47 / 73
46
「急だけれど十日後に夜会を開くことになったよ」
その日の帰りの馬車の中でエドワードが言った。
「……ほんとに急ですわね」
(たぶん、国王陛下と何か企、いや決めてきたんだろうけど)
「急いでリーアのドレスを仕立てないといけないな。王妃様が協力してくださるそうで明日邸にお針子を寄越してくださるそうだ」
「は?」
夜会はいつやろうが国王の勝手だが(それもどうかと思うが)、それと私のドレスに何の関わりが??
「とにかくリーアを今までで一番、いや君はいつだって一番美しいし今の装いでも充分女神のように輝いているが__「要点を話してくださいエドワード様」」
称えていただけるのはありがたいし嬉しいが話が進まないのは困る。
あと、単純に恥ずかしい。
いつからこんな美辞麗句を吐く人になったの?
これも遠征に行った先々で覚えたスキルなの?
それは今まで何も口にしてこなかったが故に八年振りに再会した最愛の相手に「どちら様ですか?」と言われ猛省したことと、頼れる部下たちに想いはその都度ちゃんと伝えろと叱咤されたからだったが、「もしかしてそれなりに女性とそういう会話をしてきたのかしら?」とアルスリーアに僅かな疑念を抱かせることになった。
ともあれ、
「とにかくその夜会で“誰よりも華やかに装って参加せよ“との御下命なんだ。費用は国王陛下が負担してくださるそうだ」
なんですと?
臣下の妻の装いが国王持ちなんてアリなんだろうか。
「国王陛下も王妃様もレベッカ王女のことで君への詫びも兼ねてとのことだ」
なるほど……、
じゃない、
詫びの気持ちってこんな高額商品化するものだっけっ?!
そのまま頷きそうになったところを、
「あの、詫びにしても高価すぎやしませんか」
「なに、その分慰謝料としてミレスナからふんだく、いや請求するから問題ないそうだ」
今ふんだくるって言ったよね?
いや、確かに他国の人間がいきなりこの国の伯爵の恋人を名乗って(書類上は)妻に離婚を迫るって大問題だけど。
ディーンとエドワードは“あの親子“って言ってたから、国王とあの王女はグルで何か企んでるってこと?
いくら王妃が亡くなってるからってあそこまでヤバい王女を放蕩三昧させるだろうか?
仮にも一国の王なのに。
考え込んでしまう私をよそに、
「大丈夫だ、次は絶対君の側を離れない。何があっても必ず守るから」
真剣な顔で言われ、私の思考は中断、もとい回路がボンっ!と音を立てて切れた。
こんなことをこの顔で言われて赤くならない女性がいるだろうか、いたら教えて欲しい。
赤くなった顔を見られないように俯いたままの私に「具合が悪いのか?!」と叫んでそのまま病院に駆け込みそうなエドワードに、「疲れただけなので早く帰りましょう」と出来るだけ落ち着いた声で言うのが精一杯だった。
その日の帰りの馬車の中でエドワードが言った。
「……ほんとに急ですわね」
(たぶん、国王陛下と何か企、いや決めてきたんだろうけど)
「急いでリーアのドレスを仕立てないといけないな。王妃様が協力してくださるそうで明日邸にお針子を寄越してくださるそうだ」
「は?」
夜会はいつやろうが国王の勝手だが(それもどうかと思うが)、それと私のドレスに何の関わりが??
「とにかくリーアを今までで一番、いや君はいつだって一番美しいし今の装いでも充分女神のように輝いているが__「要点を話してくださいエドワード様」」
称えていただけるのはありがたいし嬉しいが話が進まないのは困る。
あと、単純に恥ずかしい。
いつからこんな美辞麗句を吐く人になったの?
これも遠征に行った先々で覚えたスキルなの?
それは今まで何も口にしてこなかったが故に八年振りに再会した最愛の相手に「どちら様ですか?」と言われ猛省したことと、頼れる部下たちに想いはその都度ちゃんと伝えろと叱咤されたからだったが、「もしかしてそれなりに女性とそういう会話をしてきたのかしら?」とアルスリーアに僅かな疑念を抱かせることになった。
ともあれ、
「とにかくその夜会で“誰よりも華やかに装って参加せよ“との御下命なんだ。費用は国王陛下が負担してくださるそうだ」
なんですと?
臣下の妻の装いが国王持ちなんてアリなんだろうか。
「国王陛下も王妃様もレベッカ王女のことで君への詫びも兼ねてとのことだ」
なるほど……、
じゃない、
詫びの気持ちってこんな高額商品化するものだっけっ?!
そのまま頷きそうになったところを、
「あの、詫びにしても高価すぎやしませんか」
「なに、その分慰謝料としてミレスナからふんだく、いや請求するから問題ないそうだ」
今ふんだくるって言ったよね?
いや、確かに他国の人間がいきなりこの国の伯爵の恋人を名乗って(書類上は)妻に離婚を迫るって大問題だけど。
ディーンとエドワードは“あの親子“って言ってたから、国王とあの王女はグルで何か企んでるってこと?
いくら王妃が亡くなってるからってあそこまでヤバい王女を放蕩三昧させるだろうか?
仮にも一国の王なのに。
考え込んでしまう私をよそに、
「大丈夫だ、次は絶対君の側を離れない。何があっても必ず守るから」
真剣な顔で言われ、私の思考は中断、もとい回路がボンっ!と音を立てて切れた。
こんなことをこの顔で言われて赤くならない女性がいるだろうか、いたら教えて欲しい。
赤くなった顔を見られないように俯いたままの私に「具合が悪いのか?!」と叫んでそのまま病院に駆け込みそうなエドワードに、「疲れただけなので早く帰りましょう」と出来るだけ落ち着いた声で言うのが精一杯だった。
あなたにおすすめの小説
幼馴染が最優先な婚約者など、私の人生には不要です。
たると
恋愛
シュタイン伯爵家の長女エルゼは、公爵子息フィリップに恋をしていた。
彼の婚約者として選ばれた時は涙を流して喜んだが、その喜びもいまは遠い。
『君は一人でも大丈夫だろう。この埋め合わせは必ずする。愛している』
「……『愛している』、ですか」
いつも幼馴染を優先するアルベルトに、恋心はすっかり冷めてしまった。
夫は私を愛していないそうなので、遠慮なく離婚します。今さら引き止められても遅いです
藤原遊
恋愛
王妃付き護衛騎士である夫に、「お前を愛したことはない」と告げられた。
理由は単純。
愛などなくても、仕事に支障はないからだという。
──そうですか。
それなら、こちらも遠慮する必要はありませんね。
王妃の機嫌、侍女たちとの関係、贈り物の選定。
夫が「当然のように」こなしていたそれらは、すべて私が整えていたもの。
離婚後、少しずつ歯車は狂い始める。
気づいたときにはもう遅い。
積み上げてきた信用は、静かに崩れていく。
一方で私は、王妃のもとへ。
今さら引き止められても、遅いのです。
白い結婚のまま、旦那様は薔薇のような美人に夢中になりました
柴田はつみ
恋愛
伯爵令嬢リディアは、美貌で有名な侯爵レオンハルトに嫁いだ。
けれど結婚して二年、夫婦は一度も結ばれないまま――白い結婚だった。
それでも旦那様は優しかった。
冷たいわけではない。気づかいの言葉も、穏やかな笑顔もくれる。
だからリディアは、愛されてはいなくても、いつか少しは夫婦になれるのではないかと信じていた。
そんなある日、彼女は知ってしまう。
旦那様が薔薇の君と呼ばれる絶世の美女に心を奪われていることを。
彼が触れなかったのは私にだけだったのだと。
都合のいい奥方として、役に立っていたと悟る
静かに離縁を決意したリディアは、実家へ戻ったあと、女子学院で働き始める。
すると侯爵夫人時代には当たり前だった実務のすべてが、外では驚くほど必要とされていた。
感謝され、認められ、自分の足で立ち始めた彼女は、少しずつ見違えるほど美しくなっていく
片思いの貴方に何度も告白したけど断られ続けてきた
アリス
恋愛
幼馴染で学生の頃から、ずっと好きだった人。
高校生くらいから何十回も告白した。
全て「好きなの」
「ごめん、断る」
その繰り返しだった。
だけど彼は優しいから、時々、ご飯を食べに行ったり、デートはしてくれる。
紛らわしいと思う。
彼に好きな人がいるわけではない。
まだそれなら諦めがつく。
彼はカイル=クレシア23歳
イケメンでモテる。
私はアリア=ナターシャ20歳
普通で人には可愛い方だと言われた。
そんなある日
私が20歳になった時だった。
両親が見合い話を持ってきた。
最後の告白をしようと思った。
ダメなら見合いをすると言った。
その見合い相手に溺愛される。
悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています
かきんとう
恋愛
王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。
磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。
その中心に、私は立っていた。
――今日、この瞬間のために。
「エレノア・フォン・リーベルト嬢」
高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。
文句を言わない婚約者は、俺の愛する幼馴染みを許していなかった【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
幼馴染を優先しても、婚約者アウローラは何も言わない。だから、これからも幼馴染みとイチャイチャできる──
侯爵令息トリスタンは、そんな甘い幻想を信じていた。
だが婿入りした瞬間、彼の“軽んじた態度”はすべて清算される。
アウローラは冷徹に、トリスタンの傲慢と欲望を1つずつ暴き、労働と屈辱を与える。
そして最後に残ったのは、誰にも必要とされない現実だけ。
「どうして……俺は、こんなにも愚かだったんだ」
これは愛を勘違いし、身分を過信し、自分の価値を見誤った男の終焉を描くダークドラマ。
⚠️ 本作は AI の生成した文章を一部に使っています。過激ざまぁタグあります。
4/1「エステルに対する殺意」の内容を一部変更しました。
婚約者の王太子が平民と結婚するそうです──どうぞ、ご勝手に【完結保証】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王太子エドモンが平民との“真実の愛“を宣言した日、王国の均衡は崩れた。
エドモンの婚約者である公爵令嬢エヴァは、公衆の面前で婚約破棄され、更には婚約者のいるクラウディオ・レンツ公爵との結婚を命じられる。
──そして舞踏会の夜。
王太子妃になった元平民ナタリーは、王宮の礼儀も政治も知らぬまま混乱を引き起こす。
ナタリーの暴走により、王家はついにエヴァを敵に回した。
王族は焦り、貴族は離反し、反王派は勢力を拡大。
王国は“内乱寸前”へと傾いていく。
そんな中、エヴァの前に跪いたのは王太子の従弟アレクシス・レンツ。
「僕と結婚してほしい。
僕以外が王になれば、この国は沈む」
冷静で聡明な少年は、エヴァを“未来の国母”に据えるためチャンスを求めた。
「3ヶ月以内に、私をその気にさせてご覧なさい」
エヴァは、アレクシスに手を差し伸べた。
それからの2人は──?
⚠️ 本作は AI の生成した文章を一部に使っています。視点が頻繁に変わります。
ベールを上げた新郎は『君じゃない』と叫んだ
ハートリオ
恋愛
結婚式で新郎に『君じゃない』と叫ばれたのはウィオラ。
スピーナ子爵家の次女。
どうやら新郎が結婚する積りだったのは姉のリリウム。
ウィオラはいつも『じゃない方』
認められない、
選ばれない…
そんなウィオラは――
中世ヨーロッパ風異世界でのお話です。
よろしくお願いします。