貴方と雪と僕

しろちゃん

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委員長が家の前に?!

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「で、本当に休むの?」
「うん。そうするよ」
「そ、好きにすればいいわ」
「そういう放任主義なの好きだよ」
「ま、アンタの人生だし」
今の時間帯は7時10分。
学校に行く時だと制服に着替えて朝食を食べながらゆっくりしているところだ。
「ご馳走様、行ってくるよ」
「お粗末様、いつもの場所?」
いつもの場所とは、桜が綺麗な場所だ。
「それじゃ、いってきま」
と言ってドアを押すと。
「おはよーございまぁす!!」
びっくりして、ドアを閉めようとすると、足をドアの間に挟めてきた。
「ふふふ、これで閉められませんよォ!」
「母よ!不審者だ!助けてくれ!」
「なに?あら、お友達?」
「そうです!」
「ちがぁう!絶対だぁ!」
「お母様!私は、綉君のお友達です!」
「友達じゃないぞ!」
「あら、お母様だなんて」
「綉準備しなさい」
「母上ぇ!?」
生まれて初めてこんな声を出したと思う。
「イテッ!何するんだ!母上」
「何ってチョップよ」
そういう事を聞いてるんじゃない!と、心中で叫ぶのだった。


はぁ、とため息をつく。
「なんかあった?」
と浅野に聞かれる。
「そりゃ、朝は散々だったよ」
「そう、お気の毒に」
心配でもしてるのかと思えばクスクスと笑っている。
「ていうか、ダルいんだけど、お前は楽しそうだな」
「そりゃもう!楽しみすぎて昨日の夜眠れなかったもん!」
「楽しみにしてるのは、お前だけ...じゃなくてお前と委員長くらいだぞ」
バス内を見るがみんな気だるそうだ。
「そういや、委員長の名前って?」
「ん?あぁ、委員長の名前はね、齋藤美久だよ(さとう みく)」
「なるほどな」
なぜサイトウと言う漢字なのに、サトウと読むのか謎だがな。
「う、すこし酔ってきた…」
「ガムいる?」
「食べる」
ガムをひと噛みするとミントの香りがして酔いが軽減された気がした。
「ありがとう...」
「お?感謝の言葉珍しい!」
「んだよ、せっかく人が10年にあるかないかくらい久々に感謝の言葉を言ってやったのに」
「そうだね!ありがとうって言ってくれてありがとう!」
「なんじゃそりゃ」
「あ~やばい、めっちゃつれぇわ」
「肩空いてるよ」
「いや、いいや」
「女の子に甘えようよ...しかも美少女だよ?」
「自分で言うなっての...うっ」
吐き気が凄くなってきたが我慢する。
「ほら、甘えなって」
「うん」
「普通男の子が肩貸すんだけどなぁ」
「嫌なら辞めるぞ」
「いや!全然!」
そして僕は肩を借りて寝るのだった...
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