11 / 155
第一章 眩きレブレーベント
第一話 はじまりの街は悲劇から⑥
しおりを挟む
滅んだ街の溢れかえる死体を処理するために、王都から部隊が派遣されていた。
朝、目覚めた時には、領主の館の庭で慌ただしく陣を張り、駆け回る人々の姿があった。
総司は表の庭ではなく裏庭にでて、朝の空気を吸い込んだ。爽やかで、混じりけのない美しい空気だった。このシエルダがリゾートとしての顔も持っていたと、昨日バルドに聞かされたが、なるほど確かに相応しいと実感する。
こんなにも美しい街で、あれほどの惨劇が起きようとは。平和だったはずの街は一晩で全てを奪われ、景観のみを残すばかりだ。
「おぉ、目が覚めたのか、異邦人。よく眠れたかい」
不意に声を掛けられ、振り向いた先には、老貴婦人と呼ぶのが相応しい、気品のある初老の女性が立っていた。優しい笑みを向ける老貴婦人は、ゆったりとした足取りで総司の隣に並び、裏庭の草木を眺めた。
飾りのついた杖をつき、婦人は寂しげに語る。
「美しい街であった……街一つ滅びるとは、レブレーベント始まって以来の、未曽有の悲劇だ。お前が仇を討ってくれたと聞いたよ。よくやってくれたね」
総司の表情が曇る。
老婦人も、リシアもそう。気にするなと、よくやったと声を掛けてくれる。総司の心にある、どこにもぶつけようのない憤りと情けなさを、二人ともが簡単に見透かして、気遣ってくれている。だが、それでも総司の心は晴れない。うじうじと情けない話だが、昨日も結局悪夢を見てしまった。無残に惨殺された死体が口々に、総司に恨み言を言う、そんな悪夢を――――
「いえ……それぐらいしか出来なかったものですから。あなたは……?」
「エイレーンという。お前のことはバルドから聞いたよ。奴は実に面白い世迷言と評した」
総司は頭をかいた。簡単に信じてもらえるとは思っていなかったし、リシアがむしろ奇特な方だ。バルドは愉快そうに総司の話に聞き入っていたものの、やはり信じてはいなかったらしい。リシアも――――彼女はどちらかと言えば、総司の話を信じることで、自分を安心させようとしているのだろう。女神がいない現状と、そこに現れた異世界の男。希望にすがりたかったがため、その希望に反して総司を疑い続ける苦痛を避けるために、彼女は自分に言い聞かせた。それぐらい、総司の存在と、総司が語る未知の世界の話は眉唾物だった。
無論、それを責めるつもりもなかった。もし逆の立場だったら――――総司が元いた世界に、突然甲冑に身を包んだ騎士が現れて、この世界を救うよう頼まれたなどと言ってきたら、総司だって簡単には信じなかった。
「私はそうは思わん」
エイレーンと名乗る婦人は、いともたやすく、気楽に、きっぱりと言った。
「……何故です?」
「何故? 愚問だな、若人よ。その方が面白いからだ。決まっておろう?」
気品ある老貴婦人に似つかわしくない、無邪気で悪戯っぽい笑顔だった。落ち着いた女性だが、その心にはどっしりと威厳があるのが見て取れる。バルドを「奴」と気安く呼んでいることからも、彼女の地位が推し量られた。飾りのついた杖を見るに、王国の名高い魔法使いなのだろうか――――
「陛下!!」
リシアの叫び声を聞いた。その途端、総司はぎょっと目を丸くした。
「何だ、騒々しい。住民が居なくなってしまったとは言え早朝である。お前も女なら慎みを持たんか、慎みを」
「陛下こそもう少し慎んでくださいませんか! まだ魔獣がいるやもしれぬというのに、おひとりで自由に動き回るなど!」
「馬鹿者、私が今誰と一緒にいるか見てわからんのか。何の危険があるというのだ、なあ?」
「あ、いえ――――陛下?」
「おぉ、そういえば名を告げただけだったか。挨拶が遅れたな」
息を切らして駆け寄ってくるリシアをしり目に、エイレーンは穏やかに微笑んで、もう一度改めて名乗りを上げた。
「エイレーン・レブレーベント。偶然にも王家に生まれてしまってな、不承不承ながらこの国の王をやっとる。よろしくな、ソウシ」
総司は慌てて頭を下げた。流石に「王家」ともなれば、その格の高さは総司も想像がつく。シエルダに領主の館があることもそうだが、レブレーベントには「貴族」とか「王家」という位の高い人々がいるのだ。
「失礼しました!」
「何も失礼などなかったぞ? 見ず知らずのばばあにも礼を払うよい若者だ」
「とにかく、屋敷にお戻りください。陛下自ら来られたというだけでも大変な事態だというのに……」
リシアが小言を言いかけて、女王は鬱陶しそうに手を振った。
「よせよせ、朝っぱらから。まあよい、朝食の時間でもあるしな。ソウシ、共をせよ。この屋敷にいる間、私の護衛はお前とリシアに任せることとする」
「え? あ、はい……いやでも、良いのか?」
他の騎士もいるし、騎士でない王国の仕事人たちも多数訪れているはずだ。どこの誰とも知らない男が、女王陛下の隣を歩いていいのだろうか。
そんな疑念を持ってリシアに目を向けると、リシアは仕方なさそうに笑った。困ったような笑顔が癖になっているような表情からは、バルドの時もそうだが、普段の気苦労が手に取るようにわかった。生真面目なリシアに対して、女王もバルドも随分と気さくで大雑把だ。彼女が普段振り回されて、方々を走り回っていることは想像に難くない。
「陛下のご指示だ。行こう」
「まあ、俺はもちろんいいんだけどさ……」
女王はふと振り向いて、ちょっと悪戯っぽく目を細めた。訳知り顔、というやつだ。
「何です?」
リシアが聞くと、女王はにやにやしながらも首を振った。
「なに、些細なこと。さぁて、朝食はパンかなスープかなと」
「どちらも用意しておりますが、さほど味が良いモノではありません。騎士団の携帯食ですので」
「構わん構わん。たまには昔を思い出すのも悪くないさ」
領主の部屋に、女王が鎮座する。田舎領主がもし生きていたら卒倒しそうな光景だったが、ここには異世界の男と、普段から女王を守護する近衛騎士たちしかいなかった。
「まず、ソウシ。さっきも言ったが」
「はい?」
パンを食べ終えた総司が、不意に声を掛けられて女王を見る。女王エイレーンは口元を拭いて、改めて言った。
「シエルダの仇討ち、ご苦労であった。レブレーベントの国民ではないが、街一つ滅ぼした獣に立ち向かい、討ち果たしたことは、勇敢で尊い行いであり、私は王として報いねばならん。褒美を取らせる。望みがあるなら聞くが、なければ金でよいかな?」
「……光栄です。しかし、結構です。遠慮しておきます。とても――――それを理由に受けとる気分にはなれません」
「ふっ。欲のないことよな。まあまあ、聞け、若いの」
女王はにこにこしながら言った。
「我らの資金も、愛すべき民の血税である。使うには理由がいるということだ。お前は『女神を救う』旅路を歩む、そうであろう? 金とちょっとした道具ぐらい揃えておかねば隣の国に行くのも一苦労だぞ。そういう意味だ」
「あっ――――すみません、考えがたりませんでした。甘えても良いですか、陛下」
「褒美と言った。お前の働きに対する対価である、遠慮はいらん。ところで、バルドの姿が見えんが」
「オーレン殿は既に街に出ております。生存者の捜索と、街の……後片付けの指揮を執っておられるところで」
総司を見やり、リシアは言葉を濁した。女王はぱっと立ち上がって、
「よし、では我らも行くとしようか」
「え――――お待ちください、陛下。先ほども申し上げましたが、この街がもう安全になったという確証はないのです」
リシアも立ち上がり、身振り手振りで抗議した。
「ソウシが確かに魔獣を倒してくれましたが、それですべてが終わったと確信できるわけではありません。グライヴや他の魔獣がまだ潜んでいるかもしれません。陛下が出られるというのは危険極まりないことです。どうかこのまま城にお戻りください。私も総司もお供しますので」
「お前達が共をしてくれるなら、帰りの道中もそうだが、街に出ても危険はあるまい? さあソウシ、多少は気合を入れておいてくれよ。リシアの言う通り、お前の出番がないとは言い切れんからな」
「へ、陛下、御考え直しください。どうか……」
リシアが抵抗しているのは、総司のため。それが総司には痛いほどわかった。
まだ街に散る死体の山は処理できていないのだ。総司には既にトラウマとなっているその光景をもう一度見せることに、リシアは必死で抵抗している。だが、女王は有無を言わさない。
「私がそう決めたのだ。騎士であるお前が私の決定に逆らうか、リシア?」
「い、いえ、そういうつもりではないのですが!」
「ならば黙って従え。行くぞ」
総司も立ち上がった。リシアはもうどうにもならないと悟って唇を噛んだが――――女王が、彼女にだけ聞こえるように、すれ違いざまに呟いた。
「必要なことなのだ。すぐわかる」
「……陛下……?」
朝、目覚めた時には、領主の館の庭で慌ただしく陣を張り、駆け回る人々の姿があった。
総司は表の庭ではなく裏庭にでて、朝の空気を吸い込んだ。爽やかで、混じりけのない美しい空気だった。このシエルダがリゾートとしての顔も持っていたと、昨日バルドに聞かされたが、なるほど確かに相応しいと実感する。
こんなにも美しい街で、あれほどの惨劇が起きようとは。平和だったはずの街は一晩で全てを奪われ、景観のみを残すばかりだ。
「おぉ、目が覚めたのか、異邦人。よく眠れたかい」
不意に声を掛けられ、振り向いた先には、老貴婦人と呼ぶのが相応しい、気品のある初老の女性が立っていた。優しい笑みを向ける老貴婦人は、ゆったりとした足取りで総司の隣に並び、裏庭の草木を眺めた。
飾りのついた杖をつき、婦人は寂しげに語る。
「美しい街であった……街一つ滅びるとは、レブレーベント始まって以来の、未曽有の悲劇だ。お前が仇を討ってくれたと聞いたよ。よくやってくれたね」
総司の表情が曇る。
老婦人も、リシアもそう。気にするなと、よくやったと声を掛けてくれる。総司の心にある、どこにもぶつけようのない憤りと情けなさを、二人ともが簡単に見透かして、気遣ってくれている。だが、それでも総司の心は晴れない。うじうじと情けない話だが、昨日も結局悪夢を見てしまった。無残に惨殺された死体が口々に、総司に恨み言を言う、そんな悪夢を――――
「いえ……それぐらいしか出来なかったものですから。あなたは……?」
「エイレーンという。お前のことはバルドから聞いたよ。奴は実に面白い世迷言と評した」
総司は頭をかいた。簡単に信じてもらえるとは思っていなかったし、リシアがむしろ奇特な方だ。バルドは愉快そうに総司の話に聞き入っていたものの、やはり信じてはいなかったらしい。リシアも――――彼女はどちらかと言えば、総司の話を信じることで、自分を安心させようとしているのだろう。女神がいない現状と、そこに現れた異世界の男。希望にすがりたかったがため、その希望に反して総司を疑い続ける苦痛を避けるために、彼女は自分に言い聞かせた。それぐらい、総司の存在と、総司が語る未知の世界の話は眉唾物だった。
無論、それを責めるつもりもなかった。もし逆の立場だったら――――総司が元いた世界に、突然甲冑に身を包んだ騎士が現れて、この世界を救うよう頼まれたなどと言ってきたら、総司だって簡単には信じなかった。
「私はそうは思わん」
エイレーンと名乗る婦人は、いともたやすく、気楽に、きっぱりと言った。
「……何故です?」
「何故? 愚問だな、若人よ。その方が面白いからだ。決まっておろう?」
気品ある老貴婦人に似つかわしくない、無邪気で悪戯っぽい笑顔だった。落ち着いた女性だが、その心にはどっしりと威厳があるのが見て取れる。バルドを「奴」と気安く呼んでいることからも、彼女の地位が推し量られた。飾りのついた杖を見るに、王国の名高い魔法使いなのだろうか――――
「陛下!!」
リシアの叫び声を聞いた。その途端、総司はぎょっと目を丸くした。
「何だ、騒々しい。住民が居なくなってしまったとは言え早朝である。お前も女なら慎みを持たんか、慎みを」
「陛下こそもう少し慎んでくださいませんか! まだ魔獣がいるやもしれぬというのに、おひとりで自由に動き回るなど!」
「馬鹿者、私が今誰と一緒にいるか見てわからんのか。何の危険があるというのだ、なあ?」
「あ、いえ――――陛下?」
「おぉ、そういえば名を告げただけだったか。挨拶が遅れたな」
息を切らして駆け寄ってくるリシアをしり目に、エイレーンは穏やかに微笑んで、もう一度改めて名乗りを上げた。
「エイレーン・レブレーベント。偶然にも王家に生まれてしまってな、不承不承ながらこの国の王をやっとる。よろしくな、ソウシ」
総司は慌てて頭を下げた。流石に「王家」ともなれば、その格の高さは総司も想像がつく。シエルダに領主の館があることもそうだが、レブレーベントには「貴族」とか「王家」という位の高い人々がいるのだ。
「失礼しました!」
「何も失礼などなかったぞ? 見ず知らずのばばあにも礼を払うよい若者だ」
「とにかく、屋敷にお戻りください。陛下自ら来られたというだけでも大変な事態だというのに……」
リシアが小言を言いかけて、女王は鬱陶しそうに手を振った。
「よせよせ、朝っぱらから。まあよい、朝食の時間でもあるしな。ソウシ、共をせよ。この屋敷にいる間、私の護衛はお前とリシアに任せることとする」
「え? あ、はい……いやでも、良いのか?」
他の騎士もいるし、騎士でない王国の仕事人たちも多数訪れているはずだ。どこの誰とも知らない男が、女王陛下の隣を歩いていいのだろうか。
そんな疑念を持ってリシアに目を向けると、リシアは仕方なさそうに笑った。困ったような笑顔が癖になっているような表情からは、バルドの時もそうだが、普段の気苦労が手に取るようにわかった。生真面目なリシアに対して、女王もバルドも随分と気さくで大雑把だ。彼女が普段振り回されて、方々を走り回っていることは想像に難くない。
「陛下のご指示だ。行こう」
「まあ、俺はもちろんいいんだけどさ……」
女王はふと振り向いて、ちょっと悪戯っぽく目を細めた。訳知り顔、というやつだ。
「何です?」
リシアが聞くと、女王はにやにやしながらも首を振った。
「なに、些細なこと。さぁて、朝食はパンかなスープかなと」
「どちらも用意しておりますが、さほど味が良いモノではありません。騎士団の携帯食ですので」
「構わん構わん。たまには昔を思い出すのも悪くないさ」
領主の部屋に、女王が鎮座する。田舎領主がもし生きていたら卒倒しそうな光景だったが、ここには異世界の男と、普段から女王を守護する近衛騎士たちしかいなかった。
「まず、ソウシ。さっきも言ったが」
「はい?」
パンを食べ終えた総司が、不意に声を掛けられて女王を見る。女王エイレーンは口元を拭いて、改めて言った。
「シエルダの仇討ち、ご苦労であった。レブレーベントの国民ではないが、街一つ滅ぼした獣に立ち向かい、討ち果たしたことは、勇敢で尊い行いであり、私は王として報いねばならん。褒美を取らせる。望みがあるなら聞くが、なければ金でよいかな?」
「……光栄です。しかし、結構です。遠慮しておきます。とても――――それを理由に受けとる気分にはなれません」
「ふっ。欲のないことよな。まあまあ、聞け、若いの」
女王はにこにこしながら言った。
「我らの資金も、愛すべき民の血税である。使うには理由がいるということだ。お前は『女神を救う』旅路を歩む、そうであろう? 金とちょっとした道具ぐらい揃えておかねば隣の国に行くのも一苦労だぞ。そういう意味だ」
「あっ――――すみません、考えがたりませんでした。甘えても良いですか、陛下」
「褒美と言った。お前の働きに対する対価である、遠慮はいらん。ところで、バルドの姿が見えんが」
「オーレン殿は既に街に出ております。生存者の捜索と、街の……後片付けの指揮を執っておられるところで」
総司を見やり、リシアは言葉を濁した。女王はぱっと立ち上がって、
「よし、では我らも行くとしようか」
「え――――お待ちください、陛下。先ほども申し上げましたが、この街がもう安全になったという確証はないのです」
リシアも立ち上がり、身振り手振りで抗議した。
「ソウシが確かに魔獣を倒してくれましたが、それですべてが終わったと確信できるわけではありません。グライヴや他の魔獣がまだ潜んでいるかもしれません。陛下が出られるというのは危険極まりないことです。どうかこのまま城にお戻りください。私も総司もお供しますので」
「お前達が共をしてくれるなら、帰りの道中もそうだが、街に出ても危険はあるまい? さあソウシ、多少は気合を入れておいてくれよ。リシアの言う通り、お前の出番がないとは言い切れんからな」
「へ、陛下、御考え直しください。どうか……」
リシアが抵抗しているのは、総司のため。それが総司には痛いほどわかった。
まだ街に散る死体の山は処理できていないのだ。総司には既にトラウマとなっているその光景をもう一度見せることに、リシアは必死で抵抗している。だが、女王は有無を言わさない。
「私がそう決めたのだ。騎士であるお前が私の決定に逆らうか、リシア?」
「い、いえ、そういうつもりではないのですが!」
「ならば黙って従え。行くぞ」
総司も立ち上がった。リシアはもうどうにもならないと悟って唇を噛んだが――――女王が、彼女にだけ聞こえるように、すれ違いざまに呟いた。
「必要なことなのだ。すぐわかる」
「……陛下……?」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?
Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。
簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。
一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。
ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。
そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。
オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。
オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。
「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」
「はい?」
ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。
*--*--*
覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。
★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓
このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。
第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」
第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」
第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」
どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ
もしよかったら宜しくお願いしますね!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる