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終章
冷たい桜
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「――――姉さん。俺は、後悔していません。『朔』に戻ったことを、恨んでいません。俺は、分かったんです。俺は、確かな自分が欲しかった。名前や経歴が嘘の、根無し草のような存在は嫌だったんです。朔の寿命が短いことは、承知しています。いつ死んでしまうかも分からない。
しかし、人間なんて、皆そんなものじゃないかと、俺は思います。誰も自分がいつ死ぬかなんて分かりっこない。明日かもしれないし、明後日かもしれない。それとも十年後かもしれない。皆一緒です。誰も、自分がいつ死ぬかなんて、分かりません。俺は、貴方が俺の寿命を延ばそうとして下さったことには、感謝しています。
だから、今まで、三十二歳という長い時間、生きてくることが出来た。たくさんの経験もした。貴方は、俺にとって最善の方法を考えてくれたのです。今は、俺は『朔』になってしまったけれど、それも、後悔していません。俺は、やっと本当の俺になることが出来た。そのことが、酷く嬉しい。貴方には感謝しています。ありがとう、姉さん」
上島はふと思い出した。確か、父親と母親が一緒に出かけてしまっていて、姉と二人だった、冬の日の夜。上島は急にお腹が痛くなったのだった。そのとき、姉は―郁子は、おろおろしながらも必死で看病してくれたのだ。郁子の泣きそうだが、何とか上島に不安を気取られまいとしている表情が、昨日のことのように思い出される。
そんなことすら、忘れていた。誰にでも、一度は経験がある、当たり前のことなのかもしれない。おそらく、忘れていても、現在の生活には何ら支障のないことなのだろう。上島のように記憶を奪われなくても、世間には忘れている人がたくさんいる。しかし、そんな些細なこと一つ一つが、今の自分を形成しているのだ。
郁子は、溜め息をつくと、涙を拭いた。その表情はさっぱりとしていて、何かを吹っ切れたのが見てとれた。
「一つ、聞いてもいいですか。――――母さんは、どうして自殺を……?」
上島の記憶の中で、母は穏やかで優しい人だった。自殺など、考えそうになかったのだ。
「分からないわ……。私も詳しくは知らない。けど、この土地に引っ越してきてから、お母様は時々塞ぎこんでいたから……。何があったのか……。お父様は知っていたのかもしれないわ」
郁子は、桜に凭れた。
「分かっているのは、お母様は、この桜に魅入られてしまったということ……。それだけよ」
満開が過ぎたのか、桜は、飽くことなく花びらを降らせている。
「ねえ、覚えてる? 今日は、お母様の命日なのよ」
上島は驚いた。
「母さんの、命日……?」
「そう。十二年前の今日、お母様は亡くなったの……。今日、ここに来たのは、そのためよ。この服も、元はお母様のもの」
この、煙るような花びらの中で、母は亡くなったのだという。穏やかで優しいあの人は、桜に連れ去られたのだ。二度と戻れない場所へと。
上島は、桜を見つめたまま、何も言うことが出来ない。記憶が、十二年前に遡ったような気がした。十二年前のこの日、母が死ぬさまを、この目で見たのだ。脳裏に焼きついて離れないあの悪夢と、穏やかに笑んでいた母が、同じだとは。
「姉さん、俺の本当の名前は、何なんです?」
唐突に上島は尋ねた。本当の名前、それはどんな名なのか。
「上島勇朔。それが貴方の本当の名前よ」
「俺の? 本当の名前……?」
「改名しようかと何度も思った。けれど、出来なかった。『勇朔』というのは、お母様がつけた名前。お母様が、この世に居た証。それを変えてしまうことはどうしても出来なかった。姓も、変えてしまえばよかったのだけど」
「――そうですね、冬馬の養子にしたのなら、姓を冬馬にするのが普通のはず」
「私、冬馬に嫁いだでしょう。そうすれば、上島の姓を持つ者は、誰もいなくなってしまう。それに、貴方が上島であるということを忘れて欲しくなかった。お母様とお父様の子どもであったことを、覚えていて欲しかったのよ……」
上島は呆気に取られた。『上島勇朔』は今まで偽名だと思っていたのだ。自分が嘘だと思っていたものが、真実だったなんて。
「記憶を取り戻せれば、世界はクリアに見えると思っていました。分からないことなんて、何一つない。明らかな世界が広がっていると思った。けれど、そうではないんですね。記憶を取り戻したというのに、それでも分からないこと、忘れていることがたくさんある」
郁子は、小さく笑みを見せた。
「それが、普通なのだと思うわ。誰でも、自分の過去を全て覚えているわけじゃない。ある場面が抜けていたり、忘れていたり。かと思えば小さなことをいつまでも覚えていたりするものよ」
郁子は、上島に背を向けた。
「ねえ、勇朔。記憶を取り戻して、良かったと思うことはある?」
郁子の声が強張っていた。
その背中は、細く、ただ審判のときを待っているようだと上島は思う。
上島は微笑んだ。
「たくさんありますよ。けれど、一つだけ、とても良かったと思うことがあります」
上島は満面の笑みを湛えて言った。
「郁子さんと、赤の他人でなくて良かった。――そう、思いますよ」
泣き笑いのような表情で振り向いた郁子が、何故か母の表情と重なった。
性格は全く違うのに、やはり親子は似るものらしい。
上島と郁子は、暫く桜を見上げていた。
この世で一番美しい桜だ。そう、思えた。
「恐ろしい桜ね。何百人もの人が、同じ場所で命を落としている。何に魅入られてしまうのかしら。――桜が満開に咲いているから、余計にそう感じるわ」
「桜の木の下には、死体が埋まっていると言ったのは、梶井基次郎でしたか」
上島は、煙草を取り出して火を点けた。月にかかる雲のように、紫煙が流れていく。
「それも納得出来るわ。こんなに美しい花を咲かせることが出来るのは、根元に死体でも埋まっていないと出来るはずがないもの」
「梶井も、確か同じことを言っていましたよ」
そうなのかもしれない。日本全国に咲き誇る桜。人々は花見だと浮かれ気分だが、不思議に思う人はいないのだろうか。日本人がどうして桜に惹かれるのか。
他にも花はたくさんあるのに、何故桜なのか。
太古の昔から、人間は生まれ、死んできた。あらゆる場所に屍骸が埋められた。それを養分にして、桜は咲いているのではないのか。
桜は、いつでも犠牲者を待ち望んでいるのだ。
己を綺麗に咲かせるため、他者を糧にして。
郁子が去ってからも、上島は独りでそこに居た。
記憶を取り戻せば、劇的に何かが変わるかと思っていたが、実際はそうではなかった。ただ欠けていたパズルのピースが、あるべきところに収まった。
そんな思いだ。
記憶というのは、形のあるものでも、重みのあるものではない。記憶を失わなければ、思い出の価値は分からない。
一際強い風が吹いて、花びらを一面に散らした。まだまだ、気候は寒い。
「花冷えの季節だ……」
呟いて、上島は桜を見上げる。
地面には、桜がまるで絨毯のように、敷き詰められていた。
人々を狂わせてきた桜。
上島の運命さえも変えた桜の木だ。
この桜の木は、ずっと生き続けてきたのだろう。
これまでも、そしてこれからも、物言わぬ桜は、春だけを纏ってその地に存在し続ける。
あたかも、呪縛のように。
薄紅色の桜は、美しかった。
地面に落ちた桜の花びらを、ひとひら、手に取る。
しんと冷えた、冷たい桜だった。
【完】
しかし、人間なんて、皆そんなものじゃないかと、俺は思います。誰も自分がいつ死ぬかなんて分かりっこない。明日かもしれないし、明後日かもしれない。それとも十年後かもしれない。皆一緒です。誰も、自分がいつ死ぬかなんて、分かりません。俺は、貴方が俺の寿命を延ばそうとして下さったことには、感謝しています。
だから、今まで、三十二歳という長い時間、生きてくることが出来た。たくさんの経験もした。貴方は、俺にとって最善の方法を考えてくれたのです。今は、俺は『朔』になってしまったけれど、それも、後悔していません。俺は、やっと本当の俺になることが出来た。そのことが、酷く嬉しい。貴方には感謝しています。ありがとう、姉さん」
上島はふと思い出した。確か、父親と母親が一緒に出かけてしまっていて、姉と二人だった、冬の日の夜。上島は急にお腹が痛くなったのだった。そのとき、姉は―郁子は、おろおろしながらも必死で看病してくれたのだ。郁子の泣きそうだが、何とか上島に不安を気取られまいとしている表情が、昨日のことのように思い出される。
そんなことすら、忘れていた。誰にでも、一度は経験がある、当たり前のことなのかもしれない。おそらく、忘れていても、現在の生活には何ら支障のないことなのだろう。上島のように記憶を奪われなくても、世間には忘れている人がたくさんいる。しかし、そんな些細なこと一つ一つが、今の自分を形成しているのだ。
郁子は、溜め息をつくと、涙を拭いた。その表情はさっぱりとしていて、何かを吹っ切れたのが見てとれた。
「一つ、聞いてもいいですか。――――母さんは、どうして自殺を……?」
上島の記憶の中で、母は穏やかで優しい人だった。自殺など、考えそうになかったのだ。
「分からないわ……。私も詳しくは知らない。けど、この土地に引っ越してきてから、お母様は時々塞ぎこんでいたから……。何があったのか……。お父様は知っていたのかもしれないわ」
郁子は、桜に凭れた。
「分かっているのは、お母様は、この桜に魅入られてしまったということ……。それだけよ」
満開が過ぎたのか、桜は、飽くことなく花びらを降らせている。
「ねえ、覚えてる? 今日は、お母様の命日なのよ」
上島は驚いた。
「母さんの、命日……?」
「そう。十二年前の今日、お母様は亡くなったの……。今日、ここに来たのは、そのためよ。この服も、元はお母様のもの」
この、煙るような花びらの中で、母は亡くなったのだという。穏やかで優しいあの人は、桜に連れ去られたのだ。二度と戻れない場所へと。
上島は、桜を見つめたまま、何も言うことが出来ない。記憶が、十二年前に遡ったような気がした。十二年前のこの日、母が死ぬさまを、この目で見たのだ。脳裏に焼きついて離れないあの悪夢と、穏やかに笑んでいた母が、同じだとは。
「姉さん、俺の本当の名前は、何なんです?」
唐突に上島は尋ねた。本当の名前、それはどんな名なのか。
「上島勇朔。それが貴方の本当の名前よ」
「俺の? 本当の名前……?」
「改名しようかと何度も思った。けれど、出来なかった。『勇朔』というのは、お母様がつけた名前。お母様が、この世に居た証。それを変えてしまうことはどうしても出来なかった。姓も、変えてしまえばよかったのだけど」
「――そうですね、冬馬の養子にしたのなら、姓を冬馬にするのが普通のはず」
「私、冬馬に嫁いだでしょう。そうすれば、上島の姓を持つ者は、誰もいなくなってしまう。それに、貴方が上島であるということを忘れて欲しくなかった。お母様とお父様の子どもであったことを、覚えていて欲しかったのよ……」
上島は呆気に取られた。『上島勇朔』は今まで偽名だと思っていたのだ。自分が嘘だと思っていたものが、真実だったなんて。
「記憶を取り戻せれば、世界はクリアに見えると思っていました。分からないことなんて、何一つない。明らかな世界が広がっていると思った。けれど、そうではないんですね。記憶を取り戻したというのに、それでも分からないこと、忘れていることがたくさんある」
郁子は、小さく笑みを見せた。
「それが、普通なのだと思うわ。誰でも、自分の過去を全て覚えているわけじゃない。ある場面が抜けていたり、忘れていたり。かと思えば小さなことをいつまでも覚えていたりするものよ」
郁子は、上島に背を向けた。
「ねえ、勇朔。記憶を取り戻して、良かったと思うことはある?」
郁子の声が強張っていた。
その背中は、細く、ただ審判のときを待っているようだと上島は思う。
上島は微笑んだ。
「たくさんありますよ。けれど、一つだけ、とても良かったと思うことがあります」
上島は満面の笑みを湛えて言った。
「郁子さんと、赤の他人でなくて良かった。――そう、思いますよ」
泣き笑いのような表情で振り向いた郁子が、何故か母の表情と重なった。
性格は全く違うのに、やはり親子は似るものらしい。
上島と郁子は、暫く桜を見上げていた。
この世で一番美しい桜だ。そう、思えた。
「恐ろしい桜ね。何百人もの人が、同じ場所で命を落としている。何に魅入られてしまうのかしら。――桜が満開に咲いているから、余計にそう感じるわ」
「桜の木の下には、死体が埋まっていると言ったのは、梶井基次郎でしたか」
上島は、煙草を取り出して火を点けた。月にかかる雲のように、紫煙が流れていく。
「それも納得出来るわ。こんなに美しい花を咲かせることが出来るのは、根元に死体でも埋まっていないと出来るはずがないもの」
「梶井も、確か同じことを言っていましたよ」
そうなのかもしれない。日本全国に咲き誇る桜。人々は花見だと浮かれ気分だが、不思議に思う人はいないのだろうか。日本人がどうして桜に惹かれるのか。
他にも花はたくさんあるのに、何故桜なのか。
太古の昔から、人間は生まれ、死んできた。あらゆる場所に屍骸が埋められた。それを養分にして、桜は咲いているのではないのか。
桜は、いつでも犠牲者を待ち望んでいるのだ。
己を綺麗に咲かせるため、他者を糧にして。
郁子が去ってからも、上島は独りでそこに居た。
記憶を取り戻せば、劇的に何かが変わるかと思っていたが、実際はそうではなかった。ただ欠けていたパズルのピースが、あるべきところに収まった。
そんな思いだ。
記憶というのは、形のあるものでも、重みのあるものではない。記憶を失わなければ、思い出の価値は分からない。
一際強い風が吹いて、花びらを一面に散らした。まだまだ、気候は寒い。
「花冷えの季節だ……」
呟いて、上島は桜を見上げる。
地面には、桜がまるで絨毯のように、敷き詰められていた。
人々を狂わせてきた桜。
上島の運命さえも変えた桜の木だ。
この桜の木は、ずっと生き続けてきたのだろう。
これまでも、そしてこれからも、物言わぬ桜は、春だけを纏ってその地に存在し続ける。
あたかも、呪縛のように。
薄紅色の桜は、美しかった。
地面に落ちた桜の花びらを、ひとひら、手に取る。
しんと冷えた、冷たい桜だった。
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