役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第7章 覚醒

38話 帝国の交渉

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 マルクは、ステファニーに最終目標を告げるとみんなマルクが何をしようとしているのかがわかり驚愕する。

「マルクは本当にそんな事が可能だと?」

「大丈夫だよ。僕の町は大陸一安全な町になるからね。これから僕達、暁月の明星が冒険者ギルド王国本部に持ち込む魔物の素材は、魔の森の魔物になるからね」

「えっ?」

「何を驚いているんだよ。これからあの町を発展させるには流通させる事をしないといけないからね」

「確かにそうだけど。それがなんで魔の森の魔物が?」

「僕達があの町の周辺の魔物の間引きをするからに決まっているからだろ」

「「「「「ええ!」」」」」

「シオン・・・・・・お前達まで何を驚いているんだよ」

 マルクは、町の周辺の魔物を間引き、新たな街道を通す事を計画していた。

「まずは、町の西側から街道を通す事にするからね」

「でも、マルク・・・・・・」

「ステファニーの言いたい事は分かるけど話してみな」

「うん。それなら帝国を先に何とかした方がいいんじゃない?」

 ステファニーの言う事は当然の事だった。マルクの町は、王国と帝国の中間地点である。つまり、帝国が滅亡すると意味をなさなくなるからだ。今は帝国と王国を通す街道はユーダン湖の南側海に近い場所を大きく迂回して通っている。
 しかし、マルクがやろうとしているのは、ユーダン湖の北側で魔の森を通す街道だ。つまり、この街道が通れば大きく迂回する必要がなくなり、行商人は必ずこちらの街道を利用する事になるのである。
 
「確かに、ステファニーの言う通りだよ!」
「ここは悔しいけど、帝国を助けたほうがマルクにメリットが大きいんじゃない?」
「そうだな。私達の事は気にせず帝国を先に何とかした方が!」
「うん・・・・・・あたし達はマルクに従うよ」
「だな!ダンジョンマスターになった皇帝を討伐か!腕がなるぜ!」

 ステファニーの話を聞いたシオン達は、町のメリットを聞いて帝国が滅亡したら意味がなくなると思い、皇帝の討伐に息巻いた。

「待て待て!勝手に話を進めるなよ」

「でも、帝国が滅亡したら王国から東に向かう行商人が少なくなりますよ」

「ステファニーの言う事はもっともだと思うよ。僕もそう思うよ」

「だったら・・・・・・」

「だけどね。帝国がそう簡単に諦めると思うかい?皇帝には、跡取りがいたんだよ」

「あっ!確かにあの影は跡取りが成長するまで宰相が帝国の代表になり、生け贄を1000人捧げよと言っていたわ!」

「シオンも聞いていただろ?」

「うんうん!」

「と言う事は、宰相達は帝国が滅亡しないように、僕達に皇帝の討伐依頼をしてくるって事だよ」

「なんで分かるのよ!」

「当たり前だよ。帝国騎士団は団長を始め使い物にならないからだよ。そうなれば、帝国騎士団を壊滅させた僕達に依頼せざるをえないからな」

「なるほど!それであたしの出番なんですね」

「そういう事!ステファニーは僕達の依頼の窓口だからね。事情がよくわかっているから、帝国の交渉に一歩も引かなくていいだろ?」

「確かに!ダンジョンマスターの討伐依頼って事がなるととんでもない依頼料が発生しますからね。ギルドとしてもありがたい依頼になるわ」

「つまり、マルクはあの時わざと高額料金を提示したの?」

「どうせ、帝国の依頼は受けなきゃならないからね。魔王を野放しなんかできないよ」

「じゃあ、マルクはなんで私達に帝国に世話になった人がいるか聞いたんだ?」

「それは、カノン達が世話になった人がいれば、依頼料関係なしに、魔王討伐に向かうつもりだったからだよ」

「でも、マルクなら世話になった人達だけ町に招き入れる事の方が楽なんじゃ?」

「仮にカノン達が世話になった人間がいたら、それは孤児院の人間しかいないと思ったからだよ。そうなれば、そういう人達を帝国から連れ出したら反対に人至上主義が加速するから駄目だよ」

「じゃマルクは・・・・・・」

「孤児院の人間まで、他種族の子供に辛く当たっていたとは思わなかったけどね・・・・・・・」

 マルクは帝国の滅亡は望んではいない。帝国の人間のすべてが人至上主義ではないことも知っているからだ。しかし、マルクの身内であるカノン達が世話になった人間がないなら、マルクが率先して助ける事は全くないのだ。

 マルクは帝国の行動を待って、帝国とギルドが交渉した後納得したら動くだけである。その後、マルクの予想通り、冒険者ギルド帝国本部から王国本部に連絡が入ったのは言うまでもなかった。

「た、頼みます!どうか帝国を助けてほしい!」

「しかし、帝国は王国に戦争を仕掛けようとしていたのですよね?ヤンゴン子爵様!」

「それは・・・・・・我々帝国も皇帝が化け物とすれかわっていたと知らなかったのだ・・・・・・我々帝国も騙されていたのです。このままでは、帝国は滅亡してしまいます」

「帝国騎士団は壊滅してしまったのですよね?」

「今は、マルク殿にすがるしかないのです」

「マルクさんから話は聞いていますよ。帝国は今回の件で損害賠償も払わないといけないはずです。その上、ダンジョンマスターの討伐の依頼料が払えるのですか?」

「な、なぜそれを!」

「私はマルクの妻です。帝国の事情は話に聞いていますよ」

「なっ!」

 ヤンゴン子爵は、皇帝が化け物とすれかわっていたと話を進めて交渉をしようとしていた。しかし、ギルドの窓口であるステファニーが、皇帝がダンジョンマスターになり、その討伐を依頼しようとしている事はすでに知っていると先に明かされてしまって、ヤンゴン子爵は言葉が詰まってしまった。

「ヤンゴン子爵様。マルクさんに依頼を出すには、損害賠償を払い更にダンジョンマスターの討伐です。その依頼料はまけることは出来ませんよ?」

「うう・・・・・・そ、それは」

「はい。帝国の事情はマルクさんから聞いております。生け贄1000人ですよね?」

「そうだ!そんな事は帝国にはできん!直ぐにでも討伐をしないと、帝国は魔王に滅ばされてしまうのだ!しかし、マルク殿の提示した損害賠償はいくら何でも払えん!高すぎる!」

「それはマルクさんと交渉して下さい!わたし共冒険者ギルドには関係はございませんので!」

「だったら、ごちゃごちゃ言わず帝国の依頼を受ければよかろう」

「マルクさんの損害賠償が払えないのに、依頼を受ければギルドに損害が出ます。私はギルド職員として帝国はまず、マルクさんと交渉をすべきだと申し上げているのです」

「ぐぬぬ!」

 ヤンゴン子爵は、何も言い返す事が出来ず通信を切るしかなかった。通信が切れた後、冒険者ギルドからステファニーは感謝された。帝国貴族から通信が入り、事情を知らないギルドは言いくるめられてもおかしくなかったからだ。しかし、ステファニーが交渉をしてくれて、帝国の事情が筒抜け状態だったので損害を出さずにすんだのだ。
 こういった難解な依頼はあり、受けてくれる冒険者を探すのがとても大変なのである。冒険者が受けてくれなければ、冒険者ギルドが依頼料を上げて募集をかけるしかなくなり、ギルドの取り分がなくなり損害がでるのである。
 その為、今回の交渉はステファニーのファインプレーであり、冒険者ギルドから感謝された訳だ。
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