無能と呼ばれてパーティーを追放!最強に成り上がり人生最高!

本条蒼依

文字の大きさ
50 / 60

50話 王族達の恐怖

しおりを挟む
 王城では、貴族達がクロスの態度に不満をぶちまけ、国王に詰め寄っていた。

「国王!あのクロスという奴はなんなんですか?」

「わ、わしに言うな!わしとて、あのような奴を認めた訳ではない!」

「で、ではどうするのですか?私はこんな屈辱は許せない!」
「「「「「私もです」」」」」

 貴族達は、平民であるクロス一人に好き勝手やられた事が、どうしても納得行かなかったのだ。

 そして、国王のエランは名に懸けて手出ししないと言ったことを貴族に説明をしていた。確かにクロスは、貴族に対して生意気な事をしたが、誰一人殺してもいなかったのだ。
 自分の要望を通して力を示しただけだった。あれだけの力を持っているのなら、普通なら自分が王族になり替わろうとしてもおかしくないが、それをせず自由にしたいと言ったのだ。

「いいか?確かに不満は残るがあのクロスに手を出したら、反対にこちらが反撃されるんだぞ?それが分かっているのか?」

「エランよ!お主拭抜けたか?」

「宰相!なんだその言い方は!わしは、現実を言ったのだぞ?」

「しかし、平民がわし達にあのような生意気な事を!」

「それはワシも納得はいかん。しかし、あの状況でお主達の誰か一人でも、クロスに立ち向かえたのか?」

「それは……」

「騎士団長!お主はどうだ?クロスの立場で騎士団と魔法師団に囲まれて同じ行動が出来たのか?」

「わ、私には無理です……」

「宮廷魔法士団長。おぬしならどうだ?同じ魔法使いだろ?」

「そ、それは……」

「いいか?クロスと言う人間は、ただの平民じゃない事が分かるであろう?」

「だったら国王は、あの者を好きにさせよとおっしゃるのか?」

 王城では、貴族達の不満が爆発していた。しかし、国王のエランだけは、クロスには手を出してはいけないと説得を繰り返していた。

「国王は何故、あの者を庇うのだ。わしらはそれが納得いかん!」

「いいか、よく考えろ!今回、死人が出たか?」

「いいえ……」

「あの巨大な火球やリフレクトやパラライズで、こちらは成すすべもなかったではないか?クロスの奴は、ワシ等をいつでも殺せるチャンスはあったと思わないか?」

「そ、それは……」

「わしは、あ奴の扱いは拘束することだとは思わぬ……」

「どういう事ですか?」

「あ奴を平民と思い、他の平民と同じく貴族の思い通りになると思っていると、痛いしっぺ返しを食らう事になる。だったら、好きなようにさせてこちらが困った時に利用した方が国益になるとおもう」

「国益に?」

「わしは、ムーンタリアの町が王都より大きくなる事を危惧して、王都にクロスを住まわせて町の安全を確立させたかった。しかし、あ奴を言いなりにさせようとしたことで反対に危険がふえる感じがした」

「しかし、あやつはわし達を馬鹿にしたではないか!あ奴だけ自由にしたら他の平民達に示しが……」

「宰相よ。あ奴は普通の平民ではない。悔しいがな……できたら、あ奴の首に首輪をつけたかったが、あ奴自身が国家権力だ」

「あ奴一人で、王国と同じ力があるというのですか?」

 国王の説明に、宰相達上級貴族達が身を乗り出して驚いたのだった。

「いや違うな……」

「そりゃそうでしょう。国王は大袈裟に言い過ぎだ。何で一個人が王国と一緒の力があるというのですか?」

「ああ……一緒というのは違うな。王国以上の力がある。そんな国家権力に喧嘩を売る方がどうかしている……」

「「「「「そんな馬鹿な!」」」」」
「あの平民がそんな力を?」

「お前も恐怖しただろ?」

「はい……ですが!」

「わしだけじゃない。騎士団長達も一緒にあの場にいて、どうしようもない恐怖に飲み込まれたはずだ……わしはあの巨大な火球を頭上に抱えたクロスを見たとき、冬山でいきなり眼前に迫る雪崩を想像した」

「「「「「「……」」」」」」

 国王は、クロスの戦闘力を自然災害とまで言った。あの時の状況はまさに眼前に迫る雪崩のようで、皆が皆死んだと思い恐怖で、その場から全員が動けなくて死を覚悟した瞬間だったからだ。

「皆の者に言っておく。ムーンタリアの町には闇ギルドが存在しない。しかし、王都には闇ギルドが存在する。つまり闇ギルドは、王国よりクロスの方が恐怖していると考えていいのではないか?」

「「「「「あっ……」」」」」

「いいな。クロスには手を出すんじゃない!今度、不用意に手を出したなら、王国500年の歴史は終わりを迎えるだろう!」

 国王は、部下である貴族達にそのように伝えた。そして、国王の説明に皆頭を下げるしかなかったのだった。




 そのころ、クロスは王都近くの森を捜索していた。千里眼を使い、薬草の場所や魔物の種類等を調べていた。クロスはいつも通りの行動をしていて、王城がこんな事になっているとは思ってもいなかった。

「今日は、こんなもんでいいな」

 クロスは、大量の薬草を採取し、ムーンタリアの時に使ったMPポーションやヒールポーション分の在庫も確保できたのだった。

 クロスは満足し、王都に帰ると城門前には騎士団が警戒していた。

「おかえりなさいませ……きょ、今日はどこに行っていられたのですか?」

 門番をしている兵士は、クロスに気を遣っていた。

「今日は、近場の森で薬草採取していただけですよ」

「そ、そうですか……そ、それでは気を付けて……」

 クロスは軽く会釈をして町の中に入っていった。その場に残った兵士達は疲れがドッと襲い掛かり、その場でへたり込んでしまった。

「俺は、この仕事に自信が無くなりそうだよ……」

「俺も……」

 兵士達の言う事はもっともだった。もしクロスが盗賊だった場合、なすすべもなく町にいれているのと一緒だからである。それもクロスの気分が悪くならない様に、気を遣いながら話しかけていた事実がそこにあった。

 しかし、これは兵士達王国側が勝手に気を遣っているだけであり、クロスはただ普通にしていただけであった。これからクロスは1ヶ月に一度王都に来て、ギルドの依頼をこなせばいいだけだった。

「すまん。依頼の清算を頼むよ」

「わっ!こんなにも薬草を取っていただけたのですか?本当に助かります。在庫が心配になってきていたのですよ」

「なら、良かったよ」

「明日もよろしくお願いしますね」

「いや、多分明日は来ないよ」

「そうなんですか?」

「ああ。また気が向いたときに来るよ」

 そう言ってクロスは帰っていった。クロスが帰った後、受付嬢達はクロスの話題で盛り上がっていた。新人だと思っている受付嬢達は、初日からこんなにも薬草採取できるクロスは有望株に見えていたのだ。しかし、クロスの情報はギルドの上方部が止めていただけだった。

 そして、クロスは購入したばかりの家に帰り、【リコール】の魔法を唱えた。

しおりを挟む
感想 33

あなたにおすすめの小説

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】  スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。  帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。  しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。  自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。   ※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。 ※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。 〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜 ・クリス(男・エルフ・570歳)   チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが…… ・アキラ(男・人間・29歳)  杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が…… ・ジャック(男・人間・34歳)  怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが…… ・ランラン(女・人間・25歳)  優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は…… ・シエナ(女・人間・28歳)  絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……

【薬師向けスキルで世界最強!】追放された闘神の息子は、戦闘能力マイナスのゴミスキル《植物王》を究極進化させて史上最強の英雄に成り上がる!

こはるんるん
ファンタジー
「アッシュ、お前には完全に失望した。もう俺の跡目を継ぐ資格は無い。追放だ!」  主人公アッシュは、世界最強の冒険者ギルド【神喰らう蛇】のギルドマスターの息子として活躍していた。しかし、筋力のステータスが80%も低下する外れスキル【植物王(ドルイドキング)】に覚醒したことから、理不尽にも父親から追放を宣言される。  しかし、アッシュは襲われていたエルフの王女を助けたことから、史上最強の武器【世界樹の剣】を手に入れる。この剣は天界にある世界樹から作られた武器であり、『植物を支配する神スキル』【植物王】を持つアッシュにしか使いこなすことができなかった。 「エルフの王女コレットは、掟により、こ、これよりアッシュ様のつ、つつつ、妻として、お仕えさせていただきます。どうかエルフ王となり、王家にアッシュ様の血を取り入れる栄誉をお与えください!」  さらにエルフの王女から結婚して欲しい、エルフ王になって欲しいと追いかけまわされ、エルフ王国の内乱を治めることになる。さらには神獣フェンリルから忠誠を誓われる。  そんな彼の前には、父親やかつての仲間が敵として立ちはだかる。(だが【神喰らう蛇】はやがてアッシュに敗れて、あえなく没落する)  かくして、後に闘神と呼ばれることになる少年の戦いが幕を開けた……!

「お前は用済みだ」役立たずの【地図製作者】と追放されたので、覚醒したチートスキルで最高の仲間と伝説のパーティーを結成することにした

黒崎隼人
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――役立たずの【地図製作者(マッパー)】として所属パーティーから無一文で追放された青年、レイン。死を覚悟した未開の地で、彼のスキルは【絶対領域把握(ワールド・マッピング)】へと覚醒する。 地形、魔物、隠された宝、そのすべてを瞬時に地図化し好きな場所へ転移する。それは世界そのものを掌に収めるに等しいチートスキルだった。 魔力制御が苦手な銀髪のエルフ美少女、誇りを失った獣人の凄腕鍛冶師。才能を活かせずにいた仲間たちと出会った時、レインの地図は彼らの未来を照らし出す最強のコンパスとなる。 これは、役立たずと罵られた一人の青年が最高の仲間と共に自らの居場所を見つけ、やがて伝説へと成り上がっていく冒険譚。 「さて、どこへ行こうか。俺たちの地図は、まだ真っ白だ」

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~

名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。

処理中です...