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第1章 レアスキルは偉大
48話 商人ギルドが大混乱
この出来事はマートンの町で噂が飛び交ったのだった。
「聞いたか?」
「あ~聞いた聞いた!アーノルドが就任した翌日に、職員全員が退職届を叩きつけたらしいぜ」
「商人ギルドってそんなやつをギルドマスターに任命したのか?」
「よほどカリスマの無い人物だったんだな」
「しかし、後、1週間で他の町から人員を呼び寄せるらしいぜ」
「そうなると、辞表を叩きつけた職員が愚かな行為をしたのか?」
「さぁな。こればかりは商人ギルドの内情だから、俺達には分からんのが正直な感想だな」
「だが、マートン支部の商人ギルドはこれから大変になるだろうがな」
「確かに・・・」
町中で商人ギルドの噂が飛び交うのだった。しかし、商人ギルドの上層部ではあまり気にするそぶりはなかった。
「お前達は私達にしてやったりと思っているようだが残念だったな」
「どういう意味ですか?」
「お前達は辞める事で私達に自分達が商人ギルドで必要な存在だと証明したかっただろ?お生憎様だったな」
「私達はもう商人ギルドになんの未練もありません。なんなら2週間を待たずして辞めたいぐらいです」
「後、1週間もすれば他の町から人員が派遣されてくるだろう。さすれば、ライネ!お前を筆頭に全員の首をきってやるから覚悟していろ」
「そうですか。なら、私達全員は後1週間で辞めさせて頂きます」
ライネがそういうと、他の職員全員が歓声を上げたのだった。その様子を見て、ギルドマスターのアーノルドは苦虫を噛み潰したような顔をするのだった。
そして、その頃一足先に商人ギルドを退職したダインは、ショウの私有地の応接室に訪問する。
「いやぁ~。この度は本当にありがとうございました」
「いえいえ。俺はまだ何もしていませんよ」
「そんな事はないですよ。魔道士様のおかげで私は冒険者ギルドに就職できたのですから。そして、私の部下達も次の就職先を斡旋していただき本当にありがとうございます」
ダインは、応接室に入ると同時に深々と頭を下げたのだった。
「いえいえ、俺が冒険者ギルドや生産ギルドに口添えしなくとも、貴方達の頑張りは他のギルドで評価されていたからこそ就職できたんですよ」
「そう言っていただけて本当に嬉しいです。しかし、魔道士様がこのような事を考えていただなんてわかりませんでしたよ」
「どうせ、商人ギルドの役員の考えは部下達の手柄を横取りしたり、利益の中抜きで甘い汁を吸う事だからな。こうなる事は容易に想像がつくよ」
「最初、魔道士様が王都グシリアの冒険者ギルドに新作のポーションを行商人に持たせた時は、商人ギルド内では反対運動が起きましたからね」
「まぁ、事情が分からないとまた、ラーダにポーションを横取りされると思うからな。あのポーションはラーダへの餌だからみごとにかかってよかったよ」
最初、マートンから王都グシリアの冒険者ギルドにストレングスポーションとプロテクションポーションを流通させたのは、マートンを拠点に行商しているダインと仲の良い商人だ。商人達もまた、商人ギルドの上層部の人間には辟易としていて今回の事は嬉々として協力してくれたのだった。
「後、2週間もしたらアーノルド達に絶望をみさせてやるよ」
「はい!あの契約書を見たらどんな事になるか・・・商人ギルドは今より大混乱に陥りますからね」
ダインとショウは、応接室で悪代官と悪徳商人のような悪い笑みを浮かべていた。そして、1週間が過ぎたある日、商人ギルドマートン支部には、本部の辞令で派遣された職員達でホールは混雑していた。
「やっと貴方達が、ここマートン支部にやって来てくれて本当によかった。これから、ここの業務を手伝ってください」
アーノルドが、他の町から派遣された職員に笑顔で歓迎するが、派遣された職員の顔には生気がなくどことなく諦めの顔だった。
なんで俺達(私達)がマートン支部に派遣されないといけないんだよ(のよ)・・・だけど、辞令に逆らえばギルドを辞めさせられるのは困るし・・・
やはり、他の町から派遣された職員達は半ば無理やり選出された職員ばかりだったのだ。
「やる事は、元いたギルドと同じ業務だから問題はないかと思うが、これからはここマートンで頑張ってくれ」
「「「「「「「はい・・・」」」」」」」
「では、解散!」
アーノルドが号令を掛けると、派遣された職員達は諦めた様子で自分達の持ち場につく。そして、アーノルド達上層部の人間達は、元マートン支部の職員達に向き合う。
「本日を持ってお前達の退職を認める!これを持って何処となりと去り野垂れ死ぬがいい!これから先、商人ギルドに戻れると思うなよ!」
ライネ達は、アーノルド達上層部の人間を憎しみのような目で睨みつけ、僅かな退職金を受け取り商人ギルドを後にしたのだった。そして、退職金を受け取った元商人ギルド職員達は、冒険者ギルドの酒場に集まり大宴会を始めたのだった。その宴会はダインが企画したようで、大宴会は商人ギルドの愚痴やこれから起こる事で盛り上がったのだった。
そして、今回退職をした人間全て次の職場は決定されており、ライネは冒険者ギルドに決まっておりまたダインと同じ職場となっていた。他の職員達も冒険者ギルドに就職が決まっている者や、生産ギルドに就職が決まっている者もいた。また、その他にはマートンの町で飲食店で開いているオーナーの元で働く者もいた。これらも、マートンの町で日頃コミュニケーションをしていたショウの紹介で決まったものである。
ショウは、冒険者ギルドに寄る日は必ずマートンの町を見て回る。その時に、屋台で大量に肉串や野菜果物を大量に買い込み孤児院に寄付していた。また、町にはゴロツキもいて治安はあまり良くない為、アユミもその対処に貢献していたのだった。また、ショウはゴブリンの集落を潰したとしてマートンの町の人間から慕われており、ショウの紹介ならと快く職員の就職先として受け入れてくれたのだ。
そして、1週間後マートン支部に元職員ライネ達が居なくなった商人ギルドでは派遣された職員達が通常通り働けるようになっていた。
「そろそろ、新しくポーションが届くはずだな?」
「ですな!あのポーションでどれだけの利益が出るか楽しみだ!」
ギルドマスターの部屋では、アーノルドとギルド幹部達がいやらしい笑みをみせていた。その時、ギルド職員が慌てた様子で部屋にノックをして入室してきた。
「ギルドマスター。大変です!」
「なんだ騒々しい!何があった?」
「あの!あの!そ、それが・・・その!」
「ちょっとは落ち着かんか!」
アーノルドは自分の秘書を落ち着かせるのだった。
「す、すいません・・・今、魔道士様がきているのですが」
「やっとストレングスポーションとプロテクションポーションを売りにきたのか?」
「そ、それが・・・もうポーションは売らないとおっしゃって帰ってしまわれました」
「「「「「「な、なんだと!」」」」」」
「いったいどういう事だ?それで魔道士様はどうした?」
「今、受付嬢が引き止めて説得しています」
それを聞いたアーノルドと幹部達は慌ててギルドホールに向かった。すると、そこにはショウとアユミが受付嬢に手を引っ張ってギルドから出れないようにしていた。
「魔道士様!話は聞きました。どうか考え直して下さい!」
「貴方が新しく派遣されたギルドマスターか?」
「は、はい!アーノルドといいます。今後もお見知り置き下さい」
「ああ・・・俺は今の商人ギルドマートン支部と付き合うつもりはないから覚えておいてくれよ」
「な、何を言うのですか!」
「あんた達がいきなりダインさんをクビにしたらしいな」
「それはアヤツが退職届をだしたのです」
「あんた達上層部に原因があったらしいじゃないか?それに職員も全員追い出し自分の事ばかりで考えてんじゃねぇよ」
「職員も全員アヤツ等が退職届をだしたのです」
「それはダインを追い出したから、あんた達にはついていけないからだろ?」
「ううっ・・・」
「それに、あんた達は俺の損害賠償金をマートン支部の職員に丸投げしたじゃないか。それなのに、おいしい金のなる木が生えた途端マートン支部の職員を追い出し、自分達がマートン支部を乗っ取るなんて馬鹿にしすぎじゃないのか?」
「しかし・・・商人ギルドに新しいポーションを卸せば損害賠償金もすぐに用意できるかと・・・」
「俺は、自分の損害賠償金を押しつけられても真摯に捉え、一割だったが金をかき集めたダインさんを信頼したから、マートン支部に新しいポーションを買い取って貰ったんだ!」
「それでも、そのポーションを商人ギルドに任せて貰えれは早く損害賠償金を支払う・・・」
「あんた達は信用出来ないから買い取ってもらわなくても結構だ!新しいポーションは直接冒険者ギルドに買い取ってもらってもいいからな」
「ちょっと待って下さい!そんな事をされれば、我々商人ギルドは・・・」
「俺には関係のない事だ!だが、損害賠償金はちゃんと払えよ。聞いたところ、ダインさんが言うにはあんた達が元職員を追い出した時に、ギルド本部が責任を持って支払うと言ったらしいな」
「ぐっ・・・」
「もし、支払いが滞るような事があれば、契約書通り損害賠償金は2倍になるからな」
「はぁあ!?ちょっと、ちょっと待って下さい!損害賠償金が2倍なんて聞いていません!」
「そんな事知らないよ。俺はダインさんの誠実な態度で損害賠償金の期限を六ヶ月延ばしたんだ。半年で損害賠償金の半額五億ゴルドを支払うと言う条件をつけてな。もし、払えなければ全額徴収させてもらう!」
「ば、馬鹿な!」
ショウは、ダインやライネの人柄を信じて新しいポーションを商人ギルドマートン支部に買い取ってもらい、それをマートン支部の特産として王都グシリアの冒険者ギルドに卸す事にしていたのだ。そうすれば、プレミア価格で高額で売れ損害賠償金は支払える計画だったのだ。
「契約書のファイルを取ってくるんだ!」
アーノルドは秘書の女性に、契約書の棚から持ってくるように命令をする。秘書の女性はアーノルドの怒鳴り声に震えながらも契約書のファイルを取ってきた。
「こ、これでしょうか?」
「早く貸せ!」
アーノルドは秘書の女性から奪い取るようにファイルを取った。そこには、本当にショウが商人ギルドマートン支部の損害賠償金を半年後に延ばすという契約が結ばれており、5億ゴルドの支払いが滞るような事があれば、10億ゴルドの一括返済。また、追加賠償として更に10億ゴルドの支払うと表記されていたのだ。
「ちょっ、ちょっと待って下さい!私はこんな契約は知りませんでした」
「だが、俺の損害賠償の件は商人ギルド本部が責任を持って支払うと、ラーダ本人が決定事項としたらしいじゃないか。それに、お前もダインさんにちゃんと責任を持って支払うと宣言したんだろ?」
「そ、それは・・・」
アーノルドはショウの言葉に黙り込むが思い出したようにショウに反論する。
「だったら、魔道士様は商人ギルドに新しいポーションを売って貰わないと困ります!」
「なんで俺が?」
「当たり前です!この返済は魔道士様のポーションがあって成り立つものです」
「いやいや!俺はダインさんや元職員さん達の真摯な態度で対応したからこそ、損害賠償金の期限を延ばしただけだ。そして、ストレングス・プロテクションポーションはその真摯な態度に信用をして、元職員が在籍していた商人ギルドに買い取りをお願いしただけだ。これからずっとこれらのポーションを卸す契約は結んでない!」
「そんな・・・」
「ラーダは俺の損害賠償を払えないから、マートン支部に押し付けて逃げただけ、そんなお前等は新しいポーションを食い物にしようとマートン支部を乗っ取っただけの寄生虫だ」
「き、貴様ぁ!我々を寄生虫だと!」
「そんな真摯のかけらもない人間を信用しろというのが無理と言うものだろ?」
「ぐぬぬ・・・」
ショウは、損害賠償金の件は商人ギルドが責任を持って支払うようにと釘を差した。そして、もし払えない時はラーダやギルド上層部を奴隷になってもらっても支払ってもらうと言って家に帰るのだった。
「聞いたか?」
「あ~聞いた聞いた!アーノルドが就任した翌日に、職員全員が退職届を叩きつけたらしいぜ」
「商人ギルドってそんなやつをギルドマスターに任命したのか?」
「よほどカリスマの無い人物だったんだな」
「しかし、後、1週間で他の町から人員を呼び寄せるらしいぜ」
「そうなると、辞表を叩きつけた職員が愚かな行為をしたのか?」
「さぁな。こればかりは商人ギルドの内情だから、俺達には分からんのが正直な感想だな」
「だが、マートン支部の商人ギルドはこれから大変になるだろうがな」
「確かに・・・」
町中で商人ギルドの噂が飛び交うのだった。しかし、商人ギルドの上層部ではあまり気にするそぶりはなかった。
「お前達は私達にしてやったりと思っているようだが残念だったな」
「どういう意味ですか?」
「お前達は辞める事で私達に自分達が商人ギルドで必要な存在だと証明したかっただろ?お生憎様だったな」
「私達はもう商人ギルドになんの未練もありません。なんなら2週間を待たずして辞めたいぐらいです」
「後、1週間もすれば他の町から人員が派遣されてくるだろう。さすれば、ライネ!お前を筆頭に全員の首をきってやるから覚悟していろ」
「そうですか。なら、私達全員は後1週間で辞めさせて頂きます」
ライネがそういうと、他の職員全員が歓声を上げたのだった。その様子を見て、ギルドマスターのアーノルドは苦虫を噛み潰したような顔をするのだった。
そして、その頃一足先に商人ギルドを退職したダインは、ショウの私有地の応接室に訪問する。
「いやぁ~。この度は本当にありがとうございました」
「いえいえ。俺はまだ何もしていませんよ」
「そんな事はないですよ。魔道士様のおかげで私は冒険者ギルドに就職できたのですから。そして、私の部下達も次の就職先を斡旋していただき本当にありがとうございます」
ダインは、応接室に入ると同時に深々と頭を下げたのだった。
「いえいえ、俺が冒険者ギルドや生産ギルドに口添えしなくとも、貴方達の頑張りは他のギルドで評価されていたからこそ就職できたんですよ」
「そう言っていただけて本当に嬉しいです。しかし、魔道士様がこのような事を考えていただなんてわかりませんでしたよ」
「どうせ、商人ギルドの役員の考えは部下達の手柄を横取りしたり、利益の中抜きで甘い汁を吸う事だからな。こうなる事は容易に想像がつくよ」
「最初、魔道士様が王都グシリアの冒険者ギルドに新作のポーションを行商人に持たせた時は、商人ギルド内では反対運動が起きましたからね」
「まぁ、事情が分からないとまた、ラーダにポーションを横取りされると思うからな。あのポーションはラーダへの餌だからみごとにかかってよかったよ」
最初、マートンから王都グシリアの冒険者ギルドにストレングスポーションとプロテクションポーションを流通させたのは、マートンを拠点に行商しているダインと仲の良い商人だ。商人達もまた、商人ギルドの上層部の人間には辟易としていて今回の事は嬉々として協力してくれたのだった。
「後、2週間もしたらアーノルド達に絶望をみさせてやるよ」
「はい!あの契約書を見たらどんな事になるか・・・商人ギルドは今より大混乱に陥りますからね」
ダインとショウは、応接室で悪代官と悪徳商人のような悪い笑みを浮かべていた。そして、1週間が過ぎたある日、商人ギルドマートン支部には、本部の辞令で派遣された職員達でホールは混雑していた。
「やっと貴方達が、ここマートン支部にやって来てくれて本当によかった。これから、ここの業務を手伝ってください」
アーノルドが、他の町から派遣された職員に笑顔で歓迎するが、派遣された職員の顔には生気がなくどことなく諦めの顔だった。
なんで俺達(私達)がマートン支部に派遣されないといけないんだよ(のよ)・・・だけど、辞令に逆らえばギルドを辞めさせられるのは困るし・・・
やはり、他の町から派遣された職員達は半ば無理やり選出された職員ばかりだったのだ。
「やる事は、元いたギルドと同じ業務だから問題はないかと思うが、これからはここマートンで頑張ってくれ」
「「「「「「「はい・・・」」」」」」」
「では、解散!」
アーノルドが号令を掛けると、派遣された職員達は諦めた様子で自分達の持ち場につく。そして、アーノルド達上層部の人間達は、元マートン支部の職員達に向き合う。
「本日を持ってお前達の退職を認める!これを持って何処となりと去り野垂れ死ぬがいい!これから先、商人ギルドに戻れると思うなよ!」
ライネ達は、アーノルド達上層部の人間を憎しみのような目で睨みつけ、僅かな退職金を受け取り商人ギルドを後にしたのだった。そして、退職金を受け取った元商人ギルド職員達は、冒険者ギルドの酒場に集まり大宴会を始めたのだった。その宴会はダインが企画したようで、大宴会は商人ギルドの愚痴やこれから起こる事で盛り上がったのだった。
そして、今回退職をした人間全て次の職場は決定されており、ライネは冒険者ギルドに決まっておりまたダインと同じ職場となっていた。他の職員達も冒険者ギルドに就職が決まっている者や、生産ギルドに就職が決まっている者もいた。また、その他にはマートンの町で飲食店で開いているオーナーの元で働く者もいた。これらも、マートンの町で日頃コミュニケーションをしていたショウの紹介で決まったものである。
ショウは、冒険者ギルドに寄る日は必ずマートンの町を見て回る。その時に、屋台で大量に肉串や野菜果物を大量に買い込み孤児院に寄付していた。また、町にはゴロツキもいて治安はあまり良くない為、アユミもその対処に貢献していたのだった。また、ショウはゴブリンの集落を潰したとしてマートンの町の人間から慕われており、ショウの紹介ならと快く職員の就職先として受け入れてくれたのだ。
そして、1週間後マートン支部に元職員ライネ達が居なくなった商人ギルドでは派遣された職員達が通常通り働けるようになっていた。
「そろそろ、新しくポーションが届くはずだな?」
「ですな!あのポーションでどれだけの利益が出るか楽しみだ!」
ギルドマスターの部屋では、アーノルドとギルド幹部達がいやらしい笑みをみせていた。その時、ギルド職員が慌てた様子で部屋にノックをして入室してきた。
「ギルドマスター。大変です!」
「なんだ騒々しい!何があった?」
「あの!あの!そ、それが・・・その!」
「ちょっとは落ち着かんか!」
アーノルドは自分の秘書を落ち着かせるのだった。
「す、すいません・・・今、魔道士様がきているのですが」
「やっとストレングスポーションとプロテクションポーションを売りにきたのか?」
「そ、それが・・・もうポーションは売らないとおっしゃって帰ってしまわれました」
「「「「「「な、なんだと!」」」」」」
「いったいどういう事だ?それで魔道士様はどうした?」
「今、受付嬢が引き止めて説得しています」
それを聞いたアーノルドと幹部達は慌ててギルドホールに向かった。すると、そこにはショウとアユミが受付嬢に手を引っ張ってギルドから出れないようにしていた。
「魔道士様!話は聞きました。どうか考え直して下さい!」
「貴方が新しく派遣されたギルドマスターか?」
「は、はい!アーノルドといいます。今後もお見知り置き下さい」
「ああ・・・俺は今の商人ギルドマートン支部と付き合うつもりはないから覚えておいてくれよ」
「な、何を言うのですか!」
「あんた達がいきなりダインさんをクビにしたらしいな」
「それはアヤツが退職届をだしたのです」
「あんた達上層部に原因があったらしいじゃないか?それに職員も全員追い出し自分の事ばかりで考えてんじゃねぇよ」
「職員も全員アヤツ等が退職届をだしたのです」
「それはダインを追い出したから、あんた達にはついていけないからだろ?」
「ううっ・・・」
「それに、あんた達は俺の損害賠償金をマートン支部の職員に丸投げしたじゃないか。それなのに、おいしい金のなる木が生えた途端マートン支部の職員を追い出し、自分達がマートン支部を乗っ取るなんて馬鹿にしすぎじゃないのか?」
「しかし・・・商人ギルドに新しいポーションを卸せば損害賠償金もすぐに用意できるかと・・・」
「俺は、自分の損害賠償金を押しつけられても真摯に捉え、一割だったが金をかき集めたダインさんを信頼したから、マートン支部に新しいポーションを買い取って貰ったんだ!」
「それでも、そのポーションを商人ギルドに任せて貰えれは早く損害賠償金を支払う・・・」
「あんた達は信用出来ないから買い取ってもらわなくても結構だ!新しいポーションは直接冒険者ギルドに買い取ってもらってもいいからな」
「ちょっと待って下さい!そんな事をされれば、我々商人ギルドは・・・」
「俺には関係のない事だ!だが、損害賠償金はちゃんと払えよ。聞いたところ、ダインさんが言うにはあんた達が元職員を追い出した時に、ギルド本部が責任を持って支払うと言ったらしいな」
「ぐっ・・・」
「もし、支払いが滞るような事があれば、契約書通り損害賠償金は2倍になるからな」
「はぁあ!?ちょっと、ちょっと待って下さい!損害賠償金が2倍なんて聞いていません!」
「そんな事知らないよ。俺はダインさんの誠実な態度で損害賠償金の期限を六ヶ月延ばしたんだ。半年で損害賠償金の半額五億ゴルドを支払うと言う条件をつけてな。もし、払えなければ全額徴収させてもらう!」
「ば、馬鹿な!」
ショウは、ダインやライネの人柄を信じて新しいポーションを商人ギルドマートン支部に買い取ってもらい、それをマートン支部の特産として王都グシリアの冒険者ギルドに卸す事にしていたのだ。そうすれば、プレミア価格で高額で売れ損害賠償金は支払える計画だったのだ。
「契約書のファイルを取ってくるんだ!」
アーノルドは秘書の女性に、契約書の棚から持ってくるように命令をする。秘書の女性はアーノルドの怒鳴り声に震えながらも契約書のファイルを取ってきた。
「こ、これでしょうか?」
「早く貸せ!」
アーノルドは秘書の女性から奪い取るようにファイルを取った。そこには、本当にショウが商人ギルドマートン支部の損害賠償金を半年後に延ばすという契約が結ばれており、5億ゴルドの支払いが滞るような事があれば、10億ゴルドの一括返済。また、追加賠償として更に10億ゴルドの支払うと表記されていたのだ。
「ちょっ、ちょっと待って下さい!私はこんな契約は知りませんでした」
「だが、俺の損害賠償の件は商人ギルド本部が責任を持って支払うと、ラーダ本人が決定事項としたらしいじゃないか。それに、お前もダインさんにちゃんと責任を持って支払うと宣言したんだろ?」
「そ、それは・・・」
アーノルドはショウの言葉に黙り込むが思い出したようにショウに反論する。
「だったら、魔道士様は商人ギルドに新しいポーションを売って貰わないと困ります!」
「なんで俺が?」
「当たり前です!この返済は魔道士様のポーションがあって成り立つものです」
「いやいや!俺はダインさんや元職員さん達の真摯な態度で対応したからこそ、損害賠償金の期限を延ばしただけだ。そして、ストレングス・プロテクションポーションはその真摯な態度に信用をして、元職員が在籍していた商人ギルドに買い取りをお願いしただけだ。これからずっとこれらのポーションを卸す契約は結んでない!」
「そんな・・・」
「ラーダは俺の損害賠償を払えないから、マートン支部に押し付けて逃げただけ、そんなお前等は新しいポーションを食い物にしようとマートン支部を乗っ取っただけの寄生虫だ」
「き、貴様ぁ!我々を寄生虫だと!」
「そんな真摯のかけらもない人間を信用しろというのが無理と言うものだろ?」
「ぐぬぬ・・・」
ショウは、損害賠償金の件は商人ギルドが責任を持って支払うようにと釘を差した。そして、もし払えない時はラーダやギルド上層部を奴隷になってもらっても支払ってもらうと言って家に帰るのだった。
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これは異世界に転移したことのある出戻り転生者の物語である。
* あくまでもフィクションであり、登場人物や時代背景は史実とは異なります。
** 史実に出て来る人物又は良く似た名前の人物若しくは団体名が登場する場合もありますが、広い心で御容赦願います。
*** 週1(土曜午後9時)の投稿を予定しています。
@ 「小説家になろう」様にも投稿しています。