氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第3章 新たな覚醒

43話 ヒノメが従魔となる

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 ヒナタはユニコーンの意見を否定し、一緒に居たいと主張する。

「やだぁ!あたしが守るから一緒に行こうよ」

『守る?どうやって?あなたみたいな幼子に無理だわ』

「大丈夫!あたしはテイムできるし」

『フフッ……』

「何が可笑しいのよ」

『あなたは、あたしをテイムできると本気で思っているんだ。いいわよやってごらんなさい』

 ユニコーンがそういうと、ヒナタはやる気満々でテイムしようとするが、ショウが話に割って入る。

「ちょっと待て!」

『何?あたしは男性に興味はないわ。引っ込んでてよ』

「今のままじゃ、ヒナタはあんたをテイムはできない」

「父ちゃん……」

『よくわかっているじゃない!褒めてあげるわ。あたしが男性を褒めるなんて珍しい事だから誇るといいわ』

「そいつはありがとよ。だけどなぁ。こんな子供に期待持たせて聖獣も意地が悪いよな」

『なんですって?あたしを侮辱するつもり?』

「いやいや……なんでそんなことぐらいで怒るんだよ?それって、自分でも自覚していると言ってるようなもんだろ?」

『そんな事はないわ!あたしは聖獣よ。そんな簡単にテイム出来ないと教えて上げようとしただけよ』

「だったら、もっとやりようがあるというものがあるんじゃないか?俺はヒナタの親代わりだ。しかし、ヒナタの才能をあんたのやり方で潰されたくないんだよ」

『うっ……』

「あんたには悪気はないだろうとは思う。だが、そんな頭ごなしに解らせるようなやり方はやめてくれ」

『そ、そうね……あたしが悪かったわ。ヒナタと言ったわね。ごめんなさい……』

「いいよ。気にしてないよ。だけど、どうしても一緒に来るのは駄目?」

『駄目!あなたではあたしを守る事は無理だわ。人間界の権力者や指導者は狡猾よ。あたしをテイムした事で、ヒナタの身が危険になります』

「あたしの心配してるの?」

『当たり前です!その為、あたしは長い間誰の目にも止まらないであろうこのダンジョンに身を潜めていたのですから』

 それを聞いてショウは色々察してしまう。このユニコーンには過去に何かがあった事を。しかし、ヒナタはニコニコしながら自信満々で、ユニコーンを説得しだした。

「それなら大丈夫よ!あたしには父ちゃんがいるから」

『あなたは知らないだけ……』

 ユニコーンは過去の辛い思い出を思い出す。そして、その顔を苦痛に歪めた。

『いいでしょう。あなたには特別にあたしの過去を教えてあげるわ』

「ちょっと待て」

『何なのよ。あなたは!?』

 ユニコーンが自分の過去をヒナタに話そうとした瞬間、ショウはそれを止めた。

「いやな。あんたの過去の事情は辛いことはわかったから、無理に話す必要はないよ。それと、ヒナタは俺が必ず守るからその辺は気にしないでくれ」

『あなたは冒険者でただの平民じゃないの!そんなあなたが、国の権力者や貴族にどうやって守ると言うのよ!』

「確かに俺は平民だ。しかし、ただの平民ではないよ」

『はぁ!?いい加減なことを言わないでちょうだい!』

「いい加減な事なんか言ってないよ。俺の職業は時空間属性魔法の使い手だからな」

『はっ?』

「つまりだな。俺は平民ではあるが、アルジール聖教国の聖人聖女と同じ立場にある人間だ。まあ、その事実を知る権力者はまだいないがな」

 ショウからそれを聞いてユニコーンは開いた口が塞がらないでいた。

「それに父ちゃんは凄いんだよ。闇ギルドも何回もやっつけているしね。マートンの領主様にも顔が利くんだよ」

『……』

「だからな。あんたはヒナタと一緒に居たいと思うか、1人でここに引きこもるかだけを考えてほしい。当然だが、ヒナタと一緒に来るなら、あんたの事も俺が権力者から守る事になるけどな」

『……』

 ショウの言葉に、ユニコーンは少し考えてヒナタに向き合う。

『ヒナタ……』

「なあに?」

『あたしに似合う素敵な名前を考えてくれたら、一緒について行ってあげるわ』

「ホントに?じゃあ、ユニ子!」

『……あんた、ホントにちゃんと考えたの?』

「可愛くない?」

『可愛くないわよ』

「ヒナタ……お前は馬鹿なのか?」

「父ちゃん酷い!」

「じゃあ、ヒナタは生まれた時に親から可愛い人間の子だ!だから、人間の子でニン子と呼ぼう!と名付けられたらどうだ?」

「なんか嫌……」

「だろ?こういう時はニュアンスで決めたら駄目だ」

『あなた見直したわ。あなたなら大丈夫そうね』

「ヒナタ。ユニコーンは光属性の使い手だ。ヒナタの名前と同じようにつけてやれ」

 ヒナタはショウと相談して、色々ヒントをもらい、ようやく名前が決まったようだ。

「あなたの名前はヒノメ!どうかな?」

『どういう意味があるの?』

「あなたは光属性だから、太陽の光で陽光から連想をして陽の目から取ったの。それと陽の馬と言う意味もあるよ」
「陽の馬と言うのは、丙午と言う縁起のいい名前でもあるんだぞ」

『陽の目、陽の馬……ヒノメか。いい名前ね。気に入ったわ』

 その瞬間、ヒナタとヒノメの従魔契約が結ばれて、ユニコーンがヒナタの従魔となった。

「やったぁ!ヒノメこれからよろしくね」

『そうね。これからよろしく頼むわね。それと、そこの男!必ず約束は守ってもらうからね』

「ああ。お前に言われなくとも、俺の家族は不幸にはさせねぇから安心しな。それより、自分はユニ子と言われて不機嫌になったクセに俺の事を男と呼ぶな!」

『ふんっ!あなたなんて男で十分よ!』

「そうかそうか。なら、俺はお前の事はユニ子って呼ぶ事にしよう!」

『なっ!?あたしにはヒノメという……』

「ヒノメと呼んでほしいなら、お前も俺の事をショウと呼んでくれ」

『あ、あんたなんか男で十分よ!』

「じゃあ、俺はみんなにお前の事はユニ子と呼ばせてやる。いいのか?ここにいる全員からお前はユニ子って呼ばれるんだぞ」

「父ちゃん酷いよ……」
「酷いのはユニ子の方だ」

『あ!また、ユニ子って言ったわね』

「お前がちゃんとショウって呼ばないからだ。いいのか?このままだとユニ子って定着する事になるぜ?」

『ぐぬぬ……わ、わかったわよ。ショウ、これからよろしく頼むわね』

「そうか。じゃあ、ヒノメ改めてよろしくな」

 二人のやり取りを見て、ヒナタはホッと息を吐いて安心したのだった。
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