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第9章 人類の混乱
16話 クレアの伝言
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リーランの町の中はより騒然とし、町を離れる決断をする者、リーランの町を死に場所としつ選ぶ者、伯爵を慕い町を守ろうとする者。様々な想いで混乱を極め、今やリーランの町は沸騰する釜さながらであった。その中で冒険者ギルドの会議室の扉が開かれた。
「こ、これは!伯爵様みずから冒険者ギルドに来られるとは、連絡があればこちらからお伺いしたのに」
「構わぬ。そのままでよい。それに冒険者ギルドの意見を聞きたいのだ」
「伯爵様の前で言う事ははばかれるのですが、我々冒険者ギルドはマルクに恩義を感じております。その為、王国の選択には到底納得できるものではありません!」
「そうか・・・」
バッハ伯爵が言葉を詰まらせ、ギルドの会議室は緊張で空気が固まるのを感じ、ギルド職員はゴクリと息を呑んだ。
「我等一同も同じ意見だ」
バッハ伯爵の意見が自分達と同じと知ったギルドマスターのブカートを始め職員達はホッと胸を撫で下ろした。
「そこで君達に意見を聞きたいのだ。今、町から出ていこうとしている民や冒険者を引き留めてもらいたいのだ」
「それは無理というものです」
ブカートは、バッハ伯爵に毅然と言い返した。
「なぜだ?今引き留めて、町の結束を強めないとどうにもならん」
「バッハ伯爵様の気持ちはわかりますが、今町から脱出する人間の大半は、サイキックオークの災害の後から移住をしてきた者です」
「な、なるほど・・・」
「つまり、マルクの活躍を知らぬ者達で無理に引き留めた場合不満を漏らし、結束を弱める可能性もあるのです」
「じゃあ、今町に残ると決断をしているのは・・・」
「はい!マルクに恩義を感じている者がほとんどです。しかも、オークの災害の後に移住をしてきた者もいますが、その者達は英雄としてのマルクを尊敬していて、すでに結束を固めています」
「そうか!無理に引き留めない方がいいみたいだな」
「それに、冒険者は自由を好みます。ギルドが冒険者の行動を拘束する事はできません」
「そうだな・・・冒険者の気持ちを蔑ろにして悪かった。この通りだ」
バッハ伯爵は、ブカートとギルド職員達に深々と頭をさげる。それを見てブカート達は焦り、バッハ伯爵に頭を上げるようにと凝縮する。
「それでだな。私の私設警備隊と冒険者達の連携で王国騎士団に戦いを挑んだとしても勝ち目はほとんどないだろう」
「そ、それは・・・」
「だから、わたしは王国騎士団の指揮官と話し合いに出ようと思う」
その提案に否定したのは、ダルニアの町のギルドマスターであるラーシェルだった。
「駄目です!そのような事をすればダルニアの二の舞となるのは火を見るより明らかです。ダルニアの領主様も同じ事をなさりましたが、王国騎士団はこれぞとばかりに領主様を捕らえました」
「しかし、このままではリーランの町は王国騎士団に攻め滅ぼされてしまうのを待つだけに・・・」
「バッハ伯爵様遅くなってしまい申し訳ありません」
「た、誰だ!」
ブカートが声をする方を睨む。すると、影の中からクレアが姿を見せる。
「お、お前は!」
「久しぶりブカートのおっさん・・・」
「な、なんでここにいるんだ?」
「それは、マルクがバッハ伯爵様なら、アーサー王の選択を戒めてくれるはずだから救いに行ってほしいと頼まれた」
「ブカート、彼女はマルクの知り合いなのか?」
「バッハ様、彼女はマルクのパーティーメンバーの1人で妻ですよ」
「な、なに?では、マルクもリーランの町にいるのか?」
クレアは、バッハ伯爵の前にひざまつき頭をさげる。
「申し訳ありません。マルクはリーランの町にはいません。こうして馳せ参じたのは、元紅のパーティーの四人です」
「マルクは来てないのか?」
「マルクからの伝言があります。バッハ様、これから伝える事は辛いものになるかとおもいます」
「どういう事だ?」
「旦那様のマルクは、リーランの町を救ってほしいとわたし達に頼みましたが、マルク自身は王家に落とし前をつけるといい、辺境伯に続き王都テランに攻め入るつもりです」
「ば、馬鹿な!何故王国の英雄が王都に攻め入る必要があるのだ!」
バッハ伯爵は頭に血が上りクレアを怒鳴りつけたが、クレアは冷静に説明を続け、マルクの町を襲撃した事、マルクの特別奴隷の殺害、マルクの故郷の村の襲撃。又、王国に助けを求めた難民の保護をかってでて、王国を助けた恩を仇で返して裏切り行為の数々を上げると、バッハ伯爵は言葉に詰まらせ黙り込むしかなかった。
「しかし、マルクは王国は残すとはおもいます。そうでなければ、リーランの町を救ってほしいとは言わないはずなんでそこの所は理解をお願いします」
「マルクは陛下を・・・どのようにするつもりなのだ?」
「それは、バッハ様の方が理解してるかとおもいますが」
クレアの言葉にバッハ伯爵は息を呑み、周りにいる貴族達やギルド関係者もその重苦しい空気に呼吸する音すらでなかった。その重苦しい空気を打ち破り言葉をだしたのは、ブカートだった。
「クレア、国王陛下の身柄を救う手だてはもうないのか?」
「マルクの町はどの国にも属していない・・・」
「どういう事だ?」
副ギルドマスターのレジーナが口を挟む。
「ギルドマスターわからないのですか?」
「はぁあ?」
「ったく・・・あなたという人は」
「なんだよ。そういう七面倒臭い事はよくわからんから、いつもお前に任せてるだろ」
「だから貴方は駄目なんですよ」
レジーナはブカートのハゲ頭を叩いた。
「痛っ!するんだ。これでもお前の上司なんだぞ!」
「いいですか?今のマルクさんは王国から英雄の称号を剥奪され、王国の人間ではないんです」
「それはわかっている」
「そして、マルクさんはどの国にも属さない町を作ったのです。その町には亡命者という民が集まり、王国よりマルクさんを選んだ商会が集まってます。これがどういう事かあなただってわかるでしょ?」
「お、おい・・・それって・・・」
「そうです。マルクさんはいえ、マルク様は国を建国し、アーサー国王陛下と同じ立場で在られます。その他国に自分の保身の為、大魔王のいいなりになり他国を侵攻したのです」
バッハ伯爵はテーブルを叩き王国の行く末を嘆きつぶやいた。
「ぐっ・・・陛下はなんと愚かな選択をしたんだ・・・」
その嘆き苦しむバッハ伯爵にクレアは話を続けた。
「伯爵様、それに貴族の皆様には王国の為生き残ってほしいと思っているのがマルクです」
「はぁあ?マルク殿は王国を滅ぼすつもりじゃないのか?」
「そんな理由ありません。もしもそうなら、わたし達をリーランの町に向かわせないですよ」
「た、確かに・・・」
「話を元に戻しますが、王国騎士団は後数時間後にリーランの町を攻め入るつもりです。その対処はわたし達四人でします」
「ば、馬鹿な!王国騎士団をお主達たった四人だけで対処するだと!」
ブカートが大声で怒鳴る。しかし、クレアは静かに言い返した。
「では、酷なこと聞きますがリーランの町にあの軍勢を抑える戦力はありますか?」
「うっ・・・それは・・・」
「ギルドマスター達には町の強化をお願いしたいのです。王国騎士団のほとんどは捕虜として捕らえるつもりです」
「そんな事ができるのかね?」
「はい!」
バッハ伯爵の問にクレアはニッコリ笑う。
「こ、これは!伯爵様みずから冒険者ギルドに来られるとは、連絡があればこちらからお伺いしたのに」
「構わぬ。そのままでよい。それに冒険者ギルドの意見を聞きたいのだ」
「伯爵様の前で言う事ははばかれるのですが、我々冒険者ギルドはマルクに恩義を感じております。その為、王国の選択には到底納得できるものではありません!」
「そうか・・・」
バッハ伯爵が言葉を詰まらせ、ギルドの会議室は緊張で空気が固まるのを感じ、ギルド職員はゴクリと息を呑んだ。
「我等一同も同じ意見だ」
バッハ伯爵の意見が自分達と同じと知ったギルドマスターのブカートを始め職員達はホッと胸を撫で下ろした。
「そこで君達に意見を聞きたいのだ。今、町から出ていこうとしている民や冒険者を引き留めてもらいたいのだ」
「それは無理というものです」
ブカートは、バッハ伯爵に毅然と言い返した。
「なぜだ?今引き留めて、町の結束を強めないとどうにもならん」
「バッハ伯爵様の気持ちはわかりますが、今町から脱出する人間の大半は、サイキックオークの災害の後から移住をしてきた者です」
「な、なるほど・・・」
「つまり、マルクの活躍を知らぬ者達で無理に引き留めた場合不満を漏らし、結束を弱める可能性もあるのです」
「じゃあ、今町に残ると決断をしているのは・・・」
「はい!マルクに恩義を感じている者がほとんどです。しかも、オークの災害の後に移住をしてきた者もいますが、その者達は英雄としてのマルクを尊敬していて、すでに結束を固めています」
「そうか!無理に引き留めない方がいいみたいだな」
「それに、冒険者は自由を好みます。ギルドが冒険者の行動を拘束する事はできません」
「そうだな・・・冒険者の気持ちを蔑ろにして悪かった。この通りだ」
バッハ伯爵は、ブカートとギルド職員達に深々と頭をさげる。それを見てブカート達は焦り、バッハ伯爵に頭を上げるようにと凝縮する。
「それでだな。私の私設警備隊と冒険者達の連携で王国騎士団に戦いを挑んだとしても勝ち目はほとんどないだろう」
「そ、それは・・・」
「だから、わたしは王国騎士団の指揮官と話し合いに出ようと思う」
その提案に否定したのは、ダルニアの町のギルドマスターであるラーシェルだった。
「駄目です!そのような事をすればダルニアの二の舞となるのは火を見るより明らかです。ダルニアの領主様も同じ事をなさりましたが、王国騎士団はこれぞとばかりに領主様を捕らえました」
「しかし、このままではリーランの町は王国騎士団に攻め滅ぼされてしまうのを待つだけに・・・」
「バッハ伯爵様遅くなってしまい申し訳ありません」
「た、誰だ!」
ブカートが声をする方を睨む。すると、影の中からクレアが姿を見せる。
「お、お前は!」
「久しぶりブカートのおっさん・・・」
「な、なんでここにいるんだ?」
「それは、マルクがバッハ伯爵様なら、アーサー王の選択を戒めてくれるはずだから救いに行ってほしいと頼まれた」
「ブカート、彼女はマルクの知り合いなのか?」
「バッハ様、彼女はマルクのパーティーメンバーの1人で妻ですよ」
「な、なに?では、マルクもリーランの町にいるのか?」
クレアは、バッハ伯爵の前にひざまつき頭をさげる。
「申し訳ありません。マルクはリーランの町にはいません。こうして馳せ参じたのは、元紅のパーティーの四人です」
「マルクは来てないのか?」
「マルクからの伝言があります。バッハ様、これから伝える事は辛いものになるかとおもいます」
「どういう事だ?」
「旦那様のマルクは、リーランの町を救ってほしいとわたし達に頼みましたが、マルク自身は王家に落とし前をつけるといい、辺境伯に続き王都テランに攻め入るつもりです」
「ば、馬鹿な!何故王国の英雄が王都に攻め入る必要があるのだ!」
バッハ伯爵は頭に血が上りクレアを怒鳴りつけたが、クレアは冷静に説明を続け、マルクの町を襲撃した事、マルクの特別奴隷の殺害、マルクの故郷の村の襲撃。又、王国に助けを求めた難民の保護をかってでて、王国を助けた恩を仇で返して裏切り行為の数々を上げると、バッハ伯爵は言葉に詰まらせ黙り込むしかなかった。
「しかし、マルクは王国は残すとはおもいます。そうでなければ、リーランの町を救ってほしいとは言わないはずなんでそこの所は理解をお願いします」
「マルクは陛下を・・・どのようにするつもりなのだ?」
「それは、バッハ様の方が理解してるかとおもいますが」
クレアの言葉にバッハ伯爵は息を呑み、周りにいる貴族達やギルド関係者もその重苦しい空気に呼吸する音すらでなかった。その重苦しい空気を打ち破り言葉をだしたのは、ブカートだった。
「クレア、国王陛下の身柄を救う手だてはもうないのか?」
「マルクの町はどの国にも属していない・・・」
「どういう事だ?」
副ギルドマスターのレジーナが口を挟む。
「ギルドマスターわからないのですか?」
「はぁあ?」
「ったく・・・あなたという人は」
「なんだよ。そういう七面倒臭い事はよくわからんから、いつもお前に任せてるだろ」
「だから貴方は駄目なんですよ」
レジーナはブカートのハゲ頭を叩いた。
「痛っ!するんだ。これでもお前の上司なんだぞ!」
「いいですか?今のマルクさんは王国から英雄の称号を剥奪され、王国の人間ではないんです」
「それはわかっている」
「そして、マルクさんはどの国にも属さない町を作ったのです。その町には亡命者という民が集まり、王国よりマルクさんを選んだ商会が集まってます。これがどういう事かあなただってわかるでしょ?」
「お、おい・・・それって・・・」
「そうです。マルクさんはいえ、マルク様は国を建国し、アーサー国王陛下と同じ立場で在られます。その他国に自分の保身の為、大魔王のいいなりになり他国を侵攻したのです」
バッハ伯爵はテーブルを叩き王国の行く末を嘆きつぶやいた。
「ぐっ・・・陛下はなんと愚かな選択をしたんだ・・・」
その嘆き苦しむバッハ伯爵にクレアは話を続けた。
「伯爵様、それに貴族の皆様には王国の為生き残ってほしいと思っているのがマルクです」
「はぁあ?マルク殿は王国を滅ぼすつもりじゃないのか?」
「そんな理由ありません。もしもそうなら、わたし達をリーランの町に向かわせないですよ」
「た、確かに・・・」
「話を元に戻しますが、王国騎士団は後数時間後にリーランの町を攻め入るつもりです。その対処はわたし達四人でします」
「ば、馬鹿な!王国騎士団をお主達たった四人だけで対処するだと!」
ブカートが大声で怒鳴る。しかし、クレアは静かに言い返した。
「では、酷なこと聞きますがリーランの町にあの軍勢を抑える戦力はありますか?」
「うっ・・・それは・・・」
「ギルドマスター達には町の強化をお願いしたいのです。王国騎士団のほとんどは捕虜として捕らえるつもりです」
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