氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第3章 新たな覚醒

35話 偽金事件の黒幕逮捕される

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 証拠を掴んだ領主アレックは、町の私設警備兵とブリガンダイン王国から派遣されている王国騎士団で、鉱山の管理人ラプダラと悪徳商人カーラハンの捕縛に動く。

「鉱山の管理人ラプダラは王国騎士団隊長ダラス率いる騎士団。商人カーラハンは私設警備団隊長ザールに任せる!今すぐに逮捕せよ」

「「「「「「ハッ!」」」」」」

 領主アレックの号令に、王国騎士団隊長ダラスと私設警備団隊長ザールは領主邸から出発する。


 朝早くに、マートンの町にあるラプダラ邸の門の前には、王国騎士団隊長ダラス率いる騎士団が屋敷の周りを包囲する。

「門を開けろ!」

 その声に驚いた門番は、門の前にある部屋から出てきて声を失う。

「いったい何事ですか?ここはラプダラ=ヤワアイダ男爵の屋敷でございますよ」

「わかっている!ラプダラ男爵には偽金造幣の容疑で逮捕状が出ておる!」

「ば、馬鹿な!そんな事あるわけが……」

「証拠もきっちり掴んできたのだ。間違いないから、ここを開けるのだ!」

 逮捕状を見せられた門番は、屋敷を包囲した騎士団に言葉を失いながらも門を開く。その瞬間、王国騎士団は屋敷になだれ込み、ラプダラ男爵の捕縛に成功した。

「な、なんだ貴様らは!」

「私は王国騎士団隊長ダラス。偽金造幣の容疑でラプダラを逮捕する!捕縛せよ」

「わ、ワシを誰だと思っている。貴族にこんな真似をしてただで済むと思っているのか?」

「黙れ!王国の治安を騒がせる極悪人が!」

「だ、黙れ!ワシが極悪人だと!ワシを誰だと思っているんだ!」

「あ、あなた……」
「お父様……」

 取り抑えられるラプダラをみた妻と娘は顔を青くして部屋の隅で動けなくなっていた。しかし、旦那が暴れる姿を見て、騎士団隊長ダラスに抗議する。

「ちょっとお待ちください!うちの人は鉱山管理を任されている重要なお方です。証拠も無しにこのような事は認められません!」

「奥方様であられますか?」

「はい!私はラプダラ様の第一夫人のナターシャ=ヤワアイダと申します」

「申し訳ないが証拠はあります。ラプダラ容疑者はカーラハンと共謀し、産出した金塊を横領して偽金造幣をした」

「ま、まさか!うちの人に限って……」

「信じられない気持ちはわかりますが、こちらも貴族様を逮捕するのです。ちゃんと証拠物件もあります」

「そ、そんな……」

 ナターシャは旦那の犯罪の説明を聞き、その場に崩れ落ちるのだった。そんな妻の姿を見るもラプダラは、逮捕される自分が信じられず暴れ出し、騎士団隊長ダラスに腕を捩じられあまりの痛さに暴言を吐くのだった。そして、ラプダラは騎士団達に連行され護送車で運ばれて地下牢にぶち込まれてしまった。
 それと同時に、私設警備兵達はザールの指揮のもと、カーラハンの商会マートン支部にやって来た。支部には商会長の家が連接されていて、その家に私設警備兵達は乗り込む。大きな商会とはいえ犯罪者と分かれば貴族とは違い、私設警備兵達は容赦なく突撃しカーラハンを捕縛し言い訳もさせず、地下牢へとぶち込まれてしまったのだ。

 この事はその日の内にマートンの町に広まり、偽金事件は解決したと町の人間は大いに沸き上がったのだ。

「号外!号外!ブリガンダイン王国を賑わせた事件が、魔導士様の活躍で解決したよ!なんと!解決までの日数や活躍した人間の詳細はここに全部書いてある!」

「「「「「1枚くれ!」」」」」
「俺も!」
「あたしも!」

「1枚10ゴルドと高いかもしれないが、魔導士様の活躍が全部書いてあるよ!」

 町の広場には号外が売られて賑わっていた。また、1枚10ゴルドは少し高すぎて手の出ない人間もいたのだが、広場には吟遊詩人がショウの歌も歌っていた。

「ララ~♪魔導士様はショウと言う~~~♪♪♪どこから来たのか~~~♪♪」

 吟遊詩人はショウの情報や今までの活躍を音楽に乗せて、町の住人に歌って聞かせていた。歌が終わると、吟遊詩人の前に置かれた箱のなかに鉄貨が投げ込まれる。
 号外が買えない人間は、吟遊詩人の歌を聞き、ショウの情報を入手して話に加わるのである。

 そんな事も知らないショウはアユミとヒナタと共に、マートンの町にやって来ると町の住人達に囲まれ、目を見開き驚く。町の住人達に囲まれて町に入れないほどである。その光景に、町の城門警備兵達が出動する事態になったほどだ。

「お前達こんな城門前で固まったら迷惑だ!」
「魔導士様を見たい気持ちはわかるが、迷惑をかけるなら逮捕する事になるぞ!」

 警備兵達が、ショウから町の住人達を引き剥がしなんとか落ち着くのだった。そして、冒険者ギルドに入るとシャーロットではなく、ギルドマスターが飛んできたのだった。

「魔導士様ありがとう!これでギルドの運営も元に戻ります」

「うわぁ!離れろ!ハゲのオヤジに抱きつかれる趣味はねぇ!」

「ぐふっ……」

 ショウは思わずベックの腹に一撃を入れてしまい、ベックはその場に崩れ落ちる。

「「「「「「あ……」」」」」」

 筋肉だるまのベックがショウの一撃で沈み、周りにいた冒険者達は一言漏らしただけで、額から汗が流れ落ちたのだった。

「な、なんだよ今の一撃は!」
「魔法使いが現役を退いているとはいえ、戦士のギルドマスターをノックアウトにしたぜ」
「「「「「「すげー!」」」」」」
「さすが、闇ギルドのアジトを壊滅させた御人だなぁ」

 ノックアウトしたギルドマスターはギルド職員の手で奥の部屋へと運ばれていくのだった。そして、ギルドマスターが居なくなると今度は、シャーロットが近づいてくる。
 シャーロットはギルドの売買が戻る事を伝え、ショウにポーションやアクセサリーの発注をしたのだった。
 ショウもこの申し出に快諾し、それが落ち着いたらまたダンジョンに向かう旨を伝えたのだった。
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