氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

文字の大きさ
124 / 150
第3章 新たな覚醒

20話 海賊王ハワード

しおりを挟む
 ショウ達はどんどん7階層を攻略していき、ボス部屋の前に来ていた。

「ショウ、当然ボスを攻略するんだよね?」
「ここで引き返すつもりはない!」
「そうこなくちゃ!」
「ただし、このボスは推定レベルは80に近い。アユミ、油断は絶対にするなよ」
「わかってるわよ。みんなも気合入れていくわよ!」
「「「「「「「「「おお~~~!」」」」」」」」」

 アユミ達は気合入れて、7階層のボス部屋の扉を蹴破る。中に入ったアユミ達の前には海賊の姿の人影があった。しかし、その姿は人間ではなく骸骨でアンデッドモンスターみたいだ。

「ショウ!あれはいったいなんだ?」
「あれは【海賊王ハワード】というみたいだ。ネーム持ちみたいだな」
『我に殺されし者!よくぞ参った。己の力を我に示すがよい!』
「アンデッドが何を生意気な!」

 海賊王ハワードの言葉にアスカが言い返し、そのまま海賊王ハワードに突進する。

「食らいやがれ。ブレードラッシュ!」

 アスカは一瞬で、海賊王ハワードとの距離を詰め、薙ぎ払うように大剣を滑らせた。しかし、海賊王ハワードの背中には宙に浮かぶ10本のサーベルがあり、その10本のサーベルがガードをしたのだった。

「何っ!?」
『クカカカカ!そのような力技の剣技など、我には通じぬ!』

 そして、その10本のサーベルは海賊王ハワードを守るようにそれぞれが自由に動き回る。

「ぐっ!」

 その10本の内1本がアスカに反撃し、アスカは後方に吹き飛ばされた。

「アスカ!」

 ショウはとっさにアスカの名前をよび心配するが杞憂に終わった。吹き飛ばされたアスカは身体をひねり、壁への激突を防いだ。

「何だあのサーベルは……」
『ほう!身のこなしは大したものだな!褒めてつかわす』
「何が褒めてつかわすだ!がい骨野郎!」

 アスカは、海賊王ハワードの一撃を受けたがダメージはないようだ。これも、あの小部屋で手に入れたミスリル製のブレストプレートのおかげだろうとショウは思った。そして、次の瞬間スミエが叫んだ

「マルチプルアロー!」

 スミエは海賊王ハワードにマルチプルアローを放つ。マルチプルアローは前方45度の角度で攻撃する範囲攻撃である。大量の矢が放たれ海賊王ハワードは滅多打ちにされるはずだった。
 しかし、海賊王ハワードの背中に浮く10本のサーベルの柄の部分が合わさり、傘の骨組みのような形になり、海賊王ハワードの前に立ちはだかる。そして、高速回転をしてスミエの矢を全て叩き落としたのだった。

「嘘でしょ……」
『クカカカカ!なかなか面白い技だが、我には通じぬ』

 あの量の矢が全て叩き落とされた事に、スミエは驚愕して言葉を失った。海賊王ハワードを見た、システィナはショウに疑問をぶつける。

「ご主人様、あのサーベルはいったい何なの?」
「あのサーベルというより、海賊王ハワードの能力だな……」
「アンデッドモンスターがどんな能力を?」
「アイツの能力は超能力サイキックだ!」
超能力サイキック?」
「ああ。あのサーベルは海賊王ハワードの能力で動き回っているんだよ」
「そんな事が可能なの?」
「普通の人間はむりだな。アイツがアンデッドモンスターだから可能なんだよ」

 普通の人間が仮に超能力サイキックを持ったとしても、あのサーベルを同時に操れるのはせいぜい3本までであろう。多重思考能力があればまだマシだが、10本ものサーベルを同時に操れるのは異常な事である。これはどう考えても、海賊王ハワードがアンデッドだからとしか思えなかった。

「アイツ一人で10人と同じ戦闘力ということなのですか?」
「そういう事だな」
「そんなのにどうやって倒せるというのですか?」
「あたしに任せて!」

 システィナが焦ってショウに泣きついていると、ヒナタが意気揚々に発言をする。

「あたしに任せてって何かいい案があるの?」
「ユメミ!アイツを眠らせて!」
『メェ~!』

 ユメミは海賊王ハワードにスリープブレスを吐き出した。それを見たショウは呆気に取られた。

「ヒナタ、ユメミのブレスを止めさせろ」
「父ちゃんなんで?」
「ブレスは無駄だ。視界がなくなりこっちが不利になるだけだ」
『クカカカカ!しょうもない技よ!』
「な、なんで?」
「アンデッドにスリープは効かないからだよ」
「えぇ~!そうなの?」
「ああ。だから早くブレスをとめさせるんだ」

 ヒナタはユメミにブレスを止めさせ、ショウに謝るのだった。

「ヒナタ、この事をちゃんと経験として覚えるんだ。間違いは誰でもある。間違った後が大事なんだからな」
「父ちゃんわかった……」
「アユミ、お前は海賊王ハワードの攻撃を引きつけるんだ!みんなは個々で攻撃するんじゃなく、一斉に叩くんだ!」
「はい!」

 ショウの言葉に、アユミは挑発ヘイトを繰り出す。海賊王ハワードはアユミに向き直り突進する。

「ひぃ~!これはキツイよ……」

 アユミは海賊王ハワードに挑発ヘイトを掛けた事で、海賊王ハワードの攻撃と10振のサーベルを受け止める事になる。しかし、泣き言を言いながらもアユミは、小部屋で入手したミスリル製のブレストプレートと盾により、海賊王ハワードの攻撃を全て受け止める事が出来ていた。

「食らえ!大絶斬!」
「パワーブラスター!」
「牙突!」
「スクリューアロー!」
「トリプルバスター!」
「モータルブロウ!」
『グハッ!』

 海賊王ハワードは、アスカ達全員からの連続攻撃に膝をつけた。その結果にシスティナ・アリサ・ヒナタがハイタッチをする。

「「「やったぁ!」」」

 しかし、海賊王ハワードは髑髏をカチカチ鳴らしながら笑う。

『クカカカカ!我に膝をつかせるとは褒めてつかわすが、このままでは我が少し不利になるな』

 海賊王ハワードは笑いながら両手を振り上げる。すると、ボス部屋の四隅に魔法陣が発生し、その魔法陣から海賊姿のアンデッドが出現したのだった。

「「「あんなに大量のアンデッドが……」」」

 魔法陣から出現するアンデッドは40体になる。つまり一つの魔法陣から10体のアンデッドが出現した事になる。

「ショウ!どうしたら……」

 アユミが泣き出しそうに不安な顔になっている。

「アユミしっかりしろ!お前は海賊王ハワードに挑発ヘイトし続けろ!アスカ達もハワードに連続攻撃をするんだ!」
『クカカカカカカカ!お前達の大将は残酷だなぁ!我の下僕達はどうするつもりだ?お前の下僕共は我の下僕に喰われるぞ?』
「心配するな!お前は自分の心配してろ」

 そして、ショウはヒナタにチュータとユメミを厩舎に収容して、システィナにはアリサとヒナタと共に茨の蔓でドーム状の結界を張るように命じた。

「みんな、周りのアンデッドは気にするな!俺が全部引き受ける。お前達は海賊王ハワードにかかれ!」

 ショウは、システィナ達が茨のドームに包まれると同時に号令をかけたのだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

追放料理人とJKの異世界グルメ無双珍道中〜ネットスーパーは最強です〜

音無響一
ファンタジー
わーい、異世界来ちゃった! スキルスキル〜何かな何かな〜 ネットスーパー……? これチートでしょ!? 当たりだよね!? なになに…… 注文できるのは、食材と調味料だけ? 完成品は? カップ麺は? え、私料理できないんだけど。 ──詰みじゃん。 と思ったら、追放された料理人に拾われました。 素材しか買えない転移JK 追放された料理人 完成品ゼロ 便利アイテムなし あるのは、調味料。 焼くだけなのに泣く。 塩で革命。 ソースで敗北。 そしてなぜかペンギンもいる。 今日も異世界で、 調味料無双しちゃいます!

​『追放された底辺付与術師、実は【全自動化】のチートスキル持ちでした〜ブラックギルドを追い出されたので、辺境で商会を立ち上げたら勝手に世界規

NagiKurou
ファンタジー
​「お前のような、一日中デスクに座って何もしない無能はクビだ!」 国内最大のギルド『栄光の剣』で、底辺の付与術師として働いていたアルスは、ある日突然、強欲なギルドマスターから追放を言い渡される。 しかし、彼らは知らなかった。ギルドの武器の自動修復、物流の最適化、資金管理に至るまで、すべてアルスの固有スキル【全自動化(ワークフロー構築)】によって完璧にシステム化され、回っていたことを。 「俺がいなくなったら、あの自動化システム、全部止まるけど……まあいいか」 管理権限を解除し、辺境へと旅立ったアルス。彼は自身のスキルを使って、圧倒的な耐久力を誇る銀色の四輪型重装ゴーレムを作り出し、気ままな行商を始める。 一度構築すれば無限に富を生み出す「全自動」のチートスキルで、アルスの商会は瞬く間に世界規模へとスケールしていく! 一方、すべてを失ったギルドは、生産ラインが崩壊し、絶望のどん底へと突き落とされていくのだった……。

借金5億で異世界転移、よりによって金本位制の世界だった

夜明け一葉
ファンタジー
32歳の個人トレーダー・佐藤慧は、5年間の雪辱を賭けたトレードで5億円の借金を抱え、意識を失った。目覚めると、そこは剣と魔法が存在する見知らぬ世界だった。常識が通じない異世界で、金貨を見るだけで嘔吐する「金アレルギー」を抱えながら、若き冒険者リナと出会い、生き延びる術を探し始める。諦めることだけができなかった男が、新たな世界で再び立ち上がる異世界サバイバル譚。

元勇者は魔力無限の闇属性使い ~世界の中心に理想郷を作り上げて無双します~

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
ファンタジー
  魔王を倒した(和解)した元勇者・ユメは、平和になった異世界を満喫していた。しかしある日、風の帝王に呼び出されるといきなり『追放』を言い渡された。絶望したユメは、魔法使い、聖女、超初心者の仲間と共に、理想郷を作ることを決意。  帝国に負けない【防衛値】を極めることにした。  信頼できる仲間と共に守備を固めていれば、どんなモンスターに襲われてもビクともしないほどに国は盤石となった。  そうしてある日、今度は魔神が復活。各地で暴れまわり、その魔の手は帝国にも襲い掛かった。すると、帝王から帝国防衛に戻れと言われた。だが、もう遅い。  すでに理想郷を築き上げたユメは、自分の国を守ることだけに全力を尽くしていく。

辺境で静かに暮らしていた俺、実は竜王の末裔だったらしく気づけば国ができていた

平木明日香
ファンタジー
はるか五億四千万年前、この星は六柱の竜王によって治められていた。火・水・風・土・闇・光――それぞれの力が均衡を保ち、世界は一つの大きな生命のように静かに巡っていた。だが星の異変をきっかけに竜の力は揺らぎ、その欠片は“魂”となって新たな生命に宿る。やがて誕生した人類は文明を築き、竜の力を利用し、ついには六大陸そのものを巨大な封印装置へと変えて竜王を眠りにつかせた。 それから幾千年。 現代では六つの大国がそれぞれ封印を管理し、かろうじて世界の均衡を保っている。しかし各地で異常な魔獣が出現し、封印の揺らぎが噂されはじめていた。 そんな世界を気ままに旅する青年がいる。名はブラック・ドラグニル。三年前からハンターとして魔獣を討伐し、その肉を味わいながら各地を渡り歩く放浪者だ。規格外の実力を持ちながら名誉や地位には興味がなく、ただ「世界のうまいものを食べ尽くす」ことを楽しみに生きている。 ある日、光の王国ルミナリア近郊で王女ユリアナが大型魔獣に襲われる事件が起きる。死を覚悟した騎士団の前に現れたブラックは、その怪物をわずか数十秒で討ち倒す。彼にとっては雑魚同然だったが、その圧倒的な強さは王国中に知れ渡る。王女は自由に生きる彼の姿に心を奪われるが、ブラックは次の目的地へ向かう計画を練るばかり。 だが彼自身はまだ知らない。 自らが竜族の末裔であり、世界を再び“統合”へ導く鍵となる存在であることを。 竜の封印が揺らぐとき、自由を愛する青年は世界の命運を左右する選択を迫られる。 これは、竜の記憶と人の魂が交錯する壮大なファンタジー叙事譚である。

クラスで異世界召喚する前にスキルの検証に30年貰ってもいいですか?

ばふぉりん
ファンタジー
 中学三年のある朝、突然教室が光だし、光が収まるとそこには女神様が!  「貴方達は異世界へと勇者召喚されましたが、そのままでは忍びないのでなんとか召喚に割り込みをかけあちらの世界にあった身体へ変換させると共にスキルを与えます。更に何か願いを叶えてあげましょう。これも召喚を止められなかった詫びとします」  「それでは女神様、どんなスキルかわからないまま行くのは不安なので検証期間を30年頂いてもよろしいですか?」  これはスキルを使いこなせないまま召喚された者と、使いこなし過ぎた者の異世界物語である。  <前作ラストで書いた(本当に描きたかったこと)をやってみようと思ったセルフスピンオフです!うまく行くかどうかはホント不安でしかありませんが、表現方法とか教えて頂けると幸いです> 注)本作品は横書きで書いており、顔文字も所々で顔を出してきますので、横読み?推奨です。 (読者様から縦書きだと顔文字が!という指摘を頂きましたので、注意書をと。ただ、表現たとして顔文字を出しているで、顔を出してた時には一通り読み終わった後で横書きで見て頂けると嬉しいです)

社会の底辺に落ちたオレが、国王に転生した異世界で、経済の知識を活かして富国強兵する、冒険コメディ

のらねこま(駒田 朗)
ファンタジー
 リーマンショックで会社が倒産し、コンビニのバイトでなんとか今まで生きながらえてきた俺。いつものように眠りについた俺が目覚めた場所は異世界だった。俺は中世時代の若き国王アルフレッドとして目が覚めたのだ。ここは斜陽国家のアルカナ王国。産業は衰退し、国家財政は火の車。国外では敵対国家による侵略の危機にさらされ、国内では政権転覆を企む貴族から命を狙われる。  目覚めてすぐに俺の目の前に現れたのは、金髪美少女の妹姫キャサリン。天使のような姿に反して、実はとんでもなく騒がしいS属性の妹だった。やがて脳筋女戦士のレイラ、エルフ、すけべなドワーフも登場。そんな連中とバカ騒ぎしつつも、俺は魔法を習得し、内政を立て直し、徐々に無双国家への道を突き進むのだった。

最強すぎて無職になりましたが、隣国の姫が勝手に嫁入りしてきました

eringi
ファンタジー
平凡なサラリーマン・佐藤亮は、満員電車で謎の光に包まれ異世界へ転移する。神様から「世界最強の力」を授かったはずが、本人はただの無職ニートとしか思っていない。冒険者ギルドで雑用を請け負う日々。そんな亮の周囲に、冷徹な騎士姫、天才魔導士、元盗賊の少女、竜人族の戦士など個性豊かな美少女たちが自然と集まってくる。一方、彼を「ただの運のいい凡人」と侮る貴族や悪徳商人たちは次々と痛快なざまぁ展開に。亮は「俺なんて大したことないのに」と呟きながら、気づけば国を揺るがす陰謀を解決し、世界を救うことに――。無自覚最強主人公による、爽快ハーレムファンタジー開幕!

処理中です...