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へびのとりこ
02
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「……入っていくか?」
もう一度くしゃみをした俺に、人外の人は意外に優しい言葉をかけてくれた。
「いいんですか?」
「ああ。そこじゃ風邪をひくだろ」
「じゃあ……失礼します」
それにしても人外だ、人外。すごい、本物だ。
いや、夢だから本物も偽物もないんだろうけど……でも、夢でもこんな間近で人外を見る機会なんて初めてだったから、俺はまじまじとその人のことを見てしまう。
人って呼んでいいのかな。まぁいいよね。半分は人っぽいし。
上半身は俺と変わらない。
いや、容姿は全然違うよ。超整ってる顔。めちゃくちゃ美形。俺の描く絵よりも整ってる……うん、これは言ってて悲しいから、もう言わない。
淡い紫色の髪は全体的に短いが、横に垂らした一房だけ長い。それは綺麗に編まれていて、鎖骨の下のあたりまで垂らされていた。
目の色は濃い金色。爬虫類っぽい瞳孔で、それもまた人外感を引き立てている。
でもって、下半身は……これたぶん、蛇だよな。すごく太くて長いから一瞬何かわかんなかったけど、ちゃんと鱗だってあるし……うん、蛇だ。すごい。
上半身人間で下半身蛇ってなんかいたよな。ラミア? ナーガ?
それはどっちも女の人だった気がするけど、男の人だとこんな感じなんだな……すげー色っぽく感じる。
真珠みたいな高級感の光沢のある鱗が、お湯に濡れてすごく艶めかしい感じがするからかな。うーん……ホントなんか目に毒って感じだ。
でも、目が離せないのは、絵を描く人間の性なのかも。
だってこんな美しいものが目の前にあって、見ないなんて勿体なさすぎるだろ。
「あからさまに見るんだな。お前は」
「あ、綺麗だなぁって思いまして……」
「変わったやつだ」
「そうですか? これ、下半身って蛇ですよね?」
「蛇だな……そういうことも普通に聞くし、少し見ない間に人間も図太くなったものだ」
「触っていいですか?」
「お前な」
だめ? やっぱり触るのはアウト?
……確かに下半身だもんな。明確にここが尻、ここから足みたいな境目が分かんない分、下手に触って当たっちゃダメなとことかに当たっちゃったらまずいもんな。
「……触りたいのか?」
「はい」
「好きにしろ」
「やったぁ! あ、ここは触るなとかあれば避けるので! むしろ、ここ触れって言ってもらったほうがいいんですかね?」
「どこでもいい」
「……そうですか? じゃあ」
何かちょっと呆れた顔をされてる気もしなくもないが、せっかく触っていいってお許し貰えたんだし。ここは遠慮なく。
―――うわぁ。
とりあえず、この辺なら足かな? ってところに触ってみた。
人間でいうところの太ももらへん? お湯の中だから、冷たさとかは全然ない。むしろ、お湯より少し熱いかもしれない。
触り心地は見た目の印象と同じですごい滑らかで、鱗とかちょっとぐらい引っかかるかなって思ってたけど、そんなことも全然なくて。
「……すごい、気持ちいい」
無意識にそんな声が出ちゃうぐらい、病みつきになる触感だった。
俺、爬虫類とか全く興味なかったのに、これはハマっちゃうかもしれない。
売れてお風呂のある物件の次は、ペット可物件で蛇飼っちゃう? マジそれやっちゃう? いつ売れるかわかんないけど。売れるかも不明だけど。
もう一度くしゃみをした俺に、人外の人は意外に優しい言葉をかけてくれた。
「いいんですか?」
「ああ。そこじゃ風邪をひくだろ」
「じゃあ……失礼します」
それにしても人外だ、人外。すごい、本物だ。
いや、夢だから本物も偽物もないんだろうけど……でも、夢でもこんな間近で人外を見る機会なんて初めてだったから、俺はまじまじとその人のことを見てしまう。
人って呼んでいいのかな。まぁいいよね。半分は人っぽいし。
上半身は俺と変わらない。
いや、容姿は全然違うよ。超整ってる顔。めちゃくちゃ美形。俺の描く絵よりも整ってる……うん、これは言ってて悲しいから、もう言わない。
淡い紫色の髪は全体的に短いが、横に垂らした一房だけ長い。それは綺麗に編まれていて、鎖骨の下のあたりまで垂らされていた。
目の色は濃い金色。爬虫類っぽい瞳孔で、それもまた人外感を引き立てている。
でもって、下半身は……これたぶん、蛇だよな。すごく太くて長いから一瞬何かわかんなかったけど、ちゃんと鱗だってあるし……うん、蛇だ。すごい。
上半身人間で下半身蛇ってなんかいたよな。ラミア? ナーガ?
それはどっちも女の人だった気がするけど、男の人だとこんな感じなんだな……すげー色っぽく感じる。
真珠みたいな高級感の光沢のある鱗が、お湯に濡れてすごく艶めかしい感じがするからかな。うーん……ホントなんか目に毒って感じだ。
でも、目が離せないのは、絵を描く人間の性なのかも。
だってこんな美しいものが目の前にあって、見ないなんて勿体なさすぎるだろ。
「あからさまに見るんだな。お前は」
「あ、綺麗だなぁって思いまして……」
「変わったやつだ」
「そうですか? これ、下半身って蛇ですよね?」
「蛇だな……そういうことも普通に聞くし、少し見ない間に人間も図太くなったものだ」
「触っていいですか?」
「お前な」
だめ? やっぱり触るのはアウト?
……確かに下半身だもんな。明確にここが尻、ここから足みたいな境目が分かんない分、下手に触って当たっちゃダメなとことかに当たっちゃったらまずいもんな。
「……触りたいのか?」
「はい」
「好きにしろ」
「やったぁ! あ、ここは触るなとかあれば避けるので! むしろ、ここ触れって言ってもらったほうがいいんですかね?」
「どこでもいい」
「……そうですか? じゃあ」
何かちょっと呆れた顔をされてる気もしなくもないが、せっかく触っていいってお許し貰えたんだし。ここは遠慮なく。
―――うわぁ。
とりあえず、この辺なら足かな? ってところに触ってみた。
人間でいうところの太ももらへん? お湯の中だから、冷たさとかは全然ない。むしろ、お湯より少し熱いかもしれない。
触り心地は見た目の印象と同じですごい滑らかで、鱗とかちょっとぐらい引っかかるかなって思ってたけど、そんなことも全然なくて。
「……すごい、気持ちいい」
無意識にそんな声が出ちゃうぐらい、病みつきになる触感だった。
俺、爬虫類とか全く興味なかったのに、これはハマっちゃうかもしれない。
売れてお風呂のある物件の次は、ペット可物件で蛇飼っちゃう? マジそれやっちゃう? いつ売れるかわかんないけど。売れるかも不明だけど。
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