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第一章 木嶋真奈の日記より抜粋①
第四話 鶏肉みたいな味がするんだよ。まあ私食べたことないけど
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そう言って彼はカバンから一枚の紙切れを取り出した。
「あっ、忘れてた……!俺、文学部の蒔田悠斗って、言います。一年っす」
「あっそうだねぇ、あたしたちも自己紹介しないと。部長の坂田瑞稀。三年よぉ、よろしくぅ」
「私は二年の木嶋真奈。よろしく」
「あっ……うす」
悠斗は少しニヤつきながら答える。ちょっと気持ち悪いな、こいつ。
「で、それが脅迫状~?」
「あっそっす。どうぞ」
「どれどれ~」
先輩は紙を手に取り、一丁前に咳払いなんかをする。
「『お前を誘拐する。五百万父親に用意させろ。さもなくば父親に留年しそうなことをバラす』……ん?」
ん?
「あはは、ごめん。あたしちょっと一回で理解できなかったからもう一回読むね。……ゴホン。『お前を誘拐する。五百万父親に用意させろ。さもなくば父親に留年しそうなことをバラす』……」
「……」
……?
今、何が起きた……?
「んっとー……、真奈ちゃん~。……わかる?」
「ん? 何がですか?」
「うん、わかんないよね~。と言うことで、お引き取りください」
「いやなんでっすか!」
「だって~! 意味わかんないんだもん!」
瑞稀先輩……。その歳で、だもん、はキツいな……。
「いや分かりますよ! 誘拐されるんすよ! 俺!」
「いやそこは分かるよ~。でも、普通こういうのって誘拐してから出さない?」
「……! たっ、確かに……」
やっぱりコイツバカだな。
「それもそうですし……。何より、留年……?」
「そ、そう! そうなんすよ! 俺、留年しそうで……!」
「うん、分かった分かった。ちょっと待ってね。先輩、桜っていつ舞い散るんでしたっけ」
「東京だと四月初旬じゃない?」
「ですよね。まだ学校始まって一週間も経ってないですよね」
「うん」
「で、悠斗くん……だっけ?今何年生?」
「さっきも言ったじゃないですか。一年っす」
「ん?」
「え?」
「……」
「……」
「……」
「えっこれ私が間違ってます?」
「ううん、真奈ちゃんの反応が正しいと思うよ」
「えっ、どしたんすか?」
「君……入学一週間で留年しそうなの……?」
「はい! だから困ってるんじゃないですか……!」
コイツ……ダメだ……。
「あっ、忘れてた……!俺、文学部の蒔田悠斗って、言います。一年っす」
「あっそうだねぇ、あたしたちも自己紹介しないと。部長の坂田瑞稀。三年よぉ、よろしくぅ」
「私は二年の木嶋真奈。よろしく」
「あっ……うす」
悠斗は少しニヤつきながら答える。ちょっと気持ち悪いな、こいつ。
「で、それが脅迫状~?」
「あっそっす。どうぞ」
「どれどれ~」
先輩は紙を手に取り、一丁前に咳払いなんかをする。
「『お前を誘拐する。五百万父親に用意させろ。さもなくば父親に留年しそうなことをバラす』……ん?」
ん?
「あはは、ごめん。あたしちょっと一回で理解できなかったからもう一回読むね。……ゴホン。『お前を誘拐する。五百万父親に用意させろ。さもなくば父親に留年しそうなことをバラす』……」
「……」
……?
今、何が起きた……?
「んっとー……、真奈ちゃん~。……わかる?」
「ん? 何がですか?」
「うん、わかんないよね~。と言うことで、お引き取りください」
「いやなんでっすか!」
「だって~! 意味わかんないんだもん!」
瑞稀先輩……。その歳で、だもん、はキツいな……。
「いや分かりますよ! 誘拐されるんすよ! 俺!」
「いやそこは分かるよ~。でも、普通こういうのって誘拐してから出さない?」
「……! たっ、確かに……」
やっぱりコイツバカだな。
「それもそうですし……。何より、留年……?」
「そ、そう! そうなんすよ! 俺、留年しそうで……!」
「うん、分かった分かった。ちょっと待ってね。先輩、桜っていつ舞い散るんでしたっけ」
「東京だと四月初旬じゃない?」
「ですよね。まだ学校始まって一週間も経ってないですよね」
「うん」
「で、悠斗くん……だっけ?今何年生?」
「さっきも言ったじゃないですか。一年っす」
「ん?」
「え?」
「……」
「……」
「……」
「えっこれ私が間違ってます?」
「ううん、真奈ちゃんの反応が正しいと思うよ」
「えっ、どしたんすか?」
「君……入学一週間で留年しそうなの……?」
「はい! だから困ってるんじゃないですか……!」
コイツ……ダメだ……。
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