44 / 48
44
しおりを挟む
「蒼…俺は蒼になんでも知ってもらいたい。」
結城さん、がじっと僕の目を見た。
「俺が隠し事してたせいで蒼にたくさん辛い思いをさせたから…なんでもこたえるよ。」
何から聞いたらいいのかわからなかった。
黙って俯いていると結城さんがおどけたように話はじめた。
「自己紹介しようか?結城省吾30歳、職業はIT企業の経営者です。好きな人は早瀬蒼さんです。」
そこで言葉をきるとゆっくり続けた
「もうすぐ契約結婚を解消します。そうしたら…俺と付き合ってもらえますか?」
もう僕は迷わなかった。
「はい、これから僕ももっと結城省吾さんのことが知りたいです。」
そう応えた。
▲
結城さんは色々話してくれた。
地方、で過ごした幼少期のこと、大学で味わった挫折のこと、そして樹さん真奈美さんのこと。
僕は一番聞きたかったことを切り出した。
「契約結婚のこと…知りたい。」
少し長くなるけどと前置きをして結城さんが話し始めた。
「大学生のときに今の会社つくって、少しお金がはいってきて顔も名前も知られるようになって、最初は女がわんさか寄ってきて、こっちも遊んでやるつもり付き合ったけどいざとなると全然その気にならなくって、そうこう言ううちに俺がゲイじゃないかって噂が流れはじめてさ。」
まあ本当のことだったんだけど…と小さく言った。
「今まで友達だったやつはさーっと潮が引くようにいなくなってさ。でも自分でも自分の性的指向が向いてるのは女じゃないってわかって、そういう出合いの場で相手探しては寝て。中には付き合ってもいいと思う相手もいたけど俺の素性がわかるとあれこれ要求されるようになってまた別の相手を探すっていう繰り返しだったんだ。」
樹さんだって結城さんと同じように地位もお金もあって、その上家柄もいい。でも樹さんには、ずっと樹さん自身しか見ていない真奈美さんがいた。
「俺は二人が羨ましかったよ。俺のまわりにはろくな奴がいないって拗ねてた。だから契約結婚を持ちかけられたとき、内心喜んだよ。二人のためにって思いと、これで二人の間に楔を打ち込めるって思いと、俺には縁のないことだと思ってた子供を見ることができるかもっていう思いが自分の中に共存してた。」
結城さん、がじっと僕の目を見た。
「俺が隠し事してたせいで蒼にたくさん辛い思いをさせたから…なんでもこたえるよ。」
何から聞いたらいいのかわからなかった。
黙って俯いていると結城さんがおどけたように話はじめた。
「自己紹介しようか?結城省吾30歳、職業はIT企業の経営者です。好きな人は早瀬蒼さんです。」
そこで言葉をきるとゆっくり続けた
「もうすぐ契約結婚を解消します。そうしたら…俺と付き合ってもらえますか?」
もう僕は迷わなかった。
「はい、これから僕ももっと結城省吾さんのことが知りたいです。」
そう応えた。
▲
結城さんは色々話してくれた。
地方、で過ごした幼少期のこと、大学で味わった挫折のこと、そして樹さん真奈美さんのこと。
僕は一番聞きたかったことを切り出した。
「契約結婚のこと…知りたい。」
少し長くなるけどと前置きをして結城さんが話し始めた。
「大学生のときに今の会社つくって、少しお金がはいってきて顔も名前も知られるようになって、最初は女がわんさか寄ってきて、こっちも遊んでやるつもり付き合ったけどいざとなると全然その気にならなくって、そうこう言ううちに俺がゲイじゃないかって噂が流れはじめてさ。」
まあ本当のことだったんだけど…と小さく言った。
「今まで友達だったやつはさーっと潮が引くようにいなくなってさ。でも自分でも自分の性的指向が向いてるのは女じゃないってわかって、そういう出合いの場で相手探しては寝て。中には付き合ってもいいと思う相手もいたけど俺の素性がわかるとあれこれ要求されるようになってまた別の相手を探すっていう繰り返しだったんだ。」
樹さんだって結城さんと同じように地位もお金もあって、その上家柄もいい。でも樹さんには、ずっと樹さん自身しか見ていない真奈美さんがいた。
「俺は二人が羨ましかったよ。俺のまわりにはろくな奴がいないって拗ねてた。だから契約結婚を持ちかけられたとき、内心喜んだよ。二人のためにって思いと、これで二人の間に楔を打ち込めるって思いと、俺には縁のないことだと思ってた子供を見ることができるかもっていう思いが自分の中に共存してた。」
10
あなたにおすすめの小説
【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。
きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。
自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。
食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。
【完結】社畜の俺が一途な犬系イケメン大学生に告白された話
日向汐
BL
「好きです」
「…手離せよ」
「いやだ、」
じっと見つめてくる眼力に気圧される。
ただでさえ16時間勤務の後なんだ。勘弁してくれ──。
・:* ✧.---------・:* ✧.---------˚✧₊.:・:
純真天然イケメン大学生(21)× 気怠げ社畜お兄さん(26)
閉店間際のスーパーでの出会いから始まる、
一途でほんわか甘いラブストーリー🥐☕️💕
・:* ✧.---------・:* ✧.---------˚✧₊.:・:
📚 **全5話/9月20日(土)完結!** ✨
短期でサクッと読める完結作です♡
ぜひぜひ
ゆるりとお楽しみください☻*
・───────────・
🧸更新のお知らせや、2人の“舞台裏”の小話🫧
❥❥❥ https://x.com/ushio_hinata_2?s=21
・───────────・
応援していただけると励みになります💪( ¨̮ 💪)
なにとぞ、よしなに♡
・───────────・
僕の恋人は、超イケメン!!
八乙女 忍
BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?
執着
紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。
【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】
紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。
相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。
超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。
失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。
彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。
※番外編を公開しました(2024.10.21)
生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。
※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。
イケメンモデルと新人マネージャーが結ばれるまでの話
タタミ
BL
新坂真澄…27歳。トップモデル。端正な顔立ちと抜群のスタイルでブレイク中。瀬戸のことが好きだが、隠している。
瀬戸幸人…24歳。マネージャー。最近新坂の担当になった社会人2年目。新坂に仲良くしてもらって懐いているが、好意には気付いていない。
笹川尚也…27歳。チーフマネージャー。新坂とは学生時代からの友人関係。新坂のことは大抵なんでも分かる。
嘘つき王と影の騎士
篠雨
BL
「俺の役割は、貴方を守ることだ。……例え、貴方自身からも」
国の平穏を一身に背負い、十二年間「聖王」という偶像を演じ続けてきたセシル。
酷使し続けた心身はすでに限界を迎え、その命の灯火は今にも消えようとしていた。
そんな折、現れたのは異世界からの「転移者」。
代わりを見つけた国は、用済みとなったセシルからすべてを剥奪し、最果ての地へと追放する。
死を待つためだけに辿り着いた冬の山。
絶望に沈むセシルの前に現れたのは、かつて冷徹に王を監視し続けていた近衛騎士団長、アルヴィスだった。
守るべき王も、守るべき国も失ったはずの二人が過ごす、狭い小屋での夜。
無価値になり、壊れかけた自分を、なぜこの男は、そんな瞳で見つめるのか。
なぜ、そんなにも強く、抱きしめるのか。
これは、すべてを失った「聖王」が、一人の男の熱に暴かれ、再生していくまでの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる