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第10章 Freedom国、経済の中心へ!
54話 奴隷達の光明?
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イチカ達は、ケンジの住む屋敷の一室を与えられて意気揚々と、次の日に自分達の荷物を運び入ようとした。
「イチカ?どこに行くの?」
「私達は、昨日ケンジ様から部屋を貰って、屋敷の方に移り住むの」
「えっ⁉どういう事?」
「だから、ケンジ様の屋敷に部屋を頂けたの。だから、これからは本宅の方で生活できるの」
「「「「「な、な、な、なんですって!」」」」」
この説明で、女性陣達は驚き、目を見開いて大きな声を出した。
「昨日、マイ様が私達をお呼びになったでしょ?」
「その時、ケンジ様も一緒にいて、今回の事で褒美をもらえることになったのよ」
「褒美は、ケンジ様が出来る事なら何でもいいって言ってくれたから、屋敷の方で住みたいって言ったら許可してくれたのです」
システィナ達は、イチカ達の境遇が羨ましかった。しかし、文句を言うのは筋違いであることも分かっていた。だが、自分達も又ケンジに対して、今まで役に立とうとして頑張っていたのに、なぜ今回の件で、特別にイチカ達だけが褒美をもらえる事が疑問に思えた。
「なんで?イチカ達だけ本宅の方で住めるの?あたし達だって、ご主人様の役に立っているつもりなのに!」
「そんな事言わないでよ!私達も役に立っているでしょ?」
「それは認めるけど……だったらあたし達も、同じようにご褒美をもらえるはずじゃ!」
「それを私達に言われても困るよ……」
「そうだよ……」
「わたくし達は、昨日マイ様達に呼び出しをされて、ケンジ様達から褒美は何がいいかと聞かれたから、ケンジ様と同じ屋根の下で生活したいと言っただけですわ」
「それに私達も、なぜこんな事になっているか?今だ信じられない気持ちなんですよ」
「だったら、あたし達も!」
そこに、ケンジが部屋に入って来た。そして、ケンジはシスティナ達に今回の事を説明し出したのだ。
「アー……システィナ、みんなもよく聞いてくれ!イチカ達をそんなに責めるなよ?」
「でも!あたし達だって、ご主人様の役に立っているはずです。なのに、何で3人だけ特別に本宅の方で生活が出来るのですか?」
「それは、今回3人が下着モデルに立候補したからだ」
「だったら、あたしも下着モデルに立候補します!そしたら、あたし達も……」
「そういう事じゃない!俺は、下着モデルをギルドに依頼を出してまで募ったんだよ?だけど、みんな恥ずかしいと言い、誰も応募は来なかった。これはお前達も知っているよな?」
「「「「「はい……」」」」」
「そんな中、俺はもうモデルは諦めてマネキンに下着を着せて、ステージの床を動かしステージをやろうとしたんだが、この3人だけは俺の為に役に立ちたいと言って、下着モデルをかって出たんだ!この意味が分かるか?」
「「「「「……」」」」」
「日頃、みんなの役に立ち頑張りその上で、みんなが恥ずかしいと言ってやりたくない事を、自ら進んでやろうとした3人の気持ちに俺は嬉しくなったんだよ?」
「だったら、わたし達も下着モデルを!」
「いや……下着モデルは、イチカ達3人で足りているからいらないよ?それに、オリヴィア!今やろうという気持ちは下心から来ているんだろ?そんなんじゃ、俺の気持ちは動かないと思わないか?」
「そ、それは……」
「いいか?俺はお前達を奴隷として接してきたつもりはないよ?だから、下着モデルが恥ずかしいと言えば、強要もするつもりもないし、他の事で君達が嫌がる事も命令はしてこなかった」
「……」
「だけど、自分が得になるからといって、今まで嫌がっていた事を手のひらを返し、協力するからご褒美をくれというのはあまりに酷い話じゃないか?」
ケンジの説明に、ドンドンと血の気が引いていくシスティナ達だった。
「「「「「申し訳ありません!」」」」」
「あたし達はちょっと調子に乗っていました!」
システィナ達は、大きな声で謝罪しその場で土下座していた。ケンジは、その姿を見てフッとため息をつき、イチカ達の荷物をインベントリに収納し、イチカ達3人を連れて大部屋から出ていってしまった。
そして、本宅に帰って来たケンジは、イチカ達のベットやタンス荷物を部屋に出し片づけをしていた。
「「「ケンジ様……」」」
「なんだ?3人そろって……何か言いたい事でもあるのか?」
「いえ……ケンジ様こそ、何を考えているのですか?」
「そうですよ!何か顔が怖いんです……」
「何かあるのなら貯めこまず、わたくし達に吐き出してください!」
イチカ達3人は、黙々とイチカ達の荷物を片づけていたケンジに恐怖を覚え、たまらず話しかけていた。
「いや……何でもないよ?不安にさせてすまなかった」
「絶対、何もないってことないでしょ?」
「何でもいいから話してくださいよ!」
「そうですよ!わたくし達でいいなら何でも聞きますから!」
「そっか……やっぱ俺は顔にすぐ出るんだな」
「それで、何を考えているのですか?」
「システィナ達の事だよ。お前達はどう思った?」
「どう思うも何も、いつもと同じだと思うのですが?」
「俺は、最近思うんだよ!ギルやシスティナ達を、このまま奴隷の立場にしておいても良いのかなあって……」
「それって、ギル達を解放するという事でしょうか?」
「それはだめですよ!」
「500人以上の奴隷達を解放すとなると、ケンジ様は賢者の石を何回使う事になるのですか?」
「いや……賢者の石を使う使わない話は置いておこう。そうじゃなくて、中途半端にシスティナ達を奴隷という立場にしているから、あいつ等はいつまでも同じことを繰り返すんじゃないかと思ってな」
「同じ事?」
「うん……今回お前達に褒美を与えたが、俺が部屋に行っていなければ、お前達はどうなっていたと思う?」
「それは……」
「そうだ!いつかだったが……システィナがバードスキルで、俺のテイマースキルを手伝った時のように、みんなから責められていた時があったろ?それと同じ目にあっていただろうな?」
「「「……」」」
「だけどな、本来ならあいつ等を奴隷の立場として、俺がちゃんと指導していれば、こんな事にならなかったのも確かなんだ!」
「では、ケンジ様はシスティナ達を、これから奴隷として扱うという事ですか?」
「いや……俺にはそんな扱いはできないよ。とてもじゃないが、この世界の奴隷の扱いは非人道的だ。それに、この国をそんな他の国と同じようにはしたくないしな」
「では、どうするのですか?賢者の石を使って解放するというのですか?」
「そんな事をしても、マイを始めみんなが納得しないだろ?」
「当たり前です!私達も全力で阻止しますよ!」
「だったら、奴隷としてのしつけを、ちゃんとするしかないじゃないですか?」
「フタバ!そんな簡単に言うな!」
「ですが、ケンジ様!わたくしが思うにシスティナ達は、今回も又自分達の立場というのを忘れて、ケンジ様に要望したと思われますが……」
「オイオイ……ミキまでなんだよ。そんな事を言うなよ」
「しかし、システィナ達はケンジ様の奴隷からの解放を望まないと、自分から望んだとマイ様から聞きました。ならば、本来あんなことをケンジ様に要望するのはおかしいと聞かされました。自分達が役に立つから褒美をくれというのは、あまりに自分の立場を履き違えていると思いませんか?」
「ちょっと、ミキ!黙りなさい。そんなことを言う権利は、私達にはありません!」
「だけど、イチカ……あなただって、そう思っていたはずじゃない!」
「確かに、ケンジ様はシスティナ達に、奴隷としての扱いはしてきていません。それはケンジ様が人間はみな平等だと思っているからです。だが、問題は奴隷紋の効果です……解放しても、その奴隷紋はすぐには消えなくて呪いのようなものであり、完全に消えるまで人々としての生活が出来ない事にあります」
「そんなのは、イチカに言われなくともわたくしとて存じてます。その為だけとは言いませんが、システィナ達は奴隷からの解放を断ったのですよね?だったら、システィナ達はもっとその事を自覚をして、ケンジ様の事を立てるべきでしょ?」
フタバは、2人の意見を聞き黙っていた。ケンジも又、その意見を聞いてこのままではいけないと思っていた。
「まあ、二人共それ以上言うな!俺が、みんなを甘やかした結果こういう事になっているんだ」
「ねえ、ケンジ様?」
「フタバなんだ?」
「あたしは、難しい事はよく分からないのですが、システィナ達を解放したとして何か変わるのですか?」
「だから、解放したら首筋に隷属の首輪の跡、奴隷紋が残り町の人達から差別を受けて生活が出来なくなるんだよ!」
「それは、一般的に他国の事ですよね?この国で解放されたとして、どういうデメリットが起こるのですか?」
「ああ!そういう事か!解放したとしても、このままの関係で俺はシスティナ達を雇い続ければいいって事か?」
「あたしは、そう思っていたのですが違うのですか?」
「フタバ‼ナイスだ!たしかに、そう考えればなにも問題は無くなるな」
そうやって盛り上がって、イチカの部屋で話し合っていたとこに、セバスがマイと一緒に、神妙な顔をして部屋に入ってきた。
「イチカ?どこに行くの?」
「私達は、昨日ケンジ様から部屋を貰って、屋敷の方に移り住むの」
「えっ⁉どういう事?」
「だから、ケンジ様の屋敷に部屋を頂けたの。だから、これからは本宅の方で生活できるの」
「「「「「な、な、な、なんですって!」」」」」
この説明で、女性陣達は驚き、目を見開いて大きな声を出した。
「昨日、マイ様が私達をお呼びになったでしょ?」
「その時、ケンジ様も一緒にいて、今回の事で褒美をもらえることになったのよ」
「褒美は、ケンジ様が出来る事なら何でもいいって言ってくれたから、屋敷の方で住みたいって言ったら許可してくれたのです」
システィナ達は、イチカ達の境遇が羨ましかった。しかし、文句を言うのは筋違いであることも分かっていた。だが、自分達も又ケンジに対して、今まで役に立とうとして頑張っていたのに、なぜ今回の件で、特別にイチカ達だけが褒美をもらえる事が疑問に思えた。
「なんで?イチカ達だけ本宅の方で住めるの?あたし達だって、ご主人様の役に立っているつもりなのに!」
「そんな事言わないでよ!私達も役に立っているでしょ?」
「それは認めるけど……だったらあたし達も、同じようにご褒美をもらえるはずじゃ!」
「それを私達に言われても困るよ……」
「そうだよ……」
「わたくし達は、昨日マイ様達に呼び出しをされて、ケンジ様達から褒美は何がいいかと聞かれたから、ケンジ様と同じ屋根の下で生活したいと言っただけですわ」
「それに私達も、なぜこんな事になっているか?今だ信じられない気持ちなんですよ」
「だったら、あたし達も!」
そこに、ケンジが部屋に入って来た。そして、ケンジはシスティナ達に今回の事を説明し出したのだ。
「アー……システィナ、みんなもよく聞いてくれ!イチカ達をそんなに責めるなよ?」
「でも!あたし達だって、ご主人様の役に立っているはずです。なのに、何で3人だけ特別に本宅の方で生活が出来るのですか?」
「それは、今回3人が下着モデルに立候補したからだ」
「だったら、あたしも下着モデルに立候補します!そしたら、あたし達も……」
「そういう事じゃない!俺は、下着モデルをギルドに依頼を出してまで募ったんだよ?だけど、みんな恥ずかしいと言い、誰も応募は来なかった。これはお前達も知っているよな?」
「「「「「はい……」」」」」
「そんな中、俺はもうモデルは諦めてマネキンに下着を着せて、ステージの床を動かしステージをやろうとしたんだが、この3人だけは俺の為に役に立ちたいと言って、下着モデルをかって出たんだ!この意味が分かるか?」
「「「「「……」」」」」
「日頃、みんなの役に立ち頑張りその上で、みんなが恥ずかしいと言ってやりたくない事を、自ら進んでやろうとした3人の気持ちに俺は嬉しくなったんだよ?」
「だったら、わたし達も下着モデルを!」
「いや……下着モデルは、イチカ達3人で足りているからいらないよ?それに、オリヴィア!今やろうという気持ちは下心から来ているんだろ?そんなんじゃ、俺の気持ちは動かないと思わないか?」
「そ、それは……」
「いいか?俺はお前達を奴隷として接してきたつもりはないよ?だから、下着モデルが恥ずかしいと言えば、強要もするつもりもないし、他の事で君達が嫌がる事も命令はしてこなかった」
「……」
「だけど、自分が得になるからといって、今まで嫌がっていた事を手のひらを返し、協力するからご褒美をくれというのはあまりに酷い話じゃないか?」
ケンジの説明に、ドンドンと血の気が引いていくシスティナ達だった。
「「「「「申し訳ありません!」」」」」
「あたし達はちょっと調子に乗っていました!」
システィナ達は、大きな声で謝罪しその場で土下座していた。ケンジは、その姿を見てフッとため息をつき、イチカ達の荷物をインベントリに収納し、イチカ達3人を連れて大部屋から出ていってしまった。
そして、本宅に帰って来たケンジは、イチカ達のベットやタンス荷物を部屋に出し片づけをしていた。
「「「ケンジ様……」」」
「なんだ?3人そろって……何か言いたい事でもあるのか?」
「いえ……ケンジ様こそ、何を考えているのですか?」
「そうですよ!何か顔が怖いんです……」
「何かあるのなら貯めこまず、わたくし達に吐き出してください!」
イチカ達3人は、黙々とイチカ達の荷物を片づけていたケンジに恐怖を覚え、たまらず話しかけていた。
「いや……何でもないよ?不安にさせてすまなかった」
「絶対、何もないってことないでしょ?」
「何でもいいから話してくださいよ!」
「そうですよ!わたくし達でいいなら何でも聞きますから!」
「そっか……やっぱ俺は顔にすぐ出るんだな」
「それで、何を考えているのですか?」
「システィナ達の事だよ。お前達はどう思った?」
「どう思うも何も、いつもと同じだと思うのですが?」
「俺は、最近思うんだよ!ギルやシスティナ達を、このまま奴隷の立場にしておいても良いのかなあって……」
「それって、ギル達を解放するという事でしょうか?」
「それはだめですよ!」
「500人以上の奴隷達を解放すとなると、ケンジ様は賢者の石を何回使う事になるのですか?」
「いや……賢者の石を使う使わない話は置いておこう。そうじゃなくて、中途半端にシスティナ達を奴隷という立場にしているから、あいつ等はいつまでも同じことを繰り返すんじゃないかと思ってな」
「同じ事?」
「うん……今回お前達に褒美を与えたが、俺が部屋に行っていなければ、お前達はどうなっていたと思う?」
「それは……」
「そうだ!いつかだったが……システィナがバードスキルで、俺のテイマースキルを手伝った時のように、みんなから責められていた時があったろ?それと同じ目にあっていただろうな?」
「「「……」」」
「だけどな、本来ならあいつ等を奴隷の立場として、俺がちゃんと指導していれば、こんな事にならなかったのも確かなんだ!」
「では、ケンジ様はシスティナ達を、これから奴隷として扱うという事ですか?」
「いや……俺にはそんな扱いはできないよ。とてもじゃないが、この世界の奴隷の扱いは非人道的だ。それに、この国をそんな他の国と同じようにはしたくないしな」
「では、どうするのですか?賢者の石を使って解放するというのですか?」
「そんな事をしても、マイを始めみんなが納得しないだろ?」
「当たり前です!私達も全力で阻止しますよ!」
「だったら、奴隷としてのしつけを、ちゃんとするしかないじゃないですか?」
「フタバ!そんな簡単に言うな!」
「ですが、ケンジ様!わたくしが思うにシスティナ達は、今回も又自分達の立場というのを忘れて、ケンジ様に要望したと思われますが……」
「オイオイ……ミキまでなんだよ。そんな事を言うなよ」
「しかし、システィナ達はケンジ様の奴隷からの解放を望まないと、自分から望んだとマイ様から聞きました。ならば、本来あんなことをケンジ様に要望するのはおかしいと聞かされました。自分達が役に立つから褒美をくれというのは、あまりに自分の立場を履き違えていると思いませんか?」
「ちょっと、ミキ!黙りなさい。そんなことを言う権利は、私達にはありません!」
「だけど、イチカ……あなただって、そう思っていたはずじゃない!」
「確かに、ケンジ様はシスティナ達に、奴隷としての扱いはしてきていません。それはケンジ様が人間はみな平等だと思っているからです。だが、問題は奴隷紋の効果です……解放しても、その奴隷紋はすぐには消えなくて呪いのようなものであり、完全に消えるまで人々としての生活が出来ない事にあります」
「そんなのは、イチカに言われなくともわたくしとて存じてます。その為だけとは言いませんが、システィナ達は奴隷からの解放を断ったのですよね?だったら、システィナ達はもっとその事を自覚をして、ケンジ様の事を立てるべきでしょ?」
フタバは、2人の意見を聞き黙っていた。ケンジも又、その意見を聞いてこのままではいけないと思っていた。
「まあ、二人共それ以上言うな!俺が、みんなを甘やかした結果こういう事になっているんだ」
「ねえ、ケンジ様?」
「フタバなんだ?」
「あたしは、難しい事はよく分からないのですが、システィナ達を解放したとして何か変わるのですか?」
「だから、解放したら首筋に隷属の首輪の跡、奴隷紋が残り町の人達から差別を受けて生活が出来なくなるんだよ!」
「それは、一般的に他国の事ですよね?この国で解放されたとして、どういうデメリットが起こるのですか?」
「ああ!そういう事か!解放したとしても、このままの関係で俺はシスティナ達を雇い続ければいいって事か?」
「あたしは、そう思っていたのですが違うのですか?」
「フタバ‼ナイスだ!たしかに、そう考えればなにも問題は無くなるな」
そうやって盛り上がって、イチカの部屋で話し合っていたとこに、セバスがマイと一緒に、神妙な顔をして部屋に入ってきた。
応援ありがとうございます!
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