70 / 111
70 破壊力がありすぎる
しおりを挟む尻尾の先で広げられているときにもイったのに、昂りを挿入したあと何回イったのか、もう思い出せなかった。
数えきれないほど精を吐き出したおれの中心は、栓が壊れてしまったらしい。奥をトントンされるたび、ほとんど透明になった少量の精があふれてくる。
――感覚も、ばかになってきたかも。
最初は座った状態で下から何度も突き上げられて、その次は押し倒されて脚を肩に担がれた状態で激しく揺られて――今は、後ろから覆い被さられた状態でナカを抉られ続けていた。
時間がどのくらい経ったのかもわからない。
身体にはもう力が入らないので、下半身は尻尾で支えてもらっていた。
ずっと苦しいくらいの気持ちよさが続いている。
これだけ長く繋がっていると、自分とシディア様の境界線を思い出せなくなりそうだ。繋がった場所がどろどろに溶けて、一つになっちゃったんじゃないかって思えてくる。
「ん、う……ッ、ぁあっ」
そんな状態でも、最奥を押し潰される感覚だけははっきりわかった。奥を突かれると苦しくなくても、内臓が強く押し上げられるせいで勝手に声が出る。
たくさん鳴かされたせいで喉はからからに枯れていて、自分でもあまり聞いたことのない声になってしまっていた。
――そろそろ、落ちる……かも。
ここまで必死に意識を保っていたけど、そろそろ限界だった。
イったときに見える真っ白な世界から、だんだん戻れなくなってきている。頭はふわふわしているのに、シーツに沈む身体はずんと重くて、まばたきのときに目を開けるのも億劫なくらいだった。
「……シディア、さま」
名前を呼ぶと、手の甲に重なる手にぎゅっと力が入る。
「バン――」
激しい息遣いの合間に、熱のこもった余裕のない声で返された。
首をぎりぎりまで回して後ろを見ると、狂気に近い情欲を孕んだ瞳でこちらを見るシディア様と目が合う。
それだけでまた軽くイってしまった。
「搾り取るように締めつけてくる。貪欲でいやらしい身体だ」
そう話すシディア様の見た目は、最初の変化からまた少し変わっていた。
どこよりも目につくのは、頭に生える二本のツノのような外殻だ。その姿にうっとりと見惚れていると、背中にツツッと爪を滑らされる。
「ふ、ぁ……っ」
おれが啼くと、シディア様は口の端を上げて笑った。尖った牙の先をぺろりと舐める。
「……ッ、ンぁあっ……ん、っ」
腰の動きが再開された。
シディア様もそろそろイくんだと思う。
ピストンの激しさに応えるみたいに、ナカがきゅうきゅうと収縮する。
擦られて、突かれて、抉られて――湿った肌がぶつかり合う音と、泡立つ体液の濡れた音を聞きながら、おれもまた高い場所に押し上げられていく。
「――――く、ッ」
少しだけシディア様のほうが早かった。
堪えるようなシディア様の声とナカに放たれた白濁の熱、そして白濁からあふれる魔力の奔流にがくがくと全身を震わせながら、おれもすぐにイく。
真っ白な世界に達したあと、すぐに真っ黒な世界へ引き摺り込まれるように落ちていった。
◆◆◆
「…………ぅ、ん」
意識は浮上したのに、目がどうやっても開かない。
瞼を擦ろうと手を持ち上げたけど、こっちもびっくりするほど重かったので思わず唸ってしまった。
なんとか手を顔まで持ってきて、ごしごしと目元を擦る。ようやく目を開くことに成功した。
「……やっちゃったんだ」
呟いたつもりだったけど、枯れた喉では囁き声くらいにしかならなかった。小さく咳払いをしながら、おれは同じベッドにいるシディア様を見つめる。
――姿、元に戻っちゃってる。
それがちょっとだけ、がっかりだった。
だって、シディア様があそこまでしっかり怪人化したとこを見るのは初めてだったし、外殻のツノとか尻尾とか、かなりおれ好みの見た目だったのに。
あれを目に焼きつけられなかったのは、怪人フェチのおれにとって、かなりの痛手だ。
「でも、そんなシディア様と――しちゃったんだよなぁ……やばっ、鼻血出そう」
鼻の付け根を押さえながら悶える。
わーっとひとしきり心の中で騒いでから、改めてシディア様を見た。まだ起きそうにないのをいいことに、隅から隅までまじまじと眺める。
――あの唇と、たくさんキス……したんだよなぁ。
シディア様のキスは、全身の力が抜けてふにゃふにゃになってしまうくらい気持ちよかった。
あの幸せな感覚を思い出したら、またしたくなってくる。
「優しいのもよかったけど、食べられる感じがするのもよかったな……ドキドキしすぎて、おかしくなりそうだったけど」
あんな猛獣みたいなシディア様を見られるとは思っていなかっただけに、心の準備ができていなくて、本当に心臓が爆発するかと思った。
いつもおれがしてもらうような、ちょっと触って出すだけ程度の行為で終わらない気はしていたけど、正直ここまでやるとは想像もしていなかった。
「シディア様があんな顔するの、おれ以外は誰も知らなかったらいいのに……」
この身体の熱さを知っているのも、おれだけならいいのに――なんて、すごくわがままなことを考えながら、おれはシディア様に向かって、そっと手を伸ばした。
おれから勝手に触れるなんて、そんなことはできないけど……でも、あの熱をもう一度確認したくて、肌に触れるぎりぎりのところにまで手を近づける。
「――思い切りが悪いな」
「わっ……!」
寝起きとは思えないくらい素早い動きで、手を掴まれてしまった。
指を絡まされ、にぎにぎされる。
「お前は一人でも、ずっと話しているんだな」
「え……あ、もしかして……起きてたんですか?」
「あれだけ賑やかにしていたらな」
「おれが起こしちゃったってことですか? 申し訳ありません、おれ…………うわッ」
握っていた手を引かれたと思えば、シディア様の腕の中に抱き寄せられていた。
お互い、まだ裸なのに。
この密着はまずいと思う自分と、これでも足りないと感じる自分がせめぎ合っている。
「お前以外は知らぬし、それはこれからも変わらん」
「……え?」
前置きなく突然そう言われて、おれはなんのことを言われているのか全くわからなかった。
首を傾げるおれを見て、シディア様が盛大な溜め息をつく。
「――俺は、お前以外を抱くつもりはないという話だ」
続けて告げられた言葉も、すぐには理解できなかった。
261
あなたにおすすめの小説
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
助けたドS皇子がヤンデレになって俺を追いかけてきます!
夜刀神さつき
BL
医者である内藤 賢吾は、過労死した。しかし、死んだことに気がつかないまま異世界転生する。転生先で、急性虫垂炎のセドリック皇子を見つけた彼は、手術をしたくてたまらなくなる。「彼を解剖させてください」と告げ、周囲をドン引きさせる。その後、賢吾はセドリックを手術して助ける。命を助けられたセドリックは、賢吾に惹かれていく。賢吾は、セドリックの告白を断るが、セドリックは、諦めの悪いヤンデレ腹黒男だった。セドリックは、賢吾に助ける代わりに何でも言うことを聞くという約束をする。しかし、賢吾は約束を破り逃げ出し……。ほとんどコメディです。 ヤンデレ腹黒ドS皇子×頭のおかしい主人公
性技Lv.99、努力Lv.10000、執着Lv.10000の勇者が攻めてきた!
モト
BL
異世界転生したら弱い悪魔になっていました。でも、異世界転生あるあるのスキル表を見る事が出来た俺は、自分にはとんでもない天性資質が備わっている事を知る。
その天性資質を使って、エルフちゃんと結婚したい。その為に旅に出て、強い魔物を退治していくうちに何故か魔王になってしまった。
魔王城で仕方なく引きこもり生活を送っていると、ある日勇者が攻めてきた。
その勇者のスキルは……え!? 性技Lv.99、努力Lv.10000、執着Lv.10000、愛情Max~~!?!?!?!?!?!
ムーンライトノベルズにも投稿しておりすがアルファ版のほうが長編になります。
学園一のスパダリが義兄兼恋人になりました
すいかちゃん
BL
母親の再婚により、名門リーディア家の一員となったユウト。憧れの先輩・セージュが義兄となり喜ぶ。だが、セージュの態度は冷たくて「兄弟になりたくなかった」とまで言われてしまう。おまけに、そんなセージュの部屋で暮らす事になり…。
第二話「兄と呼べない理由」
セージュがなぜユウトに冷たい態度をとるのかがここで明かされます。
第三話「恋人として」は、9月1日(月)の更新となります。
躊躇いながらもセージュの恋人になったユウト。触れられたりキスされるとドキドキしてしまい…。
そして、セージュはユウトに恋をした日を回想します。
第四話「誘惑」
セージュと親しいセシリアという少女の存在がユウトの心をざわつかせます。
愛される自信が持てないユウトを、セージュは洗面所で…。
第五話「月夜の口づけ」
セレストア祭の夜。ユウトはある人物からセージュとの恋を反対され…という話です。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
転生したらスパダリに囲われていました……え、違う?
米山のら
BL
王子悠里。苗字のせいで“王子さま”と呼ばれ、距離を置かれてきた、ぼっち新社会人。
ストーカーに追われ、車に轢かれ――気づけば豪奢なベッドで目を覚ましていた。
隣にいたのは、氷の騎士団長であり第二王子でもある、美しきスパダリ。
「愛してるよ、私のユリタン」
そう言って差し出されたのは、彼色の婚約指輪。
“最難関ルート”と恐れられる、甘さと狂気の狭間に立つ騎士団長。
成功すれば溺愛一直線、けれど一歩誤れば廃人コース。
怖いほどの執着と、甘すぎる愛の狭間で――悠里の新しい人生は、いったいどこへ向かうのか?
……え、違う?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる