貴方と雪と僕

しろちゃん

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初めての女の子手料理は...?

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僕はソファでぐったりしていると目の前に様々な料理が置かれた。
「綉君が何が好きか分からなかったので色々作ってみました」
「お、おう...」
肉じゃがに魚、更にはサラダまで。
色々種類も豊富だな、なんて思いながらそれぞれを口にする。
「うん、店開いていいぞ」
それはあまりにも桜の料理が美味しかったからこんな言葉が出てきた。
今思えばこれ女の子の手料理じゃんか...
やべー味わって食べなきゃだな。
もぐもぐと箸をすすめていると。
「そんなに美味しいですか?私の料理は」
「あぁ、とても美味しいよ。毎日作ってほしいくらいだよ」
「そうですか?じゃあ毎日作りに来ますね!」

「ブフォ?!?!」
「ちょちょちょ!どうしたんですか?!?!」
「いや、毎日作りに来るってどういうことだ桜」
「そのまんまですよ?明日から毎日私が来て綉君のために料理を振る舞いに来るんです」
それ自体がおかしいんだよなぁ...
ま、普通に助かるからいいんだがな。
そういえば、と桜は口にする。
「ご両親は?」
「父は死んだ。母は今仕事でいない」
「なんかすいません...」
そう謝る桜。
「別に、謝んなくてもいいぞ」
少し重たい空気になる中僕はご飯を食べ終わった。
「ご馳走様」
「お粗末様です」
すると次々と皿が運ばれていく。
「手馴れてるなぁ」
「いつもやってるので!」
ふ~んと、僕は聞き流す。
「そうだ、散歩行ってくる」
「え、ちょっと待ってください!私も行きます!」
そして僕は一足先に家を出るのだった...



僕はいつもの場所に来ていた。
そこは僕のお気に入りの場所。
どんな時でも綺麗に魅せる不思議な木。
するとそこには--奈々瀬がいた。
「帰ろ」
そう言葉を零すと。
「ちょちょ!待ってよ!」
「んだよ」
「ここに美少女がいるのに声をかけてあげないの?!」
「かけない。めんどくさい」
「酷い!」
そういうくだらない会話をしていると風がヒューっと僕らの間を通る。
「寒いな」
僕は木に寄りかかりながら言う。
「そうだねぇ...」
奈々瀬も木に寄りかかる。
「なんか懐かしいね。私達が出会ったことを思い出すなぁ...」
「出会ったことって...数ヶ月前だろ?」
「え?覚えてないの?私は何年も前に君にあってるのに?」
「知らない。覚える気もない」
「さっきから酷くない?!」
「知らん、僕は寒いから帰る」
そういって手をヒラヒラと振り家に帰宅するのだった...
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