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《莉兎視点》
狡猾で歪んだ狩人 01
その後も激しいプレイは一切せず、ただコウキの欲求を満たすだけのプレイに徹した。
莉兎の努力の甲斐もあってコウキはきちんと満足してくれたらしく、顔色も随分良くなって見える。
――このまま手放すのは惜しいなぁ。
この二時間でそんな気持ちも大きくなっていた。
そう思っているのは莉兎だけじゃない。コウキも少なからず自分に好意を向けてくれているという確信があった。
GlareとCommandを使えばSubを従わせることができるといっても、そこまで万能ではない。抵抗されれば、その分Domの負担は大きくなるし、完全に従わせることは難しくなる。
DomとSubの力関係とはそういうものだ。
Subが委ねてくれなければ、こちらも気持ちよくプレイすることはできない。
そんな感情をコントロールするのもDomの役割だったが、コウキには一切それが必要なかった。
最初のGlareから莉兎を信用しきっているかのような蕩け具合だったし、プレイの途中からは自分からも莉兎の手に擦り寄るような仕草を見せていた。顔を近づければ、触れてほしそうな目で何度も見つめ返され、こちらが堪えるのに苦労したほどだ。
絶対に勘違いではない。
――このSubがほしい。
その気持ちは大きくなるばかりだった。
もしかしたら、コウキはまたこの店に来るかもしれない。だが、そこにいるのは莉兎ではなく双子の兄である呂亜だ。
莉兎がコウキに関われることは、これを逃せばもうない。
――言って、いいのかな。
ここでプライベートの話をするのはもちろんルール違反だろう。
コウキが店側に訴えれば呂亜が責任を取らされる可能性がある。だがおそらく、コウキは告げ口のできるタイプではない。
そんなことを思いつく人間とは思えなかった。
――だけど、それにつけこんで軽率な行動を取るのはなぁ。
プレイの熱が冷めれば、冷静な判断力が戻ってくる。
賢者タイムほど極端ではないが、似たような現象だった。理性が優位になった頭で考えれば、自分の思考がまずいものだということはすぐに判断がつく。
「――顔色もよくなったみたいだね」
「そんなに、ひどかったですか?」
「ちょっとね」
着替えているコウキを眺めながら、軽く雑談を交わした。
年下の莉兎に向かって敬語でたどたどしく話すコウキが、やはり可愛くて仕方ない。
その感情は冷静になった今も変わらないようだった。
――やっぱり、もう少し一緒にいたい。
短い時間でもいい。コウキと一緒にいたいと思う。
Subに対してこんなに強い感情を抱くのは初めてだった。
そんな己の心境の変化にも興味がある。
莉兎にとっては自分も研究対象だ。一番身近なモルモットの心の変化を逃す手はない。
「ところでさ、このあと時間ある? ……もう少しだけ付き合ってほしいんだけど、いい?」
我ながらずるい誘い方だと思った。
コウキが何か勘違いしているのもわかっていて、それを否定しないなんて。
でも、この獲物を逃がしたくはない――、その本能の叫びに抗う術はなかった。
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