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6.タイムカプセル探し
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日はかわり、土曜日。
父さんたちの同級生が、校庭に集まってきた。結構多いな。
おれとマナトは見学だ。
「マナトくん、お昼ご飯はリキくんにもたせてあるから。
遠慮せずに食べてね」
「わあ、ありがとうございます、ミサさん」
「も~、おばさんでいいって言ってるのに!」
「ミサさんお若いから。
やっぱり名前で呼びたいですよ」
「あいかわらずお世辞がうまいわねぇ」
マナトと母さんは顔見知りだ。
マナトは何回かおれの家に来てる。
たいていはフツーにゲームとかで遊んでるんだけど、
マナトから魔法界の話を聞くのが実はひそかな楽しみだったりする。
ちなみに、母さんは、マナトが魔法使いだってことは知らない。
なんとなくだけど、おれとマナトが「仲間」ってことは、
他の人たちにはナイショにしようって決めたんだ。
だから、マナトの父さんも、おれがエスパーってことは知らない。
「よ~し、みんな、集まってくれ!
まずは、ここを掘ってみよう!」
リーダーっぽいおじさんが声を張り上げる。
お、はじまったか。さて、合ってるかな……?
「この石に見覚えないか?」
リーダーおじさんが言うと、
「あ、あるかも!」、
「そうそう、でっかい石を置いたんだよね」、
「色がなんとなく緑っぽいのをさ」
と次々声が上がった。
……うん、完全に、場所違いです。
マナトも苦笑いして、とんとんと自分の胸をたたいた。
これは、ふたりで決めた、「テレパシーで話そう」の合図だ。
【おいおい、リキ。大丈夫かな、これ】
マナトの心を読むと、そんな声がとびこんできた。
【まだ午前中だし、一回目だろ。まずは様子見しよう】
【そうか? まあ、オマエがそれでいいならいいけど……。
でも、ここからあの桜の木まで、だいぶ位置がはなれてるな】
確かに。
うーん、どうやってあそこまで誘導しよう……。
「よし、みんなで掘り返そう!」
リーダーおじさんが音頭をとり、みんなで石の付近を掘っていく。
あ~、何も出てこないのに……。
おれもマナトも、生温かい目で見守る。
十分くらいして、石の周りが穴だらけになった時だった。
カツンッ!
だれかのスコップに、何かが当たった音。
「おお~」と、周りがどよめく。
「これか!」
「わ~、楽しみ!」
やれやれ、どうせでっかい石とかだろ。
一応、透視で地面の中を見てみると……。
な、なんだこれ⁉
でっかい、宝石⁉
【おい、マナト! なんか、宝石埋まってんだけど!】
【はあ? 宝石?】
【こんなの!】
できるかわからないが、おれは透視で見たもののイメージをマナトに送った。
ダイアモンドみたいにキラキラと光った、
おれが両手でかかえるのがやっとくらいの大きさの石……。
【!】
おれの頭に、ガーンッという衝撃が走った。
いってえ!
マナトのやつ、驚くにしても、ビックリしすぎだろ!
【やべえ! これ、タマゴだ!】
は? タマゴ? くらくらする頭で、聞き返す。
【ジュエルドラゴンのタマゴだよ!
今は親がどこかに行ってるけど……、そのうちもどってきたら、
たいへんなことになるぞ!】
えええ⁉
ばっと発掘現場を見ると、もうタマゴの表面が出ていた。
「ん、なんだこれ?」
「なになに、あ、これ、プラスチックのフタじゃない?」
「おお! このまま掘り返そう!」
やべえ、超盛り上がってる!
えーと、えーと、どうしよう、どうすればいい⁉
その時だった。
「おしゃべりシルフのナイショごと。
ヒミツの部屋をつくれ、シェル・フィールド!」
マナトの焦った声で、呪文が聞こえた。
これは、結界の呪文!
瞬間、「ぐおおおぉぉぉ!」という、ものすごい声。
何もない空間が徐々に色づいていく。
赤、橙、黄、緑、青、紫……様々な色に変わるウロコ。
巨大な体には、何もかも引き裂くような、するどいツメ。
怒りに燃える、巨大な瞳。
ジュエルドラゴン……ッ!
やばい、親がかえってきた!
父さんたちの同級生が、校庭に集まってきた。結構多いな。
おれとマナトは見学だ。
「マナトくん、お昼ご飯はリキくんにもたせてあるから。
遠慮せずに食べてね」
「わあ、ありがとうございます、ミサさん」
「も~、おばさんでいいって言ってるのに!」
「ミサさんお若いから。
やっぱり名前で呼びたいですよ」
「あいかわらずお世辞がうまいわねぇ」
マナトと母さんは顔見知りだ。
マナトは何回かおれの家に来てる。
たいていはフツーにゲームとかで遊んでるんだけど、
マナトから魔法界の話を聞くのが実はひそかな楽しみだったりする。
ちなみに、母さんは、マナトが魔法使いだってことは知らない。
なんとなくだけど、おれとマナトが「仲間」ってことは、
他の人たちにはナイショにしようって決めたんだ。
だから、マナトの父さんも、おれがエスパーってことは知らない。
「よ~し、みんな、集まってくれ!
まずは、ここを掘ってみよう!」
リーダーっぽいおじさんが声を張り上げる。
お、はじまったか。さて、合ってるかな……?
「この石に見覚えないか?」
リーダーおじさんが言うと、
「あ、あるかも!」、
「そうそう、でっかい石を置いたんだよね」、
「色がなんとなく緑っぽいのをさ」
と次々声が上がった。
……うん、完全に、場所違いです。
マナトも苦笑いして、とんとんと自分の胸をたたいた。
これは、ふたりで決めた、「テレパシーで話そう」の合図だ。
【おいおい、リキ。大丈夫かな、これ】
マナトの心を読むと、そんな声がとびこんできた。
【まだ午前中だし、一回目だろ。まずは様子見しよう】
【そうか? まあ、オマエがそれでいいならいいけど……。
でも、ここからあの桜の木まで、だいぶ位置がはなれてるな】
確かに。
うーん、どうやってあそこまで誘導しよう……。
「よし、みんなで掘り返そう!」
リーダーおじさんが音頭をとり、みんなで石の付近を掘っていく。
あ~、何も出てこないのに……。
おれもマナトも、生温かい目で見守る。
十分くらいして、石の周りが穴だらけになった時だった。
カツンッ!
だれかのスコップに、何かが当たった音。
「おお~」と、周りがどよめく。
「これか!」
「わ~、楽しみ!」
やれやれ、どうせでっかい石とかだろ。
一応、透視で地面の中を見てみると……。
な、なんだこれ⁉
でっかい、宝石⁉
【おい、マナト! なんか、宝石埋まってんだけど!】
【はあ? 宝石?】
【こんなの!】
できるかわからないが、おれは透視で見たもののイメージをマナトに送った。
ダイアモンドみたいにキラキラと光った、
おれが両手でかかえるのがやっとくらいの大きさの石……。
【!】
おれの頭に、ガーンッという衝撃が走った。
いってえ!
マナトのやつ、驚くにしても、ビックリしすぎだろ!
【やべえ! これ、タマゴだ!】
は? タマゴ? くらくらする頭で、聞き返す。
【ジュエルドラゴンのタマゴだよ!
今は親がどこかに行ってるけど……、そのうちもどってきたら、
たいへんなことになるぞ!】
えええ⁉
ばっと発掘現場を見ると、もうタマゴの表面が出ていた。
「ん、なんだこれ?」
「なになに、あ、これ、プラスチックのフタじゃない?」
「おお! このまま掘り返そう!」
やべえ、超盛り上がってる!
えーと、えーと、どうしよう、どうすればいい⁉
その時だった。
「おしゃべりシルフのナイショごと。
ヒミツの部屋をつくれ、シェル・フィールド!」
マナトの焦った声で、呪文が聞こえた。
これは、結界の呪文!
瞬間、「ぐおおおぉぉぉ!」という、ものすごい声。
何もない空間が徐々に色づいていく。
赤、橙、黄、緑、青、紫……様々な色に変わるウロコ。
巨大な体には、何もかも引き裂くような、するどいツメ。
怒りに燃える、巨大な瞳。
ジュエルドラゴン……ッ!
やばい、親がかえってきた!
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