研磨職人!異世界に渡り、色んなものを磨き魔法スキルと合わせて、幸せに暮らす。

本条蒼依

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第1 章 自分だけの職業

18話 帰ってこない2人

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 今日の休日は、マミヤとルビーの二人で、ヒロトシに朝挨拶をしていた。お店が開店して、ずっと、このローテーションで休暇を交代制でしてきた。

「「ご主人様、今日はわたし達が休ませていただきます」」

「そうか。いつもご苦労様。これ小遣いだからゆっくりしておいで」

「「はい!」」

 この小遣いは、50ゴールドで安いと思われるが、そんな事は全然ない。屋台では平均4コールド程である。その為、50ゴールドもあれば休日を十分楽しめる。そして余ったお金は、ヒロトシに返還しなくてもよくて、自分のお金となるのだ。

「それじゃ、気を付けていってらっしゃい」

「「いってきます」」

 最初は、奴隷が休日などとかお小遣いなんてと言っていたが、やはり貰えると嬉しいので、二人は笑顔で町へと出て行くのだった。



 その頃、㋪を敵対視していたライバル店では、㋪の情報を手に入れようとやっきになっていた。奴隷達をさらう計画を立てていて、1週間の動きを探っていた。
風の日はアヤとサイファー
火の日はレイとリーファー
水の日はマミヤとルビー
闇の日はミルクとティア
光の日はユリアとルー
土の日はセバス
聖の日はマインとアイ
 このローテーションで、奴隷達が休んでいることが分かった。聖の日はお店が休日なのでヒロトシもこの日に休んでいた。

「ブルク、奴隷達はこんな感じで外に出ていることが分かったぜ」

「そうか!じゃあ、計画を実行してくれ!」

 ブルクと呼ばれた店主は、㋪一泡ふかす事が出来ると思い、ニターと不気味な笑みを浮かべた。

 ブルクに、雇われたごろつき達は、奴隷達の遊ぶコースも調べ上げていた。当然、行く場所は奴隷の立場なので限られてくるのだ。

 マミヤとルビーだけでなく他のメンバーも、町の中を散歩しているだけで、店の外から服を見ているだけだったが、想像の中でこの服を着れたらとか想像するだけでも楽しかったのだ。

 店の店主も、ヒロトシの奴隷を追っ払うような事はしなかった。それは、奴隷にしては華やかだったからだ。ボロボロの人間だったら他の客が寄り付かない為、普通は営業妨害なので追っ払うのだがする全然必要がないのだ。
 そればかりか、華やかな二人組が店の前にいて笑顔になってきゃっきゃしているだけで、他の女性客が店に入ってくるのである。店からしたら、奴隷だと分かっていたが追っ払う道理が無かった。

「あんな服が着れたらなぁ」
「ホントそうよね」
「ご主人様にお願いしたいけど……」
「わたし達は奴隷なのよ。お小遣いを貰っているだけでも恐れ多いのよ。そこを忘れちゃ駄目よ!」
 
 ルビーは、奴隷だが10歳になったばかりでまだ子供だった。

「分かってるけど……ご主人様は優しいし……」
「ルビー、ご主人様のやさしさを当たり前と思ったら駄目なのよ。わたし達は、ご主人様に購入されたのは幸運だっただけなのよ」
「幸運?」
「もし、ルビーが他の主人に購入されていた時の事を考えるの」
「それは嫌だぁ!」
「でも、本来はそれが奴隷の生活なのよ」
「そっか……わたし達は運が良かっただけなんだ」
「そう!だから、ご主人様の優しさを当たり前と思ったら不幸になるよ」
「うん。わかった!」

 ルビーは、マミヤの言った事を理解して笑顔となったのだった。そして、次のお店を見て回ったのだ。そして、マミヤとルビーは、その日姿を消したのだった。



 ヒロトシは、一日の仕事が終わりお風呂に入っていた。最初と違い、みんなで食事をとる前に、風呂に入るのが日課になっていた。

「はぁ~~~!やっぱ風呂は疲れが取れるなあ」

「旦那様、大変です!」

「どうかしたのか?」

「マミヤとルビーが帰ってきません……」

「なんだと⁉」

「いつもなら、5時には家に帰って来るのに……」
「「「「「ご主人様!どうしたら……」」」」」

「わぁ~!お前達は、男風呂に入って来るな」

「「「「「今はそんな事を言っている場合……」」」」」

「ご主人様って本当に大きわね……」
「「「「ホント……」」」」

「だあぁ~~~!お前達こそ何を言っている!早く出てけ!」

「「「「きゃあああああ!」」」」

 ヒロトシは、桶の水をぶっかけたのだった。メイド達はギリギリで逃げて、セバス一人が逃げる事が出来ずびしょ濡れになっていた。

「だ、旦那様……」

「セ……セバスごめん……」

「そんな事より、マミヤとルビーが!」

「大丈夫だ。すぐに向かいに行くから、お前達は留守番をしていてくれ」

「どこにいるかわかるのですか?」
「「「「「ご主人様!本当ですか?」」」」」

「もう!お前等は早く出ていけ。服が着れないだろ」

「「「「「は~い……」」」」」

「ったく、あいつ等は……」

「それで、旦那様二人はどこにいるか本当に分かるのですか?」

「お前達にあげたアクセサリーあっただろ?あれは発信機になっているんだよ」

「発信機ってなんですか?」

「俺のサーチの魔法に、反応する様になっているんだよ」

「サーチって、そんなに広い範囲が分かる訳では……」

「ああ……普通はな?俺の魔道スキルも、まだ1レベルだから半径10m程しか分からない」

「じゃあ、意味が無いでは……」

「それで、あのアクセサリーが役に立つんだよ」

 ヒロトシは、サーチを唱えると目の前に円形の受信盤みたいなものが拡がった。そして、10m以内には11個の光の点滅があり、これはセバス達という事が分かった。
 そして、受信盤の範囲外にない二つは表示はされないが、矢印だけが表示されていた。

「二人はこっちの方角にいるみたいだ」

「本当にわかるのですか?」

「ああ!大丈夫。お前達は絶対に、この敷地内から出たらダメだぞ?」

「ですが……」

「ひょっとしたら、時間も忘れて二人で話しているだけかもしれないだろ?」

「ですが、もう外は暗くなっているし……そんなはずは!」

「それに、攫われていたとしてもお前達では役に立たないだろ?ちゃんと留守番をしていろ!そっちの方が、俺としては安心できる」

「承知しました……」

 たしかに、セバス達に戦闘能力は皆無である。ヒロトシについて行っても、万が一の時は足手まといにしかならないのだ。
 そして、ヒロトシは服を着て家を飛び出したのだった。しかし、あれほど注意をしていたのに、マミヤとルビーは逃げれなかったのだろうかと、ヒロトシは疑問に思っていた。

 あのアクセサリーは、発信機とは別に【ブリング】の魔法が発動するマジカルアイテムだった。

 あのプレートには、バイブレーションという研磨がしてあった。その為、悪意のある人間に捕まった場合、体が複数体に分身して逃げる事が出来るはずなのである。
 ヒロトシは、無事でいてくれと思い、発信している方に向かって走ったのだった。

 
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