死を見届ける者

大和滝

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一章 花の咲く死をあなたに

EP2 走馬の知りたいこと

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朝食をとって、歯を磨いても時間に余裕があった。今日のように年度や新学期の始めの日は自然と早く目が覚める。よく新しいノートの最初のページは綺麗に字を書こうとする現象に確か名前があったのだけれど、なんて言ったっけな。まあ、それに似てるな。
 さて、暇だな。今からいつも通り出ても、早すぎて教室に誰もいないだろうし、かといって家で朝から何かを行うという気もわかない。
 実家から離れた学校に通うため、二階建ての団地の一部屋を借りて一人暮らしをしている。親からの仕送りはマメで衣食住はそこまで苦労はしていない。そのため、金は自分の死生観の研究に存分使える。このせいで小中学の頃は、頭がおかしいやら、サイコパスだ。などと言われて誰も近寄ってはこなかった。
 そんな冷たさは親からも感じた。家に帰ってきて普通の子供のようにゲームをしたり、友達と遊びに出かけたりはせずに、無心に新聞紙を部屋に持っていき、あらゆる死を探して切り取って貼り、それについてノートに内容と自分のその記事についての感想等を書き留めているのを見て、母は俺には「すごい趣味ができたんだね」と言っていたが、俺がいないとこで父に対して「楓が死んでからきっと気が狂ったんだよ。病院に行くべきかねぇ」と言っていたのを俺は知っていた。まあそれもそうだろう。
 だけど結局病院には連れて行かれず、今でもずっと続けている。だけど結局死ぬ時の心情や感覚というものは未だ知らない。ただ、死ぬ時に何を想うかはきっと人それぞれだと思う。飛び降り自殺、他殺、自然死…これら全てが同じ「死」というものではないと思う。つまり「死」というのはそのジャンルとしてまとめるにはあまりにも大きすぎるものなのではないかと仮定した。
 苦しいもの、そうでないもの。俺はまだこの二つしか知らない。これ以上は展開ができない。どうすれば俺は自分の納得いく真理に辿り着くのかもわかっていない。それはきっとこの先も新聞を切り取る作業を続けて得られるものではない。 

 きっとなにか新しいことが必要なんだ…
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