無能と呼ばれてパーティーを追放!最強に成り上がり人生最高!

本条蒼依

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33話 人質

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 クロスが、ギルドマスターから闇ギルドの事に対して協力をお願いされていた頃、オウカはショッピングを楽しんでいた。

「お姉ちゃん。これ」

「うん?どうしたのかな?」

 オウカに話しかけた小さな子供が手紙を差し出して来た。

「おじちゃんが、お姉ちゃんに渡してくれって……」

「おじちゃんって誰?」

「知らない人。なんか急ぎだって言われた。じゃあ渡したからね」

 少女はそういって、オウカから逃げるようにどこかに行ってしまった。そして、手紙を見たオウカは血の気が引いて、血相を変えてどこかに行ってしまったのだ。
 服屋の女将さんは、オウカの行動が気になったが、他のお客さんに呼ばれたのでそちらを優先してしまった。



 そして、オウカは人気のいない大きな工場跡地にやってきていた。

「マーク!アリーナ!どこにいるの?」

「くっくっくっ!飛んで火にいる夏の虫だな。オウカ!」

「あ、あなたは!」

「ようやくクロスに仕返しが出来ると思うと笑いがこみ上げてくるよ!」

「マークとアリーナはどこ?」

「ああ!あの孤児院の子供はここにはいないよ」

「なんですって!どこに連れて行ったの?」

「あの子供は、お前を呼び出す為、利用させてもらったよ」

「な、なんてことを!あなたは一体何者?」

「まだわかんねーのかよ?」

 その男は、アクセサリーを外した。すると、その姿は変わり元の姿に戻ったのだった。

「あ、あんたはガナッシュ!」

「ひさしぶりだな!お前達の噂は闇ギルドでもよく聞いていたよ」

「何を言っているの!あなた分かっているの指名手配されているのに、よくのうのうと姿を現せたわね」

「ふっ!相変らず威勢のいい女だ。しかし、いつまでその態度が貫けるのか楽しみだ。くっくっくっ」

 ガナッシュは、片手を上げた。その合図でオウカの周りにハーベルトとアルーシェ、その他大勢の黒ずくめの人間が囲んだ。

「あなた達……」

「丸腰で来たのは早計だったな!クロスをおびき出す餌となれ!」

「丸腰?何を言っているの?あたしが魔法剣士だという事を忘れているようね」

 オウカは、時空魔法でマジックボックスから愛用の剣を取り出した。

「ぐっ!貴様抵抗するつもりか?」

「当たり前じゃない!かかってきなさい!反対にあんた達を捕らえてギルドに突き出してあげるわ!」

「ぐっ……かかれ!」

 ガナッシュは、部下達にオウカを捕らえる様に号令をかけた。黒ずくめのアサシン達は一斉にオウカに襲い掛かるのだった。
 しかし、オウカはこの男達の攻撃を軽やかにかわし続け、応戦しズッパズッパ斬り捨てていく。

「ま、まさか……一流のアサシンがこんなに簡単に……」
「どういう事なんだ?」
「ぐぬぬぬぬ」

「あたしだって、これぐらいは動けるのよ!」

 オウカもまた、クロスにつき前衛を任され修羅場をくぐった猛者であった。その為、レベルも上がり強くなっていたからだ。

「オウカ、それまでだ!これをみろ」

 オウカが、ガナッシュを見るとその手には、マークとアリーナが捕まっていた。先ほど子供達がいないと言ったのは、ガナッシュの嘘だった。そして、ハーベルトとアルーシェが二人の喉元に剣先を向けていた。

「なっ!」

「「お、おねえちゃん……」」

「大丈夫だからね。お姉ちゃんが絶対に助けるから!」

「わははははは!子供達に嘘を言ったら後がたいへんだぜ」

「五月蠅い‼あんた達のような卑怯者に!」

「わはははは!どんなことをしても勝ったら勝ちなんだよ。お前はすでに俺らの術中に陥っているんだ」

「クッ……」

 オウカはその場から動くことが出来なかった。この子供達は、オウカが出た孤児院の子供達だったからだ。オウカもまた、身寄りのない子供であり孤児院を出て冒険者になって、その孤児院に差し入れや寄付金を入れている人間だったのだ。
 そして、時おり孤児院に顔を出して、マークやアリーナほかの子供達が寂しくならない様に遊んであげていたのだった。

「子供達を解放しろ!」

「へっへっへっ、そんな都合の良い事ないだろ?普通に考えな。オウカ、お前こそその武器をこっちに投げな」

「ぐっ……」

「言う事を聞きな!」

 アルーシェは、アリーナの首に剣を滑らせ、首筋から血がにじんだのだった。

「い、痛い!おねえちゃん、痛いよおおおお!あ~~~~ん」

 アリーナは、いきなりの痛みに泣きだしてしまったのだ。

「あらら……泣いちゃって。全部オウカが悪いんだよ。オウカがあんたの命なんてどうでもいいから、あたし達の言う事を聞かないから、あんたが傷ついたんだ」

「なっ!」

「おねえちゃん!たすけて!」

 マークも、アリーナの血を見て泣き出してしまったのだ。

「さあ、どうする?子供達の命が大事なんだろ?だったら武器を捨てな」

 オウカは、悔しそうに剣をガナッシュの方に地面を滑らすように投げ出した。

「卑怯者め!」

「わはははははは!それでいいんだよ。お前達やってしまえ」

 黒ずくめのアサシン達は、オウカの顔や腹を殴りつけたのだった。

「ぐっ……くは!うぐっ……」

「ワハハハハハ‼いい気味だ。イモムシのように転がっているぜ」

「や、やめろよ!おねえちゃんを殴らないでくれよ」

 マークは勇気を出して、ガナッシュに反抗したが、6歳の子供の力ではどうしようもなかった。マーク達も、大声でオウカの名前を叫んでいた時、ボキッという鈍い音がマークにもきこえた。

「うぐううううう!」

 オウカの腕が、アサシンに蹴られた時変な方向に曲がったのである。オウカは気を失いそうな痛みだったが、奥歯を噛んで我慢したのだった。

「もういいだろ!オウカを縛り上げろ!」

「も、もういいでしょう……マークとアリーナは解放してあげて……」

 オウカは振り絞るように、ガナッシュに懇願しながら気を失ってしまったのだった。

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