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53話 選択
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ダイン達はクロスに、頭を下げ続けた。
「お、お願いします。どうか、王太子殿下を助けていただけないでしょうか?王宮魔導士達では、呪いが解けないのです」
(まあ、あの呪いは無理だろうな……)
クロスは、王太子殿下の病状を千里眼で確認していて、心の中でそう思ったのだ。
「ダインさん、この呪いをとくというのはどういうことか分かるかい?」
「どういうことですか?王太子殿下が助かって王国は安泰になるのでは?」
「いや、それはそうだが……第二王子の立場の事だよ」
「そ、それは……」
「国王様にとっては、第二王子も又、可愛いお子さんの一人だろ?」
「当たり前です!」
「だが、こういった問題が起これば、何らかの処分が下されるんだろ?」
「はい……」
「第二王子は、手を汚していなくともか?」
「だから今は、第二王子の関係者が犯人だと証拠がありません!」
「いやいや……そうじゃないよ。俺がこの事件に係わり、王太子殿下を助けて終わりじゃないと言っているんだよ」
「えっ……」
「仮に助けて終わりというのなら、俺はこの事件にかかわるつもりはないという事だよ」
「な、何を言っているのですか……王太子殿下を見捨てると言っているのですか?」
「そうじゃない!呪いをとく事は出来るかと思う。しかし、それで終わりにした場合、その後又王太子殿下はまた呪いをかけられるだけだぞ?」
「そ、それは……」
「そうなったとき、また俺は王宮に出向き、ただ治すだけなのか?そうなった場合、今度は俺やオウカがその犯人のターゲットになった場合、どう責任とるつもりだ?」
「うっ……」
「王宮魔導士が治す事の出来ない呪いを解除するとなると、王国はそのたびに、俺に治療費を払い続けるつもりなのか?」
「そ、それは!」
「俺からの要求を聞いてほしい。それを飲む事が出来るのなら俺が手を貸してやると、国王様に伝達をお願いできるか?」
「わ、分かりました……」
クロスは、この事件に手を出すとしたら、裏で暗躍した者全てを炙り出す事を約束し、その者達は王族が秘密裏に処分する条件をだしたのだった。
「国王様とよく話し合ってくれ。暗躍している人間は意外な人物が出るかもしれないからな」
「クロス様は、目星はついているのですか?」
「それは、やってみないと分からないよ。闇ギルドだけで済むとはおもえないからな。ただ、俺は自分達に厄介事がこれ以上降りかからない様にするだけだよ」
「わ、分かりました……」
「それじゃ、早く結論を出してくれよ。王太子殿下はそんな長く持たないからな」
「わ、分かりました」
「次、この家に来るときは玄関先にあるプレートに手を当ててくれよ。大声出されても困るからな」
「えっ?どういうことですか?」
「俺の家の敷地に入れなくて、大声出したんだろ?そんな事をしなくとも門の柱にプレートが設置してあっただろ?あれに魔力を流してくれたら、家の中にベルが鳴る仕組みになっているから、大声で呼ばなくともいいよ」
「そんな魔道具が……」
「まあ、俺が家の中にいればの話だけどな」
ダインは連絡方法が分かり、安心して王宮に帰っていった。そして、ダインはクロスの言った要求を伝えたのだった。
「どういう事だ?クロスは、王子の命はどうでもいいというのか?」
「そうではございません。クロス殿が言うには、王太子殿下の呪いを解いた場合、バックいる犯罪者は国王の身内になるとおっしゃっているのです。それらの身内を罰することができないようでは、この暗殺は繰り返されるというのです」
「と言う事は、クロスはすでに犯人の目星はついていると申すのか?」
「それは何とも……調べてみない事には分からないそうです。しかし、この事件は国王にとって凄く辛い選択になった時、うやむやにされてはクロス殿の方に迷惑がかかる事を危惧されているようです」
「クロスの奴……あくまでも自分主体に考えるのか……王国の事などどうでもいいと……」
「そうではないかと……」
「話を聞く限りそうではないか」
「ですが国王……よく考えてほしいのです」
「なにをだ!」
「クロス殿は、先刻の事を水に流し、王太子殿下には罪はないと言ってくれました。その条件を飲んだら、クロス殿は暗殺を企てた者を必ず炙り出し解決することを約束してくれたのです」
「それは……」
「クロス殿は、王国の事を考えていない訳ではありません。今回の事件で、もし国王の身内が犯罪に加わっていた場合、クロス殿が処分すれば王国の恥をさらす事になるおっしゃっていました」
「た、確かに……つまり、犯罪者をワシに任せる事で、王国の恥を内密にという事か……」
「そういうことです。ですが、国王は本当に辛い選択になった場合、その者を処罰できるのかが心配だと、クロス殿は言っておいででありました」
「身内じゃない場合もあるだろう……」
「もし、国王が身内をかばった場合、クロス殿は表立って動くとも言ってました」
「では、どうすればと言うんだ」
「その不安があるのであれば、クロス殿はこの件から手を引くとおっしゃっていました」
「なんだと!」
「申し訳ないのですが、王太子殿下を諦めて、親戚づきあいを大事になされた方がよいと……」
「むぐぐぐぐ……」
クロスは、国王にそういう条件を出していた。クロスからしたら当然の事で、犯人が国王の身内だった場合、温情を見せ処分しなかった場合、クロスは自衛する為その貴族を手にかけなければならなくなる。
国王が処分する分には問題はないが、クロスが王族の親戚を手にかけたとなると、他の貴族達が騒ぎ出す事になるからだ。
そうなると話は変わってくることになり、クロスは王国と本気でやり合う事になりかねないからだ。
「何故、王族が平民の言う事を飲まねばならん!」
国王は、だんだん頭に血が上ってきて怒鳴り散らした。自分の子供が苦しんでいるのだから、素直に治してくれたらいいと思っていた。
「素直に言う事聞いて、王子の治療をすればいいものを!」
「国王、落ち着いて下さい!」
「落ち着けるわけがなかろう!」
「クロス殿はこうも言っていました。王太子殿下の呪いは治せるが、肝心の犯罪者を野放しにしておけば、何回も呪いをかけられそのたびに、クロス殿が治す事になると」
「治せばいいであろう!」
「王宮魔導士が治せない呪いを何回も治すという事は、高額な治療費を何回も払う事になるとも言っていました……クロス殿は王国の事もちゃんと考えてくれています。もし、何回も治療費を払う事になれば、王国は財政難となり滅亡しかねないと……」
「そ、それは……」
「主君!ご決断を……」
ダインはそういって、膝をつき頭を下げたのだった。
「お、お願いします。どうか、王太子殿下を助けていただけないでしょうか?王宮魔導士達では、呪いが解けないのです」
(まあ、あの呪いは無理だろうな……)
クロスは、王太子殿下の病状を千里眼で確認していて、心の中でそう思ったのだ。
「ダインさん、この呪いをとくというのはどういうことか分かるかい?」
「どういうことですか?王太子殿下が助かって王国は安泰になるのでは?」
「いや、それはそうだが……第二王子の立場の事だよ」
「そ、それは……」
「国王様にとっては、第二王子も又、可愛いお子さんの一人だろ?」
「当たり前です!」
「だが、こういった問題が起これば、何らかの処分が下されるんだろ?」
「はい……」
「第二王子は、手を汚していなくともか?」
「だから今は、第二王子の関係者が犯人だと証拠がありません!」
「いやいや……そうじゃないよ。俺がこの事件に係わり、王太子殿下を助けて終わりじゃないと言っているんだよ」
「えっ……」
「仮に助けて終わりというのなら、俺はこの事件にかかわるつもりはないという事だよ」
「な、何を言っているのですか……王太子殿下を見捨てると言っているのですか?」
「そうじゃない!呪いをとく事は出来るかと思う。しかし、それで終わりにした場合、その後又王太子殿下はまた呪いをかけられるだけだぞ?」
「そ、それは……」
「そうなったとき、また俺は王宮に出向き、ただ治すだけなのか?そうなった場合、今度は俺やオウカがその犯人のターゲットになった場合、どう責任とるつもりだ?」
「うっ……」
「王宮魔導士が治す事の出来ない呪いを解除するとなると、王国はそのたびに、俺に治療費を払い続けるつもりなのか?」
「そ、それは!」
「俺からの要求を聞いてほしい。それを飲む事が出来るのなら俺が手を貸してやると、国王様に伝達をお願いできるか?」
「わ、分かりました……」
クロスは、この事件に手を出すとしたら、裏で暗躍した者全てを炙り出す事を約束し、その者達は王族が秘密裏に処分する条件をだしたのだった。
「国王様とよく話し合ってくれ。暗躍している人間は意外な人物が出るかもしれないからな」
「クロス様は、目星はついているのですか?」
「それは、やってみないと分からないよ。闇ギルドだけで済むとはおもえないからな。ただ、俺は自分達に厄介事がこれ以上降りかからない様にするだけだよ」
「わ、分かりました……」
「それじゃ、早く結論を出してくれよ。王太子殿下はそんな長く持たないからな」
「わ、分かりました」
「次、この家に来るときは玄関先にあるプレートに手を当ててくれよ。大声出されても困るからな」
「えっ?どういうことですか?」
「俺の家の敷地に入れなくて、大声出したんだろ?そんな事をしなくとも門の柱にプレートが設置してあっただろ?あれに魔力を流してくれたら、家の中にベルが鳴る仕組みになっているから、大声で呼ばなくともいいよ」
「そんな魔道具が……」
「まあ、俺が家の中にいればの話だけどな」
ダインは連絡方法が分かり、安心して王宮に帰っていった。そして、ダインはクロスの言った要求を伝えたのだった。
「どういう事だ?クロスは、王子の命はどうでもいいというのか?」
「そうではございません。クロス殿が言うには、王太子殿下の呪いを解いた場合、バックいる犯罪者は国王の身内になるとおっしゃっているのです。それらの身内を罰することができないようでは、この暗殺は繰り返されるというのです」
「と言う事は、クロスはすでに犯人の目星はついていると申すのか?」
「それは何とも……調べてみない事には分からないそうです。しかし、この事件は国王にとって凄く辛い選択になった時、うやむやにされてはクロス殿の方に迷惑がかかる事を危惧されているようです」
「クロスの奴……あくまでも自分主体に考えるのか……王国の事などどうでもいいと……」
「そうではないかと……」
「話を聞く限りそうではないか」
「ですが国王……よく考えてほしいのです」
「なにをだ!」
「クロス殿は、先刻の事を水に流し、王太子殿下には罪はないと言ってくれました。その条件を飲んだら、クロス殿は暗殺を企てた者を必ず炙り出し解決することを約束してくれたのです」
「それは……」
「クロス殿は、王国の事を考えていない訳ではありません。今回の事件で、もし国王の身内が犯罪に加わっていた場合、クロス殿が処分すれば王国の恥をさらす事になるおっしゃっていました」
「た、確かに……つまり、犯罪者をワシに任せる事で、王国の恥を内密にという事か……」
「そういうことです。ですが、国王は本当に辛い選択になった場合、その者を処罰できるのかが心配だと、クロス殿は言っておいででありました」
「身内じゃない場合もあるだろう……」
「もし、国王が身内をかばった場合、クロス殿は表立って動くとも言ってました」
「では、どうすればと言うんだ」
「その不安があるのであれば、クロス殿はこの件から手を引くとおっしゃっていました」
「なんだと!」
「申し訳ないのですが、王太子殿下を諦めて、親戚づきあいを大事になされた方がよいと……」
「むぐぐぐぐ……」
クロスは、国王にそういう条件を出していた。クロスからしたら当然の事で、犯人が国王の身内だった場合、温情を見せ処分しなかった場合、クロスは自衛する為その貴族を手にかけなければならなくなる。
国王が処分する分には問題はないが、クロスが王族の親戚を手にかけたとなると、他の貴族達が騒ぎ出す事になるからだ。
そうなると話は変わってくることになり、クロスは王国と本気でやり合う事になりかねないからだ。
「何故、王族が平民の言う事を飲まねばならん!」
国王は、だんだん頭に血が上ってきて怒鳴り散らした。自分の子供が苦しんでいるのだから、素直に治してくれたらいいと思っていた。
「素直に言う事聞いて、王子の治療をすればいいものを!」
「国王、落ち着いて下さい!」
「落ち着けるわけがなかろう!」
「クロス殿はこうも言っていました。王太子殿下の呪いは治せるが、肝心の犯罪者を野放しにしておけば、何回も呪いをかけられそのたびに、クロス殿が治す事になると」
「治せばいいであろう!」
「王宮魔導士が治せない呪いを何回も治すという事は、高額な治療費を何回も払う事になるとも言っていました……クロス殿は王国の事もちゃんと考えてくれています。もし、何回も治療費を払う事になれば、王国は財政難となり滅亡しかねないと……」
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