研磨職人!異世界に渡り、色んなものを磨き魔法スキルと合わせて、幸せに暮らす。

本条蒼依

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第6章 研磨という職

52話 ミトンの町の大聖堂

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 ヒロトシは、教会のイメージを一新させる為、聖堂を研磨技術で大陸にはない唯一無二の大聖堂を作り上げようとしていた。

「主?ここはこんな感じでいいのか?」

「ああ。大丈夫だ」

 ガイン達は、ヒロトシの計画を見て、その指示の元従って動いた。
 女神神像は、パーツに分けて鋳型をとり、それを磨きあげた。それを現場に持っていき組み立てるのだ。
 そして、聖堂の壁や柱には装飾品をかざりつけ、
中には金鉱石から金を抽出し、それで作った装飾品もあった。 
 しかし、金や銀はあまり多くせず嫌みのないようにした。そして、女神神像にはカイワームの絹糸を使ったケープを女神神像に着せる事でより美しく輝き、見惚れるものとなった。
 女神神像の美しさを引き立てたのは、研磨技術やケープだけではなかった。

 ジュエリーの存在だった。ヒロトシの宝石研磨でより輝きを増したジュエリーが、女神神像を引き立てたのは言うまでもなかった。
 そして、ヒロトシが教会を手に入れて改装をして一年の月日が経った。

 教会には、聖職者がいてミトンの町の名所が出来上がっていた。この、ミトンの町の大聖堂は豪華絢爛で他の町からもお祈りに来るほどの名所となったのだ。
 そして、教会が出来上がった時、教会が光輝き女神神像に、女神ミレーヌがスッと入っていくのをお祈りに来た人間が何人も目撃した。

「ヒロトシ様ありがとう」

 教会に女神ミレーヌの声が優しく響き、信者の人達は女神ミレーヌの声が聞こえ涙を流し歓喜に震えた。

「ヒロトシ君、凄いプロジェクトを成功させてくれてありがとう」

「なんとか一年で完成できて良かったです」

「気になったのだが、あの聖職者達は?」

「ああ。あの人達は元冒険者ですよ。冒険者を引退した人達で、この教会の管理を任せました」

「なるほど」

「皆も引退して、前の教会に通っていた人達ばかりで、改装した教会を見てすぐに承諾してくれましたよ」

「まぁ、この教会を見たら断る人間はいないだろうな」

「自分で言うのもなんですが、いいものが出来たと思います」

「あっ、それと話は変わるが国王様に礼を言っておくのだぞ」

「わかってますよ」

「しかし、大事にならなくて良かったと思うよ。聖教国が王族の君に迷惑かけたのが分かっていたから渋々だが引いてくれたからな」

「いえいえ、聖教国は渋々引いたように見せてますが、そういう風に見せただけですよ」

「何でそう言える?」

「当たり前じゃあないですか。神の教えをひろめる場所を失うのですよ?そんな事聖教国が普通認めませんよ」

「しかし、先日一年かけて聖教国の使者が王都にようやく着いて承諾したと聞くぞ」

「それは形だけですよ。使者の人間は最初から答えは決まっていたんですよ」

「・・・・・・わからんな。ヒロトシ君は何を知っているんだ?」

「ローベルグ様にも感謝してますよ。聖教国と交渉してもらい、ミトンの町から聖教国の教会を排除出来たのですからね」

「だったら国王様のおかげではないか?」

「迷惑をかけたと言っても、他国の人間に聖教国の本筋である布教活動を邪魔をされるのですよ?普通ならこの決定を使者が承諾するはずはないです」

「そう言われれば、確かにそうだな。では、何で聖教国はそんなあっさり王国の意見を飲んだのだ?」

「聖教国の布教の元から、王国の意見を聞くようにと指示が出たからですよ」

「はっ?」

 シルフォードはヒロトシの言葉に目が点になっていた。

「つまりですね。女神ミレーヌ様が、今回の事は聖教国が悪いと言い、王国の意見を聞くようにと指示したという事です」

「まさか!ヒロトシ君が?」

「まぁそういう事です」

「そんな事があり得るのか?」

「その代わりミトンの町で教会を信じられなくなった信者のフォローをたのまれましたけどね」

「な、なるほど・・・・・・」

「しかし、ローベルグ様の交渉がなければ、ここまでスムーズに聖教国は承諾してませんでしたよ」

「そうだよな。これも国王様のおかげでもあるのだから、礼を言っておいた方がいい」

「まぁ、ローベルグ様も今回聖教国と交渉してくれる条件を俺に出してきましたけどね」

「はぁあ?君はどこまで今回の事を根回ししていたのかね?」

「全部ですよ。じゃないと、王国と聖教国が戦争になったら大変です。まぁ、戦争になっても聖教国が瞬時に滅びることになりますが!」

「女神様にお願い出来る君に、聖教国が戦争を吹っ掛けるとは思わんがな・・・・・・」

「まぁそういう事です」

「じゃあ国王様は、ヒロトシ君にどのような条件をだしたんだ?」

「そんな事決まっているじゃないですか?王都の土地の復活です」

「馬鹿な!そんな事をすれば、ミトンの町はまた、枯渇した土地に戻ってしまうではないか?」

「確かにそうですね」

「何を他人事のように!」

 シルフォードは、ヒロトシの言葉に詰め寄った。

「まぁまぁ、落ち着いて下さいよ」

「これが落ち着ける訳なかろうが!」

「いいですか?ミトンの町は発展したと言っても、王都よりまだまだ人口は少ない町ですよ」

「それはそうだが・・・・・・」

「ビアンカが、王都に出張をしたところでそう簡単に、ミトンの土地は枯渇しませんよ。それに、毎日王都の2号店に手伝いにいく訳じゃないんですよ」

「なるほど!ヒロトシ君の考えはバランスを取ると言うわけか」

「そう言う事です。ビアンカもこの一年王都の改革を見て、貴族達の賄賂の取り締まりを好意的に感じて、貴族の都合じゃないと思ってますよ」

「ほう!あの幸運の龍が国王様を認めたと?」

「まぁ、ビアンカが王都に戻って、貴族がまた調子に乗り始めたらどうなるかわかりませんけどね」

 それを聞いて、ビアンカは国王じゃなく、人間を認めたとかではなく、ヒロトシのお願いを聞いたに過ぎないと思い冷や汗が流れたのだった。

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