無能と呼ばれてパーティーを追放!最強に成り上がり人生最高!

本条蒼依

文字の大きさ
31 / 60

31話 パーティーランク

しおりを挟む
 クロス達は、ブラッディーマンティス・マザーの卵を処理して、モコナ村に一時帰還した。そこには衛兵達が通報を受けて集まっていた。

「お、オウカじゃないか?」

 さすがソロで活躍し続けたオウカである。衛兵達にも顔は広く、こんな小さな村に来ていた衛兵にも声をかけられるほどだった。

 そして、オウカはニコリと笑い会釈したのだった。

「まさか、オウカのパーティーにこいつは迷惑をかけたのか?」

 そう言って衛兵はグルグル巻きにされたハンスを見せた。

「ええ、そいつは報酬をケチり、嘘の情報をギルドに流したのよ」

「お、俺は村の予算を浮かせる為に!村の事を想ってやっただけなんだ!」

「うるさい!お主に村の予算を任せたわしが馬鹿だった!」

 クロス達がマザーを討伐している間に、村長は村の予算を調べたのだった。すると、ハンスはその浮いた予算を懐に入れていたことが発覚。ハンスが言った村の事を想ってではなく自分の懐を肥やすことだったのだ。

「お前のような奴は重罪に処されるが良い!」

「俺は、俺が悪いんじゃない!こんな村では儲けることが!」

「やかましい!それならば村を出たらいいだけではないか!お前にはギルドからの損害賠償がでるはずだ!覚悟するが良い!」

 ハンスは、衛兵に一喝され引っ張られて行ってしまった。

「村長……なんて言ったらいいか分かりませんが……」

「いや、気を遣わんでいいよ。わしの人を見る目が無かったのだ」

「まあ、問題のある人間が逮捕され、この村に平和が戻った事は良い事だと思うぞ」

「それだけが良かったと、我々も思う事にします」

「あっ!でも、村長さんブラッディーマンティスは、あたし達で全部討伐出来たからもう安心だよ」

 オウカの言葉に、村長と村人達はパアっと明るくなった。

「ほ、本当ですか?」

「ああ!安心してくれ。森中に産み付けられた卵も処理してきたからもう大丈夫だ」

 クロスの言葉に、村人たちはクロスとオウカに頭を下げてお礼を言ったのだった。そして、ギルドには今回の事を報告してあり、追加報酬も支払われるようにしてあるという事だった。

 ギルドも、今回の事はモナコ村に責任はないとし、ハンス個人に責任を追及する処置にしたようだった。ハンスはこの後、ギルドに訴えられ殺人未遂事件として、禁錮10年を言い渡されたのである。




 クロスとオウカは、町に帰りギルドに報告した。ギルドでは一時討伐隊が組まれていたが、この依頼を受けていたのがクロスと聞き、ギルドマスターは討伐隊を解散させていた。

 この判断には一時、冒険者の間では反感があったが、ギルドマスターがこの依頼を担当しているのがクロスとオウカだと説明したところ、安心したように賛同したのだった。





「クロス、よくやってくれた」

「ギルドマスター、俺はオウカのサポート役だ。頑張ったのはオウカだよ」

「ク、クロス……」

「あっ、そうだったな……すまないオウカ。ブラッディーマンティス・マザーを討伐してくれて本当にありがとう」

「い、いえ、あたしはクロスがいてくれて心強かったです」

「ギルドとしては、お前達がいてくれて本当に助かっておるよ。本当にありがとう」

「俺達も、スタンピードの手前で対処できてよかったと思っているよ」

「それで、モコナの村はお咎めなしなんですよね?」

「ああ、事情を聴いたがハンス個人の罪になり禁錮10年となった」

「そうですか」

「ああ、今回依頼を受けてくれたのがお前達で良かったよ。もし、Cランクの依頼として、Cランクの冒険者達なら生き残れなかっただろう……そうなれば、ハンス個人の罪ではなくなっていただろうからな」

「確かに、そうなれば人災としてハンスは処刑。村の人間も、ギルドの依頼を受ける事が出来なくなって、いずれ滅びることになりますもんね」

「そういう事だ。村からの依頼は信用で成り立っているところがあるからな。まあ、でも今回はお前達のおかげで助かったと言えよう」

「そういって貰えて、俺も嬉しいよ」
「あたしもです」

「そういう事で、受付で手続きをしてくれ。Aランクとしての報酬が出ているはずだ。村長からお詫びもあり、Aランク報酬とは別にお詫びとして+α増額されているはずだ」

「「本当(か)?」」

「ああ!」

 ギルドマスターはクロスとオウカに説明し、二人は喜んで受付に手続きしにいくのだった。 そして、手続きをしたらAランク以上の報酬が二人には振り込まれたのだった。

「ねえ、ファナ?これ村長さんからの報酬としては多くない?」

「あれ、聞いてないの?」

「モコナ村の村長個人からの、お詫びの報酬があるって聞いてはいるけど?」

「確かに、村長からの報酬にしては多いよな?」

「この多いのは、ギルドマスター個人からの分も入っているのよ」

「「はぁあ?何でギルドマスターから?」」

「今回ギルドも、貴方たち二人の事を高く評価したからよ。いま、クロスさんとオウカのパーティーはCランクですが、Bランクに昇格が決定しました」

 それを聞き、クロスとオウカは抱き合って喜んだのだった。これで、報酬額の高い依頼を受けることが出来るからだ。
 今までオウカはソロで活動していて、職業ランクが魔法剣士(A)だったのでAランクの依頼まで受ける事が出来ていたが、クロスとパーティーを組んだことで、ギルド規定によりCランクになっていたからだ。

 これは冒険者の安全のために、職業ランクの平均を取り無理をさせないことにあった。クロスはマスター(E)なので、オウカとの兼ね合いでパーティーとしてはCランクとなっていたのだ。

 そのランクが一つ上がることになったのだから、二人はとび上がって喜んだ。このランクは、そう簡単に上がる事はない。ギルドも冒険者を死なせたくない為、慎重に吟味して評価するのでなかなか上がる事がないのは冒険者も知っていたからだ。

「ギルドから進んで、冒険者のランクをあげるなんて珍しい事じゃないの?」

「そうですね。私もここに勤務して初めての事ですよ。本来なら、冒険者は厳しい昇格試験を受けてもらいますからね」

「ギルドも嬉しい事をしてくれるね」

「最近クロスさんの活躍と、AランクであるオウカさんのペアでCランクのままでは宝の持ち腐れになりますからね。二人にはギルドも期待しているということですよ」

「まあ、ギルドが期待しているという事はありがたい事だ」

「ますます、クロスさんに言い寄ってくる女性が増えるという事ですよ。と言う訳で、クロスさん。今晩お食事でもいかがですか?」

「ファナ!いい加減にして!」

「何でオウカが怒るのよ。どうするかはクロスさんが決める事でしょ?それに、クロスさんならそれぐらいの甲斐性があるじゃない」

「そ、それは……」

 そういってクロスの腕に抱きつくファナであった。

「ファナばかりズルい!ファナは放っておいて、あたしと食事でもいかがですか?」
「いえ、あたしが食事を作りますからあたしの家で」

 今回ギルドからランクを上げられたことに、他の受付嬢までクロスに言い寄ってきたのだった。

「なっ!あんた達までなによ!」

「ファナばかりズルいわ。確かにあなたはギルド受付嬢人気ナンバーワンだけど、そんなの関係ないんだからね」

「「「「そうよ!そうよ!」」」」

 クロスを求めて、受付嬢同士が言い争いになってしまったのだ。

「お前達やかましい!ちゃんと仕事をせんか!」

 ホールが騒がしくなっていたので、ギルドマスターが出てきて怒鳴りホール中に大声が響いたのだった。

「「「「す、すいませーん」」」」」

 受付嬢達は我に返り、仕事に戻っていったのだった。

「オウカ……家にかえるか」

「そ、そうね……」

 二人は、ギルドマスターの怒鳴り声に笑いをこらえながら、ギルドを後にしたのだった。

しおりを挟む
感想 33

あなたにおすすめの小説

【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】  スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。  帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。  しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。  自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。   ※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。 ※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。 〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜 ・クリス(男・エルフ・570歳)   チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが…… ・アキラ(男・人間・29歳)  杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が…… ・ジャック(男・人間・34歳)  怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが…… ・ランラン(女・人間・25歳)  優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は…… ・シエナ(女・人間・28歳)  絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

【薬師向けスキルで世界最強!】追放された闘神の息子は、戦闘能力マイナスのゴミスキル《植物王》を究極進化させて史上最強の英雄に成り上がる!

こはるんるん
ファンタジー
「アッシュ、お前には完全に失望した。もう俺の跡目を継ぐ資格は無い。追放だ!」  主人公アッシュは、世界最強の冒険者ギルド【神喰らう蛇】のギルドマスターの息子として活躍していた。しかし、筋力のステータスが80%も低下する外れスキル【植物王(ドルイドキング)】に覚醒したことから、理不尽にも父親から追放を宣言される。  しかし、アッシュは襲われていたエルフの王女を助けたことから、史上最強の武器【世界樹の剣】を手に入れる。この剣は天界にある世界樹から作られた武器であり、『植物を支配する神スキル』【植物王】を持つアッシュにしか使いこなすことができなかった。 「エルフの王女コレットは、掟により、こ、これよりアッシュ様のつ、つつつ、妻として、お仕えさせていただきます。どうかエルフ王となり、王家にアッシュ様の血を取り入れる栄誉をお与えください!」  さらにエルフの王女から結婚して欲しい、エルフ王になって欲しいと追いかけまわされ、エルフ王国の内乱を治めることになる。さらには神獣フェンリルから忠誠を誓われる。  そんな彼の前には、父親やかつての仲間が敵として立ちはだかる。(だが【神喰らう蛇】はやがてアッシュに敗れて、あえなく没落する)  かくして、後に闘神と呼ばれることになる少年の戦いが幕を開けた……!

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

「お前は用済みだ」役立たずの【地図製作者】と追放されたので、覚醒したチートスキルで最高の仲間と伝説のパーティーを結成することにした

黒崎隼人
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――役立たずの【地図製作者(マッパー)】として所属パーティーから無一文で追放された青年、レイン。死を覚悟した未開の地で、彼のスキルは【絶対領域把握(ワールド・マッピング)】へと覚醒する。 地形、魔物、隠された宝、そのすべてを瞬時に地図化し好きな場所へ転移する。それは世界そのものを掌に収めるに等しいチートスキルだった。 魔力制御が苦手な銀髪のエルフ美少女、誇りを失った獣人の凄腕鍛冶師。才能を活かせずにいた仲間たちと出会った時、レインの地図は彼らの未来を照らし出す最強のコンパスとなる。 これは、役立たずと罵られた一人の青年が最高の仲間と共に自らの居場所を見つけ、やがて伝説へと成り上がっていく冒険譚。 「さて、どこへ行こうか。俺たちの地図は、まだ真っ白だ」

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした

有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。

処理中です...