5 / 8
5話 パーティーですが問題発生です
しおりを挟む
パーティーが始まった。各々お酒や料理を嗜んだり、会話に花を咲かせている。
旦那様は早速ご婦人たちに囲まれていた。
「サミュエル、最近忙しいって聞いたわよ?大丈夫なの?」
「ああ、もう少しでひと段落しそうだ。」
「隈ができてるわよぉ?わたしが癒してあげましょうかぁ?」
「ありがとう。君と話しているだけで俺にとっては最高の癒しさ。」
パチンとウインクしながらのたまう旦那様。キャーという声が上がる。
でも思ったより疲れてるかな。いつもならもっとノリノリなのに。ちょっと無理させすぎたかな。
などと考えながら料理をつまんでいると、リチャード様に話しかけられる。
「料理は口に合うかい?」
「はい、リチャード様。とてもおいしいです。」
「良かった。お酒も飲んでいいんだよ?」
「いえ、お酒は遠慮しておきます。旦那様が思ったより疲れてらっしゃるのでちょっと様子見ておかないと。」
そう言うとリチャード様はうん、と頷く。
「確かに今日は疲労感が強そうだね。ある程度楽しませて休ませてもいいかもしれない。もしよかったら休むのに客室を使うと良い。場所は分かっているね。」
「ありがとうございます。はい、大丈夫です。」
ぽんとわたしの頭に手を置いて立ち去るリチャード様。……なんで旦那様といい、リチャード様といい撫でられること多いんだろう。
そんなことを思いながら再び旦那様に視線を戻す。
旦那様は一人一人婦人の相手をしている。しかし先ほどより、疲労の色が濃くなっている。
そろそろ限界か。
「旦那様。少々よろしいでしょうか。」
「ん。ああ。わかった。すまない、レディーたち。すぐに戻ってくる。」
「無理しないでね、何なら少し休んできたら?」
「大丈夫さ、レディーたちをほっとくなんてできないからね。」
まあ休ませる気満々なのだが。
今言ったら休まないだろう。ここは慎重に行動しないと。
そして客室に連れていく。ソファに座らせて、ハーブティーを淹れる。ちゃんとリラックスできるハーブを選んでいる。
一口飲んでふうと息を吐いた。
「それで?何かあったのか?」
「何かあったのかはご自分がよくお分かりでは?」
「…?何か書類に不手際があったか?」
「いえ、今日の仕事も完璧ですよ。」
「じゃあ何が……。」
そこまで言って、強引にソファに倒す。大きなソファなので、横になっても有り余るほどだ。
寝心地も問題ないだろう。
「…っ何をする。」
「30分経ったら起こします。寝てください。」
「………嵌められた。」
「ええ。旦那様の体調管理もわたくしの仕事ですから。」
「俺自身でも管理することだ。問題は……。」
「今回は仕事を詰めすぎました。申し訳ありません。」
旦那様の言葉を遮り、ペコリを頭を下げる。
それに目を見張る旦那様。
「そう言われたら休まざるを得ないだろう。」
「ずるいと分かっています。」
そう言うと旦那様は、ふっと笑った。
「それじゃあ、ここに座れ。」
指したのは頭の上。
大人しく座るとなんと腿に頭を乗っけてきた。
「だ、だんなさま?」
「これが罰だ。膝枕になれ。」
普通男相手に(わたしは女だけど)膝枕要求するのか。
きっとよっぽど疲れてしまっているんだな。
「……分かりました。」
1分も経たず、寝息が聞こえてくる。早い。
寝顔はしょっちゅう見ているもののこうしてまじまじと見たことはない。幼い子供みたいだ。思わず笑みが零れる。
月明かりに照らされ、金色の髪がキラキラと輝く。
何も考えずに、そっと髪を梳いた。旦那様は気持ちよさそうに微笑んだ気がした。
旦那様は早速ご婦人たちに囲まれていた。
「サミュエル、最近忙しいって聞いたわよ?大丈夫なの?」
「ああ、もう少しでひと段落しそうだ。」
「隈ができてるわよぉ?わたしが癒してあげましょうかぁ?」
「ありがとう。君と話しているだけで俺にとっては最高の癒しさ。」
パチンとウインクしながらのたまう旦那様。キャーという声が上がる。
でも思ったより疲れてるかな。いつもならもっとノリノリなのに。ちょっと無理させすぎたかな。
などと考えながら料理をつまんでいると、リチャード様に話しかけられる。
「料理は口に合うかい?」
「はい、リチャード様。とてもおいしいです。」
「良かった。お酒も飲んでいいんだよ?」
「いえ、お酒は遠慮しておきます。旦那様が思ったより疲れてらっしゃるのでちょっと様子見ておかないと。」
そう言うとリチャード様はうん、と頷く。
「確かに今日は疲労感が強そうだね。ある程度楽しませて休ませてもいいかもしれない。もしよかったら休むのに客室を使うと良い。場所は分かっているね。」
「ありがとうございます。はい、大丈夫です。」
ぽんとわたしの頭に手を置いて立ち去るリチャード様。……なんで旦那様といい、リチャード様といい撫でられること多いんだろう。
そんなことを思いながら再び旦那様に視線を戻す。
旦那様は一人一人婦人の相手をしている。しかし先ほどより、疲労の色が濃くなっている。
そろそろ限界か。
「旦那様。少々よろしいでしょうか。」
「ん。ああ。わかった。すまない、レディーたち。すぐに戻ってくる。」
「無理しないでね、何なら少し休んできたら?」
「大丈夫さ、レディーたちをほっとくなんてできないからね。」
まあ休ませる気満々なのだが。
今言ったら休まないだろう。ここは慎重に行動しないと。
そして客室に連れていく。ソファに座らせて、ハーブティーを淹れる。ちゃんとリラックスできるハーブを選んでいる。
一口飲んでふうと息を吐いた。
「それで?何かあったのか?」
「何かあったのかはご自分がよくお分かりでは?」
「…?何か書類に不手際があったか?」
「いえ、今日の仕事も完璧ですよ。」
「じゃあ何が……。」
そこまで言って、強引にソファに倒す。大きなソファなので、横になっても有り余るほどだ。
寝心地も問題ないだろう。
「…っ何をする。」
「30分経ったら起こします。寝てください。」
「………嵌められた。」
「ええ。旦那様の体調管理もわたくしの仕事ですから。」
「俺自身でも管理することだ。問題は……。」
「今回は仕事を詰めすぎました。申し訳ありません。」
旦那様の言葉を遮り、ペコリを頭を下げる。
それに目を見張る旦那様。
「そう言われたら休まざるを得ないだろう。」
「ずるいと分かっています。」
そう言うと旦那様は、ふっと笑った。
「それじゃあ、ここに座れ。」
指したのは頭の上。
大人しく座るとなんと腿に頭を乗っけてきた。
「だ、だんなさま?」
「これが罰だ。膝枕になれ。」
普通男相手に(わたしは女だけど)膝枕要求するのか。
きっとよっぽど疲れてしまっているんだな。
「……分かりました。」
1分も経たず、寝息が聞こえてくる。早い。
寝顔はしょっちゅう見ているもののこうしてまじまじと見たことはない。幼い子供みたいだ。思わず笑みが零れる。
月明かりに照らされ、金色の髪がキラキラと輝く。
何も考えずに、そっと髪を梳いた。旦那様は気持ちよさそうに微笑んだ気がした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
12
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる