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68 人生終わるかもしれない
しおりを挟む「喉を開け」
咥えたままだった昂りを一気に押し込まれ、喉からごぽっと今まで聞いたことのない変な音がした。
涙があふれるくらい苦しいのに、気持ちいいって感じるのはどういうことなんだろう。
喉奥を突かれるたび、強い痺れのような快感がうなじから背筋に向かって駆け抜ける。
物のように乱暴に扱われているのに、シディア様が自分を使って気持ちよくなってくれているという事実がたまらなく嬉しかった。
――なんか……お尻が、変……?
全く触っていないのに、お尻のほうに違和感を覚えた。
お腹の奥に重く溜まっていた熱の塊が、お尻のほうへ移動してきている気がする。その塊から、じわっと何かが染み出したような変な感じもした。
でも、そっちにばかり意識を向けていられない。
喉奥への責めが激しくなったからだ。
――もうすぐ、イくのかな。
酸欠でぼーっとしながら、涙の膜越しにシディア様の顔を見つめる。
達する直前でも、シディア様の気高い美しさは何も損なわれていなかった。むしろ、殺気に似た物騒なオーラと淫靡に歪んだ表情が、シディア様の美しさをさらに際立たせているかもしれない。
「出すぞ――口は開けたままだ」
達する前に、喉から昂りが抜かれた。
シディア様はおれの舌の上に白濁を吐き出す。
まずいものを想像していたけど、魔力がたくさん含まれているからか、シディア様の白濁は不思議と美味しく感じられた。
「……飲んだのか?」
何回かに分けて飲み込んでいたら、少し驚いた表情のシディア様に尋ねられた。
「はい……美味しかったので」
「まだ煽る気か?」
「べ、別に煽ってるわけじゃ…………んッ」
またお尻のほうから変な感じがした。
今度は、とろっとしたものが出口に向かって降りてきている感覚だ。いったい何が起こっているんだろう。
外から見てわかるわけがないのに、気になって自分の下半身に視線を向けてしまう。
「まだ達していなかったか」
シディア様はおれが下を向いた理由を、まだイけていないからだと思ったらしい。
確かに中心は張り詰めてぱんぱんだし、イきたい気持ちはあるけど、今おれが気になって仕方ないのはお尻のほうだ。
――これ、もしかして……なんか漏れる?
だとしたら、まずい。
シディア様の寝室をそんなもので汚すわけにはいかない。
「あの、ちょっとお尻が変で……だからおれ、一度お手洗いに…………わッ!」
お尻の穴を手で押さえて立ち上がろうとしたのに、肩をぐいっと掴まれて、立てなくされてしまった。
おれは、ぺたんと座り込む。
「シディア様、離してください。できるだけ早く戻ってくるので……」
「見せてみろ」
「む、無理です!!」
漏れるかもしれないのに、そんなことできるはずがない。ぶんぶんと首を横に振る。
「バン――命令だ」
おれの尊厳に関わることでも、シディア様は容赦がなかった。
――命令って、逆らったらどうなるんだろう。
何か罰を受けることになるのだろうか。
でも、シディア様の前で漏らすことを考えたら、罰のほうが幾分かマシじゃないかと思えてくる。
っていうか、絶対そっちのほうがマシだ。
「ろくでもないことを考えている顔だな」
「……っ!」
「心配するな。お前の考えているようなことにはならない。大人しく尻を晒せ」
尻を晒せ――なんてセリフをシディア様に言われるとは思わなかった。
言われたおれのほうが恥ずかしいんだけど。
――でもお尻を晒すって、どうやって?
膝立ちになって、シディア様に背中を向けたまではよかったけど、ここからどうすればいいのかわからなかった。
「そうか。こういうことには、慣れていないのだったな」
シディア様の声が、思いのほか近くから聞こえた。
驚いたけど振り返る間もなく背中を押されて、また四つん這いの姿勢になる。うなじの下あたりをさらに押さえつけられて、腰を高く上げた格好にされた。
「膝を少し開け」
「シディア様、この格好は――」
「これで尻が見えやすくなった。いい眺めだな、バン」
シディア様は、おれのお尻のすべてが見える位置に腰を下ろした。
――この状態で漏らしたら、おれの人生終わりなのでは。
シディア様は『お前の考えているようにはならない』って断言していたけど、本当に信じて大丈夫なんだろうか。
「……ん、また……変な感じが」
お尻を突き出すような体勢になったせいか、お尻の中の違和感がさっきよりもはっきり感じられた。
じわじわと降りてきていたものが、もう出口のすぐそばまで来ているのがわかる。
「シディア様、やっぱり……何か出ちゃう」
「ああ。濡れてきたようだ」
「っ、だめです……触っちゃ……ンッ」
シディア様の指がおれの後孔に触れる。
『濡れてきた』という言葉どおり、シディア様が触れたあたりから、くちゅっと水っぽい音が聞こえた。
――なんで、濡れて……!?
漏らした感覚はなかったのに、間違いなくおれの後孔は濡れている。そちらを見る勇気はなくて、おれはシーツに顔をうずめて震えた。
「以前、小瓶に採取した液体と同じものだな。俺の魔力を摂取すれば、身体のどの部位からもこの液体を生み出せるということか」
シディア様はそう言いながら、指の腹でおれの後孔をゆるゆると押してくる。
「待って……そこ、あんまり押しちゃ……んぁッ」
とろみのある液体で濡れているせいで、シディア様の指はほとんど抵抗なく、つぷんとおれの中に入ってきた。
「あ、あ……だめです、そんなとこ」
「この液体には浄化能力もあるようだ。便利なものだな」
「ん……や、ぁあ……っ」
おれの中で、シディア様の指が動いているのがわかる。
あの長くて綺麗な指が、おれのお尻の中に――そう考えるだけで、背中がぞわぞわして声が抑えられない。
「ぁ……あっ」
「ぬめりは充分だが、中は狭いな。二本は入りそうだが」
「ひ、ぁあッ」
ぐちゅ、という空気を含んだ音とともに二本目の指が入ってきた。
一本だけでも違和感がすごかったのに、足された二本目のせいで一気に圧迫感が増す。
中にある指の形まで、くっきりわかるくらいキツい。
「あ、あ……待ってください、シディアさま……」
「二本でこれか。時間がかかりそうだな」
「いぁッ……あっ、やぁ……」
広げられる感覚は簡単に慣れるものじゃなかった。
恐怖で力が入ってしまって、中のシディア様の指をぎゅうぎゅう締めつけてしまう。
「やり方を変えるか」
「んぁ……っ」
シディア様はそう呟くと、後孔に挿入していた指を一気に引き抜いた。そして、シーツにしがみついて震えるおれの腹の下に腕を差し込むと、おれの身体を軽々と持ち上げる。
「わ……っ!」
ぐるんと視界が一周したかと思えば、ベッドに座るシディア様の太腿の上に跨って乗る体勢にされていた。
シディア様と正面から向かい合う形だ。
あっという間の出来事に驚いていると、腰と後頭部を手で押さえられる。顔の距離が近づいたかと思えば、半開きになっていた唇をぱくっと食べるように口づけられた。
「ん……んん――ッ!?」
その口づけとほぼ同時に、後孔へ何かが入ってくる。太さは指とあまり変わらないけど、指よりも硬い何かだった。その表面には、ぽこぽことした凹凸があって、それが狭いところを通過するたび、ひくんと身体が震えてしまう。
「……な、何が……入って」
「そう怖がるな。俺の尻尾だ」
「シディア様の、尻尾? …………んっ」
説明の合間にも、シディア様は戯れるみたいに口づけてくる。
口づけだけじゃない。耳朶をくすぐったり、腰を撫でたり――おれの官能を引き出そうとするシディア様のいやらしい手つきに、おれはもう翻弄されつつあった。
「――こうやって可愛がりながら、俺を受け入れられるようになるまで、充分に広げてやろう。何度達しても構わんが、意識だけは飛ばすなよ」
そう言ってまた、噛みつくように口づけられる。
一緒に、限界まで張り詰めていた中心も刺激され、おれは三擦りもしないうちに白濁を吐き出していた。
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