役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第8章 人類の厄災

33話 魔王降臨!

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 マルク達は魔の森の脅威を思い知らされていた。これまで人間の生活区域は本当に少ないと思ったのだ。人間生活区域の中でも、強い部類のゴブリンエリートは魔の森の中では本当に弱い魔物だった。

「この魔物は一体なんなのよ」

「これはクリスタルディアだね」

 シオン達はクリスタルディアを討伐して騒然としていた。それも無理はなくクリスタルディアは鹿の魔物だ。角の部分がクリスタルに変異していて、鹿と言うのに魔法を撃って来たのだ。
 動物系の魔物が魔法を撃ってきた事に考えか追いつかないのだ。

「なんで鹿が魔法を撃ってくるんだ?」

「カノン落ち着いて」

「落ち着ける訳がないだろう!」

「いいかい?固定概念は捨てないといけないよ」

「でも鹿だぞ?」

「鹿と言っても未知の魔物だよ。カノンは角がクリスタルの鹿を見た事・・・・・・いや、聞いた事はあったかい?」

「そ、それは・・・・・・」

「だろ?僕も聞いた事なんかないよ。ただ、僕には神眼というものがあったから、クリスタルディアが魔法を撃ってくるとわかっただけなんだよ」

「それは分かるけど・・・・・・」

「いいかい?固定概念は油断を生む。この奥地は人間にはまだまだわからない事がいっぱいだし、下手をすれば伝説の魔物フェンリルがいてもおかしくないんだよ」

「「「「「フェンリル?」」」」」

「まあ、それは冗談だけどね」

「マルク。こんな時に冗談はいただけないな!」

「カノン!この奥地はそれだけ何があるかわからないって事だよ。それに見た事はないがフェンリルの姿形は狼と言われている。狼は魔法を撃ってくるかい?」

「撃ってこないな」

「だけど、神眼がなければフェンリルとわからないだろ?」

「そ、そうだな・・・・・・」

「狼が魔法を撃ってきたらびっくりして隙が生まれるだろ?そしたら待っているのは死だ!」

「フェンリルは普通の狼とは違うだろ?大きさや毛並みも真っ白と聞くぞ?」

「オウカはフェンリルを崇める種族だったよね?」

 オウカは、狼獣人属で水属性の魔力を持つ人物である。その為、その拳に水属性の魔力を乗せ【ダイヤモンドダスト】や【アブソリュートゼロ】等氷のスキルを自在に扱う事ができる。
 
「そうだよ」

「だけど、オウカも実際に目にしたことはないはずだろ?」

「それはそうだよ。だけど!言い伝えでは、フェンリルの身の丈は3mを越え、その身は純白の毛並みで絹のように美しく、氷の魔法やブレスをあやつるとある」

「それは言い伝えであり、実際に目にした物じゃないだろ?魔法をあやつるなら普段は姿形を普通の狼にしているかもしれないだろ?」

「うっ・・・・・・」

「それに、この鹿も普通とは違い角がクリスタルだよ。見た目は普通じゃないよね?」

「「「「「うっ・・・・・・」」」」」

「つまり、カノン達の言う事は言い訳にしか過ぎないって事だよ。固定概念は捨てるんだ。いいね?」

「「「「「はい・・・・・・」」」」」

 魔の森の奥地の魔物は、マルクがカノン達を否定するのも納得せざるのも得ない程、今まででは信じられない事ばかりだったのだ。

「じゃ、みんな。気合いを入れ直していこうか?」

「「「「「へっ?」」」」」

 マルクの声のトーンが変わり、シオン達は変な声を漏らした。

「マルク?」

「そこに隠れているやつ出てこい」

 マルクの声に、スーっと姿を現したのはこの魔の森の奥地には似つかわしくない執事の格好をした男性だった。
 その執事は、若い男性の姿だが真っ黒な髪をオールバックにして品の良い人物だ。しかし、あきらかに人間ではないのが分かり、シオン達は息を飲む。

「お前は一体何者よ?」

 シオンが、この人物から漂う魔力に怒鳴る。

「これは失礼しました。お嬢さん。私は大魔王スルト様の執事でディアブロと申します」

 ディアブロはシオンに丁寧にお辞儀をした。

「「「「大魔王の執事?」」」」

「まあ、あなた方はここで死んでいただきます。これ以上大魔王様の機嫌を損なう訳にはいきませんからね」

 ディアブロはニヤリと笑みを溢した。その笑みにシオン達は身震いをして背中に嫌な汗が流れるのを感じたのだ。
 ディアブロはニヤリと笑い、腰のサーベルをかまえた。

「さあ!かかって来なさい。闇の魔王と言われた私が殺してあげましょう」

 マルクは、ディアブロの構えを見て驚く。セバスチャンの構えより隙が全くなかったからだ。そして、大魔王の下に就くのは魔王というのが信じられなかった。

「お前は悪魔ではないのか?」

「今更、そんな事はどうでもよろしいかと。あなた方はここで死ぬのですからね!」

 ディアブロはそう言って、マルクの懐に一瞬で踏み込んできて、そのサーベルをマルクの心臓に突き立てたのだ。

「「「「「マルクゥ!」」」」」

 シオン達は、ディアブロの踏み込みに反応できず大声をあげるしかなかった。
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