17 / 143
日常
初日の終わりと、日常の始まりと
しおりを挟む
「ふー……さすがに疲れたわね……」
ようやく寮の部屋に戻って1人きりになって深く息を吐く。
あの後みんなと一緒にセオドア先生にアリシアを襲った生徒たちを引き渡した。
暴言やアリシアにしたことについては部分的にぼかしながらではあったが、それでもセオドア先生は察してくれたらしく「あとは任せてくれ」といって生徒たちを連れて行ってくれた。
アルドリックやフローラ、使用人に見送られたのが今朝だということが信じられないほどたくさんの事が起きた。
なんだか一日ばたばたと巻き込まれていたら終わってしまったという感想だった。
それでも懸念事項だった「みんなとどう出会うか」ということについてはクリアできた。
「でもやっぱり気になるのは……」
ノートに【貴族と平民の平等】と書き出す。
まさか直接アリシアにああいった無茶な行為をするなんて思っていなかった。せっかくこんなに楽しい『セレスティアル・ラブ・クロニクル』の世界なんだからもっとみんな楽しめばいいのに、と思わなくもないけど、きっと彼らにも彼らなりの何か理由があるのだろう。
『何がおかしい!その女は汚らしい平民で、俺は貴族だ!!その女に罰を与える権利が俺にはある!!それが俺の使命なんだ!!!』
まだあの時の彼の叫び声が耳に残っている。あのむき出しの敵意は、直接向けられていない私も正直怖かった。
教室のあの様子だとアリシアと彼は今日が初対面のはずだ。それなのにあれほどにも強い感情をアリシアに向けるのは何か理由があるはずだ。
「でもなんだか腑に落ちないのよねぇ……」
さすがにいくら何でもあれはやりすぎではないだろうか。
うーんと、ペンを唇に当てながら考え始めたところで【コンコン】と控えめに扉がノックされたので顔をあげる。
「はい?」
「レーヴィアナさん!こんばんわです!」
「ミーナさん?どうぞ」
「失礼するです!」
扉を開けると、ミーナが満面の笑みを浮かべて部屋に入ってくる。後ろにはナタリーも一緒だった。
「ミーナさんからここに来るまでに少し聞いたんですが、大変だったみたいですね。私……ほか生徒のお手伝いしてて……お手伝いすることもできずごめんなさい!」
「アリシアも無事でしたし何も問題ないですわ」
「あの時のレヴィアナさん、すっごいカッコよかったですよー」
「いえ、私なんかまだまだですわ……ところで……」
2人の来訪の目的がわからず首をかしげると、ミーナがポンと手をたたいて「そうでした」と口を開く。
「明日の授業午前中で終わるですよね?午後から生徒会の女子たちでシルフィード広場に行きませんか?というお誘いです!」
「今日アリシアさんもあんなことありましたし、気分転換になれば……と思いまして」
願ってもないお誘いに、私は目を輝かせる。
「まあ!それは……アリシアは大丈夫ですの?」
「はい!アリシアさんもぜひにって言ってましたです!」
イベントでもさんざんお世話になったシルフィード広場に行く機会を断る理由なんて一つもなかった。
それにゲーム内には登場しなかったミーナやナタリーとの親睦を深めるチャンスでもある。当然アリシアとも。
「もちろんわたくしもご一緒させてくださいまし!」
「はい!ありがとうございます!」
「では、また明日ですね」と2人は手を振って帰っていく。
(そっか……そうよね……)
一人きりの部屋でうなづく。
これまでゲーム内のアリシアは攻略対象の4人とのイベントは様々描かれているが、こういった普通に買い物に行くといったイベントはほとんど見なかった。
でもアリシアやいわゆるモブキャラにもそういった日常があるのは当たり前だ。
放課後女の子たちが集まって買い物にいって遊ぶ、というなんだかごく普通のゲームの裏側を覗くような体験にワクワクしてしまう。
(でも……さすがに今日はもう限界……)
扉にかけた札を『就寝中』に変更して、そのままベッドにダイブした。
***
昨日のアリシアを襲った男たちが何かしてくるのではないか、という可能性を考え少し早めに教室に向かった。しかし教室を見渡しても男たちの姿は見当たらない。
(昨日の今日でさすがに何かしてくることはないわよね……。ま、さすがに早すぎか)
自分の席について、ふうと一息つく。まだ授業開始には1時間以上時間があったが、誰もいない教室をこそこそと動き回り、ゲームのイラストと同じ角度に立って教室を眺めてニヤニヤしてみたり、また座ってみたりと、1人で満喫しているとあっという間に時間が過ぎていった。
「あ!おはようございますです!早いですね!」
とてとてと可愛らしい効果音が鳴っているのではないかというほど軽快にミーナが駆け寄ってくる。
「今日はどのお店行くですかねー?」
「そうですわねぇ……」
と2人で今日行く予定の店を話していると、ナタリーもやってきて「おはようございます」と合流をする。
放課後どこに行くかについて3人で盛り上がっていると、ほかのクラスメイト達も次々と教室に入ってきていて席に着いていく。
セシルの姿が見えなかったのでイグニスに聞いてみると「あいつ、天気がいいから外で魔法を使わないのはもったいないとか言ってどっかいっちまったよ」とのことだった。
今日の授業の参加は自由とは言え、入学2日目でいきなりさぼるのはいかにもセシルらしい。セシル以外にも教室で見かけない生徒もいる。そして、結局昨日アリシアを襲った生徒は出席してこなかった。
(謹慎か……クラスが変わったのか……なんにせよ今日はよかったわよね)
昨日あんなことがあって、今日いきなり登校してきたらアリシアも緊張するだろう。
ほかのクラスメイトたちの様子を見る限り、アリシアに敵意を向けている様子はないしとりあえずは安心した。
「ミーナたちもセシルさんみたいにお休みすればよかったですかね?」
初日の授業は魔法の基礎理論だった。
屋敷に居る時に勉強して居た内容ではあった、でも。
「駄目ですわ。昨日セオドア先生も腕章の授与の時に生徒会メンバーは生徒の模範であれって言っていたでしょう?」
「そうですけどー……」
「それに、知らないことを知るのは楽しいではありませんの。ねぇ、アリシア?」
「もちろん!それにこんな沢山の人と同じ空間を共有するのって楽しいし」
「私も師匠と2人きりの事が多かったのでアリシアさんと同意見です!」
「うぅ……みんななんだか輝いて見えるです……」
机にぺしゃっとつぶれたミーナを見ながらみんなで声を立てて笑いあう。
昨日あんなことがあったアリシアも、変わらず明るい様子でほっとする。
「お!君たちちょっといいかい?」
ノートもしまい、これから外に行こうと思った瞬間セオドア先生に呼び止められる。
「もしよかったらなんだが、ちょっと書類整理を手伝ってほしくてな。マリウスは捕まったんだがあと一人くらいいるとちょうどいいなぁと」
私たちは少し顔を見合わせる。
「では、私がお手伝いします!」
「おおそうか!ありがとう、助かるよ」
真っ先に返事をしたのはアリシアだった。私はそんな様子をみてひとり頷く。
マリウスと書類整理中に見つけた魔導書で盛り上がり、一緒に放課後魔法訓練所で練習をして親密度を上げていく……というイベントがこの後ある。
「ミーナたちもお手伝いしますか?」
「あー……、資料庫はそんなに大きくないから今回はアリシアに頼むことにするよ。ミーナたちはまた今度手伝ってくれ」
「アリシア……本当にいいですか?」
「うん。私はシルフィード広場行ったことあるし、みんなで行ってきてよ!」
流石はヒロインのアリシア。実に自然に攻略対象のマリウスとのイベントを成立させている……なーんて。
アリシアも私たちが元気づける必要がないくらい溌溂としているし、私たちがいても何もイベントの邪魔でしかない。アリシアと仲良くなるのはこれからいくらでもできる。
「わかりましたわ。じゃあ、お言葉に甘えますわね」
「いってらっしゃーい」
手を振るアリシアを後に私たちは外へ向かった。
ようやく寮の部屋に戻って1人きりになって深く息を吐く。
あの後みんなと一緒にセオドア先生にアリシアを襲った生徒たちを引き渡した。
暴言やアリシアにしたことについては部分的にぼかしながらではあったが、それでもセオドア先生は察してくれたらしく「あとは任せてくれ」といって生徒たちを連れて行ってくれた。
アルドリックやフローラ、使用人に見送られたのが今朝だということが信じられないほどたくさんの事が起きた。
なんだか一日ばたばたと巻き込まれていたら終わってしまったという感想だった。
それでも懸念事項だった「みんなとどう出会うか」ということについてはクリアできた。
「でもやっぱり気になるのは……」
ノートに【貴族と平民の平等】と書き出す。
まさか直接アリシアにああいった無茶な行為をするなんて思っていなかった。せっかくこんなに楽しい『セレスティアル・ラブ・クロニクル』の世界なんだからもっとみんな楽しめばいいのに、と思わなくもないけど、きっと彼らにも彼らなりの何か理由があるのだろう。
『何がおかしい!その女は汚らしい平民で、俺は貴族だ!!その女に罰を与える権利が俺にはある!!それが俺の使命なんだ!!!』
まだあの時の彼の叫び声が耳に残っている。あのむき出しの敵意は、直接向けられていない私も正直怖かった。
教室のあの様子だとアリシアと彼は今日が初対面のはずだ。それなのにあれほどにも強い感情をアリシアに向けるのは何か理由があるはずだ。
「でもなんだか腑に落ちないのよねぇ……」
さすがにいくら何でもあれはやりすぎではないだろうか。
うーんと、ペンを唇に当てながら考え始めたところで【コンコン】と控えめに扉がノックされたので顔をあげる。
「はい?」
「レーヴィアナさん!こんばんわです!」
「ミーナさん?どうぞ」
「失礼するです!」
扉を開けると、ミーナが満面の笑みを浮かべて部屋に入ってくる。後ろにはナタリーも一緒だった。
「ミーナさんからここに来るまでに少し聞いたんですが、大変だったみたいですね。私……ほか生徒のお手伝いしてて……お手伝いすることもできずごめんなさい!」
「アリシアも無事でしたし何も問題ないですわ」
「あの時のレヴィアナさん、すっごいカッコよかったですよー」
「いえ、私なんかまだまだですわ……ところで……」
2人の来訪の目的がわからず首をかしげると、ミーナがポンと手をたたいて「そうでした」と口を開く。
「明日の授業午前中で終わるですよね?午後から生徒会の女子たちでシルフィード広場に行きませんか?というお誘いです!」
「今日アリシアさんもあんなことありましたし、気分転換になれば……と思いまして」
願ってもないお誘いに、私は目を輝かせる。
「まあ!それは……アリシアは大丈夫ですの?」
「はい!アリシアさんもぜひにって言ってましたです!」
イベントでもさんざんお世話になったシルフィード広場に行く機会を断る理由なんて一つもなかった。
それにゲーム内には登場しなかったミーナやナタリーとの親睦を深めるチャンスでもある。当然アリシアとも。
「もちろんわたくしもご一緒させてくださいまし!」
「はい!ありがとうございます!」
「では、また明日ですね」と2人は手を振って帰っていく。
(そっか……そうよね……)
一人きりの部屋でうなづく。
これまでゲーム内のアリシアは攻略対象の4人とのイベントは様々描かれているが、こういった普通に買い物に行くといったイベントはほとんど見なかった。
でもアリシアやいわゆるモブキャラにもそういった日常があるのは当たり前だ。
放課後女の子たちが集まって買い物にいって遊ぶ、というなんだかごく普通のゲームの裏側を覗くような体験にワクワクしてしまう。
(でも……さすがに今日はもう限界……)
扉にかけた札を『就寝中』に変更して、そのままベッドにダイブした。
***
昨日のアリシアを襲った男たちが何かしてくるのではないか、という可能性を考え少し早めに教室に向かった。しかし教室を見渡しても男たちの姿は見当たらない。
(昨日の今日でさすがに何かしてくることはないわよね……。ま、さすがに早すぎか)
自分の席について、ふうと一息つく。まだ授業開始には1時間以上時間があったが、誰もいない教室をこそこそと動き回り、ゲームのイラストと同じ角度に立って教室を眺めてニヤニヤしてみたり、また座ってみたりと、1人で満喫しているとあっという間に時間が過ぎていった。
「あ!おはようございますです!早いですね!」
とてとてと可愛らしい効果音が鳴っているのではないかというほど軽快にミーナが駆け寄ってくる。
「今日はどのお店行くですかねー?」
「そうですわねぇ……」
と2人で今日行く予定の店を話していると、ナタリーもやってきて「おはようございます」と合流をする。
放課後どこに行くかについて3人で盛り上がっていると、ほかのクラスメイト達も次々と教室に入ってきていて席に着いていく。
セシルの姿が見えなかったのでイグニスに聞いてみると「あいつ、天気がいいから外で魔法を使わないのはもったいないとか言ってどっかいっちまったよ」とのことだった。
今日の授業の参加は自由とは言え、入学2日目でいきなりさぼるのはいかにもセシルらしい。セシル以外にも教室で見かけない生徒もいる。そして、結局昨日アリシアを襲った生徒は出席してこなかった。
(謹慎か……クラスが変わったのか……なんにせよ今日はよかったわよね)
昨日あんなことがあって、今日いきなり登校してきたらアリシアも緊張するだろう。
ほかのクラスメイトたちの様子を見る限り、アリシアに敵意を向けている様子はないしとりあえずは安心した。
「ミーナたちもセシルさんみたいにお休みすればよかったですかね?」
初日の授業は魔法の基礎理論だった。
屋敷に居る時に勉強して居た内容ではあった、でも。
「駄目ですわ。昨日セオドア先生も腕章の授与の時に生徒会メンバーは生徒の模範であれって言っていたでしょう?」
「そうですけどー……」
「それに、知らないことを知るのは楽しいではありませんの。ねぇ、アリシア?」
「もちろん!それにこんな沢山の人と同じ空間を共有するのって楽しいし」
「私も師匠と2人きりの事が多かったのでアリシアさんと同意見です!」
「うぅ……みんななんだか輝いて見えるです……」
机にぺしゃっとつぶれたミーナを見ながらみんなで声を立てて笑いあう。
昨日あんなことがあったアリシアも、変わらず明るい様子でほっとする。
「お!君たちちょっといいかい?」
ノートもしまい、これから外に行こうと思った瞬間セオドア先生に呼び止められる。
「もしよかったらなんだが、ちょっと書類整理を手伝ってほしくてな。マリウスは捕まったんだがあと一人くらいいるとちょうどいいなぁと」
私たちは少し顔を見合わせる。
「では、私がお手伝いします!」
「おおそうか!ありがとう、助かるよ」
真っ先に返事をしたのはアリシアだった。私はそんな様子をみてひとり頷く。
マリウスと書類整理中に見つけた魔導書で盛り上がり、一緒に放課後魔法訓練所で練習をして親密度を上げていく……というイベントがこの後ある。
「ミーナたちもお手伝いしますか?」
「あー……、資料庫はそんなに大きくないから今回はアリシアに頼むことにするよ。ミーナたちはまた今度手伝ってくれ」
「アリシア……本当にいいですか?」
「うん。私はシルフィード広場行ったことあるし、みんなで行ってきてよ!」
流石はヒロインのアリシア。実に自然に攻略対象のマリウスとのイベントを成立させている……なーんて。
アリシアも私たちが元気づける必要がないくらい溌溂としているし、私たちがいても何もイベントの邪魔でしかない。アリシアと仲良くなるのはこれからいくらでもできる。
「わかりましたわ。じゃあ、お言葉に甘えますわね」
「いってらっしゃーい」
手を振るアリシアを後に私たちは外へ向かった。
4
あなたにおすすめの小説
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
悪役令嬢に成り代わったのに、すでに詰みってどういうことですか!?
ぽんぽこ狸
恋愛
仕事帰りのある日、居眠り運転をしていたトラックにはねられて死んでしまった主人公。次に目を覚ますとなにやら暗くジメジメした場所で、自分に仕えているというヴィンスという男の子と二人きり。
彼から話を聞いているうちに、なぜかその話に既視感を覚えて、確認すると昔読んだことのある児童向けの小説『ララの魔法書!』の世界だった。
その中でも悪役令嬢である、クラリスにどうやら成り代わってしまったらしい。
混乱しつつも話をきていくとすでに原作はクラリスが幽閉されることによって終結しているようで愕然としているさなか、クラリスを見限り原作の主人公であるララとくっついた王子ローレンスが、訪ねてきて━━━━?!
原作のさらに奥深くで動いていた思惑、魔法玉(まほうぎょく)の謎、そして原作の男主人公だった完璧な王子様の本性。そのどれもに翻弄されながら、なんとか生きる一手を見出す、学園ファンタジー!
ローレンスの性格が割とやばめですが、それ以外にもダークな要素強めな主人公と恋愛?をする、キャラが二人ほど、登場します。世界観が殺伐としているので重い描写も多いです。読者さまが色々な意味でドキドキしてくれるような作品を目指して頑張りますので、よろしくお願いいたします。
完結しました!最後の一章分は遂行していた分がたまっていたのと、話が込み合っているので一気に二十万文字ぐらい上げました。きちんと納得できる結末にできたと思います。ありがとうございました。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる