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第1章 異世界に!
8話 町に行こう!①
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ゴブリンを倒したケンジ達は森の外に向かって、時折襲ってくる魔物を倒しながら町に向かっていた。
ケンジの戦闘能力はギルスレイン達を改めて驚かす事になっていたようだった。それもそのはずで1km先にいる魔物の存在を※①【世界地図】で察知し不意打ちは一切受けなかったのだ。それに加え、薬草や秘薬も瞬時に発見し採取をして、木の実や果物等食材も全部※②【インベントリ】に収納していたのだった。
「ギルスレイン。これだけあれば充分かな?」
「主・・・充分すぎますよ。こんな事はAランクの冒険者でもできるかわからないですよ。」
「ご主人様それにこれ奴隷商人の持っていた※③【マジックバック】ですが本当にあたし達が持っていてもいいんですか?」
「俺にはこの自分専用のバックがあるからね。それは君達で使った方が便利いいだろ。これから君たちの着替えや所持品を俺が持つのも変だしな。」
ケンジには専用バックがあり、ガイアースに転移した時女神クローティアが持たせてくれたものであり、普通のマジックバック(デザイン変更可)より収納量が大きく10m四方高さ5mの空間があり、時間停止さらには盗難防止機能が付与されていてケンジ以外が持つと500kgの重さになり、さらにケンジから10m以上離れると手元に戻ってくるのである。
なぜそんなことがわかったかというと、ギルスレインが気を使いケンジのバックを持とうとしたらいきなり重くなり、とてもじゃないがギルスレイン一人では持ち運べなくなったのである。それでバックの機能を調べたら色々と分かりマジックアイテムのランクが【GOD】だということがわかった。
マジックアイテムのランク
粗悪品
低品質
ノーマル (普通)
マスター (高品質 鍛冶のスキルが80.00以上ある者が作ったもの。)
グランドマスター(最高品質 鍛冶のスキルが100.00ある者が作ったもの。銘やロゴが刻まれている。)
レジェンダリー (伝説級 鍛冶のスキルが120.00ある者が作ったもの。銘やロゴが刻まれている。)
ミソロジー (幻想級 ダンジョンで取れたもの。)
ジェネシス (創生級 ダンジョンで取れたもの。)
デミゴット (亜神級)
ゴット (神級 神の1柱が創ったものとされている。)
※ただし、ミソロジー以上の物は見つかっていないため人々に認知されていない。
そんなことで野営をすまし森の中を進んでいたら森がきれてケンジからするとそこには大きなあぜ道らしい道に出でることができた。
ギルスレイン達はホントに生きて森を出ることができて嬉しそうだった。
「街道に生きて出られたあ!」
「ギルスレイン・・・これが、この道が街道なのか?」
「はい!ここまで出れば魔物もそうそう出会うこともないし襲われないでしょう。ただ、盗賊には注意しないといけないのですけど。」
ケンジはこの道が街道だと信じれなかった。それもそのはずで地球暮らしでは舗装された道でもっと大きな道路を車やバス、トラックがすれ違いうるさいくらい大きな道路がケンジにとっての道であり、この街道と呼ばれる道はどう見ても田舎のあぜ道なのだ。
街道と言われたこの道は昔、田舎の婆ちゃんの所に行った時田んぼに向かった時に通った道を大きくしただけであった。
ガイアースに車は無いが馬車が2台すれ違うことができるかどうかの幅しかないのでケンジにとってカルチャーショックでしかなかった。
【世界地図】で確認し街道を西に向かうことにした。こちらには大きな町があり、生活するには申し分ないとギルスレイン達が説明してくれたのだ。(なるほど。この町がある辺りは地球でいうと神戸辺りだな。)ケンジは心の中で思っていた。
「システィナ。そういえばさこの土地はなんて名前なの?」
「ご主人様はこの大陸の名前をご存じないのですか?」
「大陸?!島国だろ!ここは?」
「ご主人様・・・島国はここから南に海を越えた所か、もっと西に行けばありますよ。ここはイズモという大陸になります。」
「えええ!人々はここが大陸とおもっているの?」
(南とかもっと西って日本の四国と九州のことか・・・)
ここで暮らしている人間はここを大陸を思っていて島だと思っていないのである。本州が大陸で四国、九州、北海道を島だと思っているのである。
ここはみんなに合わせておいた方がいいかな・・・みんなは【世界地図】なんてないし地球での学力知識の方がチートだな。
「へぇ!ここはイズモ大陸っていうのか?ハハハ・・・」
「ええ。そうですよ。それとこれから行く町は帝国領の商業都市(ブリュンガス)といいます。商業都市なのでにぎやかだし、冒険者になる人にはギルドもあるし、周りは素材があふれ又、初級から高級ダンジョンもあるから人々にとって暮らしやすい町だと思いますよ。」
「へぇ。それは楽しみだな。食い物も美味しいか?」
「そうですね。人々が集まれば商業も発展しますからね。美味しい物もいっぱいあると思います。他の人たちが美味しそうに食べているのを見た事がありますからね。」
「そっか!それは楽しみだな。」
話しながら町に向かっていると遠くの方に城壁に囲まれた町が見えてきてケンジは驚き興奮していた。
「あれが町なのか?なんであんな高い壁に囲まれているんだ?」
「ご主人様、町の周りは比較的安全ですが少なからず魔物や盗賊もいるので安全の為に高い城壁で囲みどの町でもあんな感じですよ。」
「え?プリムそうなのか?」
「城壁がないのは村とか後は開拓村くらいですね。」
「驚くことばかりだ。俺の住んでたところはそんな心配はなかったからね・・・」
(これは俺の心持を正さないと痛い目をみそうだな。)とケンジは心の中でそう思うのだった。
城壁が近づきさらに驚く、城壁は高さ15mぐらいあり、それが町を囲っているのである。その巨大な壁は近づき上を見上げると倒れてきそうであった。
城門に近づくとそこには広場から城門へと続く行列ができていてそれを見たケンジはうんざりするのであった。
「なあ、ギルスレインこれって並ばないと町には入れないのか?」
「そうですね。主は身分証はないですよね?」
ギルスレインの説明によればギルドで登録すれば身分証を貰えどの町にもその身分証を見せればすぐに入れるのだそうだ。身分証が無いと盗賊かもしれないので門で町の衛兵が魔道具や聞き込みで調べる為時間がかかるのである。
「そうだな。持ってないな・・・」
「町に入りギルドに登録すればあちら側のギルド専用の入り口から入れるんですよ。」
「へえ。便利だな。」
「旅人は他の町に入るには一般用で入るしかないんですよ。入口は一般用・ギルド用・貴族用と3種類があって真ん中の列は貴族用で並ばなくても馬車で入れるんですよ。」
「ギルド用は冒険者や生産者等が利用できるんです。ギルドが身分を証明されてる分早く入れますね。」
「一般用は旅人なので身元が不十分の為、衛兵が魔道具や色々使って調べ仮証明を発行して入れるようになるんで入るのにどうしても遅くなるんですよ。」
「まあ、盗賊なんかが簡単に入り込んだら困るもんな・・・しょうがないか。」
「ところで、ご主人様は町に入ったら最初どこにいきますか?やっぱりギルドに登録しにいきます?」
「そうそう、言ってなかったな。まずは教会に行きたいと思っているんだよ。」
「ご主人様は信心深いんですね。どの神様を信仰しているのですか?」
「神様って1柱じゃないの?」
「いえ・・・神様は何柱もいらっしゃいますよ。創造神様を筆頭に魔法の神様・戦闘の神様・生産の神様等いっぱいいらっしゃいます。」
ケンジはこのガイアースに転移してくれたクローティアしか知らなくて転移するとき友達になっていたのでつい友達感覚で言ってしまったのだ。
「そう考えるとやっぱ俺はティアさんだな。」
「「「ティアさん!?」」」
「ティアさんってクローティア様の事ですか?いくら主でも・・・創造の女神様を友達みたいに呼ぶのはどうかと思うのですが・・・」
ケンジからすると何でと言った感じである。転移した時にクローティア自身から自分の事をティアと呼べとまで言われていたからだ。だがケンジはすぐに後悔することとなるのである。ガイアースに住む人々は日本人の様に無宗教な人とは違い信仰心があついのである。
すると周りでケンジ達の会話を聞いていた人達が、最近の若い人はとかそんな罰当たりだとか色々言ってきた。それもそのはずで、地球と違ってガイアースでは神様の存在がちゃんと認識されており教会ではその姿も確認されているのである。
当然すべての人は女神クローティア様とお呼びし、敬う存在で間違ってもティアさんとか友達みたいに呼ばないのである。すると、生産者風のずんぐりむっくりとしたおじさんがケンジ達に怒りながら話しかけてきたのだ。
「坊主!女神クローティア様をそんな風にお呼びしたら駄目だ!あのお方のおかげで儂達は生まれこの星で暮らせていけるんだからな!もっと敬わないと駄目だぞ。」
周りにいた人達もそうだ!そうだ!と怒りながら言っていた。これらを見てギルスレインがケンジにここはみなさんにちゃんと謝った方がいいのではと言われ、ケンジは自分の軽率な行動を反省し、みんなに謝罪してまわったのだった。そしておじさんには教会に行ったら女神様にもちゃんと謝罪するんだぞ。とも言われたのである。
そして、みんなに謝罪し終わり列に並んでいたら後ろの方から女性の悲鳴が聞こえたのだ。
どうしたんだろ?と列に並んでいた人々が悲鳴が聞こえてきた方向に顔を向けていた。
「きゃあああ~~~!坊やが!」
ケンジからは人だかりがあって見ずらかったが人だかりから子供が貴族の馬車にひかれたようだった。馬車にひかれた子供の母親らしき女性は絶叫をあげて泣き叫んでいた。
馬車で子供引いた貴族は馬車の窓を開けてこう言い放ったのだ・・・
「貴族を横切ろうとするからこうなるのだ!この無礼者共め!母親なら子供をしっかり見ておけ!本来なら不敬罪で親子共々打ち首にしてやるところだが見逃してやる!」
でっぷり太った貴族は女性にそのように言い放って馬を引いている運転手に指示を出したのだ。
「おい!馭者。放っておいていいから早く馬車を出せ!」
そういうと馬車は親子を介抱することなく城門に向かって行ってしまったのである。ケンジは事故現場より前方に並んでいた為、馬車が通り過ぎた時すれ違いざま貴族の顔を睨むのだった。(貴族ってのはろくでもないやつが多いのか?)
「なあ、ギルスレイン。なんで貴族はあのまま介抱もせず轢き逃げするんだ?貴族は許される行為なのか?」
「主・・・それ以上言ってはいけません・・・不敬罪になって主が罪に問われてしまいます・・・」
「そんな理不尽な事がまかり通るのか。」
「坊主、気持ちはよくわかるがそれ以上本当に言ったらだめだ。」
先ほどケンジに説教をしたおじさんも言ってきたのだった。
その間引かれた子供の母親は「坊やが!坊やが!」と絶叫し息子を抱きかかえて冒険者の方をみて「誰か息子を助けて!」と言っていたが、冒険者は※④【ヒール】が使える人間がいないかとか、ポーションを持っていて子供に
振りかけたり、無理やり飲ませようと頑張っていたが重症なようで効き目がなかったようで子供がどんどん呼吸の速度が弱まっていき母親は泣き叫び崩れ落ちるのだ。
「誰でもいいから息子を助けてください・・・お願いします・・・」
母親は泣き崩れながら言っていてが周りにいる人はもう諦めムードになっていた。
「ギルスレインこの場所を取っておいて俺がちょっと行ってくるよ。」
「はい。わかりました。」
「坊主が行ってももう無理だ・・・あの様子じゃもう手遅れだ。あれを治そうとしたら※⑤【ハイヒール】でも無理だと思うぞ・・・」
「まあ見ててよ。おじさん俺に任せておいてくれ。」
ギルスレイン達は自分達を助けてくれたのを知っている為ニコニコしながらケンジを見送ったのだ。ケンジは人混みをかきわけて母親の側に行き子供を見せてくれと言い【ハイヒール】を唱えたのだ。
すると周りから「おお!」とか「あんな若いのがハイヒールを」とか歓声が上がったのだ。だが子供にはもう手遅れなのか効果がなくグッタリとしたままであった。周りにいた人達は盛り上がっていたがすぐに消沈してしまったのだ。
「もう【ハイヒール】では・・・」
「そんな・・・諦めないで【ハイヒール】を掛け続けてください・・・お願いします!息子が、息子だけが私の生き甲斐なのです・・・」
「大丈夫!俺に任せてお姉さん。」
そう言ったケンジは【ハイヒール】ではなく、その上位にあたる※⑥【グレーターヒール】を唱えたのだ。
「グレーターヒール・・・」
辺り一帯、物凄く光輝き。周りにいた人間は目が開けていられないくらい眩しく「きゃあ!」「目がぁ~~~!」とか叫んでいた。
そしてだんだんと光が収束した時には子供はスースーと寝息を立てて、体調は安定しているようだった。それを見た周りにいる冒険者や旅人たちは「やったぜ!」とか「すごい!」等歓声が上がったのだった。
「あああ・・・坊や良かった!助かって良かった。」と、若い母親は涙を流して息子を抱きしめていたのだった。
ケンジは親子がもう安心だと思い自分の並んでいた列の場所に戻ろうとしたら母親からお礼を言われ引き止められた。
「わたしはマリアと申します。本当にありがとうございました。あのまま息子が死んでしまったら私は生き甲斐を失っていたでしょう。」
「いえいえ、息子さんが助かってよかったですね。子供が死んだ親を俺は知っているのでそんなことにならなくてホント良かったと思います。」
ケンジは地球での自分に照り合わせて自分の母親が気力を無くしトラックに轢かれたとティアさんから聞いたのを思い出していた。
「その・・・それでお礼の方はどのくらいお渡ししたらよろしいですか?」
「えっ⁉お礼?幾らぐらいって言われても・・・困ったなあ・・・」
「あの・・・実は私は旦那が亡くなって私の親が住むこの町に頼り帰って来たばかりで手持ちのお金がそんなに無くて・・・」
「グレーターヒールの相場なんて知らないしな・・・」
ケンジがそう言ったら周りにいる人達が【グレーターヒール】の相場を教えてくれたのだ。それを聞き母親であるマリアは顔を青くするのであった。
それもそのはずで大銀貨10枚あれば一家四人が1か月以上暮らせるというのにグレーターヒール1発、金貨5枚でも安いらしいのだ。それを聞きマリアは意を決したように真顔でケンジを見つめてきたのだった。
「あの、私を奴隷に落としてくれませんか?私もまだ20代前半ですし、それなりの金額で売れると思います。そのお金でヒール代をお支払いしますのでどうかそれでご勘弁をしてください。」
「えええ!なんでそうなるんですか?マリアさんが奴隷に落ちたら息子さんはどうなるんですか?誰が育てていくんですか?」
「息子の奴隷だけはご勘弁してください。私だけでお願いします。息子は私の両親にお願いし育ててもらいます。」
「いやいやいや。息子さんが助かってもマリアさんが側でいなくちゃ意味がないし、奴隷に落ちちゃったらもう平民には戻れないんだよ。息子さんにももう会えないかもしれないんですよ?」
「でも、旦那が死んでしまって暮らしもままならなくなって私の両親を頼ってこの町に来た私にはそんな大金とてもじゃないけど払うことはできません・・・」
「息子と会えなくなるのは辛いですが元気で生きていてくれさえすれば私はどうなっても・・・」
「じゃあさ。マリアさんは今お金幾ら持ってます?」
そう聞くとマリアは懐から銀貨1枚と大銅貨5枚、銅貨を20枚出した。ケンジはマリアの手から銅貨を5枚取ったのだった。
「グレーターヒール代銅貨5枚でいいですよ。俺はそんな大金が欲しくて息子さんを助けた訳じゃないですから息子さんを大事にしてあげてください。」
マリアはそれを聞いた瞬間息子を抱きしめ涙を流しケンジに何度もお礼を言うのだった。
それを聞いた観衆はさらに盛り上がり「兄ちゃんかっこいいぞ!」やら「なかなかできる事じゃない。」等言い良いモノを見たとその時間に癒されていたのであった。
ケンジがギルスレインがいる列に戻ってきたらギルスレイン達はにこやかな笑顔で迎えてくれたのだった。
「さすが主です。主に買ってもらえて私は幸せです。」
「「ご主人様かっこよかったです。」」
すると、先ほどケンジに注意したおじさんが又話かけてきた。
「坊主、お前は冒険者なんだろ?もっとお礼をもらった方が良かったんじゃないのか?」
「え?なんでですか?あの親子からお金取ったらホント奴隷に落ちちゃうじゃないですか?」
「だが、お前はそれだけの事をしてあの子供を助けたんだぞ。考え方が非情に思えるかもしれないが坊主はそれだけの事をしお礼を貰える能力があるんだぞ。」
「俺はそんな他人を奴隷に落としてまで、お金を稼ごうとはおもいませんよ。」
「だが、そんな甘い考えじゃ他の冒険者達からナメられるぞ。」
「ご忠告はありがたく覚えておきますよ。でも俺はまだ冒険者じゃないしこれからはなめられないようにしますよ。ただ言っておきますが俺はそんな甘くないよ!」
「さっきの親子みたいな人達には甘いかもしれないが、ひき逃げをした貴族のような人間には黒金貨ぐらいふっかけてやる人間だよ俺は!」
それを聞いたおじさんは目が点になりいきなりケンジの背中をバシバシ叩き始め大きな声で笑っていた。
「坊主!儂はお前のことが気に入ったよ!」
「なんだよおっちゃん!そんな叩いたら痛いだろ。」
「この町で欲しいものがあったら儂の店に来な!格安で売ってやるよ。儂の名前はガンスだ。何か困ったらメイガン商会にきたらいい。」
そのように言ってガンスは金色のカードを渡してきた。
話に聞くとガンスは自分のお店を引退し息子に譲っていたそうでケンジに渡したカードはギルドカードではなく自分のお店で証明される名刺のようなものらしくお店に来て受付嬢にみせたらガンスが店にいたらガンスや店長を呼んで接客してくれるカードらしい。
「主、良いご縁ができてよかったですね。」
「ああ、そうだな。」
そんな話してたらやっとのことでケンジ達の入国の順番がまわってきた。
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この話で出る魔法・アイテム・スキル一覧
※①【世界地図】
ケンジしか所持者がいないレアスキル。
世界中の地図が見れて拡大縮小も思いのままで、町の中、ダンジョンの中にも
使える便利の良いスキル。
この地図にサーチの魔法を併用して使う事が可能で薬草や魔物を
見つけることも可能である。
※②【インベントリ】
ケンジしか所持者がいないレアスキル。
世界中の地図が見れて拡大縮小も思いのままで、町の中、ダンジョンの中にも
使える便利の良いスキル。
この地図にサーチの魔法を併用して使う事が可能で薬草や魔物を
見つけることも可能である。
ガイアースではケンジしか持っていない
レアスキルで収納BOXの上位版である。
生物以外なら何でも収納可能で上限がない。
又、種類ごとに分別もでき、時間経過もなく
食べ物は悪くならない。
※③【マジックバック】
ケンジ専用のバック。ガイアースに転移した時女神クローティア
が持たせてくれたもの。普通のマジックバック(デザイン変更可)より
収納量が大きく10m四方高さ5mの空間があり、時間停止さらには
盗難防止機能が付与されていてケンジ以外が持つと500kgの重さになる。
さらにケンジから10m以上離れると手元に戻ってくる。
※④【ヒール】
聖属性魔法 1階位
消費MP 5
詠唱速度 0.5秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 一人
効果範囲 なし
必要秘薬 紫水晶1個
備考欄
聖属性魔法で初級回復魔法で回復量も少ないが町の人たちにはこれで
十分HPは回復するがそれだけである。
魔法使い職業レベル10魔法スキル15.00から使用可能
※⑤【ハイヒール】
無属性魔法 3階位
消費MP 25
詠唱速度 20秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 一人
効果範囲 なし
必要秘薬 紫水晶3個
備考欄
聖属性魔法の為使い手は極端に少なく聖属性適正のある魔法使いは
殆どが教会に所属している。教会でお布施を払い(最低でも金貨1枚)
治療してもらえる魔法である。
回復量は30~50HPで町の人たちや初級冒険者には充分の回復量である
が金貨一枚となるとそうそう使うのをためらう金額である。
魔法使い職30レベルとパッシブスキルの魔法50.00で使う事が可能。
魔法使い職業レベル30魔法スキル50.00以上で使用可能
※⑥【グレーターヒール】
聖属性魔法 6階位
消費MP 65
詠唱速度 60秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 一人
効果範囲 なし
必要秘薬 紫水晶・高麗人参・黒大蒜各10個
備考欄
聖属性魔法でかなり上の位である回復魔法。ガイアースでこの魔法が使用
可能なのは教会の位の高い司教の位についている人間だけである。
HPはMAXで回復し体力も回復する魔法。欠損は治らない。
魔道士職業レベル50魔法スキル100.00で使用可能。
ケンジの戦闘能力はギルスレイン達を改めて驚かす事になっていたようだった。それもそのはずで1km先にいる魔物の存在を※①【世界地図】で察知し不意打ちは一切受けなかったのだ。それに加え、薬草や秘薬も瞬時に発見し採取をして、木の実や果物等食材も全部※②【インベントリ】に収納していたのだった。
「ギルスレイン。これだけあれば充分かな?」
「主・・・充分すぎますよ。こんな事はAランクの冒険者でもできるかわからないですよ。」
「ご主人様それにこれ奴隷商人の持っていた※③【マジックバック】ですが本当にあたし達が持っていてもいいんですか?」
「俺にはこの自分専用のバックがあるからね。それは君達で使った方が便利いいだろ。これから君たちの着替えや所持品を俺が持つのも変だしな。」
ケンジには専用バックがあり、ガイアースに転移した時女神クローティアが持たせてくれたものであり、普通のマジックバック(デザイン変更可)より収納量が大きく10m四方高さ5mの空間があり、時間停止さらには盗難防止機能が付与されていてケンジ以外が持つと500kgの重さになり、さらにケンジから10m以上離れると手元に戻ってくるのである。
なぜそんなことがわかったかというと、ギルスレインが気を使いケンジのバックを持とうとしたらいきなり重くなり、とてもじゃないがギルスレイン一人では持ち運べなくなったのである。それでバックの機能を調べたら色々と分かりマジックアイテムのランクが【GOD】だということがわかった。
マジックアイテムのランク
粗悪品
低品質
ノーマル (普通)
マスター (高品質 鍛冶のスキルが80.00以上ある者が作ったもの。)
グランドマスター(最高品質 鍛冶のスキルが100.00ある者が作ったもの。銘やロゴが刻まれている。)
レジェンダリー (伝説級 鍛冶のスキルが120.00ある者が作ったもの。銘やロゴが刻まれている。)
ミソロジー (幻想級 ダンジョンで取れたもの。)
ジェネシス (創生級 ダンジョンで取れたもの。)
デミゴット (亜神級)
ゴット (神級 神の1柱が創ったものとされている。)
※ただし、ミソロジー以上の物は見つかっていないため人々に認知されていない。
そんなことで野営をすまし森の中を進んでいたら森がきれてケンジからするとそこには大きなあぜ道らしい道に出でることができた。
ギルスレイン達はホントに生きて森を出ることができて嬉しそうだった。
「街道に生きて出られたあ!」
「ギルスレイン・・・これが、この道が街道なのか?」
「はい!ここまで出れば魔物もそうそう出会うこともないし襲われないでしょう。ただ、盗賊には注意しないといけないのですけど。」
ケンジはこの道が街道だと信じれなかった。それもそのはずで地球暮らしでは舗装された道でもっと大きな道路を車やバス、トラックがすれ違いうるさいくらい大きな道路がケンジにとっての道であり、この街道と呼ばれる道はどう見ても田舎のあぜ道なのだ。
街道と言われたこの道は昔、田舎の婆ちゃんの所に行った時田んぼに向かった時に通った道を大きくしただけであった。
ガイアースに車は無いが馬車が2台すれ違うことができるかどうかの幅しかないのでケンジにとってカルチャーショックでしかなかった。
【世界地図】で確認し街道を西に向かうことにした。こちらには大きな町があり、生活するには申し分ないとギルスレイン達が説明してくれたのだ。(なるほど。この町がある辺りは地球でいうと神戸辺りだな。)ケンジは心の中で思っていた。
「システィナ。そういえばさこの土地はなんて名前なの?」
「ご主人様はこの大陸の名前をご存じないのですか?」
「大陸?!島国だろ!ここは?」
「ご主人様・・・島国はここから南に海を越えた所か、もっと西に行けばありますよ。ここはイズモという大陸になります。」
「えええ!人々はここが大陸とおもっているの?」
(南とかもっと西って日本の四国と九州のことか・・・)
ここで暮らしている人間はここを大陸を思っていて島だと思っていないのである。本州が大陸で四国、九州、北海道を島だと思っているのである。
ここはみんなに合わせておいた方がいいかな・・・みんなは【世界地図】なんてないし地球での学力知識の方がチートだな。
「へぇ!ここはイズモ大陸っていうのか?ハハハ・・・」
「ええ。そうですよ。それとこれから行く町は帝国領の商業都市(ブリュンガス)といいます。商業都市なのでにぎやかだし、冒険者になる人にはギルドもあるし、周りは素材があふれ又、初級から高級ダンジョンもあるから人々にとって暮らしやすい町だと思いますよ。」
「へぇ。それは楽しみだな。食い物も美味しいか?」
「そうですね。人々が集まれば商業も発展しますからね。美味しい物もいっぱいあると思います。他の人たちが美味しそうに食べているのを見た事がありますからね。」
「そっか!それは楽しみだな。」
話しながら町に向かっていると遠くの方に城壁に囲まれた町が見えてきてケンジは驚き興奮していた。
「あれが町なのか?なんであんな高い壁に囲まれているんだ?」
「ご主人様、町の周りは比較的安全ですが少なからず魔物や盗賊もいるので安全の為に高い城壁で囲みどの町でもあんな感じですよ。」
「え?プリムそうなのか?」
「城壁がないのは村とか後は開拓村くらいですね。」
「驚くことばかりだ。俺の住んでたところはそんな心配はなかったからね・・・」
(これは俺の心持を正さないと痛い目をみそうだな。)とケンジは心の中でそう思うのだった。
城壁が近づきさらに驚く、城壁は高さ15mぐらいあり、それが町を囲っているのである。その巨大な壁は近づき上を見上げると倒れてきそうであった。
城門に近づくとそこには広場から城門へと続く行列ができていてそれを見たケンジはうんざりするのであった。
「なあ、ギルスレインこれって並ばないと町には入れないのか?」
「そうですね。主は身分証はないですよね?」
ギルスレインの説明によればギルドで登録すれば身分証を貰えどの町にもその身分証を見せればすぐに入れるのだそうだ。身分証が無いと盗賊かもしれないので門で町の衛兵が魔道具や聞き込みで調べる為時間がかかるのである。
「そうだな。持ってないな・・・」
「町に入りギルドに登録すればあちら側のギルド専用の入り口から入れるんですよ。」
「へえ。便利だな。」
「旅人は他の町に入るには一般用で入るしかないんですよ。入口は一般用・ギルド用・貴族用と3種類があって真ん中の列は貴族用で並ばなくても馬車で入れるんですよ。」
「ギルド用は冒険者や生産者等が利用できるんです。ギルドが身分を証明されてる分早く入れますね。」
「一般用は旅人なので身元が不十分の為、衛兵が魔道具や色々使って調べ仮証明を発行して入れるようになるんで入るのにどうしても遅くなるんですよ。」
「まあ、盗賊なんかが簡単に入り込んだら困るもんな・・・しょうがないか。」
「ところで、ご主人様は町に入ったら最初どこにいきますか?やっぱりギルドに登録しにいきます?」
「そうそう、言ってなかったな。まずは教会に行きたいと思っているんだよ。」
「ご主人様は信心深いんですね。どの神様を信仰しているのですか?」
「神様って1柱じゃないの?」
「いえ・・・神様は何柱もいらっしゃいますよ。創造神様を筆頭に魔法の神様・戦闘の神様・生産の神様等いっぱいいらっしゃいます。」
ケンジはこのガイアースに転移してくれたクローティアしか知らなくて転移するとき友達になっていたのでつい友達感覚で言ってしまったのだ。
「そう考えるとやっぱ俺はティアさんだな。」
「「「ティアさん!?」」」
「ティアさんってクローティア様の事ですか?いくら主でも・・・創造の女神様を友達みたいに呼ぶのはどうかと思うのですが・・・」
ケンジからすると何でと言った感じである。転移した時にクローティア自身から自分の事をティアと呼べとまで言われていたからだ。だがケンジはすぐに後悔することとなるのである。ガイアースに住む人々は日本人の様に無宗教な人とは違い信仰心があついのである。
すると周りでケンジ達の会話を聞いていた人達が、最近の若い人はとかそんな罰当たりだとか色々言ってきた。それもそのはずで、地球と違ってガイアースでは神様の存在がちゃんと認識されており教会ではその姿も確認されているのである。
当然すべての人は女神クローティア様とお呼びし、敬う存在で間違ってもティアさんとか友達みたいに呼ばないのである。すると、生産者風のずんぐりむっくりとしたおじさんがケンジ達に怒りながら話しかけてきたのだ。
「坊主!女神クローティア様をそんな風にお呼びしたら駄目だ!あのお方のおかげで儂達は生まれこの星で暮らせていけるんだからな!もっと敬わないと駄目だぞ。」
周りにいた人達もそうだ!そうだ!と怒りながら言っていた。これらを見てギルスレインがケンジにここはみなさんにちゃんと謝った方がいいのではと言われ、ケンジは自分の軽率な行動を反省し、みんなに謝罪してまわったのだった。そしておじさんには教会に行ったら女神様にもちゃんと謝罪するんだぞ。とも言われたのである。
そして、みんなに謝罪し終わり列に並んでいたら後ろの方から女性の悲鳴が聞こえたのだ。
どうしたんだろ?と列に並んでいた人々が悲鳴が聞こえてきた方向に顔を向けていた。
「きゃあああ~~~!坊やが!」
ケンジからは人だかりがあって見ずらかったが人だかりから子供が貴族の馬車にひかれたようだった。馬車にひかれた子供の母親らしき女性は絶叫をあげて泣き叫んでいた。
馬車で子供引いた貴族は馬車の窓を開けてこう言い放ったのだ・・・
「貴族を横切ろうとするからこうなるのだ!この無礼者共め!母親なら子供をしっかり見ておけ!本来なら不敬罪で親子共々打ち首にしてやるところだが見逃してやる!」
でっぷり太った貴族は女性にそのように言い放って馬を引いている運転手に指示を出したのだ。
「おい!馭者。放っておいていいから早く馬車を出せ!」
そういうと馬車は親子を介抱することなく城門に向かって行ってしまったのである。ケンジは事故現場より前方に並んでいた為、馬車が通り過ぎた時すれ違いざま貴族の顔を睨むのだった。(貴族ってのはろくでもないやつが多いのか?)
「なあ、ギルスレイン。なんで貴族はあのまま介抱もせず轢き逃げするんだ?貴族は許される行為なのか?」
「主・・・それ以上言ってはいけません・・・不敬罪になって主が罪に問われてしまいます・・・」
「そんな理不尽な事がまかり通るのか。」
「坊主、気持ちはよくわかるがそれ以上本当に言ったらだめだ。」
先ほどケンジに説教をしたおじさんも言ってきたのだった。
その間引かれた子供の母親は「坊やが!坊やが!」と絶叫し息子を抱きかかえて冒険者の方をみて「誰か息子を助けて!」と言っていたが、冒険者は※④【ヒール】が使える人間がいないかとか、ポーションを持っていて子供に
振りかけたり、無理やり飲ませようと頑張っていたが重症なようで効き目がなかったようで子供がどんどん呼吸の速度が弱まっていき母親は泣き叫び崩れ落ちるのだ。
「誰でもいいから息子を助けてください・・・お願いします・・・」
母親は泣き崩れながら言っていてが周りにいる人はもう諦めムードになっていた。
「ギルスレインこの場所を取っておいて俺がちょっと行ってくるよ。」
「はい。わかりました。」
「坊主が行ってももう無理だ・・・あの様子じゃもう手遅れだ。あれを治そうとしたら※⑤【ハイヒール】でも無理だと思うぞ・・・」
「まあ見ててよ。おじさん俺に任せておいてくれ。」
ギルスレイン達は自分達を助けてくれたのを知っている為ニコニコしながらケンジを見送ったのだ。ケンジは人混みをかきわけて母親の側に行き子供を見せてくれと言い【ハイヒール】を唱えたのだ。
すると周りから「おお!」とか「あんな若いのがハイヒールを」とか歓声が上がったのだ。だが子供にはもう手遅れなのか効果がなくグッタリとしたままであった。周りにいた人達は盛り上がっていたがすぐに消沈してしまったのだ。
「もう【ハイヒール】では・・・」
「そんな・・・諦めないで【ハイヒール】を掛け続けてください・・・お願いします!息子が、息子だけが私の生き甲斐なのです・・・」
「大丈夫!俺に任せてお姉さん。」
そう言ったケンジは【ハイヒール】ではなく、その上位にあたる※⑥【グレーターヒール】を唱えたのだ。
「グレーターヒール・・・」
辺り一帯、物凄く光輝き。周りにいた人間は目が開けていられないくらい眩しく「きゃあ!」「目がぁ~~~!」とか叫んでいた。
そしてだんだんと光が収束した時には子供はスースーと寝息を立てて、体調は安定しているようだった。それを見た周りにいる冒険者や旅人たちは「やったぜ!」とか「すごい!」等歓声が上がったのだった。
「あああ・・・坊や良かった!助かって良かった。」と、若い母親は涙を流して息子を抱きしめていたのだった。
ケンジは親子がもう安心だと思い自分の並んでいた列の場所に戻ろうとしたら母親からお礼を言われ引き止められた。
「わたしはマリアと申します。本当にありがとうございました。あのまま息子が死んでしまったら私は生き甲斐を失っていたでしょう。」
「いえいえ、息子さんが助かってよかったですね。子供が死んだ親を俺は知っているのでそんなことにならなくてホント良かったと思います。」
ケンジは地球での自分に照り合わせて自分の母親が気力を無くしトラックに轢かれたとティアさんから聞いたのを思い出していた。
「その・・・それでお礼の方はどのくらいお渡ししたらよろしいですか?」
「えっ⁉お礼?幾らぐらいって言われても・・・困ったなあ・・・」
「あの・・・実は私は旦那が亡くなって私の親が住むこの町に頼り帰って来たばかりで手持ちのお金がそんなに無くて・・・」
「グレーターヒールの相場なんて知らないしな・・・」
ケンジがそう言ったら周りにいる人達が【グレーターヒール】の相場を教えてくれたのだ。それを聞き母親であるマリアは顔を青くするのであった。
それもそのはずで大銀貨10枚あれば一家四人が1か月以上暮らせるというのにグレーターヒール1発、金貨5枚でも安いらしいのだ。それを聞きマリアは意を決したように真顔でケンジを見つめてきたのだった。
「あの、私を奴隷に落としてくれませんか?私もまだ20代前半ですし、それなりの金額で売れると思います。そのお金でヒール代をお支払いしますのでどうかそれでご勘弁をしてください。」
「えええ!なんでそうなるんですか?マリアさんが奴隷に落ちたら息子さんはどうなるんですか?誰が育てていくんですか?」
「息子の奴隷だけはご勘弁してください。私だけでお願いします。息子は私の両親にお願いし育ててもらいます。」
「いやいやいや。息子さんが助かってもマリアさんが側でいなくちゃ意味がないし、奴隷に落ちちゃったらもう平民には戻れないんだよ。息子さんにももう会えないかもしれないんですよ?」
「でも、旦那が死んでしまって暮らしもままならなくなって私の両親を頼ってこの町に来た私にはそんな大金とてもじゃないけど払うことはできません・・・」
「息子と会えなくなるのは辛いですが元気で生きていてくれさえすれば私はどうなっても・・・」
「じゃあさ。マリアさんは今お金幾ら持ってます?」
そう聞くとマリアは懐から銀貨1枚と大銅貨5枚、銅貨を20枚出した。ケンジはマリアの手から銅貨を5枚取ったのだった。
「グレーターヒール代銅貨5枚でいいですよ。俺はそんな大金が欲しくて息子さんを助けた訳じゃないですから息子さんを大事にしてあげてください。」
マリアはそれを聞いた瞬間息子を抱きしめ涙を流しケンジに何度もお礼を言うのだった。
それを聞いた観衆はさらに盛り上がり「兄ちゃんかっこいいぞ!」やら「なかなかできる事じゃない。」等言い良いモノを見たとその時間に癒されていたのであった。
ケンジがギルスレインがいる列に戻ってきたらギルスレイン達はにこやかな笑顔で迎えてくれたのだった。
「さすが主です。主に買ってもらえて私は幸せです。」
「「ご主人様かっこよかったです。」」
すると、先ほどケンジに注意したおじさんが又話かけてきた。
「坊主、お前は冒険者なんだろ?もっとお礼をもらった方が良かったんじゃないのか?」
「え?なんでですか?あの親子からお金取ったらホント奴隷に落ちちゃうじゃないですか?」
「だが、お前はそれだけの事をしてあの子供を助けたんだぞ。考え方が非情に思えるかもしれないが坊主はそれだけの事をしお礼を貰える能力があるんだぞ。」
「俺はそんな他人を奴隷に落としてまで、お金を稼ごうとはおもいませんよ。」
「だが、そんな甘い考えじゃ他の冒険者達からナメられるぞ。」
「ご忠告はありがたく覚えておきますよ。でも俺はまだ冒険者じゃないしこれからはなめられないようにしますよ。ただ言っておきますが俺はそんな甘くないよ!」
「さっきの親子みたいな人達には甘いかもしれないが、ひき逃げをした貴族のような人間には黒金貨ぐらいふっかけてやる人間だよ俺は!」
それを聞いたおじさんは目が点になりいきなりケンジの背中をバシバシ叩き始め大きな声で笑っていた。
「坊主!儂はお前のことが気に入ったよ!」
「なんだよおっちゃん!そんな叩いたら痛いだろ。」
「この町で欲しいものがあったら儂の店に来な!格安で売ってやるよ。儂の名前はガンスだ。何か困ったらメイガン商会にきたらいい。」
そのように言ってガンスは金色のカードを渡してきた。
話に聞くとガンスは自分のお店を引退し息子に譲っていたそうでケンジに渡したカードはギルドカードではなく自分のお店で証明される名刺のようなものらしくお店に来て受付嬢にみせたらガンスが店にいたらガンスや店長を呼んで接客してくれるカードらしい。
「主、良いご縁ができてよかったですね。」
「ああ、そうだな。」
そんな話してたらやっとのことでケンジ達の入国の順番がまわってきた。
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この話で出る魔法・アイテム・スキル一覧
※①【世界地図】
ケンジしか所持者がいないレアスキル。
世界中の地図が見れて拡大縮小も思いのままで、町の中、ダンジョンの中にも
使える便利の良いスキル。
この地図にサーチの魔法を併用して使う事が可能で薬草や魔物を
見つけることも可能である。
※②【インベントリ】
ケンジしか所持者がいないレアスキル。
世界中の地図が見れて拡大縮小も思いのままで、町の中、ダンジョンの中にも
使える便利の良いスキル。
この地図にサーチの魔法を併用して使う事が可能で薬草や魔物を
見つけることも可能である。
ガイアースではケンジしか持っていない
レアスキルで収納BOXの上位版である。
生物以外なら何でも収納可能で上限がない。
又、種類ごとに分別もでき、時間経過もなく
食べ物は悪くならない。
※③【マジックバック】
ケンジ専用のバック。ガイアースに転移した時女神クローティア
が持たせてくれたもの。普通のマジックバック(デザイン変更可)より
収納量が大きく10m四方高さ5mの空間があり、時間停止さらには
盗難防止機能が付与されていてケンジ以外が持つと500kgの重さになる。
さらにケンジから10m以上離れると手元に戻ってくる。
※④【ヒール】
聖属性魔法 1階位
消費MP 5
詠唱速度 0.5秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 一人
効果範囲 なし
必要秘薬 紫水晶1個
備考欄
聖属性魔法で初級回復魔法で回復量も少ないが町の人たちにはこれで
十分HPは回復するがそれだけである。
魔法使い職業レベル10魔法スキル15.00から使用可能
※⑤【ハイヒール】
無属性魔法 3階位
消費MP 25
詠唱速度 20秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 一人
効果範囲 なし
必要秘薬 紫水晶3個
備考欄
聖属性魔法の為使い手は極端に少なく聖属性適正のある魔法使いは
殆どが教会に所属している。教会でお布施を払い(最低でも金貨1枚)
治療してもらえる魔法である。
回復量は30~50HPで町の人たちや初級冒険者には充分の回復量である
が金貨一枚となるとそうそう使うのをためらう金額である。
魔法使い職30レベルとパッシブスキルの魔法50.00で使う事が可能。
魔法使い職業レベル30魔法スキル50.00以上で使用可能
※⑥【グレーターヒール】
聖属性魔法 6階位
消費MP 65
詠唱速度 60秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 一人
効果範囲 なし
必要秘薬 紫水晶・高麗人参・黒大蒜各10個
備考欄
聖属性魔法でかなり上の位である回復魔法。ガイアースでこの魔法が使用
可能なのは教会の位の高い司教の位についている人間だけである。
HPはMAXで回復し体力も回復する魔法。欠損は治らない。
魔道士職業レベル50魔法スキル100.00で使用可能。
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