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Episode
イベリスの花-3
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夕映えが、禍々しいほどの赤い色で空と雲を焦がし始める。赤い光に照らされた少年の手中には、籠一杯に色鮮やかな花。そこにはスターチスやツツジ、アネモネにスミレなど様々な種類の花が積まれていた。
これだけあれば充分だろうと春斗は彩乃の元へと向かった。彩乃は既に集め終えており、先程のベンチに腰掛けていた。彼女の手元には一種類の白い花だけが籠の中に集まっていた。
「それ…イベリスだね。それを集めたかったの?」
言ってくれれば集めたのに、と息つく春斗に対して、彩乃は首をゆっくりと縦に振る。
「春くん、イベリスの花言葉知ってる?」
彩乃は悪戯好きの子供の様に八重歯を出して笑う。春斗はお返しと言わんばかりにやっと口角を上げる。
「さぁ?知らない」
春斗は母親がガーデニングを趣味としていた為、幼少期から植物に詳しかった。そしてそれは花言葉も例外ではないことを、幼馴染である彩乃が知らないわけがなかった。
彩乃は「ふぅん」と言うと、下に目線を落とし、白く柔らかい花弁を弄り始める。春斗はそれをただひたすら眺める。
ーイベリスの花言葉は“初恋の思い出”ー
それは僕のことを想ってくれてる、と勘違いしても良いのかな。
春斗は手を伸ばし、白く華奢な指を彩乃の頬に添える。親指が柔らかくふっくらとした唇に触れ、彩乃は微かに声を漏らす。見つめ合った二人の顔は、夕焼けと同じ色に染まっていた。
これだけあれば充分だろうと春斗は彩乃の元へと向かった。彩乃は既に集め終えており、先程のベンチに腰掛けていた。彼女の手元には一種類の白い花だけが籠の中に集まっていた。
「それ…イベリスだね。それを集めたかったの?」
言ってくれれば集めたのに、と息つく春斗に対して、彩乃は首をゆっくりと縦に振る。
「春くん、イベリスの花言葉知ってる?」
彩乃は悪戯好きの子供の様に八重歯を出して笑う。春斗はお返しと言わんばかりにやっと口角を上げる。
「さぁ?知らない」
春斗は母親がガーデニングを趣味としていた為、幼少期から植物に詳しかった。そしてそれは花言葉も例外ではないことを、幼馴染である彩乃が知らないわけがなかった。
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それは僕のことを想ってくれてる、と勘違いしても良いのかな。
春斗は手を伸ばし、白く華奢な指を彩乃の頬に添える。親指が柔らかくふっくらとした唇に触れ、彩乃は微かに声を漏らす。見つめ合った二人の顔は、夕焼けと同じ色に染まっていた。
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