異世界転移で生産と魔法チートで誰にも縛られず自由に暮らします!

本条蒼依

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第9章 Freedom国の発展!

86話 商談

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 ケンジは、錬金術を伸ばしながら調味料の事をずっと考えていたのである。そして、サトウキビの事はとうとう諦めたのだった。

「ミナレス、ミイナ。いるかぁ?」

「「ご主人様!こんなところに入って来てどうしたのですか?」」

 周りを見ると、厨房の中は忙しなくミナレスの部下達が働いていたのである。今ではFreedomも、大所帯になり300名近い人間の、食事や洗濯物の準備をしているのである。ミナレスとミイナは、メイド長として日々奮闘しているのである。

「ミナレス、ミイナいつも大変な業務ありがとな!お前達のおかげで、みんな気持ちよく働けているよ」

「「そんな……勿体ないお言葉ありがとうございます」」

「それでちょっと、厨房の一角を貸してくれ」

「何かお作りになるのですか?」

「ああ!この間相談したサトウキビの事があっただろ?」

「「えっ⁉」」
「とうとう、砂糖の目処が着いたのですか?」

 その言葉を聞いた、ミナレスとミイナはもちろんだが、周りで働いていた者達も悲鳴を上げて喜んだのである。もし、これが成功したら女性に人気のクッキーとか甘味が、安価で手に入れれるかもしれないからである。

「いや……みんな!喜んでいる所悪いが砂糖は諦めたんだ」

 ケンジの言葉に、先ほど大きな悲鳴を上げてまで喜んだはずだったが、この世の終わりのような顔をして落ち込んだのである。

「「ご主人様!」」

「な、なんだよ……」

「諦めるのはまだ早いですよ!何とか頑張ってください‼」

「だけどよ……この土地でサトウキビは育てられないんだよ。それに持ってくるにしても、火の国が遠すぎるから無理だしな……」

 ミナレス達は、ケンジの説明にガクッと項垂れてしまったのだった。

「まあ、落ち込むのはまだ早いよ!これが上手く行けば砂糖の代わりになるかと思ってな。ちょっと試したかったんだよ」

「「え!本当ですか?」」

 ケンジの言葉に、さっきまで落ち込んでいたのに、目をキラキラさせてケンジに詰め寄ってきたのである。ケンジはその様子を見て、本当に甘味は必要だよなと思うのだった。

「ここをちょっと貸してくれよな」

「はい……それはいいですが、ご主人様は、そんなものどうするのですか?」

 ケンジが、取り出したのはお米だったのである。この辺りでは、米は食べられておらず主食はパンである。
 ラノベでよくある話だが、主人公が異世界に来て米を求める事はよくあるが、ここイズモ大陸では米が普通に手に入るのである。
 だが、ケンジも地球では米よりどちらかといえばパン食派だったため、それほど米と騒がなかったのだった。

「この米を使って、砂糖の代わりにしようと思ってな!」

「「「「「えええ!」」」」」

 ミナレス達が驚くのも無理はなかったのである。ここイズモ大陸では、米の調理方法を知らなくて家畜の餌ぐらいにしか認識が無かったのである。

「そんな硬い物がですか?甘くとも何ともないじゃないですか?」

「それはお前達が、調理方法を知らないからだよ。まあ、俺は昔からパン食派だったからあまり必要なかったんだけどな!」

 ケンジは地球にいる時、父は過労死で他界しており、母はケンジを育てる為に夜遅くまで働いており、自炊が面倒な為いつもパンを食べていたのだ。ケンジも、一度自炊をしたが面倒くさくなって以来、食パンを焼いておかずを挟んだりして食べていたのである。

「ですが、そんな硬い物が食べれるなんて知りませんでしたよ」

「まあ、俺のいた所はこれが主食じゃないと嫌だ!という人もいたから美味しいと思うぞ!」

 ケンジは、米を洗い炊き上げるのだった。そして、ミナレスにお皿に盛って差し出したのだった。

「食べてみるか?」

「いいのですか?」

「熱いから気を付けろよ」

 ミナレスは、ケンジに言われて米を初めて食したのだった。すると、ミナレス達は目を見開き驚いたのである。

「お米って、こんなに美味しかったのですか?」

 ミナレスは、ミイナにもその皿に盛ったお米を食べてみるように、差し出し食べるように言ったのだった。米を食べたミイナも、目を見開き感動している様子だった。

「ご主人様!砂糖の代わりに、お米を広めるおつもりだったのですね」

「いやいや……米はこのまま食べれるが、あくまでも俺が砂糖の代わりとして甘味を広めるつもりだよ!」

「お米が、甘味になるのですか?」

 ケンジは、地球でいる時米から水あめを作る会社を紹介したテレビを見た事を思い出していたのである。それを思い出しながら、米を布に包み煮詰めていったのである。

「ご主人様!これはどうするのですか?もう捨てるのですか?」

 ミイナは、布に包まれた出涸らしの米を捨てようとしたのだった。

「あっ!それは捨てたらダメだぞ!クッキーにして食べれるんだからな」

 ケンジは、そんな事を言いながら、米の煮汁を煮詰めていくのである。すると、米の煮汁はどんどん粘りが出てきて、トローっと粘りが出てきたのだった。

「ご主人様!なんか蜂蜜みたいですね……」

「そうだな!」

 この土地では、砂糖は高価な為代わりに蜂蜜が採取される事がある。冒険者が蜂型の魔物、ポイズンビーの巣を討伐し、その副産物となるのが蜂蜜である。
 この蜂蜜は、砂糖よりかは安価だがやはり討伐が難しい為、平民にはなかなかまわってこない高級素材である。ケンジは、そんな事を話しながらこんなものでいいかなと思い、米の水あめを冷ますのだった。そして、冷ました水あめは、砂糖のように甘くはないが優しい甘味であった。

「うん!これなら紅茶に入れても大丈夫そうだな!」

 周りを見ると、味見をしたくてうずうずしているミナレス達が、ケンジを見ていたのだった。

「あ、味見してみるか?」

「「「「「「はい!」」」」」」

 ケンジは、クッキーを作ろうと思い先ほど取って置いた米の出涸らしを探し、その場を少し離れたのだった。

 ケンジがそういうと、女性達が米の水あめに群がり、あっという間に無くなってしまったのである。そして、米を持って厨房に戻っていたのだった。

「あああ!お前達、全部食べちゃったら駄目じゃないか!」

「「「「ご主人様!甘くて美味しかったです!」」」」

「美味しかったじゃない!これどうすんだよ!」

 ケンジは、米の出涸らしを手に持って怒ったのだった。この水あめを使ってクッキーを作ろうとしたのに、ちょっと目を離したすきにミナレス達に、水あめをたいらげられてしまったのだった。

 この水あめは、煮詰めて作る為最初は大量にあるように思うが、出来上がる量は思ったより多くはないのである。だが、原材料はお米で今まで家畜のえさとして低価格で取引されていた為、これが広まれば先ほどミナレス達が群がるほど、砂糖の代役として人気商品となるのがわかったのである。

「……ごめんなさい……」

「ったく……また作り直しじゃないか!」

「次はわたし達が作ります!」

「当たり前だ!」

「「「「ひぃ~~~~~!ご主人様が怒った!」」」」

 ケンジは、ミナレス達を怒り、水あめを作らせるのだった。




 そして、出来上がった水あめとクッキーを持って、ムシュダルク達が仕事をしている部屋に入ったのである。

「ムシュダルクさん!今よろしいですか?」

 その部屋には、ムシュダルク以外にも内政をしている人間が何人もいたのである。

「ケンジ様が、ここに来るなんて珍しいですね。なにかあったのですか?」

「ちょっと、これを食べてみてくれないか?」

 ケンジは先ほど、米で作ったクッキーとおにぎりと水あめを出したのだった。

「これは何ですか?」

「これはお米だよ。おにぎりにしてみたんだ!」

「お米って、あの家畜のえさですか?」

「ああ!そうだな。でも、家畜のえさにはもったいないぐらい美味しいぞ」

 
 ムシュダルク達は、恐る恐る口に運びお米を食べるのだった。

「こ、これは!ケンジ様、本当に美味しいです!このクッキーも、ほんのり甘く何個でも食べれますね。それとこれは蜂蜜ですか?」

「いや、それもお米から作っているんだよ」

 ムシュダルク達は、衝撃を受け開いた口が塞がらなかったのである。家畜のえさと思っていたモノから、これほどの食材ができるとは思っておらずビックリしていたのである。

「ケンジ様……まさか!これが、ここのとこずっと考えていたものですか?」

「ああ!これなら砂糖の代わりに売り出せるかと思ってな!どうかな?」

「大丈夫ですよ!これならヒット商品になりますよ」

「そっか、そう言ってくれて自信が出たよ」

「ひょっとしてこの水あめを、ギルドの販売網で広げるおつもりですか?」

「ああ!勿体ないと思うか?」

「えぇ……これほどの物なら、Freedomで独占したいですね……」

「まあ、そう言うなってこれは元は家畜のえさが原材料だ。誰でも作ろうと思えば作れるから、独占する事は出来ないものだよ」

 ケンジの言う通り、米の炊き方さえわかれば誰でも出来るのである。神鋼魔石のように、ケンジだけが扱える物なら独占も可能であるが、そういうわけにもいかないのである。
 ケンジは、そのように説明して、ギル達と一緒にマルシェイム聖教国の、ギルド本部へと向かったのである。


 そして、ケンジがギルド総本部に入り、ギルドマスターのオッシに面会を求めたのである。

「いらっしゃいませ!今日はどのような御用でしょうか?」

 ギルド受付嬢は、ケンジやマイに対し柔らかい笑顔で対応したのである。

「いきなりで申し訳ございません!ケンジと言いますが、ギルドマスターのオッシさんと面会したくてアポイントメント無しで訪問しました。今お時間の程取れるでしょうか?」

「えっ⁉ギルドマスターにですか?」

 その受付嬢は、ケンジの申し出に驚いたのである。まだ二十歳にもなっていないような成人したてのような人が、ギルドマスターに面会を求めてきたからだ。

「えーっと、どのようなご用件でしょうか?」

「商談を持ってきたのですよ。これはうちにとっても、ギルドにとっても得になると思います」

「それは本当ですか?少々お待ちください!」

 ケンジがそういうと、受付嬢はすぐに奥へと駆けていくのである。

「ケンちゃん……ギルドの感じなんか変わったように見えない?」

「ああ!そうだな。前なら、絶対あんなすぐにギルドマスターを呼びに行かなかっただろうな」

「うん……風通しがよくなったように感じるね」

「それにギルドの依頼看板も見てみろよ!前と全然違うみたいだ」



 少しすると、ギルドマスターとアーチェ、モーリスが慌ててホールに出てきたのである。

「ケンジさん、いきなりどうしたのですか?」

「ああ!ギルドに商談を持ってきたんだ」

「それでは、こちらにどうぞ……」

 ホール内は騒然となったのである。若い男と女が数人の奴隷を引き連れ、ギルドマスターに商談を持ち込んだからである。
 普通なら、カウンターで言えばそういった商談する場所があり、ギルドお抱えの商人が対応するからである。

「お、オイ……あれってたしか?」
「ああ!俺も見たことあるぜ!」
「なんで、Freedomがギルドに来ているんだ?」
「とうとう、我慢ならなくて攻め込んできたんじゃ……」
「そんなばかな、それならギルドマスターなんか呼び出す必要ないじゃないか」
「だったらなんで?」

 ギルドのホールは、ケンジを知っている人間が噂を広めたのである。そして、ケンジはギルドマスターに連れられ奥の部屋へと消えていくのだった。

「まさか、ケンジさんがギルドに来るとは思いもしなかったですよ。商談とはどういう事でしょうか?」

「ギルドはあれから、なにかいい企画は上がりましたか?」

 ケンジの言葉に、オッシ達ギルド幹部達は黙ってしまったのだ。そこ部屋には、アーチェとモーリス以外にも5人ほど幹部がいたのである。

「あれから、会議を重ね検討したのですが、鉱石を採掘する方法はギルドの採掘士を使い、その護衛にFreedomに協力要請をするぐらいしか……」

 ギルドマスターは、この場に乗じて協力要請をお願いしてきたのである。

「いやいや……それなら、俺達だけで採掘した方が儲けれるじゃないか?」

 その言葉に、ギルドの人間はガクッと頭を下げたのである。

「まあ、いいよ……今日は、そんな事を言いに来たんじゃなかったんだ。これをギルドの販売網で、大陸中に広げてもらえないか?」

 ケンジは、米の水あめとおにぎり、クッキーを置いたのである。

「これはいったいなんですか?」

「多分、爆発的に人気が出ると思うんだよ!これは米から作ったおにぎりというものだよ」

 ギルドの人間は、家畜のえさにしか使い物にならない物が、食べ物という驚きで目を見開いたのである。
 そして、それを口に運びあっという間に平らげてしまったのである。

「これは美味しい!」
「ホント美味しいわ!」
「おにぎり2個でお腹いっぱいになるし、腹持ちもいいんじゃないかしら?」

 ケンジは、クッキーも差し出し、ほんのり甘いクッキーも盛況だったのだ。

「これも、米からできているのか?だけど、甘いから高価なものになると思うぞ?それにこの蜂蜜か……これも、ポイズンビーを討伐しないといけないから、数がそろえれそうにないが……」

「いえ、このクッキーは米から作られ、この蜂蜜みたいなものも米から作られているんですよ!」

「な、なんだと!」
「本当ですか?」
「それが本当なら、凄い安価で人気商品となるぞ!」

「いや、砂糖や蜂蜜よりかは安価でしょうが、そこまで安価にしたら採算が取れませんよ」

 ケンジは作り方を説明したのである。確かにその方法を考えれば、少々高価な調味料となるのである。しかし、砂糖や蜂蜜よりかは入手可能なもので、今まで家畜のエサにしていたのが勿体ないと思う程の物だった。

「これを、ギルドの販売網を使い広げてください!儲け分は折半でいいです」

「それはいくらなんでもギルドが貰い過ぎだ!儲けの7割Freedomが取っても、十分ギルドに利益が出るものだぞ?」

「いや、ギルドはもう崖っぷちじゃないのか?」

 ギルドマスターは黙ってしまったのである。ケンジも、最初ここに来るまで7割取ろうとしてたのである。だが、受付嬢の対応や冒険者達が絡んでこず、Fランクの仕事を率先して受けていたのを見ていたのである。ギルドも営業を頑張っていて、町からギルド職員が頭を下げ仕事を取ってきていたのである。
 つまり、掲示板にはオークの素材やオーガの素材など、Cランク級の依頼も貼り出されていたのである。

 ケンジは、ギルドが今までのような殿様営業を廃止した事が分かったのである。その為、ケンジは儲けを折半としたのだ。

「すこしだけ、ギルドの雰囲気が良くなっている感じがしたよ。だから、儲けは折半でいいその儲け分を、ギルドや町の人達の為に使ってくれたらいいよ」

 ケンジの言葉に、ギルド関係者は頭を下げたのである。これが広まれば、米の採取依頼で低ランク冒険者も難なくこなす事の出来る、薬草や秘薬採取のような高額依頼になるのである。
 そして、これによりギルドの資産が増えれば、足りない分だけFreedomで売っているインゴットを購入する事が出来て、町の結界もとりあえずは解決する事が出来るのである。

「ケンジさん!これでギルドは助かる……本当にありがとう!」

「オッシさん、俺は貴方達をまだ信頼したわけじゃない!」

「えっ⁉」

「今回、この商談を持ち込んだのは俺達の為でもあるんだよ!そう簡単に信じちゃ駄目だよ」

「ですが……」

「いいですか?今回、俺が持ち込んだ商談をよく考えて!俺からはそれだけ言わせてもらうから!」

 ケンジは、それだけを言い商談の契約を結んだのである。そして、ケンジはギルドを後にするのだった。


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