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主人と従者
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水道が壊れた日の放課後。
御神本舞華が登下校に使っている黒いリムジン。
その車内――運転席と仕切られた後部座席。
その広い後部座席に御神本舞華と従者の少女が向かい合って座っていた。
御神本舞華が話し、従者の少女が相槌をうつ。
そんな光景が繰り広げられていた。
ただ……話をする御神本舞華は普段校内では絶対に見せる事がないような上機嫌な様子であった。
従者の少女は御神本舞華の親戚だ。
彼女と二人きりになると御神本舞華は普段見せない表情を見せる。
態度も校内にいる時とは別物だ。
だけど…………こんなに上機嫌にテンション高く話をすることなど早々あることではなかった。
そんな主人の様子に従者の少女はうんざりした表情を隠さない。
「今日も神尾様は素晴らしく格好良かったわね!」
キラキラした顔でそんな事を宣う御神本舞華。
まるで憧れのアイドルや俳優なんかを語る熱血なファンのようだった。
「…………はあ、そうですか」
従者の少女は適当に返事する。
車に乗って十分程、ずっとそんなことを聞かされているのだ。適当になるのも仕方のないことだろう。
「はぁ……なんであんなに素敵なのかしら」
自分の頬に手を当てうっとりした表情。
「ねえ、あなたもそう思うでしょ?」
従者に同意を求める。
「そうですね…………節穴なのでは?」
恐れられる悪役令嬢にたいして辛辣な答えを返す。
「あんなに素敵なんですもの……きっと多くの女が彼を狙っているはずよ。あの田中とかいう女も怪しいわね」
うっとりしたものから真剣なものへと表情を変化させそう語る。
「……妄想がすぎるのでは?」
従者の少女は普通にイケメンが好きだった。
そんな彼女にしてみたら神尾拓はただの平凡な顔のオタクというだけだ。
「私の見ていないところであの雌犬が彼に近づかないように対策が必要ね」
あごに手を当て真剣に考え込む主人に少女は思う。
「…………恋は盲目」
まぁ、見てる分には面白いけど、と。
ただ他の生徒に被害があまりいかないようにするのも自分の役目だとも彼女は思っていた。
「まあ、それでも……」
従者の少女が考え事をしているうちに主人のほうは頭の中でなにか結論を出したようだった。
「彼と一緒になるのは私に決まってるわね」
従者の少女は思う。
確かに主人である彼女の全ての力を使えば彼と難なく一緒になれるだろう。彼の気持ちを無視してでも。
だが、それで本当に主人である彼女が幸せになれるのか……そうは思えない。
やはり自分がフォローすることになるのだろう。
「…………はぁ~」
近い未来の自分の苦労を思って、深い深いため息を吐く。
「あんな風に抱かれたのだから、これはもう結婚したようなものよ。あなたもそうは思わないかしら!?」
嬉々とした表情で従者に問いかける主人。
「………………お花畑なのでは?」
最近の主人のポンコツっぷりにうんざりする従者だった。
御神本舞華が登下校に使っている黒いリムジン。
その車内――運転席と仕切られた後部座席。
その広い後部座席に御神本舞華と従者の少女が向かい合って座っていた。
御神本舞華が話し、従者の少女が相槌をうつ。
そんな光景が繰り広げられていた。
ただ……話をする御神本舞華は普段校内では絶対に見せる事がないような上機嫌な様子であった。
従者の少女は御神本舞華の親戚だ。
彼女と二人きりになると御神本舞華は普段見せない表情を見せる。
態度も校内にいる時とは別物だ。
だけど…………こんなに上機嫌にテンション高く話をすることなど早々あることではなかった。
そんな主人の様子に従者の少女はうんざりした表情を隠さない。
「今日も神尾様は素晴らしく格好良かったわね!」
キラキラした顔でそんな事を宣う御神本舞華。
まるで憧れのアイドルや俳優なんかを語る熱血なファンのようだった。
「…………はあ、そうですか」
従者の少女は適当に返事する。
車に乗って十分程、ずっとそんなことを聞かされているのだ。適当になるのも仕方のないことだろう。
「はぁ……なんであんなに素敵なのかしら」
自分の頬に手を当てうっとりした表情。
「ねえ、あなたもそう思うでしょ?」
従者に同意を求める。
「そうですね…………節穴なのでは?」
恐れられる悪役令嬢にたいして辛辣な答えを返す。
「あんなに素敵なんですもの……きっと多くの女が彼を狙っているはずよ。あの田中とかいう女も怪しいわね」
うっとりしたものから真剣なものへと表情を変化させそう語る。
「……妄想がすぎるのでは?」
従者の少女は普通にイケメンが好きだった。
そんな彼女にしてみたら神尾拓はただの平凡な顔のオタクというだけだ。
「私の見ていないところであの雌犬が彼に近づかないように対策が必要ね」
あごに手を当て真剣に考え込む主人に少女は思う。
「…………恋は盲目」
まぁ、見てる分には面白いけど、と。
ただ他の生徒に被害があまりいかないようにするのも自分の役目だとも彼女は思っていた。
「まあ、それでも……」
従者の少女が考え事をしているうちに主人のほうは頭の中でなにか結論を出したようだった。
「彼と一緒になるのは私に決まってるわね」
従者の少女は思う。
確かに主人である彼女の全ての力を使えば彼と難なく一緒になれるだろう。彼の気持ちを無視してでも。
だが、それで本当に主人である彼女が幸せになれるのか……そうは思えない。
やはり自分がフォローすることになるのだろう。
「…………はぁ~」
近い未来の自分の苦労を思って、深い深いため息を吐く。
「あんな風に抱かれたのだから、これはもう結婚したようなものよ。あなたもそうは思わないかしら!?」
嬉々とした表情で従者に問いかける主人。
「………………お花畑なのでは?」
最近の主人のポンコツっぷりにうんざりする従者だった。
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