バッドエンドしかないとかいう悪役令嬢とやらに初めてをもらってくださいと言われた魔王だが聞いてくれ

吉川 箱

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外伝 バッドエンドしかない悪役令嬢になったのですけれど、推しの魔王を幸せにいたしますわ!

外伝3

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 わたくし、前世の記憶は段々薄れておりますの。自分の名前も思い出せないほどですわ。けれどその感情だけは鮮やかに刻まれておりますのよ。
 そこでは、わたくしは三十をいくつか過ぎた「普通の」会社員でしたの。特筆することなど何もございません。大学時代から付き合った交際相手の居る、ありふれた、私。
 愛があったかと問われれば返事に窮するでしょう。ですが愛はともかく、自分にも相手にも情はあっただろうと思われますのよ。三十を過ぎ、他に新しい出会いがないのだからそろそろこの相手との結婚を考えねばならない。お互いそういう、消極的な選択肢でしかなかったことは確かでございますわね。
 そんな中で出会ってしまったのですわ。
 彼に。そう、陛下に。ただのキャラクター。だたの平面に過ぎない存在だとしても、彼の言葉がただの綺麗事だとしても、それは私にはないものでございましたの。失い続けて流され続けた私の、空洞だった体と心の真ん中に芯が通った心持ちでございましたのよ。「彼」という、彼の言葉という、綺麗事が私のそれまで空っぽだった芯に、信念を作ったのでございますわ。生きる指針、とでも申しましょうか。
「それでも僕は、弟を害するくらいなら僕が引きこもった方がマシだと思ったんだ。それすら消極的な選択をした言い訳だとしても」
 ああ、陛下。お優しすぎるあなた。
 大げさだと、笑うなら笑えばいい。ただ、この世界に転生して真っ先に思い浮かんだのは。
「あなたを助けられる」
 私に、わたくしの魂にあなたというプライドを齎したひと。愛なんて薄っぺらな言葉では表せない。あなたはわたくしの全て。人生の指針。優しいあなたを、わたくしが救うから。
「ようやく繋がった。君、うっとおしいよ。兄さまに図々しくくっついてさぁ。目障りなんだよね」
 近い。咄嗟に横へ飛ぶ。ようやく戻った視界は上下左右、全てが白い空間で足場すらあるのかないのか分かりませんのよ。ただ、真っ白な空間に髪も瞳も白い少年が立っておられましたわ。年の頃はそう、陛下よりも二つ、三つ下でしょうか。わたくしと同年代か、一つ二つ年上と思しきその少年は。
 胸を張り、腰を突き出す姿は支配する側のもの特有の尊大さを漂わせておられますわね。
「初めまして、いと気高き光の神に拝謁賜り恐縮でございます」
 じろり、と眼球だけで見下したわたくしと背丈の変わらぬその少年を、わたくしはよく存じ上げておりますの。ことさら丁寧にゆったりとした所作で片足を後ろに引き、膝を曲げカーテシーをいたしますわ。これから倒すべき相手だとしても、最上級の礼を尽くさねばなりませんの。だって、この方は。
「原初の神、ドライオル・ガズム様」
「ぼくを、ぼくだと知った上で戦いを挑むんだね? 小娘!」
 手を横に薙いだだけで、光の矢が飛んできましたわねなにこれあっぶね。でございますわ。
「あなたに、これ以上あの方を傷つけさせるわけには行かないのですわ! ごめんあそばせ! イチニイ!」
「おうよ」
「精霊王使いの荒い娘め!」
 イチとニイはまだ融合したままの姿で現れましたのよ。驚きですわね。こんなの、ゲームでは見たことがございませんことよ。イチが防御力強化と攻撃力強化、攻撃無効と魔法無効の呪文を唱えると同時に、ニイは闇魔法を放っておりますの。ただのうんざりするド変態精霊王かと思っておりましたが、イケるかもしれませんわ。
「兄さまを、返せ!」
「嫌ですわ!」
 手のひらの動きに合わせて光の矢が降り注ぐ。避けたところへ光の柱が下から突き上げる。魔法攻撃はノーモーションだなんて、聞いてませんわ!
「そもそもあなたのおっしゃる返すって、魔界にですの? そんなのごめんですわ!」
「うるさいっ!」
 けれどわたくし、「こいまほ」をディスクが擦り切れてパソコンから取り出せなくなるまでプレイした女でございますのよ! ドライオル・ガズム様の動きは、ゲーム二周目のラスボス、シリアナとそっくりですわ! 今はまだ、物理攻撃が通りませんの。存じておりますわ。だから今は自分に回復魔法をかけつつ、闇魔法で地道にヒットポイントを削りますわ!
「ダーク・アロー!」
 ニイの魔法に、ドライオル・ガズム様は抗えませんの。だからわたくしは、無慈悲に闇魔法を撃ち続けますわ。
 だってそれは、たった一人のひとと分けたものですもの。闇と光。兄と弟。精神と物質。何もかもが正反対の、けれど互いを愛した心だけは同じ。
「どうして陛下が魔界に引きこもってしまわれたか、誰よりもご存知でございましょう!」
「――っ!」
 闇魔法を纏った斬撃を飛ばす。光の矢を掻い潜り、ドライオル・ガズム様の懐へ潜り込み、鋭い突きを繰り出す。深々と突き刺した剣から、赤い雫が零れ落ちると堰を切ったように原初の神から後悔とも懺悔ともつかぬ悲痛な思いが溢れ出したのでございますわ。
「だって、だって兄さまはぼくだけを愛してくれなきゃダメなんだ!」
 ドライオル・ガズム様が叫んだ途端にお姿が崩れて溶けて、ドロドロとした黒い塊になって流れ出しましたのよ。それは果てのない空間を埋め尽くさんと広がり続け、叫び続けたのですわ。
 だってにいさま、ぼくを褒めてくれなくちゃ。だって兄さま、何が兄さまを悲しませているのかぼくには分からないんだ。だって嫌なんだ醜いものをこのぼくが生み出したなんて兄さまに知られたくないんだ見られたくないんだよ。兄さま、兄さま、どうしてそんな目でぼくを見るの? ぼくが生み出したものだよ、気に入らなければ処分してもいいでしょう? 兄さまに褒めてほしいんだ、醜いものなんて愛せないよだって兄さまには褒められたいんだものどうして、どうしてそんな醜いものを愛するのぼくだけを愛してはくれないのどうして!
「ぼく以外のものを、滅ぼせばぼくだけを見てくれるでしょう? 兄さま」
 そう呟いて笑ったドライオル・ガズム自身も、吹き出した黒い粘着物に覆われつつある。黒くてらてらと湿度を含んだ物質の間に、鈍い光を宿した瞳が片方だけ見えた。
「お優しい陛下はそんな世界を、あなたがそんなことをすることを、望まないことがなぜお分かりにならないのですか」
 どんなに言葉を尽くしても、心を割いても届かなかった。だから陛下は、ドライオル・ガズム様が自ら創り出した異形の者たちを率いてこの世界を去った。
「殺すことも殺されることも望まなかった陛下のお優しさは、愚かでしょうか。わたくしはその優しさがただ悲しいのでございますわ」
 イチの光魔法を纏い、黒い粘着物の中へ手を差し伸べましたの。震える少年の肩を探り当て、抱きしめたのでございますわ。
「そうだ……兄さまはいつでも優しくて……なのに、ぼくが失敗作を壊したらとても悲しそうに泣いていた……」
 ――こんなことをしてはいけない、オル。創造主である君は、誰よりその子たちを愛さねば。
「分からないよ、どうしてダメなの兄さま。兄さまには、きれいなものだけ見てほしいんだ。だからぼくはきれいなものしか生み出したくないんだ。失敗作は見られたく、なかっただけなのに……!」
 ああ。陛下はこの人に語る言葉を持たなかったのでしょう。ただ一言、それでもあなたの生み出したものが愛しいと伝えれば良かったのかも知れませんわね。
「陛下にお会いしたくありませんか、ドライオル・ガズム様」
「でも……兄さまはきっと、ぼくと会ってくれない……」
 そう漏らして目元を拭ったドライオル・ガズム様は、さらに幼い姿に変化なさっておられましたの。今はどう見ても五歳くらいの子供に見えますわ。こちらが本来の姿なのかも知れませんわね。
「わたくしがご一緒いたしますわ」
 もじもじと両手を後ろへ回して唇をへの字に曲げたドライオル・ガズム様からは、すっかり黒いドロドロが引いておりましたのよ。わたくし、跪いてドライオル・ガズム様のお顔を覗き込みましたの。
「このシリアナ・ス・バラシーク・オシリスキナが保証いたしますわ。陛下もドライオル・ガズム様に会いたがっておられますのよ」
「……ほんと?」
「ええ」
 ぷう、と頬を膨らませ足元の何もない空間を蹴ってみせてドライオル・ガズム様は体を左右に揺らしておられます。こうしていると、ただの小さい子ですわね。
「兄さまがぼくと会いたくないとか、怒ったらお前のこと、許さないからな」
「ええ。その時はもう一度、お好きなだけこちらでお暴れになってよろしゅうございますわ。わたくし、お付き合い申し上げますので」
「じゃあ、早く兄さまんとこ連れてけ!」
「事後承諾になって大変申し訳ございませんが、お体に触れてもよろしいでしょうか」
「いいよ」
 ゆらゆらと体を肩から左右に揺らす仕草は幼子そのもの。わたくしより少し小柄な体を抱え上げ、転移魔法をかけようとして気づきましたわ。
「ドライオル・ガズム様」
「なに?」
「わたくし、他人を連れて空間転移するのは初めてでございまして」
「怖っ! ぼくがやるから君は兄さまの居場所をイメージするだけでいいよッ!」
 ドエロイゾ川沿いの大通り。ドエロミナの秋はまだまだ陽射しが強うございますのよ。その川縁でいつものようにかき氷屋台で御自ら店番をする陛下の前にドライオル・ガズム様を抱えて宣言いたしましたの。
「陛下、認知してくださいませ!」
「いつかやるだろう、いつかやるだろうとは思っていたがシリアナ嬢……一体誰をミンチにして来たんだ……」
「ミンチではございませんわ、認知、認知ですわ! このわたくしと陛下の愛の結晶である子供を認知してくださいませ! ご安心くださいませ! 責任を取って結婚いたしますのでこちらの書類へご署名ください!」
「愛を結晶化した覚えもないものを認知などできるかッ! それにその子は僕の弟だ!」
「兄さ……パパぁ~!」
 何事かしばらく考え込んだドライオル・ガズム様は、陛下へ向かって両手を差し出したのでございますわ。意外とノリがよろしくていらっしゃいますわ。さすがラスボス原初神ですわね。
「オル! 君まで外堀を埋めようとするのはやめないか! 久々に会った兄への仕打ちがこれか!」
「あなた、さぁ我が子を抱っこしてくださいませ」
「パパ?」
 道行く人々が陛下とドライオル・ガズム様、それからわたくしを交互に見やり、口を揃えますの。
「抱っこしてやんなよ、旦那」
「めんこい子じゃねぇの」
「きれいな嫁さんもらってアンタ幸せもんだ」
「~……!」
 真っ赤になった陛下も大変にお顔がよろしくていらっしゃいますのよ。さすが世界遺産級のご尊顔でございますわ。
「僕は! まだ! 童貞だああああああああああ!」
 皆さま覚えておられますでしょうか。イチニイと戦った時、最後に受けた攻撃魔法をわたくしが空間転移したことを。ラストダンジョンの魔王の間へ空間転移された魔法のせいで、ラストダンジョンが崩壊したことを陛下が知るのは無事婚姻届けを提出した後のことでございますわ。わたくしの前世の世界では、大抵の物語はこう締めくくりますのよ。
 そして魔王様と悪役令嬢とラスボス原初の神と人々は、末永く幸せに暮らしたのでございますわ!
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感想 1

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みんなの感想(1件)

ますたーど
2023.08.07 ますたーど

初めまして。
登場人物一覧から読み始めたところ、ネーミングが下ネタオンパレードでおぉ✨となりながらこれは楽しいお話に違いない!と読み進めさせていただいてるところです。
ありがちな転生ものとは違う展開に期待が膨らみます。

2023.08.07 吉川 箱

ありがとうございます。しばらく下ネタばかり考えておりましたw
予約投稿ができるので、毎日更新にしてみました。
お暇な時に楽しんでいただければ幸いです!

解除

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