【完結】エス★まほ ~エスパーと魔法使い、出会う~

みなづきよつば

文字の大きさ
27 / 32
12.マジシャン・シーフとの戦い

12-1

しおりを挟む
 おれとヤマトは山の別荘地帯のとある館まで一気に宙をとんできた。
 ここに、エマがいるんだな。
 あと、霧浦のヤツも……。
 おれはまず、透視で館の中を見ることにした。 
 さて、どこにエマはとらわれているんだ……?

「リキ、うしろ!」

 あわてたマナトの声がした。
 瞬間、ドカッと右わき腹に、にぶい衝撃。
 いってえ! 思わずおれはひざをつく。  

「こいつら……、もう追いかけてきたなんて」

 うしろをみると、霧浦が立っていた。
 さっきのマネージャーっぽいスーツ姿ではなく、
 ぴっちりと体に密着するような黒いボディスーツを着ている。
 どうやら、おれは瞬間移動であらわれたコイツに蹴られたらしい。

「リキくん、だっけ。
アナタも探査能力をもっているの?」

 んなわけねーだろ。 
 いや、でも、ウソをついて、コイツの隙をねらえば……。 

「あっそ。
ウソをつこうなんて、いけない子ね!」

 もう一発蹴りを入れられそうになり、
 おれはあわてて瞬間移動でコイツのから距離をとるように移動した。
 そっか、コイツ、心を読めるんだった!
 こりゃ、マナー違反とか言ってる場合じゃねーな、
 おれもテレパシーを使うか!

【何⁉ コイツもテレパシーを使えるの⁉】

 おっと、もうバレた。
 そりゃ、そうか。おれの心の中を読んでるんだから。
 あ~~~、やりにくい!

「なあ、なんでエマを誘拐したんだ? 
虹隕石を探すためか?」

「そうよ。
美しいものは、みんな美しいわたしのもとにあるべきなの」

 うっとりとした顔で、霧浦はこたえた。
 うわ、ナルシストだ。

「失礼ね。事実でしょ」 

 むっとした霧浦から、かすかな記憶が流れてくる。
 【気持ち悪い】、【バケモノ】、【キモイ】……。
 そう、霧浦にあびせられる負の声。

【人間はみにくい。
きれいな宝石だけが、わたしの味方。
この宝石たちと一緒なら、わたしもきれいになれるかな……?】 

 霧浦の気持ちが流れこんでくる。
 宝石への愛情。自身の悲しみと苦しみ。 
 ……そして人間への憎しみ。

「勝手に読まないで!」 

 霧浦は叫ぶと、きっとおれをにらみつけた。
 同情しないと言えばウソになる。
 でも、コイツは、いくつもの宝石を盗んできた大泥棒だ。   
 しかも、エマまで誘拐して、利用している。
 遠慮はしない! 一気に勝負をつけてやる!
 おれは、霧浦にむかって、いくつもの空気のボールをとばした。
 霧浦が、ばっと両手をつきだす。
 ばしばしばしっと空気のボールがぶつかる音がするが、
 霧浦の体には当たっていないようだ。

「どう? 空気のバリアーよ」

 ちっ、コイツ、念動力もつかえるのか。
 そういや、マナトにも魔法で似たようなことされたな。

「マナトくん、ねえ……。
アナタ、あの子のこと、『魔法使い』とか言ってたっけ」 

 おれが? いつ⁉

「出会った時、そう言ってたじゃない。 
心の中でだけどね。驚いたわ。
もしかして、ここを見つけたのはそのマナトくん?」

 マズイ、マナトに興味がうつった!

「……氷づけにしろ! 
アイシー・クレイジー・ブレッド!」

 その時、マナトが呪文をとなえ終えた。
 氷のカタマリが、霧浦をおそう! 
 が、それもまた空気のバリアーでふせがれてしまった。

「ふふ、アナタが氷の魔法を使うのは、
テレパシーですぐわかったわ」

 ちくしょう、こいつめ、無敵じゃねーか! 
 と、思った瞬間。

「きゃっ⁉」

 バキッと、氷のカタマリが当たった音。
 ビキビキと霧浦の背中が凍っていく。 
 そのまま、霧浦は下半身まで氷づけになった。

「は、背後から……⁉ 
でも、そんなの心の声にはなかったはず!」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

お姫様の願い事

月詠世理
児童書・童話
赤子が生まれた時に母親は亡くなってしまった。赤子は実の父親から嫌われてしまう。そのため、赤子は血の繋がらない女に育てられた。 決められた期限は十年。十歳になった女の子は母親代わりに連れられて城に行くことになった。女の子の実の父親のもとへ——。女の子はさいごに何を願うのだろうか。

【奨励賞】氷の王子は、私のスイーツでしか笑わない――魔法学園と恋のレシピ【完結】

旅する書斎(☆ほしい)
児童書・童話
【第3回きずな児童書大賞で奨励賞をいただきました】 魔法が学べる学園の「製菓科」で、お菓子づくりに夢中な少女・いちご。周囲からは“落ちこぼれ”扱いだけど、彼女には「食べた人を幸せにする」魔法菓子の力があった。 ある日、彼女は冷たく孤高な“氷の王子”レオンの秘密を知る。彼は誰にも言えない魔力不全に悩んでいた――。 「私のお菓子で、彼を笑顔にしたい!」 不器用だけど優しい彼の心を溶かすため、特別な魔法スイーツ作りが始まる。 甘くて切ない、学園魔法ラブストーリー!

わたしの婚約者は学園の王子さま!

久里いちご
児童書・童話
平凡な女子中学生、野崎莉子にはみんなに隠している秘密がある。実は、学園中の女子が憧れる王子、漣奏多の婚約者なのだ!こんなことを奏多の親衛隊に知られたら、平和な学校生活は望めない!周りを気にしてこの関係をひた隠しにする莉子VSそんな彼女の態度に不満そうな奏多によるドキドキ学園ラブコメ。

ぼくのだいじなヒーラー

もちっぱち
絵本
台所でお母さんと喧嘩した。 遊んでほしくて駄々をこねただけなのに 怖い顔で怒っていたお母さん。 そんな時、不思議な空間に包まれてふわりと気持ちが軽くなった。 癒される謎の生き物に会えたゆうくんは楽しくなった。 お子様向けの作品です ひらがな表記です。 ぜひ読んでみてください。 イラスト:ChatGPT(OpenAI)生成

城下のインフルエンサー永遠姫の日常

ぺきぺき
児童書・童話
永遠(とわ)姫は貴族・九条家に生まれたお姫様。大好きな父上と母上との楽しい日常を守るために小さな体で今日も奮闘中。 全5話。

運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!

克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
児童書・童話
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

瑠璃の姫君と鉄黒の騎士

石河 翠
児童書・童話
可愛いフェリシアはひとりぼっち。部屋の中に閉じ込められ、放置されています。彼女の楽しみは、窓の隙間から空を眺めながら歌うことだけ。 そんなある日フェリシアは、貧しい身なりの男の子にさらわれてしまいました。彼は本来自分が受け取るべきだった幸せを、フェリシアが台無しにしたのだと責め立てます。 突然のことに困惑しつつも、男の子のためにできることはないかと悩んだあげく、彼女は一本の羽を渡すことに決めました。 大好きな友達に似た男の子に笑ってほしい、ただその一心で。けれどそれは、彼女の命を削る行為で……。 記憶を失くしたヒロインと、幸せになりたいヒーローの物語。ハッピーエンドです。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:249286)をお借りしています。

処理中です...