役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第7章 覚醒

16話 難民が増えていくばかり

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 皇帝が居なくなった翌日から、皇帝の人至上主義は更に拍車をかける。帝国会議では、とんでもない話し合いがされていた。
 
「亜人共がこの国で生活ができるのは、我々ヒューマン族のおかげである。亜人はその恩に感謝に思って生活をしないといけない」

「「「「「確かに皇帝のいう通りだ!」」」」」

「亜人共には、帝国の為にダンジョン攻略をしてもらう!」

「それはいい案です」
「しかし、亜人共がいう事を聞くでしょうか?」

「聞かせればよいのだ」

 皇帝は不気味な笑みを浮かべ、ある提案をしたのが徴兵制度である。当然だが、兵士に声をかけられた亜人達は反抗や抵抗をする。すると、その行動が反逆罪とされ奴隷に落とされるのだ。

 帝国兵士は亜人種を見つけ、スラムを捜索し亜人種を無理やり捕まえ、ダンジョン攻略に向かわせるのだ。ここで抵抗せずダンジョンにみずから向かえば奴隷には落とされることはない。
 しかし、帝国は亜人種を強制連行する為、戦闘能力のない者は軒並み奴隷に落とされ、ダンジョンに行かされるので、帝国から逃げ出す亜人種族が大量に出たのである。

 その為、帝国領のヒューマン族は亜人種を見つけて捕らえれば金一封が出る。亜人種は町から姿を消し、森のなかに身を潜め夜の間に移動をして、アインシュタル王国を目指した。この中で運の悪い亜人種は、森の中を捜索するヒューマンの冒険者に見つかり捕らわれ、帝国に引き渡されダンジョンに連れて行かれるのだ。

「亜人種族徴兵制度最高だぜ!」
「確かに引き渡すだけで金一封だぜ」
「ああ、ゴブリン依頼より儲かるもんな」

 ヒューマンの低ランク冒険者は、金を握りしめ笑いながら町の中に消えていく。逃亡する亜人種は戦闘能力のない者ばかりで、低ランクの冒険者にしたら美味しい依頼になる。その為、危険がなく金一封欲しさに、帝国の冒険者は隠れている亜人種を進んで捕らえる最悪な状況だった。

 帝国の状況は運良く逃げれた者から、王国に情報提供された。帝国はダンジョンから資材や素材を無理やり集めていて、戦争準備を集めていると情報提供があったのだ。

「それは本当なのか?」

「ああ!間違いないよ。俺達は冒険者だから奴隷に落ちなかっただけだ」
「そうなんだ!ダンジョンに無理やり行かされ、帝国に魔物の素材を20万ミスト納める事が出来たから自由が認められただけなんだ」
「生産職のやつらは軒並み奴隷落ちなんだ」
「生産職のやつらで、奴隷落ちしなかったやつらもいたがそいつらは冒険者と手を組み鉱石を持ち帰れたやつらだな」

「それで何で帝国が戦争準備をしているとわかったんだ?」

「俺は聞いたんだ。帝国の兵士の装備がマジカル装備に変わっていって、帝国兵士がこの装備なら、アインシュタル王国の兵士に勝てるなと言っていたんだ」
「俺も聞いたんだ!間違いねぇよ」
「俺達は、運良く自由が認められて逃げれただけだが、あのまま自由だからと帝国に残っていたら、今度は戦争に駆り出されると不安になったんだ」

「それは本当なのか?」

「ああ!俺達が見たのはこれだけだが間違いない」

「わかった。帝国の情報提供感謝する」

 アインシュタル王国は、帝国から逃げ出した冒険者達から情報をもらい、帝国がいつ攻めて来てもいいように国境付近に陣をかためていた。

 その間も、数が少なくなってきたが身分証のない者が命からがらアインシュタル王国に逃げて来ていた。しかし、王国の対応はなかなか決まらず、帝国からの難民は増えていくばかりで、もう小規模の町の人口だ。

「国王様、難民の対処はどうなってますか?」

「マルクよ、すまない・・・・・・まだ、何も進んでおらんのだ」

「どうするんですか?このままずっと僕が面倒をみないといけないって事ないですよね?」

「待て待て!何を言っておるのだ?余がいつそのような事を言った?」

「言ってはいませんが、難民が今何人になっているかわかっていますか?4000人を越えたのです」

「4000人だと?」

 アーサー王は、難民の数を聞いてびっくりした。そして、王国貴族達も目を見開いていたのだ。貴族達は難民の事より帝国の動向の方が気になり、難民の事は後回しにしていた。それゆえに、難民の食料も減っていて炊き出しの数が減っていたのだ。 
 マルクの土地はあくまでも私有地であり、住めるようにはしていないのだ。水源は井戸はなく近くの湖から引いた水であり、一度煮沸してから使う事になる。宿もなく便所もないのでマルクとしては、早く身分証を王国で発行してあげてほしいのだ。
 
「しかしだな。難民は金もなく身分証の金すらも払えないのだ。当然たが、冒険者になれるわけもないしな」

「だったら、商人や生産職に斡旋を!」

 すると、貴族達はマルクの意見に反論する。

「王国がそこまでやる必要がどこにある?ちゃんとした手続きをすれば何の問題はないのだぞ?」

「じゃあ、このままにしておくつもりですか?」

「そうは言っておらん!まだ難民の対応が決まっておらんと言っているだけだ!それより帝国の対応の方が今一番重大と言っておるのだ」

 貴族達はマルクに、難民より帝国の戦争準備の方が重大だと言い聞かせた。これに関しては、帝国から来た冒険者の情報もあり、アインシュタル王国の対応は正当なものであった。
 
 しかし、このままでは難民達の対処は年単位で何もされないことがわかったマルクは頭を抱える事になるのだった。
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