研磨職人!異世界に渡り、色んなものを磨き魔法スキルと合わせて、幸せに暮らす。

本条蒼依

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第7章 新たな進化

19話 薬草問屋を追い詰める

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 聖女ハンナは、夜のお祈りをシュガーの村で行っていた。ここ、シュガーの村でも朝昼晩1日3回のお祈りを欠かしていなかった。
 そして、ハンナが3日目の夜の事かすかに、女神ミレーヌの声が聞こえ始めた。

「ハン・・・・・・ナ。ハ・・・・・・」

「えっ?ま、まさか女神様から啓示が?」

「ハンナ。聞こえますか?」

「女神様ですか?」

「はい。良かったです。本当に良かった!ヒロトシ様にお願いして救ってもらいました」

「では、ヒロトシさんが言っていた事は本当の事だったのですか?」

「はい。そうですよ。私がヒロトシ様に依頼して、ハンナを助けていただきました。貴女にはこれからは、聖教国を守っていただきたいのです」

「わたくしが?」

「その為には、自分勝手な権力者には引退してもらいますが、それはヒロトシ様に任せましょう。今は体調を元に戻してください」 

 その頃、聖教国では聖女がいなくなったと、教会本部は大騒ぎになっていた。教皇の指示で神官達が聖女を捜していた。

「教会では聖女がいなくなったと大騒ぎみたいね」
「ティア、そんな事いったら駄目だよ」
「だけど、キャシー。今や教会はズタボロよ。今やこの店が教会の代わりを担っているじゃない?」
「それはそうだけど、これからどうなるか不安になるわ」

 ティアは、主であるヒロトシに任せておけば何の問題はないと思っていた。キャシーは、まだヒロトシに買われて日が浅い人間だったので、やはり聖教国に楯突いている事でそわそわしていたのだ。

「それに、もうすぐマーガレットが率いる薬師達もこの店にやって来るしね。風邪薬や腹痛の薬も売ることになるわ」

 そうなれば、ヒロトシの名声はここ聖教国でも上がる事になる。事実、今では冒険者達から絶大な信用を勝ち取っていた。
 余談ではあるが、ヒロトシは王都でひ美研2号店を開店していた。アンシーンサーバントに研磨スキルを付与しても何の問題がなかった為、王都でも開店できると判断したのだった。

「ご主人様は本当にすごいですね」

 ティアとキャシーは、裏の倉庫で教会本部の事を話していた。その頃、ヒロトシは薬草問屋に顔を出していた。

「ごめんください」

「いらっしゃいませ。薬草のご入り用ですか?」

 久しぶりの客に、満面の笑顔で対応してきた受付嬢達だった。

「いや、俺はヒロトシと言います」

「ヒロトシ様どこかで聞いたよう・・・・・・な感じ、あっ貴方は商売敵のポーション屋!」

「はい!初めまして」

「何をしにきたのですか!貴方のせいでうちは!」

「俺のせい?あなた達の店があくどい商売をしてたからでしょ?俺の店はボッタクリをしてないからお客様に支持されたんだよ」

「くっ・・・・・・口が減らないわね。それであなたが何をしにきたのですか!」

「本格的に、この薬草問屋を潰しにきたんだよ」

「なっ!」

「今まで、ギルドに無茶な要求してきたんだろ?」

「無茶な要求?聖教国の相場を要求しただけです」

「それで今までは通ってたが、これからはあんた達が叩かれる番だよ。薬草もちゃんとした物を用意しないと買い取って貰えないから覚悟しなよ」

「なんであんたがそんな事を言いに来るのよ?」

「今、あんた達の薬草の卸し先は生産ギルドだけだろ?」

「あんたには関係ないでしょ?」

「いやぁ、それが大有りなんだ。俺は聖教国の上層部と繋がっているこの薬草問屋を潰すつもりだからね」

「何を言って・・・・・・」

「とりあえず、ここの従業員は今のうちに退職したほうがいいよ」

「ば、馬鹿な事を!」

「一応、俺の優しさだからね。巻き込まれて奴隷に落ちてもしらないよ」

「何を言って!」

「一応、忠告はしたからよろしく」

 ヒロトシは、スティーブの薬草問屋に忠告をしに来ただけだった。スティーブの薬草問屋で働く従業員には退職をさせたかったからだ。
 受付嬢達は、スティーブが店に帰って来るとすぐに報告をした。

「なんだと!ヒロトシが店に来ただと?」

「はい。それで旦那様の薬草問屋を潰すつもりだから、従業員は退職しろと・・・・・・」

「馬鹿な!それで従業員達は?」

「皆、不安にかられ従業員同士で話し合いを」

「なんだと!退職者は認めん!退職願いは受けとらんからそのつもりで、従業員全員に言っておけ!」

「承知いたしました」

 その日のうちに、薬草問屋の従業員に退職は認めないという、とんでもない事が実行された。
 この後、ヒロトシが言った通り、生産ギルドは薬草問屋の薬草の買い取りを拒否したのだ。

「何故買い取りをしてくれないのですか?」

「この薬草は高すぎるからだよ。屑薬草にこの値段は払えんよ」

「だったらいくらで?」

「そうですね。一株5ゴールド、いや4ゴールドだな」

「馬鹿な!それじゃ赤字になる」

「そう言われましても、この屑草でポーションを作っても粗悪品にしかできません」

「だが、ギルドも薬草は必要ではないのか?」

「いえ、もうあなたの所から購入しなくともよくなりましたから大丈夫です」

「ま、まさか・・・・・・」

「はい、そのまさかです。もし、ギルドにその粗悪品を買い取ってほしいのであれば、一株4ゴールドなら買い取ってあげましょう」

 完全に今までと立場が逆転した瞬間だった。
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