役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第7章 覚醒

2話 帰還するマルク

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 ソフィアはカノンの槍術を難なく避けて、カノンの懐に入り手のひらをそえた。

「なっ!」

「あなたの槍術は所詮そんなものよ。パラライズ」

「がっ!」

 カノンは、ソフィアに触れられた瞬間に麻痺の魔法を唱えられ身動きができなくなった。

「カノン!」

 それを見て、オウカは前に飛び出ようとしたが、ヴァイスが立ちふさがる。

「おいおい!どこにいくつもりだ。お前の相手は俺だろうが!」

「くっ!そこをどけ!」

「ぐはははは!焦った顔もいいぞ?」

 焦るおはよーを見て、ヴァイスは嫌な笑みをうかべた。システィナもヴィトラに矢を放つがギリギリで避けられる。クレアは回復をしつつヴィトラに攻撃を仕掛けるが、完全に遊ばれていた。

 ソフィアは、動けないカノンを素通りしてシオンに近づく。

「「「「シオン!」」」」
「あんた、何をしてんのよ!」

 オウカが叫んだが、シオンはマルクが消滅して絶望の淵にいる。シオンもオウカの声は聞こえてはいたが体が動かないのだ。それほどまでにショックを受けていたのだった。

「マルク・・・・・・あなたがいない世界なんていや・・・・・・」

「シオン!あなたは何を言ってんのよ!諦めちゃ駄目ぇ!」

 クレアが、こんな大声を張り上げるのは信じられない事で、カノン達は目を見開き驚いた。

「クックックックッ!シオン、あなたっていつもマルクを気にかけていたものね。マルクがいなくなってどんな気持ち?あーはははははは!」

 ソフィアは、シオンの落ち込む姿を見て気分がよくなり笑った。そして、ソフィアはシオンの首筋に噛みつこうとした。

「マルク・・・・・・あなたの側に行くからね」

 シオンは、ソフィアに噛みつかれる事を受け入れてその瞳を瞑った。その様子を見てカノン達四人はシオンの名前を叫ぶ。

「「「「シオン!」」」」

「さあ、ソフィア!シオンを下僕にしてしまえ!」

 ソフィアが、シオンに近づき噛みつこうとした瞬間、ソフィアが吹き飛ばされソフィアの絶叫がこだました。

「シオン、僕は天国に行ってもいないよ。先に死なないでよ」

 シオンが見上げると、そこにはマルクの姿があった。

「マ、マルク・・・・・・・本当にマルクなの?」

「ああ。久しぶりだね。遅くなってごめん」

 ソフィアは、心臓に杭を打ち込まれて吹き飛んでいた。その杭は、マルクが向こうの世界で準備した古代竜の骨で製作したものだ。

「マ~~~~~ル~~~~~ク~~~~~!貴様、何で生きてやがる!次元の狭間に送ったのに!」

「ディクト!お前には絶対負けない!よくもシオン達を好き勝手いじめてくれたな!」

「「「「「マ、マルク!」」」」」

 シオンはマルクの姿に泣いて抱きしめた。カノン達もマルクの姿に瞳を潤ませていた。

「マルク!私になんてまねをするのよ!」

 ソフィアは、ゆっくり立ち上がり自分の心臓に刺さった杭を引き抜いた。

「ソフィア、お前は本当に人間じゃなくなったんだな・・・・・・」

「ええ!とてもいい気分よ。今度は私があなたを殺してあげるわ」

 ソフィアは、ニヤリと笑い自分の首に親指を横に滑らせ挑発のポーズをとった。

「僕はシオン達の魔法使いで挑発には乗らないよ。シオン大丈夫か?」

「う、うん。でもどうやって戻ってこれたの?」

「それは後でな。先にディクト達を倒すよ」

「わぁ~~~~~はははははははは!俺様を倒すだと?いい加減な事を言うな!」

「マルク!危ない!」

 ディクトが、マルクの懐に飛び込んで魔剣で斬りつけてきた。しかし、マルクはディクトの剣をあっさり避ける。

「なっ!動きが違う・・・・・・」

「ディクト、お前の攻撃は見切っているよ。当たらなければなまくら刀と同じだ!」

「マルクが俺様の剣を避けただと!」

 ディクトは頭に血が上り、マルクの懐に飛び込んで剣を振るが、そのすべてを回避した。マルクはディクトの剣を回避しながら、カノンの麻痺を解きクレアの体力を回復した。
 マルクの動きが、アナザーワールドに飛ばされる前とは違い、ソフィア達は呆気に取られていた。

「お前達!何を突っ立てんだ!シオン達を殺してしまえ!」

 ディクトは、ソフィアに指示を飛ばした。ソフィア達は、ディクトの言葉にハッとしてシオン達に向き直る。
 シオン達は、ソフィアの強さに躊躇したが、マルクが戻ってきたので陣形を取り直した。しかし、ソフィア達の強さはパーティーになると更にその強さを発揮したのだった。

「そぉ~~~~~ら!どうしたシオン?そんなひ弱でタンカーが務まるのか?」

「くっ!」

 デュラハンデスナイトとなったヴァイスはとんでもない力を繰り出した。トゥーハンドソードを片手で振り回し、シオンの盾はどんどん歪んでいく。まともに受けると、腕がへし折られてもおかしくない衝撃だ。シオンがヴァイスの剣を受け流し隙を作ろうとしていたが、返しの剣がすぐ返ってくるのだ。
 カノンは無理やり槍で、攻撃を繰り出すがタイミングが合わず中途半端な攻撃となる。
 オウカも、ヴァイスの後ろに回り込むがヴィトラとソフィアがいる。敵には敵のコンビネーションがあるのだ。

「あっ!」

「がはははははは!勝負あったな。死ねぇ!」

 ヴァイスはシオンの盾を弾き飛ばした。そして、シオンにその大きなソードを振り上げた。

「シオン!こいつを受けとれ!」

 マルクは、ディクトの剣を回避しながら、インベントリから、アダマンタイマイの甲羅から製作した盾を、シオンに放り投げた。シオンはマルクから受け取った盾を構えたのだ。
 シオンはマルクからの盾を構えた瞬間、信じられなかった。その盾は銀色に輝きすごく軽く扱いやすいのだ。

 そして、信じられない事が起こる。ヴァイスが、振りかぶった全身全霊の力を込めた剣を、シオンは受け流さず正面からうけきるのだった。
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