二季を視界に捉えながら両者を取り持つように中央へ割り込む。先程までの態度と異なる様子が気に食わないのか、二季は目を細めて不快感を露にする。
「お兄様、私の話を落ち着いて聞いて欲しい。二季様に取引を持ち掛けたのは私です。天唯はお兄様が犯人だとは思っていません」
二季は静かに目を閉じると小さく鼻で笑う。――やはり女は甘い。甘すぎる。優し過ぎる。二季が求めているのはそんな綺麗な感情ではない。もっと黒く淀んだ汚泥のような感情。他人が苦しみ悶える姿だ。それを彼は見たくて見たくて堪らない。故に二季は目の前の人物達を殺すだろう。しかし、そうする事が出来ない理由がある。
瞼を開けると、真っ直ぐに三人を見つめた。異国の少女は感情表現が豊かで会話をしている。天唯は持ち前の頭脳明晰さでそんな少女や兄に分かりやすく情報を言う。天唯は兄の無実を確信していた。だから彼女は二季に対して爪を剥いでも良いという変な取引をしたのだ。思考が切り替わる。それは最早、彼の思考を狂わせる原因となる黒い感情の流入は起こらない。
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