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第6章 ケンジの新しい生産力!
31話 慰謝料③
しおりを挟むギルドマスターは1人足取り重くケンジの家の前にやってきたのだった。
「誰かおらぬか?生産ギルドのギルドマスターが来たとケンジ殿に伝えてもらいたい。」
お店に出ていたユエティーが対応に出てウランがケンジを呼びにいくのだった。ユエティーはリンダ達にお店を任せギルマスを屋敷の方に案内するのだった。
「あの・・・ギルドマスターお一人だけですか?」
「一人だったら何が悪いんだ?」
ギルマスは痛いところを突かれてこめかみがピクピク動いたのだった。
「いえ・・・悪いとかじゃなくギルドのトップが一人で来るなんて珍しいと思いまして他意はございません・・・」
ギルマスは何も答えずにブスッとしてユエティーの後をついていくのだった。
「どうぞこちらの部屋でお待ちください。それでは失礼いたします。」
ユエティーは丁寧にお辞儀をして部屋を出ていくのだった。そしてしばらくしてその部屋にケンジとマイそしてセバスがお茶を持って入ってきた。
「おまたせしましてすいません。それにしても早かったですね。」
ギルマスはケンジの態度が白々しく思えて胸の内は腸が煮えくりかえるおもいであったが、この状況をとりあえず治めなくてはならないと思いグッと飲み込みケンジに頭を下げたのである。
「このたびはわたしがいらぬこと言った・・・反省してます。どうか町を去らないでほしい。頼みます!」
「ギルドマスター顔を上げてください!」
ケンジの言葉にギルマスは許してくれると思い引きつった笑顔で顔をあげるのだった。
「許すか許さないかはギルドマスターがどれだけの慰謝料を提示するかによって決まります。で、どのような提示をしてくれるのですか?」
ギルマスはマジックバックの中から5000万ドゴンを出した。この金額はギルドから出る慰謝料としては破格の値段だった。規約には100万ドゴンとあるのに5000万で50倍の値段だった。
「ここに5000万ある。これが俺には精一杯なのだ・・・今回の事はこれで許してほしい・・・頼む・・・」
「ギルドマスター俺は先ほど来た部下達に慰謝料として向こう5年間俺が受けるすべての依頼を50%増しと提示したんですよ。オリハルコンインゴット3個分にも足りないお金で俺が本当に納得すると思っているのですか?」
「頼む!これが精一杯なのだ!」
ギルマスは頭を下げっぱなしでこっちをみようともしない。
「俺はこんな提示されるなら絶対許さないしこれからあんた達テンペの町のギルドと今まで通りの付き合いはしないよ。」
「そんなこと言われても・・・ギルドの売り上げも出していかないといけないんだ・・・そんな50%増しだとギルドの取り分が・・・」
「今まで、ギルドのやり方がどんぶり勘定だっただけだろ!生産者や冒険者が依頼失敗したら容赦なく取り立ててたんだろ?自分達だけいつも安全にしてただけじゃねぇか。」
「それはギルドの決まり事で・・・」
「それにあんたは今謝罪に来ているんだよな?なんで言い訳ばかりしてんだよ。俺はさっき言った通りの提示した以上じゃないと町を去ると言ったんだぞ。ホントにいいのか?」
「そ、それは待ってくれ!」
「待ってくれ?アンタはさっきからホント自分の立場をわかっていないみたいだな!」
「い、いえ・・・待ってください・・・お願いします・・・本当にこれ以上は出せないのです・・・」
「なんでだよ!良いかよく考えろよ。俺は全ての依頼の50%増しだと言ったんだぞ。依頼をこなしたうえでの報酬だ。インゴット1個100万で納品したらあんた達はその倍の値段で他に転売するんだろ?」
「そ・・・・それは・・・・」
「だったら今までは100万の利益が出てたものが50万に減るだけだろ?」
「それはそうだが!ギルドは色んな出費があるからその利益で運用しているんだ。それでもギリギリなんだ!」
「だったらあんたたちの給料を経費削減とか色々工夫しろよ!」
「そんな事したら退職する職員も出てきて・・・」
「そんなのは俺に関係ないよ。それが無理ならなんか他の所で頑張れば良いだけだろ!とにかく俺はアンタの事情はしらん!謝罪するならちゃんとあんたたちが苦労してやったらいいだけだ。」
「それは本当に無理だ・・・許してくれ・・・頼む!」
「あんた本当にいつも上から言ってくるが本当に謝罪する気があるのか?」
ギルマスは自分の子供より若い見た目の人間に言われ歯を食いしばるのだった。
「ケ・・・・ケンジ様この通りで・・・す・・・ゆるしてください・・・」
ギルマスはソファーから立ち上がりその場で土下座するのであった。
「あのな。そんな形だけの謝罪はもういいよ。土下座してももう無理なところに来ているのがわからないか?慰謝料としての形を提示してくれ!俺は絶対折れるつもりはないからな!」
「き、貴様ぁ~~~!調子にのりおってからに!ワシが土下座までしているんだぞ!」
「だから何?アンタの土下座なんて何の価値もないよ。それともなにか?あんたが土下座したら金でも降ってくると言うのか?」
「むぐぐぐ!このワシが頭を下げているんだ!充分価値があるに決まっているだろうが!」
「何言ってやがる!じゃあなぜ今日はお前一人でここに来たんだ?」
「そ、それは・・・」
「当ててやろうか!お前は職員に見放されたんだろ。誰もついてきてくれなくて仕方なくここに一人で来たんだ!」
「ぐっ・・・」
「そんな張りぼてのギルドのトップの土下座なんて価値がある訳ねぇだろうが!何が充分価値があるだ。馬鹿も休み休み言え!」
「なぜ・・・それを・・・」
「そんなもんちょっと考えたらわかるんだよ。いいか?そんな土下座しても無理なもんは無理なんだ。あんたの部下たちはアンタを見限ったんだ!違うか?」
「!」
ギルマスは何かひらめき確かにと頷くのだった。
「じゃあ・・・・・わかった!慰謝料としてケンジ殿に向こう5年間ケンジ殿が受けた依頼のすべてを60%増しで支払う事を慰謝料として払おう!」
「それで、ケンジ殿は今まで通りギルドと付き合い町から去らずにしてくれるか?」
「ああ!それでなら俺も納得しよう!」
ギルマスとケンジは契約書を結びギルマスはやっと肩の荷が下りたようでホッとした表情になったのだった。そしてギルマスは何とかなったと思いギルドに帰っていったのだった。
ギルマスが帰って行ったあとセバスとマイはケンジに何故ギルマスはあんなに渋っていたのにいきなり60%増しにしたのか聞いてくるのだった。
「あのご主人様・・・あれってどういうことなのですか?」
「慰謝料がすんなり決まった事か?」
「うんうん・・・なんであんなに渋っていたのに・・・」
「これからギルド職員は大変だと思うぞ。」
「「え?まさか・・・」」
「ああ。そのまさかだよ。これからギルドはブラック企業そのものになるって事だ。」
「でも、なんで?」
「ギルマスはギルドのトップだよな。それなのに労働組合のない世界で職員はギルマスを敵に回したのは無謀としか言いようがないよ。たぶん、離職者続出することになりあのギルマスも終わりだろうな。」
「何故ギルマスが終わりなのです?職員ではないのですか?」
「最初はそうだろうけど人材が無くなるんだぞ。それでどうやって経営ができるんだよ。その結果責任を取らされるのはギルマス本人だよ。」
「な、なるほど・・・」
ギルドの悪い所というか権力者の悪い所が出てしまったのだとケンジは二人に説明したのだった。
「そんな事がまかり通る訳ないのに自分だけ助かろうと走るからだよな・・・」
「どうゆうこと?」
「あのギルマスの事だ!職員は自分を裏切ったからこんな目に合うのは当たり前だと言って職員の給料をギリギリまで減給するはずだよ。」
「でも、そんなことしたら・・・」
「ああ、みんなで抗議するだろうけどギルマスを裏切ったのは職員が先だろ?ギルマスは俺を裏切ったからそんな目に合うんだと言うだろうね。」
「「あっ・・・」」
「それでも文句言うやつのはお決まりのセリフだ。嫌ならやめろお前の代わりなんていくらでも募集すればいるんだってね。」
「「最悪ですね・・・」」
「まあ、俺の知った事ではないけどね。もしギルドが無くなったらお店で儲ければいいだけだしな。」
「でもギルドがつぶれたら町の結界は誰が・・・」
「そんなのはそうなった時に考えるよ。俺が考える事じゃないしな。そうなる前にギルドの中央本部のお偉いさんが考えるだろ?」
「まあ、確かにあたし達が考える事じゃないか・・・」
マイとセバスは乾いた笑いをするのだった。
そして言うまでもなくギルマスはギルドに笑いながら帰り部屋の中に入っていくのだった。そのギルマスの表情を見た職員達はケンジとの交渉がうまくいったと思い、これから自分達はどうなるのか不安に思うのだった。
ギルマスはギルドからケンジの家に行くときお前達は全員クビだ!と叫んで出て行ったのを思い出していたのだった。
そしてギルマスは職員達の辞令をだす掲示板にこれからの方針と給料を大幅カットすると貼り出したのだった。
そして、ケンジの言った通りの事が現実に起こり始めギルドがドンドン最悪のシナリオに向けて歯車が回り始めるのだった。
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