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テンペトゥス・ノクテム
私は一体何のためにここに居るのか
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「エレクトロフィールド!」
迫ってくるミネットの攻撃を防御魔法で受け止める。
魔法を放った後に間髪いれず、ジェイミーがヒートスパイクを放ってきたがそれも防御魔法で防いだ。
2人の攻撃は確かに強力ではあったけど、それでもお父様の館を襲ったエレメンタルエンフォーサーで強化された魔法の威力とは比べるまでも無かったし、セオドア先生やテンペストゥス・ノクテムから感じる威圧感も無かった。
「もういい加減に目を覚ましなさい!あなたたちは操られているのよ!!」
「操られてなどいません」
ミネットが声を張り上げる。
「私は私の意志でテンペストゥス・ノクテム様に協力しているんです」
その言葉に便乗するようにジェイミーも声を上げる。
「私もそうです。レヴィアナさんを倒すことが私たちの目標なんです」
2人の顔にはいつもの笑顔はない。虚な目をして、ただ私の事を敵として認識していた。
「マリウスも私がしたいことの邪魔をするんですか?」
「それは君がやりたいことではないだろう!」
「私は助けを求められたんです。だから助けないといけないんです」
「私の知っているナタリーはそんな人間ではない!目を覚ませ!」
ナタリーがマリウスに対して魔法を放つ。次々と迫る氷の弾丸に防戦一方だった。
「これは……本格的に駄目みたいだな」
「そうね。いくら話しかけても、攻撃しても正気に戻すのは難しそうね」
マリウスと背中合わせになり、ナタリーとミネット、ジェイミーの様子を窺う。
このまま戦っても全く連携の取れていない3人に負ける気はしない。でもテンペストゥス・ノクテムに操られた3人は、自分の魔力の残量も気にせずに一撃一撃に全力以上の魔力を込め魔法を放ってくる。
「どうする?何か考えがあって分断したんじゃないのか?」
「そんなもの無いわよ」
「おいおい……」
「でも下手にあの場所で戦ってあの3人が変に巻き沿いを食っても嫌でしょ?だからこうして移動したんじゃない」
収束されたフレアバーストが私たちを襲う。下手に防御して爆風を巻き起こすのを避け、お互い横に飛びのき次の攻撃に備える。
「まぁ、そうね……」
ナタリーの顔を見る。
氷魔法を使うときの凛とした表情でも、美味しいお菓子を目の前にしたときの眼をくるくる回したあの表情でも、マリウスといる時のもどかしく照れたような表情もそこにはない。
「冷静になってもらうために水でもかぶってもらいましょうか」
***
(レヴィアナさんを倒さないと……テンペストゥス・ノクテム様を助けないと……)
辺りがずっとふわふわしている。
テンペストゥス・ノクテム様に返事をしてから、ずっとこのふわふわは続いている。
レヴィアナさんを攻撃したくはない。私の魔法はこんなことに使うために練習してきたわけではない。
(じゃあ……何のため?)
何度目か分からない自問自答を繰り返す。
ずっと、ずっと誰かのためになる魔法を勉強してきたのに……師匠みたいに、師匠が私を助けてくれたように私も誰かを助けたいと思って来た。
じゃあ……
(助けてあげたい人が助けを求めてなかったら?)
わからない。
さっきまではレヴィアナさんと一緒に戦ってたのに、レヴィアナさんを倒すために、テンペストゥス・ノクテム様のために魔法を放っている。
「氷河の奔流、我が意志に従い押し寄せよ!冷たき波動、グレイシャルウェーブ!」
普通の人なら一瞬で氷漬けになってしまうような巨大な渦潮がレヴィアナさんめがけて向かっていく。
でもきっとレヴィアナさんはこんな攻撃防いでくれる。
ほら、やっぱり。私の魔法じゃレヴィアナさんを倒せない。
一緒にいる2人もレヴィアナさん目がけて魔法を放つ。そんな攻撃もなんでもないかのようにあっさり躱す。
(そんな攻撃じゃだめですよ。レヴィアナさんはそんな攻撃じゃ倒せません)
でもこの2人はレヴィアナさんの事を大好きで、いつも楽しそうに話しかけていたんじゃなかったっけ?なんで攻撃してるの?
あれ……?私もなんで大好きなレヴィアナさんを攻撃……?そう言えばマリウスさんは?
あれ?マリウスさんがいない。
よくわからない。もう考えたくない。
目の間にレヴィアナさんがいる。駄目だ、集中しないと。
とりあえず頼まれた通りレヴィアナさんを倒してそれから考えよう。
「氷河の奔流、我が意志に従い押し寄せよ!冷たき波動、グレイシャルウェーブ!」
あ、でもやっぱり倒せない。
レヴィアナさんを助けることも、テンペストゥス・ノクテム様を助けることも出来ない私は一体―――――
あ、レヴィアナさんがこっちを向いてる。どうしたんだろう。
「ちゃんと頭を冷やしなさい!!」
上空に気配を感じ顔を上げると、大量の水が空を覆っていた。
***
マリウスのウェイブクラッシュは寸分のタイミングの狂いもなく3人を呑み込んだ。
間髪入れずに魔法の詠唱を開始する。
「雷光の連鎖、我が指先に宿りて無限の鎖となれ!閃光の縛め、ライトニングチェイン!」
3人に押しつぶされて身動きが取れない今、この魔法を防ぐことは出来ない。直撃を受けた3人はそれぞれ痙攣するようにビクリと身体を震わせ、そして力なく倒れた。
「おいおい、大丈夫か?」
崖の上から魔法を発動したマリウスが降りてくる。
「さすがマリウス!完璧なタイミングね!」
「いや、それはお前の囮が完璧すぎるからだろう。そんな事より3人は大丈夫なのか?」
辺り一面、雷魔法を放った後特有の焼け焦げた臭いと水蒸気が立ち込めていた。
地面を見ると3人がそれぞれ倒れていた。
「ちゃんと手加減したわよ。大丈夫、ちょっと気絶させただけ」
水魔法との相乗効果なのか、時折ビクンビクンと不随運動で身体を跳ねさせる。
3人に近寄り、ちゃんと全員呼吸をしていることを確認する。
(それにしてもテンペストゥス・ノクテムは一体どういうつもりなの……?)
私が囮になって崖の上から大魔法を発動させるというのはこの作戦はナタリーが以前マリウスたちに仕掛けたものと同じだ。ナタリー本人がそのことに気付かないはずがない。
それにせっかくこんな精神攻撃の魔法があるのならもっと効率のいい方法があったはず。
――――ドガン!!!!
元居た場所から爆炎が上がった。
(まぁ、良いわ。考えるのは後にしましょう)
これ以上犠牲者を増やさないためにもまずはテンペストゥス・ノクテムを倒すことが先決だ。
「マリウス、あなたのジャケットも貸してちょうだい」
「どうするんだ?」
「これでさっきの洗脳が解けたか分からないし一応縛ってから連れて行きましょう」
ジャケットを受け取るためにマリウスの方に歩み寄る。
「痛い……」
「ん……あれ……私……?」
「おい!レヴィアナ!」
振り返るとミネットとジェイミーが目を覚ましていた。
「ミネット?ジェイミー?」
まだテンペストゥス・ノクテムの支配下に居るのかもしれない。2人に対して身構える。
「あれ……?ここは……」
「ミネット?」
2人がきょろきょろと辺りを見渡している。この様子ならもう大丈夫そうだ。
「ミネット、ジェイミー、無事で良かったわ」
「レヴィアナさん!!すいません。私!!」
「違うんです!私!!」
どうやら操られていた時の記憶も残っているようだ。本当に悪趣味な敵だ。
「大丈夫よ。あなたたちのせいじゃないから。悪いのは全部あのテンペストゥス・ノクテムよ」
2人に近寄り、優しく頭をなでる。
「それよりあなたたちの成長に驚いたわ。しばらく気絶させるつもりの威力で放ったのよ?」
「レヴィアナさんに追いつきたくて……」
2人は目を潤ませながらそんな嬉しい事を言ってくれる。
ただ、こうしている間もナタリーはまるで深く眠っているかのように目を覚まさなかった。
「じゃ、あなたたちをこんなにしたテンペストゥス・ノクテムを倒しに戻りましょっか。体は大丈夫?辛かったらここで休んでいていいわよ」
「大丈夫です!まだ戦えます」
「私も平気です!」
「それじゃあ戻りましょう。ナタリーはマリウスに背負ってもらおうかしら?」
ナタリーの体を起こそうとしゃがみ込むと、ナタリーの頬には涙の痕が残っていた。
(テンペストゥス・ノクテム……私の友達にこんなことして……絶対に許さないから……)
キッとテンペストゥス・ノクテムの方に鋭い視線を送る。
決意を新たにテンペストゥス・ノクテムを倒すため再び戦場へと戻った。
迫ってくるミネットの攻撃を防御魔法で受け止める。
魔法を放った後に間髪いれず、ジェイミーがヒートスパイクを放ってきたがそれも防御魔法で防いだ。
2人の攻撃は確かに強力ではあったけど、それでもお父様の館を襲ったエレメンタルエンフォーサーで強化された魔法の威力とは比べるまでも無かったし、セオドア先生やテンペストゥス・ノクテムから感じる威圧感も無かった。
「もういい加減に目を覚ましなさい!あなたたちは操られているのよ!!」
「操られてなどいません」
ミネットが声を張り上げる。
「私は私の意志でテンペストゥス・ノクテム様に協力しているんです」
その言葉に便乗するようにジェイミーも声を上げる。
「私もそうです。レヴィアナさんを倒すことが私たちの目標なんです」
2人の顔にはいつもの笑顔はない。虚な目をして、ただ私の事を敵として認識していた。
「マリウスも私がしたいことの邪魔をするんですか?」
「それは君がやりたいことではないだろう!」
「私は助けを求められたんです。だから助けないといけないんです」
「私の知っているナタリーはそんな人間ではない!目を覚ませ!」
ナタリーがマリウスに対して魔法を放つ。次々と迫る氷の弾丸に防戦一方だった。
「これは……本格的に駄目みたいだな」
「そうね。いくら話しかけても、攻撃しても正気に戻すのは難しそうね」
マリウスと背中合わせになり、ナタリーとミネット、ジェイミーの様子を窺う。
このまま戦っても全く連携の取れていない3人に負ける気はしない。でもテンペストゥス・ノクテムに操られた3人は、自分の魔力の残量も気にせずに一撃一撃に全力以上の魔力を込め魔法を放ってくる。
「どうする?何か考えがあって分断したんじゃないのか?」
「そんなもの無いわよ」
「おいおい……」
「でも下手にあの場所で戦ってあの3人が変に巻き沿いを食っても嫌でしょ?だからこうして移動したんじゃない」
収束されたフレアバーストが私たちを襲う。下手に防御して爆風を巻き起こすのを避け、お互い横に飛びのき次の攻撃に備える。
「まぁ、そうね……」
ナタリーの顔を見る。
氷魔法を使うときの凛とした表情でも、美味しいお菓子を目の前にしたときの眼をくるくる回したあの表情でも、マリウスといる時のもどかしく照れたような表情もそこにはない。
「冷静になってもらうために水でもかぶってもらいましょうか」
***
(レヴィアナさんを倒さないと……テンペストゥス・ノクテム様を助けないと……)
辺りがずっとふわふわしている。
テンペストゥス・ノクテム様に返事をしてから、ずっとこのふわふわは続いている。
レヴィアナさんを攻撃したくはない。私の魔法はこんなことに使うために練習してきたわけではない。
(じゃあ……何のため?)
何度目か分からない自問自答を繰り返す。
ずっと、ずっと誰かのためになる魔法を勉強してきたのに……師匠みたいに、師匠が私を助けてくれたように私も誰かを助けたいと思って来た。
じゃあ……
(助けてあげたい人が助けを求めてなかったら?)
わからない。
さっきまではレヴィアナさんと一緒に戦ってたのに、レヴィアナさんを倒すために、テンペストゥス・ノクテム様のために魔法を放っている。
「氷河の奔流、我が意志に従い押し寄せよ!冷たき波動、グレイシャルウェーブ!」
普通の人なら一瞬で氷漬けになってしまうような巨大な渦潮がレヴィアナさんめがけて向かっていく。
でもきっとレヴィアナさんはこんな攻撃防いでくれる。
ほら、やっぱり。私の魔法じゃレヴィアナさんを倒せない。
一緒にいる2人もレヴィアナさん目がけて魔法を放つ。そんな攻撃もなんでもないかのようにあっさり躱す。
(そんな攻撃じゃだめですよ。レヴィアナさんはそんな攻撃じゃ倒せません)
でもこの2人はレヴィアナさんの事を大好きで、いつも楽しそうに話しかけていたんじゃなかったっけ?なんで攻撃してるの?
あれ……?私もなんで大好きなレヴィアナさんを攻撃……?そう言えばマリウスさんは?
あれ?マリウスさんがいない。
よくわからない。もう考えたくない。
目の間にレヴィアナさんがいる。駄目だ、集中しないと。
とりあえず頼まれた通りレヴィアナさんを倒してそれから考えよう。
「氷河の奔流、我が意志に従い押し寄せよ!冷たき波動、グレイシャルウェーブ!」
あ、でもやっぱり倒せない。
レヴィアナさんを助けることも、テンペストゥス・ノクテム様を助けることも出来ない私は一体―――――
あ、レヴィアナさんがこっちを向いてる。どうしたんだろう。
「ちゃんと頭を冷やしなさい!!」
上空に気配を感じ顔を上げると、大量の水が空を覆っていた。
***
マリウスのウェイブクラッシュは寸分のタイミングの狂いもなく3人を呑み込んだ。
間髪入れずに魔法の詠唱を開始する。
「雷光の連鎖、我が指先に宿りて無限の鎖となれ!閃光の縛め、ライトニングチェイン!」
3人に押しつぶされて身動きが取れない今、この魔法を防ぐことは出来ない。直撃を受けた3人はそれぞれ痙攣するようにビクリと身体を震わせ、そして力なく倒れた。
「おいおい、大丈夫か?」
崖の上から魔法を発動したマリウスが降りてくる。
「さすがマリウス!完璧なタイミングね!」
「いや、それはお前の囮が完璧すぎるからだろう。そんな事より3人は大丈夫なのか?」
辺り一面、雷魔法を放った後特有の焼け焦げた臭いと水蒸気が立ち込めていた。
地面を見ると3人がそれぞれ倒れていた。
「ちゃんと手加減したわよ。大丈夫、ちょっと気絶させただけ」
水魔法との相乗効果なのか、時折ビクンビクンと不随運動で身体を跳ねさせる。
3人に近寄り、ちゃんと全員呼吸をしていることを確認する。
(それにしてもテンペストゥス・ノクテムは一体どういうつもりなの……?)
私が囮になって崖の上から大魔法を発動させるというのはこの作戦はナタリーが以前マリウスたちに仕掛けたものと同じだ。ナタリー本人がそのことに気付かないはずがない。
それにせっかくこんな精神攻撃の魔法があるのならもっと効率のいい方法があったはず。
――――ドガン!!!!
元居た場所から爆炎が上がった。
(まぁ、良いわ。考えるのは後にしましょう)
これ以上犠牲者を増やさないためにもまずはテンペストゥス・ノクテムを倒すことが先決だ。
「マリウス、あなたのジャケットも貸してちょうだい」
「どうするんだ?」
「これでさっきの洗脳が解けたか分からないし一応縛ってから連れて行きましょう」
ジャケットを受け取るためにマリウスの方に歩み寄る。
「痛い……」
「ん……あれ……私……?」
「おい!レヴィアナ!」
振り返るとミネットとジェイミーが目を覚ましていた。
「ミネット?ジェイミー?」
まだテンペストゥス・ノクテムの支配下に居るのかもしれない。2人に対して身構える。
「あれ……?ここは……」
「ミネット?」
2人がきょろきょろと辺りを見渡している。この様子ならもう大丈夫そうだ。
「ミネット、ジェイミー、無事で良かったわ」
「レヴィアナさん!!すいません。私!!」
「違うんです!私!!」
どうやら操られていた時の記憶も残っているようだ。本当に悪趣味な敵だ。
「大丈夫よ。あなたたちのせいじゃないから。悪いのは全部あのテンペストゥス・ノクテムよ」
2人に近寄り、優しく頭をなでる。
「それよりあなたたちの成長に驚いたわ。しばらく気絶させるつもりの威力で放ったのよ?」
「レヴィアナさんに追いつきたくて……」
2人は目を潤ませながらそんな嬉しい事を言ってくれる。
ただ、こうしている間もナタリーはまるで深く眠っているかのように目を覚まさなかった。
「じゃ、あなたたちをこんなにしたテンペストゥス・ノクテムを倒しに戻りましょっか。体は大丈夫?辛かったらここで休んでいていいわよ」
「大丈夫です!まだ戦えます」
「私も平気です!」
「それじゃあ戻りましょう。ナタリーはマリウスに背負ってもらおうかしら?」
ナタリーの体を起こそうとしゃがみ込むと、ナタリーの頬には涙の痕が残っていた。
(テンペストゥス・ノクテム……私の友達にこんなことして……絶対に許さないから……)
キッとテンペストゥス・ノクテムの方に鋭い視線を送る。
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