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106 甘やかに尽くして
しおりを挟む外皮をすべて脱がせてから、バンをベッドに横たえる。
外皮に覆われていなかった部分の汚れを魔法で洗浄してやると、バンは体表を魔力に撫でられる感覚にびくびくと反応し、また白濁をこぼした。
「や……ぁ、おれの身体、変」
「魔力を喰らった反動なのだから、何も変ではない――こら、隠すな」
腹の上に落ちた白濁を手で隠そうとするバンの細い手首を掴んで妨げる。ただそれだけのことでも今は快感を覚えてしまうのか、バンは「ん、ん」と鼻から高い声を漏らした。
じっと見られているのが気になるのか、恥ずかしげに目を伏せている。シディアはそんなことお構いなしに、バンの身体を上から下まで舐めるように眺めた。
「本当に敏感なようだ」
「シディア様に、触れられると……我慢、できなくて」
「俺だからこうなるのか?」
「…………シディア様だけです」
シディアの魔力によって高まった身体は、シディアが触れられることで、より強く反応するようだった。
確かに、シーツと触れている部分を気にしている様子はない。
「外皮越しなら平気だったのか?」
「はい……素肌に直接、触れられるよりは――ん、っぁ」
自分の状態を健気に説明するバンを邪魔したくなって、シディアはバンの浮いた鎖骨に指を滑らせた。
バンはびくっと腰を浮かせたあと、いやいやと首を横に振る。
「や……っ、だめ」
「嫌がるな。傷つくだろう?」
「……も、申し訳ござ……ん、やぁッ」
刺激が強すぎて、反射的に拒絶の言葉が出てしまうのだろう。
それくらい理解しているのに、されたばかりの命令に背いてしまったことが気になるのか、バンは縋るような視線をシディアに向けてきた。
「嫌じゃ、ないんです……シディア様」
「それはもっと触れてほしいということか?」
「っ……それ、は」
バンは迷ったように一瞬視線を彷徨わせたが、すぐにシディアの目を見て、こくんと頷いた。
「――お前は本当に愛いな」
愛らしい反応ばかりを返すバンに、理性が焼き切れそうになる。
自分から欲しがって腰を振るようになるまで、じっくり蕩かせながら抱くつもりだったが――気が変わった。
「バン、舌を出せ」
「……は、い」
何をされるか想像したのか、バンはぷるぷると全身を小刻みに震わせている。
それでも命令どおりに濡れた舌を突き出した。
シディアはその光景を眺めながら、自らも外殻と外皮を脱いで全裸になる。洗浄魔法で身を清めてから、バンと同じベッドに上がった。
身体に触れぬよう横から近づき、顔を覗き込む。
まずは、舌に息をふっと吹きかけた。
「……っ!」
「驚いただけか? それとも、よかったのか?」
舌を出したままのバンが、答えられないのはわかっていて問いかける。
今はどこよりも正直に反応する部分――バンの下半身に視線を向けて、口元を緩めた。
「そんなに腹をひくつかせて――よかったようだな」
「……ぁ」
「バン、舌はそのままだ」
何か言おうとしたのか、舌を引こうとしたバンを窘めてから、また先ほどのように顔を近づける。
「嫌ならば、押しのけても構わんぞ」
そう告げてから、今度はほとんど焦らすことなく、ぱくっとバンの舌を口に含んだ。
「~~~~ッ!!」
肌でさえ、触れただけで達するほどだったのだ。
ならば元々感じやすい粘膜はより一層敏感だろうと予想はしていたが、これほどの反応を見せるとは思っていなかった。
バンが逃げるように引っ込めた舌を追って、咥内に舌を挿し入れる。咥内の弱いところを責めてやると、バンはびくんびくんと何度も腰を浮かせた。
「……ッ!!」
下腹部を見てわかるほど激しく痙攣させ、中心の先端から白濁をとぷとぷとあふれさせている。
見開いた目からは、ぼろぼろと涙をこぼしていた。
――それでも、抵抗はしないか。
押しのけて構わない、とあえて告げたというのに。
バンはじたばたと腕を動かしてはいるものの、シディアの身体を決して押しのけようとはしなかった。
それどころか、離れまいと腕を回してくる。
これには、シディアも負けを認めるしかなかった。
「お前は、俺をどれほど翻弄する気だ?」
「ん、ゃ……シディア様。離れちゃ、だめ……シディアさま」
肌同士が触れ合うとつらいのは自分だというのに、バンは譫言のようにシディアの名を呼びながら縋りついてくる。
背中に腕を回して抱き寄せると、快感にびくびくと身体を震わせながらも、ほっとしたように笑った。
「手酷く抱いてやろうかと思ったが……これは無理だな」
「シディアさま……?」
「まずはお前が安心できるよう、存分に尽くして可愛がってやろう」
自分らしくもないと内心笑いながらも、シディアはバンの唇に触れるだけの口づけを落とした。
◇◇◇
魔力を喰らった反動が収まってきたのか、それとも身体の敏感さに慣れたのか、バンの反応が落ち着いてきていた。
それでも普段より声高に喘いで善がるバンの後孔を、猛った昂りで深く穿つ。
バンの中で、もう何度達したかわからない。
それでも足りず、体位を変えては貫いた。
今は仰向けのバンの左脚を持ち上げ、見下ろすような体勢で抱いている。抜き差しはほどほどに、最奥を押し潰すように腰を動かすと、きゅうきゅうとナカを締めつけながら甘えるような声で鳴くのが堪らなく愛おしかった。
「ぁあ……っ、シディアさま……ひ、ぁッ」
「どうした? バン」
「ぎゅって、したい……して」
いつもより幼い口調で甘えてくるのも可愛らしい。
物欲しげな顔で唇をちろちろと舐める仕草は、口づけを欲している合図だった。
繋がったまま、背中を支えて身体を起こさせ、バンの希望どおりにぎゅっと身体を密着させる。快い抱き心地をしばらく堪能してから身体を少し離し、柔らかく唇を重ねて舌を絡めた。
「ン、んん――ッ!」
バンが達するのは、これで何度目だろう。中心から垂れる白濁に勢いはなく、色もほぼ透明に近かった。
そろそろ意識を保っているのも限界らしく、瞼は半分ほど落ち、目つきは虚ろだ。
そんなほぼ無意識のような状態にもかかわらず、必死に離すまいとしてくるのは、ビィとの戦闘で心配をかけた影響に違いなかった。
「安心しろ。あんなことにはもうならん」
「……やだ……離れないで、お願い……シディアさま」
自分をここまで想ってくれる相手が現れるなど、考えてもみなかった。
そんな相手を望んだこともない。
畏怖され、崇拝される立場になったところで、心から自分だけを見てくれる存在などありはしないと思っていたからだ。
だが、そうではなかった。
「傍にいるから少し休め。なんなら抜かずにいてやろうか? 目が覚めたら――次はお前が泣いて嫌がるほど、激しく抱いてやる」
とろんと瞼を下ろすバンの耳元で、少々物騒な願望を囁く。
愛を与えるのも求めるのも、まだまだ足りぬというのがシディアの本音だった。
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