無能と呼ばれてパーティーを追放!最強に成り上がり人生最高!

本条蒼依

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43話 新たな刺客

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 ギルドマスターは、クロスと会議を開いて話し合っていた。

「クロス、お前のおかげで本当に助かった。ありがとう」

「それにしても今回は危なかったぜ?自然災害があった時、避難活動をしておいた方がいいんじゃねえか?」

「ああ……そのあたりは、領主様もそう思っているはずだ。あんなに増水するとは、想定外の事だったからな」

「それでだな。もう一つ言っておくことがあるんだ」

「何があるんだ?」

「ここから上流に上がったとこに、ため池を作って置いた。今回のような洪水が起きそうなときに、水門を開けて河の水量を下げる為のものだ」

「それも聞いた。まさかそんなものまで作っているとは思っていなかったよ」

「その管理をギルドでやってほしいんだ」

「そんなことか。ああ、任せておけ。町の安全が守れるんだ。たいしたことじゃないぞ」

「多分だがため池になった事で、魔物が住みつくことになると思う。町から近い位置だから、間引き依頼が増えると思うぞ」

「なるほど、確かにそうなるかもな。しかし、住みつくとなるとフロッグや昆虫系になると思うから、冒険初心者には都合がいいかもしれん。依頼が増える分食っていける冒険者が、この町に移住してくるかもしれんからな」

「なるほど、そういう利点もあるのか」

「まあ、クロスのやったことは、町の自然災害を減らしたと同時に、弱い魔物を呼び寄せ冒険初心者が住みやすい町にしたことは間違いないはずだ」

「それならよかったよ」

「多分、又領主様から呼び出しがあるはずだから準備だけはしておけよ」

「またかよ……」

「お前なあ、そんな事を言うなよ。ドーレンだから許されるが、本来なら不敬罪で首を斬られる事だぞ」

「それは嫌だが、堅苦しいのが窮屈なんだよ」

「まあ、それは俺もそうだがな」

「「わはははははははは!」」

 そのあたりは二人とも同じで大笑いしたのだった。それから、河の増水が雨が止む事でおさまるはずだった。
 しかし、雨はそれからずっと降り続け止む気配すらなかった。これにはギルドも異変を感じていたのだった。

「いったいどういう事なんだ?」
「我々もよくわかりません……」

 ギルドでは連日会議が開かれていた。そして、この異変に川の上流で降り続けている雨の調査の依頼を出したのだった。そして、Aランクの冒険者達が雨の中、山の中を偵察した。

「オイオイ……これはいったいどういう事なんだ?」
「そんな事、俺に聞かれても……」
「だが、これは一大事だぞ」
「討伐隊を送らないと、俺達だけではとてもじゃないが……」

 偵察に来ていた【ドラゴンの牙】は、すぐにその場から引き返そうとして後ろを向いた瞬間、何者かに覆いかぶさられてしまった。

 一方ギルドでは、偵察を送り込んで5日の月日が経っていた。

「どういう事だ?Aランク冒険者の【ドラゴンの牙】が帰ってこないではないか」
「何が起こったのでしょうか?」
「わ、分からん……」
「しかし、何かあったのは確実でしょう?」
「もう一組、冒険者を偵察に送り込みますか?」
「いや……ダメだ。もう3組送り込んでいるんだぞ。普通ならもう帰ってきてもおかしくないのに、一組も帰ってこない」
「それではフライの魔法が使える者に偵察を!空からなら遠くを見渡せる」
「それも、一人帰ってこない……」

 ギルドとしても、何が起こっているのか情報が欲しかった。だが、誰も帰ってこない為、対策が立てられないでいたのだった。
 ギルドとしても、これ以上犠牲者が出ない様に北の山は、立ち入り禁止させるぐらいしかできなかったのだ。



 そんな中クロス達は今だ、家の中でダラダラしていたのだった。

「クロス、ギルドからの連絡聞いた?」

「ああ、聞いた聞いた。北の山が立ち入り禁止って何かあったのかな?」

 クロスとオウカは、ずっと降り続いている雨で依頼も受けず家に引き篭もっていた。この事で、領主もずっと会議を開いていて、クロスを家に招待することが出来ないでいた。

「クロス、今回の事で領主様に呼ばれる予定だったんでしょ?」

「まあ、そうだけど……領主様も忙しいからしょうがないよ」

「堅苦しいのは嫌いだって、クロスも言ってたもんね。でも、そろそろギルドからお願いが来そうね」

「やっぱりそう思うか?」

 クロスとオウカは呆れた様子で話していた。

「じゃあ、しょうがない。俺達で動いてみるか?」

「そう来なくっちゃ!あたしも体がなまってしょうがなかったのよね。それに洗濯物もたまって、着る服も無くなりそうだわ」

 クロスはさっそく、山の方を千里眼で見渡す事にした。すると、そこには沼地のような所に、ウォーターエレメンタルやマリンスライム等、水系の魔物で溢れていたのだった。
 そして、その奥にダークエルフがいた。そして、何やらニヤニヤして召還魔法を唱えていて、水系の魔物を呼び出していた。

「こ、これは!」

「何かわかったの?」

「ああ……これは俺の仕事のようだ!」

「何言っているの?何でクロスの仕事なのよ?」

 クロスは、今見た詳細をオウカに説明をした。それを聞いたオウカはすぐに出発する準備を始めたのだった。

 クロスの説明は、ウォーター系の魔物を召還しているダークエルフがいるという事だった。そして重要なのは、そのダークエルフが闇ギルドのメンバーだという事だった。

 つまり、ムーンタリアの町の闇ギルドは壊滅させたその生き残りである。あの時、何かの用事でアジトにいなかったメンバーだったのだ。

「くっくっくっ……まさか、アジトが壊滅しているとは思わなかった。あんな町に用はないが、このままでは収まりがつかない」

 ダークエルフは、町に用はないとばかりに、水害を起こし滅亡させようとしていたのだ。
 ダークエルフのルーデンスは、壊滅させたのはクロスだと思っていた。クロスの噂は闇ギルドでも有名なので、暗殺は出来ないと思い、召還魔法の方法を思いついて町自体を壊滅しようとしていた。

「しかし、クロスの奴あんな方法をとるとは思わなかった……しかし、このまま雨と魔物の能力で雨を降らせ続けたら、いずれあの一帯は水没するはずだ」

 ルーデンスは、休みながらMPが回復したら、召還魔法を唱え続けていた。沼地にはあり得ない水量が溜まっていた。雨が降り続けていたが、それでもあり得ない水量だった。

「そろそろ、ころあいだな。くっくっく」

 ルーデンスは、魔物達を操りダムを作っていた。このダムが決壊すれば、土石流が起こり町に襲い掛かるのは明白だった。

「何が、頃合いなんだ?」

「だ、誰だ!」

 そこには、クロスとオウカが立っていた。

「まさか、闇ギルドの生き残りがいたとは思わなかったよ」
「あなた、ルーデンスっていうんだって?この町に手を出さずに、逃げていれば早死にしないでいれたのにね」

「なっ⁉なんで俺の名前を!」

「俺を敵にまわしたことを後悔して死にやがれ!」

 そう言った瞬間、オウカがとびだしたのだった。

「ぐっ!」

 ルーデンスは、オウカがいきなり懐に飛び込んできたことに驚いた。

「死ねぇ!」

 オウカの剣が、ルーデンスを捕らえたのだった。しかし、ルーデンスの腹を斬ったはずだったが、全然刃が全然通らなかったのだ。

「な、なんで!」

「くはははははは!召還士の俺が、丸腰でいるわけないだろうが!」

 ルーデンスのボディーには、透明の何かが巻き付いていた。

「なっ?それってスライム?」

 スライムは物理攻撃ダメージを吸収する魔物である。その為、召還士であるルーデンスは体に巻き付け、オウカの剣を弾いたのだった。

「くらえ!ウォーターバレット!」

 オウカには、ルーデンスが唱えた水球で、後方に弾き飛ばされてしまった。

「きゃっ!」 

 ルーデンスは、とどめを刺そうと【ウォーターカッター】を唱えようとした瞬間、クロスがルーデンスに【サイレンス】を唱えたのだった。

「な、何だと……サイレンスなんか、そう簡単にかかる魔法じゃ……」

「油断したみたいだな!」

「馬鹿な!この魔法は運みたいな魔法だ。なのに……」

 サイレンスは人に直接かけても、パラライズやポイズンと違って成功する確率は極めて低く、1%ほどの成功確率で役立たずな魔法と言われていた。

「ファイヤーボール」

「なっ!貴様ぁ」

 クロスの、ファイヤーボールにあたったルーデンスは、その火力にのたうちまわり、火を消そうとしたのだった。
 しかし、燃えているのはルーデンスにまとわりついているマリンスライムである。マリンスライムは燃えなからドンドン熱湯のように熱くなり、ルーデンスはその熱さに雄たけびを上げたのだった。

「熱い!こ、こいつを剥がしてくれ!」

 ルーデンスは、そう叫びながら沼地に飛び込んだのだ。火が消えたルーデンスは息をする為沼地から顔を出した。

「ぶはぁーーーーー」

「覚悟しろ!」 

 顔を出した瞬間、それを待ち構えていたように、オウカが剣を振りぬいたのだ。

「ぎゃああああああああああ!」

 ルーデンスにはもう、防御となるスライムはいなかった。魔法使いが丸腰で、オウカの攻撃に耐える事は出来なかった。瞬殺されたルーデンスはその場に倒れ込んだ。

「ナイスだ!オウカ。後は召還された魔物達を始末するぞ」

「うん!」

 クロスとオウカは、そこら中に召還された水系の魔物をドンドン討伐していくのだった。【ウォーターエレメンタル】【ウォッシャードラゴン】等は魔石が大きくウハウハ状態だった。【キングフロッグ】は錬金術に使える素材としては充分な物だった。

 そして、最後に堰き止められた雨水だった。クロスは沼地を干からびさせる勢いで、無限保管庫に収納していったのだった。

「これだけ水量が無くなれば、問題なくダムを破壊出来るな」

「クロスって、本当に何でもありね」

「任せろ!」

 クロスは、オウカにそう言われて親指を立てて決めポーズを取った。

「誰も褒めてないわよ……」

 オウカは、クロスの決めポーズに素っ気なく言い放ったのだった。その言葉に、クロスは落ち込み下を向くのだった。

「最近のオウカはなんか冷たいよな……」

「ほらぁ、クロス!ブチブチ言ってないでそのダムを壊して!あたしは早く帰ってお風呂に入りたいんだから!」

 クロスは、完全にオウカに尻に引かれていたのだった。



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